借金相談
借金について相談できる窓口8選!どこを頼ればいいか迷ったらまず弁護士を選ぼう
2024.11.12
法人破産を検討しているときには、弁護士への相談・依頼が欠かせません。
法人破産手続きを一任できるので経営者の負担を大幅に軽減でき、法人破産以外に適切な再建方法がないかについても検討してくれます。
そこで本記事では、以下3点についてわかりやすく解説します。
法人破産をするときには弁護士への依頼が不可欠ですが、法律事務所によって取扱い事件が異なることを踏まえると、どの弁護士へ依頼してもよいというわけではありません。
そこで、法人破産を依頼する弁護士を選ぶときには、以下3つのポイントを参考にしてください。
法人破産事件の手続きをスムーズに進めたいのなら、法人破産事件の取扱い実績が豊富な弁護士へ相談することをおすすめします。
法人破産は、破産法に規定された複雑な手続きを粛々と進める必要があります。
また、厳しい糾弾が想定される債権者対応にも冷静に対処しなければなりません。
法人破産事件の経験が乏しい法律事務所に依頼をしてしまうと、破産手続の終結までに時間がかかる可能性があります。
法律事務所のホームページを参照すれば、力を入れている事件種別が掲載されていますし、直接問い合わせれば実績などについても回答を得られるはずです。
円滑な法人破産手続を希望するなら、かならず弁護士の実績を確認するようにしましょう。
法人破産事件を依頼する弁護士を検討する際は、依頼者の目線に立ってわかりやすい説明をしてくれる相性のよい弁護士を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、法人破産を検討している経営者は、山積した負債処理や将来に悲観して疲弊しきっているためです。
弁護士によって年齢・性別・性格はさまざまです。
「この人になら会社の行く末を任せてもよい」「この弁護士なら些細な不安やこれからのことを心置きなく相談できる」と思える弁護士を選ぶようにしましょう。
法人破産事件を依頼する弁護士を決めるときには、法人破産事件の報酬体系が明確な法律事務所に依頼することをおすすめします。
そもそも、法人破産を検討しているということは、弁護士費用の捻出にも苦労するでしょう。
報酬体系が不明瞭な悪質な法律事務所に依頼をしてしまうと、手続き終結後に法外な金額の手数料や成功報酬を請求されかねません。
「できるだけ弁護士費用を抑えたい」と希望するなら、複数の法律事務所の初回無料相談を利用して見積もりを出してもらい、もっとも安価な事務所に依頼をするとよいでしょう。
ただし、費用面だけに固執して依頼先を決めると、経験不足や熱意のなさが原因で法人破産手続が円滑に進まないおそれがあります。
弁護士費用・実績・人柄などを総合的に考慮して、もっとも信頼に値する弁護士へ依頼しましょう。
法人破産を依頼する弁護士の代表的な探し方は、次の3つです。
企業法務弁護士ナビでは、会社設立、IT・誹謗中傷削除、人事・労務、訴訟、クレーム・不祥事対応、M&A・事業承継、国際取引、IPO、事業再生・破産・清算、知的財産など、企業法務に強い弁護士を選りすぐって紹介しています。
地域別・相談内容別・業種別に弁護士を検索できるので、近くの法人破産に強い弁護士事務所に問い合わせてみましょう。
知り合いや、現在取引がある弁護士や税理士から、法人破産に強い弁護士を紹介してもらうのも選択肢のひとつです。
ただし、「知り合いだからこそ、会社の経営不振について相談しにくい」ということもあるでしょう。
中には、ご自身の交友関係から切り離された弁護士に依頼をしたほうが、分け隔てなく悩みを打ち明けることができることもあります。
知り合いの弁護士に依頼をするとしても、複数の法律事務所の無料相談を利用することをおすすめします。
日本弁護士連合会(日弁連)では、全国の各弁護士会で法律相談サービスを提供するとともに、弁護士の紹介もおこなっています。
無料相談の機会を利用して弁護士との相性を確認できることもあるため、法人破産の依頼先に困っているのなら、最寄りの弁護士会まで問い合わせてみましょう。
