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2024.11.29
クレジットカードの利用額が膨らみ、支払いが困難になってしまったことを悩んでいる方は少なくありません。
クレジットカードの支払い額は債務整理をすることで減額できますが、債務整理にはデメリットも存在します。
また、債務整理の手続きには以下のように「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、どれを選ぶかは状況により異なります。
債務整理の種類 | 概要 | 借金減額の効果 |
---|---|---|
任意整理 | 債権者と交渉して利息カットと3~5年の長期分割払いを目指し、借金返済の負担を軽減する | 最も小さい |
個人再生 | 裁判所に再生計画(借金の返済計画)の認可を受けたうえで、借金を5分の1程度まで減額し、残りを原則3年(最大5年)で返済する | 大きい |
自己破産 | 裁判所の許可を得て、借金全額の返済義務を免除してもらう | 最も大きい |
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、慎重に適切なものを選ぶ必要があります。
本記事では、債務整理によってクレジットカード減額をする方法と、デメリットについて詳しく解説します。
また、ブラックリストに載った状態でクレジットカードを使いたいときの対処法や、クレジットカードの支払いやリボ払いの減額を目指す場合の債務整理についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
まずは、任意整理・個人再生・自己破産いずれの債務整理を選んだ場合にも共通する主なデメリットについて見てみましょう。
債務整理をすると、ブラックリストに登録されてクレジットカードの発行や利用が難しくなります。
ブラックリストに登録されるというのは、債務整理をした事実が一定期間「信用情報機関」に登録される状態を指します。
信用情報機関とは、クレジットやローンなどの利用状況をはじめ、債務整理についての個人情報を登録・管理している法人機関です。
ブラックリストに登録されている期間は信用情報機関によって異なりますが、任意整理の場合は完済から約5年程度、個人再生や自己破産の場合は5年〜10年とされています。
クレジットカード減額によっては信用情報機関に登録されると、以下のような影響がでます。
クレジットカードについては、新規発行がむずかしいことはもちろん、個人再生か自己破産を選んだ場合は、現在使っているクレジットカードもすぐに使えなくなってしまいます。
任意整理の場合は、しばらくはクレジットカードを使い続けることができますが、クレジットカード会社の多くは定期的に利用者の信用力を調査しているため、そのタイミングで現在使っているクレジットカードも利用停止になりやすいといえます。
また、カードの更新時期には再審査がなされるため、クレジットカードの有効期限が切れたタイミングで利用停止になるケースも多いでしょう。
債務整理をおこなうと、保証人に迷惑をかける可能性があります。
借金の保証人というのは、借金をした本人が返済できなくなった際に、代わりに返済する義務を約束した方です。
本人の代わりに借金を返済する義務は、本人が債務整理をしたとしても消えることはありません。
ただし、クレジットカードの借金には基本的に保証人がついていないため、保証人に迷惑をかける心配はないといえます。
もしも心配な場合は、債務整理によって影響がおよぶ人がいないかどうか、弁護士に相談して助言を得ましょう。
債務整理をおこなうと、一時的に銀行などの金融機関の口座が凍結される可能性があります。
これは、債務整理によって借金を減額または免除する代わりに、本人の預金から少しでも多くお金を回収するためです。
金融機関が凍結した口座から預金を引き出し、返済に充てられることで借金と預金が相殺されます。
借金の額より預金の残高が多ければ、借金の分だけ残高は減ることになります。
預金残高より借金が多い場合は、預金全額が返済に充てられるため、残高はゼロになるでしょう。
具体的に凍結される口座は、次のとおりです。
クレジットカードの減額目的で債務整理をおこなう際は、クレジットカード会社と同じグループ銀行の口座を利用していないか確認しましょう。
