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クレジットカードの借金を債務整理で減額するデメリットをわかりやすく解説
2024.10.08
クレジットカードのリボ払いが原因で、月々の支払いが苦しいと感じている方は少なくありません。
もし、リボ払いによる返済が大変で悩んでいるなら、さらに借金を返すための借金が増えてしまわないように減額の仕組みを理解し、ぜひ弁護士などの専門家を頼ってください。
本記事では、どのようにしてリボ払いが減額できるのか、リボ払いを減額することで想定されるデメリットかなど、リボ払い減額の仕組みや債務整理について解説します。
リボ払いは非常に便利な仕組みなので、よく利用するという方も少なくありません。
しかし、借金がかさんでしまうリスクのある、気をつけなければならない支払い方法です。
ここでは、多くの方が陥りやすいリボ払いのわなについて説明します。
リボ払いの利率は、年率15~18%とされています。
これは、消費者金融の年率(4%~18%)に匹敵する水準です。
そのため、毎月の支払額のうちの多くが利息で、元金はあまり減っていないという状況が生まれます。
元金が減らなければ、当然ながらなかなか完済することができません。
支払い残高が増えれば増えるほど、自ずと毎月の利息も増えるため、リボ払いをしながらクレジットカードを日常的に利用している方は要注意です。
たとえば、月々の返済額を2万円に設定していた場合。
リボ払いの残高がもし100万円あったとしても、返済額を一定にすることができ、毎月の返済額が少なく設定すれば、その分支払いの負担を軽減させることができます。
そのため、中にはすでにリボ払いの支払いがある状況で、さらにカードを利用してリボ払い決済し続けるという方が少なくありません。
しかし、使えば使うほど全体として返済しなければならない金額が自ずとどんどん膨らみます。
利用しているクレジットカード会社によっては利用残高に応じて返済額が変わることもありますが、債務過多になっていることに気づかずにリボ払いを続け、知らず知らずのうちに借金が増えていくというリスクがあるのです。
前述のようにリボ払いをしていると、毎月の支払い額を抑えることができます。
そのため、返済総額が大きくなっていても、返済が進んでいると思い込みやすいのがリボ払いを利用するうえでの大きなリスクとなりかねません。
リボ払いの残高が増えるほど、月々の返済額うち利息の支払いに充てられる額も増えます。
たとえば、返済残高が100万円で年率15%のリボ払いをしている場合、月々利息を1万2,500円払っていることになるのです。
毎月の返済金額が2万円であれば、実際に残高の返済に充てられているのは7,500円のみだということです。
「毎月きちんと2万円ずつ支払っているのだから、支払い残高は減っているはずだ」と思っても、実際には返済している金額のほとんどが利息であるため、残高が一向に減らないという現象が起こってしまうのです。
債務整理をおこなうことで、リボ払いによる負担を軽減できる可能性があります。
債務整理とは、借金の減額や返済猶予、過払い金の返還などの手続きの総称を指し、主に以下3つの方法があります。
債務整理の種類 | 特徴 |
---|---|
任意整理 | 裁判所を介さず、借入先と直接交渉することで将来利息などをカットする |
個人再生 | 裁判所を介し、借金を5分の1〜10分の1程度に減額する |
自己破産 | 裁判所を介し、全ての借金を免除する |
債務整理の種類によって、いずれもメリットとデメリットがあります。
それぞれの特徴をしっかりと把握し、自身の状況に適した方法を選ぶことが大切です。
数ある債務整理のうち、リボ払いが支払えない場合は任意整理をおこなうことで解決を目指すのが適しています。
任意整理とは、債権者であるクレジットカード会社と直接、返済計画の見直しを交渉する方法です。
具体的には、次のようなことを目指します。
リボ払いは、手数料の金利が高く、返済総額が増えやすい支払い方法です。
よって、利息をカットしてもらい元金だけを支払えばよい状態になれば、返済が容易になるケースも少なくありません。
