借金相談
借金について相談できる窓口8選!どこを頼ればいいか迷ったらまず弁護士を選ぼう
2024.11.12
借金を抱えている方は生活保護を受給できるのか、生活に困窮している場合は気になるところです。
失業や病気など何らかの事情があり、借金返済の目途が立たなくなるケースは大いにあり得ます。
そのような状況に陥ったとき、生活保護もしくは自己破産はひとつの対応策です。
本記事では、生活保護の受給要件や手続き方法、そして生活保護受給者の自己破産などを解説します。
抱えている借金が全て免除になる可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
生活保護は借金があっても受給可能です。
受給条件に関しては、生活保護法に基づいて以下のとおり定められています。
世帯全員が条件を満たす必要がありますが、借金の有無は関係ありません。
【生活保護の3つの受給要件】
借金がある人が生活保護の申請をする際、どのような手続きをして、どのように受給されるのでしょうか。
ここでは、大まかな流れを解説します。
まず、住んでいる地域の福祉事務所の生活保護担当窓口に相談へ行きましょう。
福祉事務所が設置されていない地域の場合は、最寄りの町村役場でも相談可能です。
また、決まった住居がない場合は最寄りの福祉事務所から申請します。
なお、相談の際は身分証、給与明細、通帳、障がい者手帳、診断書など自分の状況を示せるものを持参してください。
相談に行くと、生活保護制度の説明や生活福祉資金、各種社会保障施策などに関する説明を受けます。
体調が悪く福祉事務所へいけない場合は、職員またはケースワーカーに自宅へ訪問してもらうよう連絡しましょう。
相談のあと、生活保護の受給申請をおこなう場合は、福祉事務所にある申請書に必要事項を記入のうえ、窓口へ提出してください。
申請ができるのは本人または扶養義務者、同居の親族です。
ただし、本人が急迫した状態にあるときは申請がなくても必要な保護を受けられます。
生活保護の受給申請をおこなうと、審査として以下の調査がおこなわれます。
なお、親族がいる場合は仕送りの意思があるかを確認され、場合によっては福祉事務所の職員が自宅に訪問することもあります。
スムーズに生活保護を受給するためには、調査には誠実に協力しましょう。
調査の結果、利用決定となると生活保護が支給されます。
原則として、申請があった日から14日以内に生活保護開始決定通知が送付されます。
生活保護が受けられないと判断された場合は却下通知書が送付され、却下通知に対して不服がある場合は審査請求が可能です。
なお、生活保護の受給中は収入の状況を正確に申告してください。
また、福祉事務所のケースワーカーが年に数回訪問して、就労可能な方に対しては就労に向けた指導や助言がおこなわれます。
指導が不当でない限り、受給者は従わなければなりません。
生活保護は受給者が働けるよう自立を促すものであるため、経済的に自立できるよう努力しましょう。
借金があっても生活保護は受給できますが、借金の返済に充てると不正受給に該当する可能性があります。
そのため、すでに返済しきれないほどの借金がある場合は自己破産を視野に入れる必要があるでしょう。
ここからは、借金返済を求められた場合に自己破産をしたほうがよい理由を解説します。
生活保護受給時に債務整理をおこなう場合は自己破産が適しています。
債務整理には任意整理や個人再生などがありますが、減額されたとしても3年~5年は返済が続くため、生活保護を受給する場合は日々の生活が困窮するでしょう。
一方で、自己破産は借金の金額に制限なく全額免除となるため、生活保護を受給しているならば最適な方法といえます。
自己破産をするとデメリットのほうが大きいのではと不安に感じる方もいるかもしれませんが、生活保護の受給中であれば自己破産による生活への影響は比較的小さいでしょう。
自己破産による主なデメリットは以下のとおりです。
自己破産をすると高価な財産は処分されますが、生活保護の受給においても財産を所有していないことが条件となるため影響は小さいでしょう。
また、生活保護受給者は生活に必要な収入を確保できていないことが条件となるため、クレジットカードやローンを利用していないことが想定されます。
そのため、クレジットカードやローンが利用できないことも、現状の生活には大きく影響しないはずです。
そのほか、賃貸住宅契約や海外渡航についても生活保護の受給中であれば、デメリットとはならないでしょう。
ただし、借金に連帯保証人がいる場合は、自分が自己破産をすることで保証人が借金を返済する義務を追ってしまう点には注意が必要です。
とくに、お世話になった人や家族を保証人にしている場合、迷惑がかかるので事前にしっかりと説明・相談をしておきましょう。