預金額が少ないから凍結されても大丈夫だと考えていても、給与の振り込み先として登録している口座であれば、給与を取り出せなくなってしまいます。
また、公共料金引き落とし口座に設定していれば、支払いができずに電気や水道が止まってしまう恐れもあるので、気をつけましょう。
ここからは、債務整理の種類によって異なるクレジットカードの借金減額におけるデメリットについて紹介します。
任意整理とは、裁判所を介さずに直接お金を借りている金融機関と、借金の減額などについて交渉し、月々の支払いの負担を減らす手続きです。
利息・遅延損害金のカットや3年〜5年の長期分割払いに変更することで、負担を減らします。
クレジットカードの借金減額のために任意整理をすることには、次の3つのデメリットがあります。
任意整理では、基本的に借金の元本が減ることはありません。
任意整理では、利息のカット・遅延損害金のカット・3年〜5年での長期分割払いなどについて、カード会社と交渉します。
借金の元本を減らしたいと交渉したとしても応じてもらえることはまずないでしょう。
クレジットカードのリボ払いを使いすぎていて、毎月ほとんど利息だけを返済しているような状態に陥っている方や、借りた分は返したいけれど毎月の返済負担を減らしたいという悩みを解決することは可能です。
そもそもクレジットカード会社側に借金の減額に応じる法的な義務はありません。
そのため、交渉の結果次第では、大幅な借金減額は期待できないことがあります。
一般的には、利息のカット・遅延損害金のカット・3年〜5年での長期分割払いで合意するケースが多いですが、個人再生や自己破産と比べると減額できる金額は少なくなります。
また、減額交渉にどこまで応じてくれるかはクレジットカード会社によるため、要望が全て通るわけではないことは覚えておきましょう。
任意整理では、手続きのあと3年〜5年かけて借金を返済していくことになります。
そのため、収入がゼロの方や安定しない方の場合は任意整理を試みてもクレジットカード会社は応じてくれません。
クレジットカード会社にとってみると、せっかく減額したとしても完済してもらえない可能性が高いからです。
個人再生は裁判所を介した手続きで、借金を最大5分1程度にまで減らすことができます。
そのため多額の借金をしている方にとっては、月々の負担が非常にラクになるでしょう。
では、クレジットカードの借金減額のために個人再生を選ぶとすると、どのようなデメリットがるのでしょうか。
主に、以下の3つがあります。
個人再生をおこなうと、その事実とともに氏名や住所などの個人情報が官報に掲載されることになります。
官報とは、政府が発行する公式の新聞のようなものです。
法令などの政府情報の公的な伝達手段として発行されています。
債務整理をしたことが掲載されるのは、債権者に対して、個人再生の手続きがなされたことを平等に告知するためです。
基本的には債権者には裁判所から通知されますが、何らかの事情によって、債権者が知ることができなかった場合、大きな不利益を被ることになり得るからです。
官報の債務整理に関するデータを確認するのは、主に金融機関や信用情報機関の関係者です。
一般人が官報を見ることは少ないといわれています。
しかし、官報はWeb上で誰でも閲覧することができます。
友人や知人がわざわざ確認するとは考えにくいため、過度に心配する必要はありませんが、公開されることに抵抗がある場合は注意が必要です。
個人再生も、安定した収入がないと手続きを進めることができません。
任意整理と同様に、手続きのあとに継続して返済をおこなう必要があるからです。
個人再生は、任意整理よりも大幅な借金減額ができるため、月々の返済には余裕が生まれるはずですが、そうはいってもゼロになるわけではありません。
収入が不安定だと、裁判所から借金の減額が認められない可能性が高くなります。
なお、個人再生ならクレジットカードの借金については利息だけでなく元本も減額することが可能です。
そのため、借金の総額を5分の1から10分の1程度まで減らせる可能性があります。
個人再生では、任意整理と異なり、手続きをおこなう債権者を選ぶことができません。
任意整理は裁判所を介さない手続きであるため、どの会社と交渉をおこなうかは自分次第です。
5社から借金があるとすれば、そのうち3社と交渉をしてもよいですし、1社だけあるいは5社全てと交渉をしてもよいのです。