リボ払いを任意整理によって減額することには、次のようなメリットがあります。
任意整理の最も大きなメリットは、やはり毎月の返済を減額できることでしょう。
手続きが完了すると、将来発生する利息などがカットされ、元金を返済すればよくなります。
また、3年~5年程度の分割払いによる返済へ変更されているため、手数料の負担に追われずに完済を目指すことができます。
たとえば、年利15%のリボ払い残高200万円の方が、もともと返済回数を36回(3年払い)で返済している場合。
これを任意整理で5年間の返済期間に変更できた場合、どの程度減額できるのでしょうか。
借金返済額は、任意整理をしなければ249万5,888円です。
一方、任意整理をおこなうと利息(49万5,888円)がカットされるので200万円になります。
また、もともとの返済期間が3年なので、任意整理をしなければ月々の返済額は6万9,330円ですが、任意整理後は月々3万3,300円へと減らすことができます。
これにより、月々の返済額をこれまでの半分以下にすることができます。
弁護士などの専門家に依頼すれば、督促や取り立てを停めることができるのもまた、任意整理の大きなメリットといえるでしょう。
任意整理の手続きを依頼すると、専門家は借入先に受任通知を送ります。
これは、代理人として手続きを任されたということを知らせるものです。
受任通知を受け取ったクレジットカード会社は、利用者に対して直接請求することができなくなるため、法律に基づいて督促や取り立てが一時的にストップするのです。
電話はもちろん、書類による督促なども全て停止されます。
個人再生や自己破産をおこなうと、国が発行している機関紙である官報に、自身の名前や住所が掲載されます。
一方、任意整理は裁判所を介することなく進める手続きであるため、官報には掲載されることはありません。
裁判所から書類が届くようなこともないので、家族が心配して事情を聞いてくることもないでしょう。
この点、任意整理の場合は黙っていれば周囲に知られる心配がありません。
リボ払いの減額には任意整理がおすすめではあるものの、借金を減額する手続きである以上、次のようなデメリットもあります。
任意整理をおこなうためには、安定した収入が必要です。
任意整理では、返済期間を延ばしたり、将来利息をカットしたりと、返済金額の負担を減らすことができます。
しかし、借金を免除するわけではありません。
債権者との和解で決まった額を、3年~5年で支払うことになります。
そのため、安定した収入がなければ、和解に応じてもらえないことがあります。
債権者にとっては、債務整理をしたところで本当に支払ってもらえるという信頼ができないからです。
無職であったり、生活保護を受給したりしている場合には、任意整理ができない可能性が高いと考えてよいでしょう。
ただし、学生や主婦であっても、親や配偶者が安定した収入を得ている場合、協力してもらって支払えることが認められれば手続きをすることができます。
任意整理をすると、いわゆるブラックリストに掲載されてしまいます。
なお、厳密にはブラックリストというリストが存在するわけではなく、「信用情報機関に任意整理をした記録が残る」というのが正しい表現です。
信用情報機関とは、個人の契約内容や支払い状況を管理している組織で、国の認可を得ている機関には次の3つがあります。
金融機関などは、借入を申し込まれた際などに、信用情報機関を通じて個人の信用情報をチェックします。
そのため、信用情報機関に任意整理をした記録があるとクレジットカードを作ったり、住宅ローンを組んだりすることが難しくなります。
ブラックリストに載る状態の期間は任意整理の場合、約5年間 だとされています。
ブラックリストに載ると、基本的に現在使用しているクレジットカードも使用できなくなります。
使用できなくなるタイミングはカード会社により異なりますが、通常、数ヵ月~1年ごとに利用状況や信用情報を確認しています。
また、カードの有効期限が訪れ、更新するタイミングでも与信審査がおこなわれます。
そのため、いずれは利用停止となるでしょう。
使用しているクレジットカードが停止されると、クレジットカードに紐づけているETCカードや交通系電子マネーなども利用できなくなります。