法人破産を弁護士に依頼したときに発生する費用の内訳は、以下のとおりです。
【法人破産に必要な裁判所費用の目安】
費用項目 | 費用目安 | |
申立手数料 | 1,000円 | |
郵便切手代 | 3,490円~ | |
予納金など | 少額管財事件 | 約21万円~ |
特定管財事件(通常管財事件) | 70万円~ |
※裁判所費用は管轄裁判所によって異なります。
特に、予納金(破産管財人の報酬)は負債総額によって大きく変わり、負債総額が5,000万円未満なら70万円で済みますが、負債総額が億単位になると数百万円規模まで膨れ上がります。
法人破産に強い弁護士へ相談をすれば、依頼前に裁判所費用の相場についても解説してくれるので、事前に確認しましょう。
【法人破産に必要な弁護士費用の目安】
費用項目 | 費用目安 |
着手金 | 約50万円~約300万円 |
報酬金 | 約80万円~約150万円 |
実費 | 数千円~数万円程度(切手代、交通費 など) |
法律事務所ごとに費用体系・価格設定はまったく異なります。
また、債権者数・負債総額・想定される事務作業量などによっても費用が変動します。
法人破産事件について弁護士に依頼をすれば、少額管財事件で裁判所費用を抑えられる一方で(本人による申立ての場合、少額管財事件として運用してもらえないため、通常管財事件の予納金を納める必要があります。)、弁護士費用の負担が増える点に注意が必要です。
裁判所費用と弁護士費用を合計した費用総額については、法律事務所に確認すれば教えてくれるので、契約前にかならず確認しましょう。
法人破産手続きは経営者自身がおこなうことも可能です。
ただし、法人破産事件を弁護士に依頼すれば以下4点のメリットを得られることが期待できます。
法人破産事件を弁護士に依頼すれば、手続きをおこなう負担が大幅に軽減され、会社を畳んだあとの新規事業の準備や転職活動に集中できます。
弁護士費用がネックになる経営者は少なくありませんが、将来に向けた円滑なリスタートを希望するなら、弁護士へ依頼したほうがはるかにメリットは大きいといえます。
弁護士への依頼によって、法人破産に関するさまざまなアドバイスが受けられます。
法人破産手続きでは、以下に挙げるさまざまな必要書類を準備する必要があります(裁判所によっても異なるため、詳細は弁護士に確認しましょう。)。
弁護士に相談・依頼することで、必要書類を過不足なく準備・入手でき、法人破産手続きをスムーズに進めることができるでしょう。
会社の経営が傾いたときには、法人破産以外の選択肢も残されています。
たとえば、民事再生、会社更生、私的整理などの手段で債務を整理することも可能ですし、組織再編やM&Aなどの方法で経営状況の改善を目指すことも可能です。
企業法務全般に詳しい弁護士に相談をすれば、現在の経営状況や経営者の考えに沿った解決策を幅広い選択肢から検討・提案してくれるので、企業法務弁護士ナビで紹介している弁護士へお問い合わせください。
法人破産事件は裁判所費用・弁護士費用を合わせると相当高額な費用が必要です。
「法人破産費用を用意できないために会社を畳むことさえ許されず、経営状況が悪化したまま日々返済などに追われるだけ」という状況に追い込まれると、どのような手段を尽くしても困窮状態から抜け出すことができなくなってしまいます。
法人破産に強い弁護士に相談をすれば、保険契約の解約、動産・不動産などの会社資産の売却など、費用を捻出するための方策についてアドバイスを提供してくれます。
あわせて、弁護士費用の分割払いや支払い期日についても対応してくれるでしょう。
法人破産事件を弁護士に依頼すると、弁護士は全ての債権者に対して受任通知書を送付します。
受任通知書の送付によって弁護士が法人の窓口になってくれるので、債権者からの執拗な督促に悩まされることはなくなるでしょう。
また、受任通知書を送付した段階で債務の返済自体もストップするので、返済予定だった金額をそのまま裁判所費用や弁護士費用に充てることが可能となります。
弁護士へ相談・依頼するタイミングは早いほうが負債の拡大を防止できます。