しかし、個人再生では必ず全ての債権者に対して手続きをしなければなりません。
複数のクレジットカードを利用していて、全てで個人再生をおこなう場合は、紐づく銀行口座が凍結される可能性があるため、日常生活で必要な口座が凍結されてしまわないかよく確認しましょう。
自己破産は、全ての借金の返済が免除される手続きで、免責が認められれば借金を一切払わなくて済みます。
しかし、自己破産は大きなメリットがある反面、デメリットも大きいのです。
ここでは、自己破産を活用してクレジットカードの借金を減額するときのデメリットについて解説します。
自己破産をすると、個人再生と同じく、手続きをした事実・氏名・住所などが官報に掲載されます。
一般の方に知られる可能性は低いとされていますが、誰でもWeb上で閲覧することができるため、自己破産したという情報が公開されることを懸念する場合は、慎重に選びましょう。
官報に掲載される理由や、官報をよく見る業種の方についても、個人再生と同様です。
自己破産では、価値のある財産は没収されて処分されます。
破産者の財産をお金に換え、債権者に少しでも返済するために分配されるのです。
生活に最低限必要な現金や家財道具は残せますが、それ以外の資産は処分されます。
処分されるのは土地・住宅・自動車・貴金属・骨董品など金銭的な価値が高いものです。
一方で、99万円までの現金や価値が20万円以下の預貯金・家具・家電は処分されず、手元に残すことができます。
ただし、家具や家電をまとめて20万円相当として処分されるケースもあるので注意しましょう。
なお、自己破産による処分対象は破産者本人の所有財産のみです。
両親が購入した家や配偶者が購入した自動車など、家族所有の財産には影響がありません。
破産手続が完了するまで、以下のような職業には就けなくなります。
制限がある職業は一部であるため、多くの方は職業の制限を受けずに破産手続を完了できますが、職業の制限について不安な場合は、弁護士に相談してみましょう。
自己破産では、個人再生と同じく特定の債権者を選んで手続きをすることができません。
借金を全て免除してもらうからには、全ての債権者を平等に扱わなければならないからです。
複数枚のクレジットカードを利用していて、一枚だけは残したいということもできないので注意しましょう。
また、クレジットカード以外に保証人がついている借金がある場合、その借金も自己破産で整理することになるため、保証人が借金を肩代わりしなければなりません。
事前に保証人の有無を確認しましょう。
破産手続には「管財事件」と「同時廃止」の2種類があります。
管財事件では、破産手続中に郵便物が全て破産管財人に転送されます。
破産管財人とは、破産する方の財産の調査を担当する法律家で、債権者・債権額・財産状況などを正確に把握するために転送されることになっています。
郵便物は確認されれば、後日返却されます。
債務整理をして事故情報が登録されると、クレジットカードが使えなくなるため、不便に感じる方が多いかもしれません。
インターネットショッピングの支払いができなくなるのではないかなど、クレジットカードがない生活に対する不安を感じる場面も増えるでしょう。
ここでは、自分のクレジットカードが作れないときの対処法を紹介します。
債務整理をした場合でも、家族の信用情報には影響しません。
そのため、家族カードを発行してもらう方法があります。
家族カードは、クレジットカード所有者の家族が発行できるクレジットカードで、専業主婦・主夫・学生などの収入が少ない家族でも利用できるのが特徴です。
あくまでも追加のカードであるため、家族カード単体では発行できず、家族カードを使う家族の信用情報は確認されません。
そのため、債務整理をした方でも使うことができるのです。
家族カードで利用された分は、名義人であるクレジットカードの所有者に請求されます。
クレジットカードであるからには、使いすぎに注意しなければ、名義人である家族に迷惑をかけてしまうので注意が必要です。
なお、家族カードを取り扱っているクレジットカード会社であれば、高校生を除く18歳以上から発行可能です。
デビットカードは、債務整理後でも利用できるキャッシュレス決済用のカードです。
銀行口座と紐付けて使うもので、支払うとすぐに口座からお金が引き落とされます。
そのため、銀行口座に残高があれば支払いが可能です。