ポイントが貯まっている場合は、使い切っておきましょう。
任意整理をおこなっても、減額できるとは限りません。
任意整理は、裁判所を介さずにおこなう手続きです。
つまり、あくまでも債権者との交渉と合意によって全てが決まるということです。
債権者には、任意整理に応じなければならない義務はありません。
そのため、そもそも任意整理をしたいと申し出ても応じてくれないケースがあります。
さらに、仮に債務者本人が直接交渉したところで一般的に可能な減額が実現できず、不利な条件を提示されるケースもあります。
債権者と確実に交渉をおこない、有利に進めるためには任意整理に詳しい弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
任意整理で実現できるのは、将来利息や遅延損害金のカットのみです。
つまり、任意整理をしたからといって借金自体が減ることはありません。
元金自体は、返済期間の延長によって月々の返済額を少なくしてもらうことで完済を約束することになります。
ただし、2010年6月以前にクレジットカードでキャッシングリボを利用した場合、借入れ金利がいわゆる「グレーゾーン金利」だった場合、過払い金が発生していることを理由に元金を減額できる可能性があります。
任意整理をおこなうと、銀行口座が凍結されてしまう可能性もゼロではありません。
中でも、銀行系のクレジットカードを利用している場合は確実に利用停止となり、口座預金と借入を相殺して返済に充てられてしまいます。
口座が凍結されれば、出金・振込・引き落としなどの作業をおこなうことができません。
任意整理をおこなう前に口座から預金を引き出しておいたり、給与や年金の振込口座や光熱費などの引き落とし口座を変更しておいたりすることが大切です。
住宅ローンや自動車ローンなどを組むときには、基本的に保証人や連帯保証人を設定しているはずです。
任意整理をすると、その保証人や連帯保証人に残債が一括返済を請求されてしまうおそれがあります。
これは、債権者からすると任意整理に応じて少ない額を支払ってもらうよりも、保証人から満額を返してもらうほうがよいからです。
保証人に迷惑をかけたくない場合は、連帯保証人や保証人を設定した借入を任意整理の整理対象から外しましょう。
もっとも、リボ払いで困っているというケースでは、クレジットカードの発行の際に保証人を付けていないはずです。
そうであれば、保証人に請求がいくことは避けられるでしょう。
ここでは、任意整理をおこなうことでリボ払いの減額が実現できた事例を紹介します。
任意整理をするべきかどうかと迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
ショッピングや外食にてクレジットカードのリボ払いをくり返していた30代の女性は、いくら使っても月々の支払額がほとんど変化しなかったことから、気づかないうちに限度額を超えてしまい、また別のカードを作るなど返済に悩まされていました。
そのうち、収入の大半を返済に充てるようになりましたが、それでも利息のみを支払っている状態で元金を返すことができず、任意整理を選択しました。
これにより、利息や手数料をカットすることができ、月々の支払額が従来の3分の1以下の3万3,000円まで減額することができました。
会社に就職したタイミングでクレジットカードを発行した20代の女性は、初めて手にしたクレジットカードでの買い物が楽しく、リボ払いでの買い物をくり返してしまいました。
そのうち、返済のために他社のカードローンも利用するようになります。
その結果、月に約7万円を返済しなければならなくなり、借金減額無料診断を活用して債務整理を決めました。
このケースでも任意整理によって、利息や手数料をカットでき、月々の返済額を3万円に減額することができました。
任意整理によってリボ払いを減額したいときは、何から始めればよいのでしょうか。
また、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、任意整理の流れを説明します。
まずは近くの信頼できる弁護士や司法書士に相談しましょう。