法人破産に踏み切るか否かは別として、資金繰りに問題を抱えているならすみやかに弁護士まで問い合わせましょう。
弁護士が破産者の代理人として自己破産を申し立てた場合には、多くの事件では少額管財事件として取り扱われます(※手続きが複雑である場合や債権者数や負債総額が多い大型事件の場合を除きます。)。
そもそも、法人破産の場合は「管財事件」として扱われるため、破産管財人に支払う費用が発生します。
法人財産の処理は個人の場合と比べると複雑になるため、「同時廃止事件」になることはほぼありません。
ところが、法人破産事件に弁護士が着任している場合には、破産管財人が負担するはずの業務の一部を弁護士が処理した上で申立てをすることが一般的です。
そのため、簡易迅速に終了できる見込みがあると管財人が判断した事件については、予納金の金額を従来の管財事件の場合よりも少額とする「少額管財事件」として運用されます。
少額管財事件なら裁判所へ支払う予納金を大幅に節約できるので、その分を弁護士費用に充てて、円滑に手続きを進めることが期待できるでしょう。
法人破産では、破産手続き前の書類の準備、申し立て手続き、債権者への通知および債権者集会対応、負債総額の調査、会社財産の調査、従業員の解雇処理、事務所の賃貸借契約の解約など、さまざまな手続きを並行して進めなければいけません。
経営者だけでこれらの手続きを期限までに処理するのは現実的に不可能なので、弁護士に依頼をして一任することを強くおすすめします。
さいごに、法人破産を弁護士に依頼するときの代表的な注意点を、Q&A形式で解説します。
法律事務所の規模が大きいほど、法人破産業務に割くことができる人員が多いため、スムーズな手続きが期待できます。
また、大手事務所のなかには、法人破産に特化した部門を設けているところも少なくありません。
ただし、依頼する法律事務所の規模が大きいほど、弁護士費用が高額になる傾向があります。
また、法人破産を依頼するときには「弁護士にどれだけ悩みを打ち明けることができるか」も大切なポイントになるので、規模だけではなく、弁護士との相性や実績なども判断材料に加えましょう。
法人と個人は、法律上別の主体です。
そのため、法人の資金繰りが厳しい状況だとしても、会社代表者が連帯保証人になっていない限りは個人財産に影響がないので、個人の自己破産を検討する必要はありません。
これに対して、法人の負債について会社代表者が連帯保証人になっているケースや、個人的な問題で借金トラブルなどを抱えているケースでは、個人の自己破産が必要なときもあるでしょう。
このように、法人と個人どちらも破産手続きが視野に入っている状況なら、同時に申し立てをしたほうが手続きは円滑ですし、再スタートする環境も早期に手に入ります。
法人だけ破産するべきか、個人だけ破産するべきか、あるいは両者同時に破産手続きに入るべきか。
どの方法が適切かは、ケースによってそれぞれ判断が分かれます。
かならず破産手続きや債務整理などに詳しい弁護士へ相談のうえ、さまざまな角度から適切な再建方法を検討してもらいましょう。
法人破産が視野に入るほど資金繰りなどに困っているなら、弁護士に相談するタイミングは早いほうがよいでしょう。
なぜなら、再建・清算に向けて動き出すタイミングが遅れるほど財務状況が悪化し、破産費用を捻出することさえ難しくなりかねないためです。
企業法務弁護士ナビでは企業法務に強い弁護士を多数紹介しているので、相談しやすいエリアの法律事務所まで問い合わせてみましょう。
法人の資金繰りや返済などに困っているなら、企業法務に強い弁護士に相談することを強くおすすめします。
企業法務に強い弁護士へ相談すれば、法人破産だけではなく、民事再生や会社更生、M&Aなどの幅広い選択肢から現実的な対処法を提案してくれるでしょう。
ただし、弁護士に相談するタイミングが遅れるほど事態は深刻化するため、選択肢が限定されるおそれがあります。
したがって、法人経営に不安があるときには、できるだけ早いタイミングで多角的な視野を有する企業法務に強い弁護士までご相談ください。