任意整理
債務整理のネット完結は原則できない!できる限りネットで済ませる方法も解説
2024.11.25
借金問題の解決方法を「債務整理」といい、任意整理や個人再生、自己破産などの種類があります。
債務整理すると借金の返済負担が軽くなる、または借金の全額免除となりますが、無条件ではありません。
基本的にはクレジットカードが使えなくなるため、一定期間は生活に影響が出てしまうでしょう。
クレジットカードが使えなくなると、日常的な支払いをクレジットカードで済ませている方は特に不便に感じるはずですので、代替手段の理解も必要です。
本記事では、債務整理でクレジットカードが使えなくなるケースや、利用再開までの期間、カードが使えない間の代替手段などをわかりやすく解説します。
債務整理にはいくつかの種類があり、任意整理は今後発生する利息のカットや、返済額・返済期間などを見直す方法です。
任意整理は債権者との直接交渉になるため、裁判所を介した手続きが必要なく、返済負担を軽くしたい借金を自分で選べます。
ただし、カード会社と交渉して任意整理すると、対象のクレジットカードは解約されるため、キャッシングや買い物の分割払いなどは利用できません。
クレジットカードの付帯保険や、家族カードも使えなくなるので注意してください。
債務整理しなかったクレジットカードについても、一定期間を経過すると使えなくなる可能性があります。
カード会社との交渉で任意整理が成立すると、信用情報機関に事故情報が登録されるため、いわゆる「ブラックリスト入り」の状態になります。
任意整理していないカード会社も更新時には事故情報を確認するので、「自社への支払いも滞る恐れがある」と判断した場合、カードの利用に制限をかけるでしょう。
任意整理中に滞納がなかったとしても、事故情報に登録されている間はクレジットカードを利用できません。
債務整理でブラックリストに載った場合、クレジットカードが使えるようになるまで以下の期間がかかります。
事故情報が削除される期間は任意整理や個人再生、自己破産によって異なるので確認しておきましょう。
債務整理で借金問題を解決した場合、以下の期間を経過するとクレジットカードを使えるようになる可能性があります。
たとえば、3年間で任意整理する場合、「返済期間3年+完済後5年」の期間が必要になるため、8年経過しなければクレジットカードを使えません。
借金の完済後にクレジットカードを利用する際は、カード会社の審査を通過しなければならないので、必ずしも契約できるとは限りません。
なお、クレジットカードの利用停止は債務整理する旨を債権者に通知したとき、または債権者が弁護士などから受任通知を受け取ったタイミングです。
債務整理すると5~7年間はクレジットカードが使えないため、買い物などの支払いは基本的に現金決済になります。
どうしてもカード決済したいときは、以下の代替手段を検討してください。
デポジット型のクレジットカードであれば、カード会社に保証金を預けると、クレジット払いが可能になります。
カード会社に預けた保証金の額が利用限度額となり、ショッピングにクレジット払いを使うと預金口座から代金が引き落とされます。
デポジット型のクレジットカードは預金残高以上の買物ができないため、支払不能になるリスクがありません。
利用可能なサービスは一般的なクレジットカードとほぼ同等になっており、退会すると保証金は返金されます。
入会時の審査も通りやすいので、仕事の都合で海外出張するときなど、急にクレジットカードが必要になったときはデポジット型をつくっておくとよいでしょう。
債務整理しても家族は事故情報に登録されないため、家族名義のクレジットカードは問題なく利用できます。
家族がクレジットカードを契約している場合は、家族カードをつくって債務整理した人に渡すと、今までと同様にカードの支払いが可能です。
なお、カード利用の代金は本会員に請求されるため、無計画な使い過ぎには注意してください。
買い物などの代金をデビットカードで支払うと、預金口座から即時決済されます。
コンビニエンスストアや大手のスーパーなど、小売店の多くはデビットカードに対応しており、現金がなくても買い物ができます。
デビットカードには以下の種類があり、信用情報の審査がないため、債務整理した人も作成可能です。
国際ブランドデビットを契約すると、ネット通販の支払いにも利用できます。
預金残高を超える買い物はできないので、無駄遣いの防止にもなるでしょう。
有料道路や高速道路を使う機会が多い方は、ETCパーソナルカードを利用してみましょう。