初回の相談は無料で受けてもらえるところも多いので、躊躇する必要はありません。
専門家への相談は予約が必要な場合がほとんどです。
「ベンナビ債務整理」などのポータルサイトを活用して、相談したい法律事務所に予約を入れましょう。
予約ができれば、次は専門家との面談です。
とくに初回無料相談の場合は30分程度の時間制限があることが多いので、伝えるべき事情や聞きたいことを事前に整理しておくのがおすすめです。
専門家に相談するポイントは、以下のとおりです。
専門家に相談してみて任せたいと思えば、契約書を締結し正式に依頼しましょう。
契約書は専門用語が多く難しいと感じるかもしれませんが、わからないことはしっかりと確認してから契約するようにしましょう。
とくに任意整理を考えている方の場合、手元にお金がなくて困っている方が多いはずです。
法律事務所や専門家によって、支払い方法を融通してくれるところもあるので正直に相談しましょう。
専門家への依頼料は事務所によって異なりますが、弁護士に任意整理を依頼する場合、一般的な相場は以下のとおりです
正式に契約を結び、専門家が受任したら受任通知を債権者宛てに発送します。
これは専門家が代理人となった旨という通知するもので、基本的には契約後すぐに作成して発送されます。
債権者に受任通知が到達すると、督促や返済が一旦ストップします。
これは、貸金業法で定められており、すみやかに督促を停止させられるよう、契約当日か翌日には発送してくれるでしょう。
なお、受任通知が債権者側へ到着するまでにはタイムラグがあり、その間に請求がなされるかもしれませんが依頼後は支払いをしなくても問題ありません。
通常、受任通知の送付後1週間〜3ヵ月ほどすれば、債権者からさまざまな書類が届きます。
とくに、現在の債務額や取引状況を知らせる債権調査票は重要です。
債権調査票に記載されている金額をもとに、具体的な和解内容を作成する必要があります。
長期にわたってキャッシングを利用している方であれば、過払い金が発生している可能性もあるため確認する必要があります。
そのため、債権調査票の取引履歴を参照し、専門家が上限金利に基づく引き直し計算をします。
もし引き直し計算で過払金があったときには、過払い金の返還請求をすることができます。
また、過払い金の有無にかかわらず、債権者との交渉のための具体的な和解案を作っていくことになります。
和解案は専門家が作成してくれますが、和解内容は本人の最新状況を前提に作る必要があるため、本人と専門家とでしっかり話し合いましょう。
なお、契約時点から事情が変わった場合は必ず伝えてください。
和解案ができたら債権者に提示し、交渉をおこなうことになります。
交渉は電話でおこなうケースが多く、スムーズにいけば1週間程度でまとまります。
しかし、あくまでも交渉であるため、難航するケースも少なくありません。
専門家が交渉を進めるなかでうまくまとまらない場合、本人に改善案の相談がくるでしょう。
専門家から連絡があった場合は即日対応し、なるべく早く和解をまとめられるよう協力しましょう。
交渉がまとまったら、和解成立です。
最終的な合意をする前に、専門家と本人のあいだで和解内容をいま一度確認します。
問題がなければ、基本的には債権者側が和解書面を作成します。
債権者側は和解書面を2部作成して専門家のもとへ郵送し、専門家が内容を確認したあと代理人として署名押印をします。
そのあと、専門家から1通を債権者へ郵送します。
和解契約の締結は、1週間程度で完了すると考えてよいでしょう。
和解契約を締結すると、和解内容に基づいて、完済するまで支払いを続けることになります。
任意整理を専門家に依頼してから完済までは、約3年〜5年です。
返済が完了すれば、借金から解放されます。
再度借金をしてしまわないように、返済期間中から家計をしっかり立て直し、完済後は同じような問題をくり返してしまわないように生活しましょう。
債務整理には、少なからずデメリットもあります。
しかし、毎月の支払いが苦しくて悩んでいるのであれば、任意整理を検討するのもひとつの手です。
相談を受ける弁護士や司法書士などの専門家が、あなたを責めるようなことはありません。
ぜひ、一人で悩まずに専門家を頼ってください。