過払い金請求のデメリットと回避方法をわかりやすく解説

過払い金請求のデメリットと回避方法をわかりやすく解説

過払い金とは、利息制限法で定められた上限の金利以上に支払った利息のことです。

カード会社やクレジットカードのキャッシング機能では利息の上限が定められており、上限を超えて支払った利息は過払い金請求により取り戻せる可能性があります。

このように過払い金請求にはメリットがある反面、デメリットが少なくないことも忘れてはいけません。

本記事では過払い金請求のデメリットとは何かや、デメリットを回避する方法について解説します。

過払い金請求を検討している方は発生し得るデメリットを回避し、かつスムーズに手続きを進められるよう、ぜひ参考にしてください。

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この記事を監修した弁護士
野条 健人
野条 健人弁護士(弁護士法人かがりび綜合法律事務所)
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。

過払い金請求の主なデメリット | 過払い金を受け取るとどうなる?

過払い金請求は利息制限法の上限を超えて支払った利息に対する請求であり、法律で認められた正当な権利です。

過払い金請求のメリットとして、払い過ぎた利息分のお金を返還してもらえることが挙げられます。

一方、過払い金請求にはいくつかのデメリットがあるのは否めません。

ここからは、過払い金を受け取るとどうなるかをはじめ、主なデメリットについて解説していきます。

ブラックリストに載ってしまう可能性がある

借金を完済している状態で過払い金請求をおこなっても、信用情報機関にブラックリストとして載ってしまうことはありません。

しかし、まだ借金を返済中の状態で過払い金請求をおこない、それでも完済に至らなければ、事故情報扱いとなり最長5年間はブラックリストに載ってしまう可能性があります。

そして、借金返済中の状態で過払い金について調査した結果として手元に戻ってきた金額で完済できる場合でも、借金整理が完了するまでは一時的にブラックリストに載ってしまう可能性があるので注意が必要です。

ブラックリストに載っている間は、新規の借り入れやクレジットカード作成、ローン契約などができなくなります。

なお、ブラックリストから削除されると過払い金請求が理由でクレジットカードやローンの審査に影響は及ぼしません

過払い金請求先からの借り入れなどができなくなる可能性がある

ブラックリストに登録されてしまうと、5年間ほどは過払い金請求先のクレジットカードの利用や新規での借入ができません。

かつ、過払い金を回収したあとブラックリストに登録されなくても、過払金請求をした業者の社内リストにはその情報が登録されます。

その結果、その業者からの借り入れなどができなくなる可能性があるので注意しましょう。

過払い金請求をしたことが家族にばれてしまう可能性がある

過払い金請求をすると、その事実が家族にばれてしまう可能性があることも忘れてはいけません。

家族や職場に借入がばれることを心配する方は少なくないでしょう。

では、実際にどういったケースで過払い金請求をしたことが発覚してしまうかを紹介していきます。

過払い金請求の連絡や郵便によってばれてしまう可能性がある

過払い金請求をすると貸金業者から連絡が入る、あるいは書類が郵送されるなどがあり得ますが、これらは基本的に自宅に届くため、家族と一緒に住んでいる場合はばれてしまう可能性があります。