ETCパーソナルカードもデポジット型になっており、保証金を預けると、キャッシュレスで料金所を通過できます。
利用料金は翌月の口座振替になっており、基本的には信用情報の審査もないため、債務整理した人でも作成可能です。
チャージ式のプリペイドカードは審査がなく、チャージした金額の範囲内で利用できます。
Suicaなどの交通系ICカードや、コンビニエンスストアのプリペイドカードであれば、債務整理後でも作成可能です。
海外で利用する予定があるときは、Visaなどが発行するカードをつくっておくとよいでしょう。
チャージ式のプリペイドカードは分割払いに対応しておらず、現金をチャージする手間もかかりますが、ポイント付与のメリットもあります。
スマートフォンのQRコード決済には「PayPay」などがあり、決済方法は事前のチャージや預金口座からの引き落としです。
QRコード決済は審査がないため、債務整理後でも問題なく利用できます。
カード決済の利用を控えたい方は、事故情報が抹消されるまで現金払いにしてみましょう。
デポジット型やチャージ型のカードは「預金残高=利用限度額」ですが、浪費癖がある場合、残高ぎりぎりまで無計画に使ってしまうかもしれません。
債務整理が完了しても、浪費癖が治らなければ「借金苦」の繰り返しになるため、現金決済を習慣化しておくとよいでしょう。
信用情報機関の事故情報が抹消されても、クレジットカードをつくれるかどうかはカード会社の審査次第です。
債務整理後にクレジットカードをつくるときは、以下のポイントを押さえておきましょう。
債務整理中や、債務整理後も確実な返済を続けると、返済実績が信用情報機関に登録されます。
滞納せずにこつこつ返済した場合、確実性や堅実性を評価してもらえるため、新たなクレジットカードもつくりやすくなるでしょう。
利用限度額の低いクレジットカードは審査が緩やかになっており、債権者側も回収不能リスクが低いため、債務整理後でも契約できるケースがあります。
毎月の返済を確実におこない、実績を残しておくと、利用限度額を引き上げてもらえる場合もあります。
債務整理後にクレジットカードをつくるときは、同時申込みを避けてください。
複数のクレジットカードを同時に申し込むと、各カード会社が信用情報を照会するため、信用情報機関に開示依頼の記録が6ヵ月程度残ります。
信用情報の照会が集中している場合、各カード会社は「借りるだけ借りて逃げるのではないか?」と考えるため、すべての審査を通過しない可能性があります。
債務整理後にクレジットカードの審査に落ちたときは、次の申込みを半年以上待ってください。
何度も契約を申し込むと、信用情報機関に各カード会社の照会記録が残り、「お金に困っている」と判断される恐れがあります。
クレジットカードは収入も審査基準になっているため、債務整理後に収入を上げると、審査に通りやすくなります。
ただし、偶然的な収入には安定性がないので、ギャンブルで高収入を得たケースであれば、審査の通過は難しいでしょう。
同じ会社に長く勤めると収入が安定するため、クレジットカードをつくりやすくなります。
一方、転職を繰り返すと収入が不安定になり、退職後の無収入期間もあるため、審査の通過が難しくなります。
債務整理が完了しても、審査を通過しなければクレジットカードはつくれません。
また以下の行為はカード会社や金融機関の信用を失い、新たな借入れができなくなるので注意しましょう。
クレジットカードの審査結果を何度も問い合わせると、信用情報機関への登録情報も多くなるため、審査に悪影響を及ぼす恐れがあります。
問い合わせの繰り返しで登録情報が増えた場合、審査通過の可能性を自ら潰してしまう事態になりかねません。
金融機関も信用情報機関へ照会するため、住宅ローンなどの高額な借入れも難しくなるでしょう。
虚偽内容の申込みは高確率で発覚するため、勤め先や年収、ローンの借入先などをごまかすと、クレジットカードはつくれません。
多重債務など隠すと信用情報に傷がつき、新たな借入れをすべて断られる可能性もあります。
パソコンやスマートフォンでクレジットカードを申し込む際も、必ず正確な情報を入力してください。
任意整理するとクレジットカードが使えなくなるため、買い物などの支払い方法が制限されます。
信用情報機関に事故情報が登録されると、5年や7年はローンも組めないので、スマートフォンや車の買い替えにも支障をきたすでしょう。
任意整理のデメリットが大きいときは、別の債務整理を検討する必要もあります。
借金問題は自己解決が難しいため、困ったときは弁護士に相談してみましょう。