クレジットカードと同じようにコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗で利用することもでき、インターネットショッピングにおいても同じようにデビットカードで決済できます。
使用方法は「クレジットカード払い」を選択して、カード番号・有効期限・セキュリティコードなどを入力して支払いするだけです。
残高がなければ使えないものの、分割払いやリボ払いの機能がないため審査なしで作成でき、債務整理後も発行できるのが魅力です。
プリペイドカードもデビットカードと同じように、債務整理後でも利用可能です。
プリペイドカードにはさまざまな種類がありますが、VISA・MasterCard・JCBなどのブランド付きのプリペイドカードなら、クレジットカードと同じように各加盟店でカード決済が可能です。
もちろん、インターネットショッピングにも利用できます。
プリペイドカードはデビットカードとは違い、前払いで現金をチャージすれば使えるのが特徴です。
クレジットカードを使えない期間は、電子マネーを活用するのもよいでしょう。
電子マネーの支払い方法は、現金などをあらかじめチャージするタイプと銀行口座から即時引き落としするタイプがあり、ほとんどのカードでいずれかを選ぶことができます。
電子マネーにも多くの種類があります。
たとえば、コンビニエンスストア発行しているnanaco、ショッピングモールのイオンが発行するWAON、各鉄道会社が発行している交通系ICカードSuicaやICOCAなどがあります。
種類によっては利用できる場所が限られるため、よく利用する店舗で活用できるものを選びましょう。
また、スマートフォンアプリでQRコードから決済できるPayPayなども利用するとよいでしょう。
クレジットカードの借金を減額するのに適した債務整理は、一体どれなのでしょうか。
借金や返済の状況によって異なるため、それぞれのパターンを見てみましょう。
利息がなくなれば借金を完済できる状況であれば、任意整理が最適です。
任意整理では、将来の利息をカットするなどして、新しい返済計画を立てられます。
手数料や月々の支払い負担が軽減され、返済がそれ以前よりも容易になるでしょう。
また、任意整理では整理する債権者を選択できるため、クレジットカードの借金だけを整理し、ほかに保証人をつけている消費者金融の借金などは整理せずにそのまま返済するなど、柔軟な対応が可能です。
クレジットカードのリボ払いの返済が困難になっている場合であれば、任意整理が適しています。
そもそもリボ払いは金利が高く、年15.0%程度に設定されています。
支払うのが大変だからといって月々の返済額を小さくしていると、支払いの多くが利息に充てられ、元金は一向に減らないというケースも少なくありません。
返済が遅れるとさらに遅延損害金が加算されるため、最大年20%の高金利となります。
つまり、返済総額が増えやすい支払い方法なのです。
任意整理によって利息と遅延損害金をカットできれば、大幅に返済がラクになるはずです。
任意整理で利息や月々の返済額が減るだけでは今後完済の見込みが立たないという方は、自己破産を選択するのもよいでしょう。
自己破産をすると財産は没収されてしまうものの、借金は全額免除されます。
多くのものを失うかもしれませんが、自己破産後の収入は自分のものになります。
仕事をしている方であれば、ゼロから生活を再構築することは難しくないケースもあるので、デメリットを理解したうえで利用を検討しましょう。
持ち家や車があり、財産を全て処分されてしまうと困る方は個人再生を検討しましょう。
個人再生は、借金の額を大きく減らせる一方で、持ち家や車の没収を免れる可能性が高い手続きだからです。
ただし、個人再生は債務整理のなかでも複雑で適用が難しいといわれています。
裁判所も、個人再生をする際は専門家へ依頼するよう推奨しています。
検討する際は、必ず弁護士や司法書士などに相談しましょう。
クレジットカードの借金を減額するためにはさまざまな債務整理の方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
まずは弁護士や司法書士など専門家に相談することで、適切な減額方法を見極められるでしょう。
クレジットカードの借金減額について弁護士などの専門家に相談すると、次のようなメリットがあります。
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