交渉内容によっては裁判に至るケースもあることから、自宅に裁判所からの連絡が入る恐れもあるのです。

過払い金が口座に振り込まれてばれてしまう可能性がある

過払い金の返還が成功すると指定の口座に振り込まれますが、その記録が残ってしまうため家族に見られるとばれてしまう可能性があります。

過払い金が大きくなるとまとまった金額が振り込まれますが、口座の記録は残り続けることから、月日が経ってから気付かれる可能性もゼロではないでしょう。

家族が触れることがないような口座を振込先に指定したり、新しい口座を開設したりすることでこのリスクは軽減できます。

過払い金請求後も、借金が残ればばれてしまう可能性が高まる

過払い金請求をしたあとも、借金が残れば家族にばれてしまう可能性があります。

家族にばれる可能性は、過払い金で残りの借入を完済できるのか、それともまだ借入が残ってしまうのかによって大きく変わります。

完済ができない場合は、ブラックリストに載ってしまい約5年間は新規の借入各種ローン・カード審査への通過は困難となるでしょう。

それが家族の生活に影響すれば、過払い金請求の事実がばれてしまう可能性があるのです。

子どもがいる場合は奨学金の保証人になれない可能性もあるため、家族に怪しまれてしまう恐れがあります。

過払い金請求のデメリットを回避する方法

過払い金請求をおこなうことによるデメリットは、対応次第で避けられます。

ここからは、過払い金請求のデメリットを回避する方法について解説します。

借金を完済してから過払い金請求をおこなう

過払い金請求のリスクを回避するうえで最も重要なことは、対象となる貸金業者からの借金を完済してから請求をおこなうことです。

完済後に請求することで、ブラックリストに載る心配がないため、今現在借金を返済中の場合は、まず完済を目指しましょう。

しかし、過払い金請求には時効があり、完済後10年以内におこなわなければ過払い金があったとしても1円も受け取れないため、完済から請求手続きまでは間を開け過ぎないようにしてください。

過払い金請求により借金を完済できるか弁護士や司法書士に判断してもらう

過払い金請求の目的を借金の完済とする場合、完済の見込みがあるか否かは慎重に判断しなければなりません。

もし、過払い金請求をしても借金の完済に至らなければブラックリストに載ってしまうリスクが伴うため、弁護士や司法書士に判断を仰ぎましょう。

弁護士や司法書士は過払い金請求に対する知識が豊富なため、事前に相談することで適切なアドバイスを受けられます。

弁護士や司法書士に依頼して、業者とのやりとりをまかせる

過払い金請求のデメリットを回避するにあたり、弁護士や司法書士に依頼して業者とのやりとりを任せることをおすすめします。

過払い金の請求は本人でおこなえますが、取引履歴の取り寄せや引き直し計算などは多くの時間と労力がかかってしまいます。

その点、費用がかかったとしても弁護士や司法書士に依頼することで、過払い金請求に関する手続きなどを一任できるため安心して進められます。

また、自分がどのくらいの過払い金を取り戻せるかを算出するための計算は非常に複雑で、豊富な知識を有していなければ誤ってしまう恐れがあります。

なお、間違えた金額の請求により、本来取り戻せたはずの過払い金が低くなってしまう恐れがあるため注意しなければいけません。

さらに、個人での交渉は債権者との話し合いが中々進まない、そのうえ結局取り戻せなかったということも起こり得ます。

このような事象が発生しないためにも自分でおこなわず弁護士や司法書士に依頼して、複雑な計算や交渉を任せることでスムーズに解決へと向かえるでしょう。

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過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼するとよい理由

個人で過払い金請求を進めると想定していたより少ない金額しか請求できなかったり、交渉がうまくいかなかったりなどのトラブルに見舞われる可能性が懸念されます。

そのため、過払い金請求は弁護士や司法書士への依頼がおすすめです。

ここからは、過払い金請求を弁護士あるいは司法書士に依頼すべき4つの理由について解説します。

家族などにばれてしまう可能性が低くなる

弁護士や司法書士に依頼することで、周囲にばれる可能性は低くなります。

弁護士や司法書士は本人の代理人として過払い金請求をおこなうため、自分が債権者と会って直接交渉する、あるいは自分で書類を集める必要がないからです。

かつ、債権者からの連絡や郵送物は全て依頼した弁護士などへ届くため、債権者と個人の直接的な関わりをなくせることから、家族や周囲にばれるリスクを軽減できます。

繁雑な手続きや交渉をおこなう手間や精神的負担が軽減される

過払い金請求に必要な手続きや債権者との交渉を個人でおこなう場合は手間や精神的な負担がかかります。

しかし、弁護士や司法書士などに依頼することで繁雑な手続きや交渉を一任できるため、これら負担を大きく軽減できるのです。

より多くの過払い金を取り戻せる可能性が高まる

弁護士や司法書士などに依頼すると複雑な計算や債権者との交渉をうまく進めてもらえるため、返還額が多くなりやすいです。

過払い金請求における手続きでは貸金業者との交渉が必要であり、法律知識が乏しい個人が交渉に挑んだ場合は十分に対応してもらえないことが少なくありません。

その点、過払い金請求を熟知した弁護士などが交渉することで、貸金業者が強気な態度に出てきたとしても対等に交渉を続けられます。

貸金業者もプロであるため、弁護士や司法書士を立てて手続きをしたほうが、結果的に多くの過払い金を取り戻すことが期待できるのです。

【注意】司法書士は過払い金が140万円を超えると代理人になれない

過払い金請求は弁護士と司法書士のどちらにも相談できます。

費用面に関しては、弁護士よりも司法書士に依頼するほうが安く抑えられる傾向にあります。

しかし、弁護士は過払い金の請求手続きにおいて一切の制限はありませんが、司法書士は過払い金が貸金業者1社につき140万円を超える案件において、代理人として交渉などの手続きができない点は注意しなければなりません。

また裁判については、司法書士が対応できるのは簡易裁判所における訴訟に限られます。

一方で弁護士には、このような制限なしに過払い金請求の対応が可能です。

1社ごとの過払い金が140万円以上となる可能性がある場合は、弁護士に依頼してください。

過払い金額が明確にわからない場合は、弁護士や司法書士の無料相談を活用してアドバイスを求めましょう。

過払い金請求を自分でおこなうデメリットは多いのでおすすめできない

過払い金請求を自分でおこなうことは、デメリットが多いためおすすめできません。

まず、業者とのやり取りを全て自分でおこなう必要があります。

いくら過払い金が発生しているかを把握するうえで、取引履歴を法定利息に引き直す作業には法的な知識が必要です。

個人がおこなえば、計算に誤りが生じ適切に過払い金請求が進められない可能性も否定できません。

そもそも過去の裁判例や法に関する知識がなければ、業者と対等に交渉を進めることは困難でしょう。

そのため、過払い金が返還されるまでの期間が長くなる可能性があるうえ、過払い金を認めたとしてもこちらの要求よりはるかに低い金額を提示されることも考えられます。

仮に裁判を起こすとなると、本来弁護士が作成してくれる書面も全て自分で対応しなければなりません。

また、過払い金に関する連絡や書類が自宅に入り、家族にばれてしまう可能性も懸念されます。

過払い金請求は十分な知識をもって貸金業者に対し法的な請求をおこなう必要があるため、個人での対応はデメリットが多いと考えられます。

そもそも過払金が発生してしまうからくり(仕組み)とは?

過払い金とは利息制限法で定められた15%から20%の上限を超えて支払った利息のことです。

かつて、利息制限法を超えた利息を取っても、出資法という法律で定められた上限金利の29.2%を超えなければ刑事罰が科せられない時期がありました。

そのため、多くのクレジットカード会社は利息制限法と出資法の上限の間で利率を設定し、違法に金利を取っていたのです。

これはグレーゾーン金利と呼ばれ、過払い金が発生したからくりの根源となります。

そして、2010年6月18日以降は法改正によってグレーゾーン金利による利息を設定するカード会社がなくなり、利息を支払い過ぎることはなくなりました。

さいごに | 過払い金請求でデメリットを減らすには弁護士へ相談を!

本記事では、過払い金請求のデメリットと回避方法について解説しました。

過払い金請求をおこなうことで払い過ぎたお金が戻ってくることは大きなメリットですが、状況によってはデメリットがあることも忘れてはいけません。

実際に、過払い金請求をおこなう場合はこれらのデメリットを全て踏まえたうえで総合的な判断が必要です。

貸金業者に対する手続きを自分でおこなうことは可能ですが、過払い金請求で発生するデメリットを回避するためには弁護士へ相談することをおすすめします。

自分で手続きを進める場合は必要書類の収集に多くの時間がかかり、業者との交渉も相手のペースで進められてしまう可能性が否めません。

その結果、和解に至らず裁判に発展すると、さらに時間と労力が必要となります。

なお、訴訟に関しては法的な知識が乏しいと、スムーズに進めることはほぼ不可能といえるでしょう。

その点、弁護士に相談することでよりスムーズに手続きを進められ、状況によっては気になるデメリットを回避できる可能性もあります。

また、より多くの過払い金を返還できる可能性があることも忘れてはいけません。

それぞれで借金の状況は異なるため、法律事務所の無料相談などを活用し、弁護士に相談してみてください。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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