任意整理
債務整理のネット完結は原則できない!できる限りネットで済ませる方法も解説
2024.11.25
借金問題を債務整理で解決する場合、家族への影響を理解しておく必要があります。
「家族に借金がバレるとまずい」という方は、債務整理の方法を十分に検討しなければなりません。
債務整理には任意整理や個人再生、自己破産などの種類があるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットも必ず把握しておきましょう。
本記事では、債務整理のメリット・デメリットや家族への影響、家族にバレにくい借金問題の解決方法などをわかりやすく解説します。
債務整理の方法には任意整理や個人再生、自己破産があり、本人の経済的更生や経済力の回復を目的としています。
借金はあくまでも本人だけの問題になるため、債務整理しても家族にデメリットが生じるケースはほぼありません。
債務整理は財産を処分されるケースもありますが、一定要件を満たせば、自宅や車は手元に残せます。
家族への影響や財産の処分が気になる方は、以下も参考にしてください。
借金問題を債務整理で解決する場合、自宅や車が処分されるケースは限定されています。
たとえば、任意整理は債権者と直接交渉し、特定の借金のみ減額するため、基本的に自宅や車の処分はありません。
個人再生も住宅ローンを対象外とする扱いがあり、一定要件を満たすとローン返済中の自宅を残せます。
自己破産は自宅や車などの高額な財産を処分しなければならなくなりますが、家財道具や生活家電、評価額20万円以下の車や99万円までの現金などを残せるので、人生の再起を図れます。
賃貸物件に住んでいる場合も、債務整理が退去理由にはならないため、生活拠点を失う状況にはなりません。
債務整理をすると信用情報機関の事故情報に登録されますが、家族は関係ないため、配偶者は自己名義のクレジットカードなどを問題なく利用できます。
また、クレジットカード会社は債務者以外の信用情報を確認することもありません。
借金の滞納がある場合でも、家族が返済に応じる必要はないので安心してください。
債務整理と家族のライフイベントには関係性がないため、子どもの進学・就職・結婚には影響しません。
信用情報機関には債務者本人や金融機関しか照会できないので、学校関係者や子どもの婚約者に事故情報を知られる恐れもありません。
債務整理しても家族の信用情報に傷はつきませんが、以下のようにデメリットが生じるケースもあります。
借金問題を抱え続けていると、子どもの進学や遺産相続などに悪影響を及ぼすでしょう。
債務整理した人の同居家族がローンなどを契約する場合、審査を通過しないケースがあります。
同居家族がローンやクレジットカードなどを申し込むと、金融機関やカード会社は信用情報機関に照会し、事故情報の有無などを調査します。
住所や電話番号が債務整理中の人と同一であれば、生計も同じと判断されるため、審査はかなり厳しくなるでしょう。
借金に保証人を設定している場合、個人再生や自己破産で債務整理すると、保証人に返済義務が移行します。
家族が借金の保証人であれば、本人の代わりに返済しなければなりません。
保証人の家族に返済義務を背負わせたくないときは、任意整理や特定調停で借金問題を解決しましょう。
債務整理によって事故情報登録されると、子どもが奨学金を利用する際の保証人になれません。
奨学金を申し込む場合、保証人も信用情報を調査されるため、事故情報の登録があると審査を通過しないでしょう。
なお、親のどちらかが債務整理中であれば、もう一方の親を保証人にして奨学金を借りる、または保証料を支払って保証機関制度を利用する方法もあります。
債務者が借金を残したまま死亡すると、返済義務を家族が相続しなければなりません。
借金を相続する場合、遺産分割協議で負担割合を決めても構いませんが、債権者から請求があったときは、法定相続分どおりに支払う必要があります。
相続人は相続放棄や限定承認を選択することにより、支払い義務を免れることができますが、家庭裁判所への申述が必要になっており、期限は相続人となったことを知ってから3ヵ月以内です。
家族に借金があることを伝えていなかった場合、相続放棄や限定承認の選択を誤る恐れもあるでしょう。
家族に内緒で債務整理したいときは、まず任意整理を検討してください。
任意整理は短期間で決着する場合が多く、裁判所に出向く必要もないため、家族に内緒で手続きを進められる可能性があります。
個人再生や自己破産は半年~1年近くかかるケースがあり、裁判所に出向く回数や提出書類も多いので、家族にバレる確率が高いでしょう。
ただし、債務整理の手続きを進める際は、以下の状況で家族にバレる恐れもあるので注意が必要です。
債権者や裁判所に提出する書類を一人で準備すると、家族は「一体何をしているのか?」と不審に思う可能性が高くなります。
債務整理中に滞納があった場合は、電話や手紙の督促で家族にバレるかもしれません。