また、自己破産をすると、国が発行している官報に氏名や住所など個人情報が掲載されることも知っておいてください。
一般人が官報を閲覧することはほとんどないため、周囲に自己破産の事実がバレる可能性は極めて少ないものの、自分の情報が公開される分、自己破産をしたことがバレる可能性はゼロではありません。
債務整理には、大きく任意整理・個人再生・自己破産の3つの手続きがあります。
任意整理は債権者と直接交渉して利息をカットしてもらい、財産を残しながら元本のみを分割で返済する手続きです。
個人再生は、裁判所に申し立てをして借金を5分の1~10分の1まで大幅に減額したうえで、残りを分割で返済していく手続きです。
しかし、この2つは3年~5年の期間をかけて返済していくため、安定した収入がない、返済の目途が立てられない場合は利用できません。
生活保護受給者は保護費を返済に充てられないため、自己破産以外の方法は認められない可能性が高いでしょう。
その点、自己破産は全ての借金が免除されるため、任意整理や個人再生のように支払い義務が発生しません。
生活保護受給者または、受給予定者は自己破産を選択することになります。
債務整理をしても生活保護の申請には影響しないため、借金を抱えている方は選択肢のひとつにしてみてください。
自己破産をするにあたって、生活保護受給者は手続きにかかる費用が心配でしょう。
経済的な理由で手続きをためらっている場合は、公的機関である法テラスへの相談をおすすめします。
法テラスでは1回30分までの無料法律相談をおこなっています。
相談は事前予約制で、同一の問題でも3回までは無料で相談可能です。
また、弁護士費用などの立て替えもおこなっており、生活保護受給者でも利用できます。
さらに、生活保護受給者の場合は弁護士費用の返済の猶予や免除申請も可能です。
【参考】お近くの法テラス | 法テラス
ここからは、借金をそのままにして生活保護を受給した場合の注意点を解説します。
場合によっては不正受給になるケースもあるため、よく確認しておきましょう。
生活保護には債権者と債務者間の契約を解除したり、債務者の借金返済の義務を免除したりといった効力がないため、受給を開始しても借金の取り立てがなくなるわけではありません。
借金返済の取り立てをストップさせるには、弁護士から債権者に送られる受任通知が必要となります。
受任通知とは、自己破産手続きの依頼を受けた弁護士などが代理人になったことを知らせる通知で、受任通知が届き次第、債権者からの電話や督促状、訪問などがストップします。
取り立ては精神的ストレスとなり得るため、自己破産を検討する場合は早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
生活保護費で借金の返済をおこなうと、不正受給となる可能性があります。
その理由は、生活保護費で扶助されているのは以下に限られ、借金を返済するための費用ではないからです。
また、借入は収入とみなされ受給額が減額されるため、生活保護費の受給中に新たな借金をするのは避けましょう。
また、借入を申告せずにいると不正受給とみなされてしまうので注意が必要です。
福祉事務所は、生活保護受給者と取引のある金融機関を調査できるため、受給中の借入や借金の返済が発覚する可能性は高いです。
どうしても借入が必要な場合は家計を見直す、もしくはケースワーカーに相談してください。
借金を滞納していて生活保護費が預金口座に振り込まれている場合、債権者が裁判所に申し立てをおこなうと口座残高が差し押さえられる可能性があることも知っておきましょう。
本来であれば生活保護費は差押禁止債権に指定されているため差し押さえの対象にはなりません。
しかし、預貯金は差し押さえの対象となるため預金口座に振り込まれた時点で差し押さえとなってしまうのです。
このような場合は、生活保護費の差し押さえ解除を裁判所へ申し立てる必要があります。
手続きの方法がわからないときは、法テラスを利用して弁護士へ相談しましょう。
借金があっても生活保護の申請・受給は可能ですが、受給する際は抱えている借金を返済しなければなりません。
しかし、生活保護を受給する生活環境では返済は困難と考えられるため、自己破産を検討してみましょう。
なお、法テラスを利用すれば費用の立て替えや免除になる可能性があるため、現状をリセットするきっかけになることが期待できます。
まずは居住地域の福祉事務所へ足を運び、生活保護を申請したい旨を相談しましょう。
自己破産をしても生活保護の審査や受給後の生活への影響は小さいため、働けず困っている場合は早めに行動を起こしてください。
ひとりで悩まず、相談できる機関で適切なアドバイスをもらうことが解決への第一歩です。