ほかにも、事故情報が残っている間は新たな借入れができないため、ローンなどを申し込むと、審査落ちの通知を家族が受け取る場合もあります。
弁護士に債務整理を依頼するときは、「連絡は平日の○時から○時まで。電話のやりとりは携帯電話のみ」などのルールを決めておきましょう。
債務整理は単なる事務手続きではないため、家族に内緒で手続きを進めたいときや、借金の返済負担を軽くしたいときは、弁護士に依頼してください。
弁護士は以下のように対応してくれるので、借金問題の早期解決を期待できます。
債務整理を受任した弁護士は債権者あてに受任通知を送付し、債権者からの督促がストップします。
受任通知は自分では送ることができないので、専門家に依頼せずに債務整理した場合には督促は止まりません。
弁護士に依頼して借金の督促が止まるとストレスから解放されるため、仕事に集中したい方や、債務整理を家族に内緒にしておきたい方は、弁護士に依頼するメリットが大きいでしょう。
弁護士に債務整理を依頼した場合、任意整理や個人再生などの成功率が高くなります。
任意整理は債権者との話し合いで借金を減額するため、高度な交渉テクニックが必要です。
個人再生や自己破産は提出書類が多く、何度も裁判所に出向かなくてはならないため、休暇を取りにくい方は手続きに対応できません。
弁護士は任意整理の交渉術に長けており、裁判所の手続きにもすべて対応してくれるので、安心して債務整理を任せられます。
弁護士に家庭事情などを伝えておくと、家族にバレないように債務整理を進めてもらえます。
借金問題を勤め先や家族に知られたくないときは、弁護士と連絡する際のルールを決めておきましょう。
弁護士は依頼者の事情を考慮し、自宅の固定電話に連絡するときは弁護士を名乗らないなど、細かな配慮もしてもらえます。
弁護士に債務整理を依頼した場合、書類作成や債権者との交渉などを代行してくれます。
自分で債務整理に対応する方もいますが、時間をかけて手続きの進め方を習得しても、基本的には次に活かせる機会がありません。
仮に二度目の債務整理が必要になったとしても、社会情勢の変化や法改正があると、数年前の知識やノウハウは通用しない可能性があるでしょう。
自分で債務整理すると失敗の確率が高く、時間もかかってしまうため、弁護士への依頼が得策といえます。
借金問題を弁護士に相談すると、適切な債務整理の方法を提案してもらえます。
たとえば、自分では個人再生がベストな選択と思っていても、借金や収入、資産などの状況を考慮すると、任意整理が最善策になる可能性もあります。
借金の減額や免除だけに注目した場合、個人再生や自己破産は有効な手段ですが、保証人への影響や財産の処分も考えておかなければなりません。
債務整理は総合的な判断が必要になるため、迷ったときは弁護士に相談してみましょう。
債務整理には費用がかかり、家族のローン審査にも影響するため、以下のQ&Aも参考にしてください。
クレジットカードやローンを利用したいときは、事故情報の登録期間も理解しておくとよいでしょう。
債務整理の費用は以下のようになっており、裁判所に支払う費用と弁護士費用で構成されます。
債務整理の方法 | 裁判所へ支払う費用 | 弁護士費用 |
任意整理 | なし | 債権者1件あたり5万~15万円程度 |
個人再生 | 20万円程度 | 40万~60万円程度 |
自己破産 | 30~80万円程度 | 50万~80万円程度 |
弁護士費用は法律相談料や着手金、報酬金などの種類があり、法律事務所ごとに異なります。
また、裁判所へ支払う費用についても事案毎に異なります。
着手金は委任契約時に支払いますが、弁護士によっては着手金無料で債務整理を受任してくれるため、まとまった資金がなくても借金問題を解決できるでしょう。
ただし、最終的な費用は着手金を支払う場合と変わらないことも多いので、依頼前には費用詳細を必ず確認してください。
債務者が別居している場合、家族がローン審査を通りやすくなる可能性があります。
家族と別居して住所や連絡先が別々になると、同一生計の家族とはみなされなくなるため、配偶者や子どもはローンの審査を通過しやすくなります。
ただし、債務者の事故情報が別居前の住所で登録されていると、家族もローンの審査を通らない可能性があるので、住民票の変更や債権者への届出が必要です。
債務整理後にローンを組みたいときは、以下の期間を経過している必要があります。
借金の完済から5~7年経過すると、信用情報機関の事故情報が抹消されるため、車のローンや住宅ローンなどの契約が可能になります。
債務整理は無条件ではないため、多少のデメリットや家族への影響もあり得ます。
借金の減額や免除には数ヵ月~1年程度の時間がかかり、自分1人で対応すると失敗するリスクもあります。
債務整理には交渉力も必要になるため、専門家のサポートが欠かせないでしょう。
借金問題に困っている方や、債務整理の影響を最小限に抑えたい方は、弁護士への相談をおすすめします。