時効の援用に強い弁護士の選び方 | 費用や相談するメリット・デメリットについても解説

時効の援用に強い弁護士の選び方 | 費用や相談するメリット・デメリットについても解説

長年返済を放置していた借金は、場合によっては返済の義務がなくなることを知っていますか?

そのための手続きを「借金の時効援用」といい、時効援用を成功させることで借金をなくすことができる可能性があります。

ただし、時効援用をおこなう条件を満たしているかの判断は難しいうえに、手続きに失敗すれば時効成立が困難になることもあります。

そのため、借金の時効援用をおこなう際には、債務整理を得意とする弁護士に相談するのがおすすめです。

本記事では、借金の時効援用に強い弁護士の選び方を解説します。

時効援用をおこなう条件や、弁護士に相談するメリットについても解説しているので参考にしてください。

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この記事は、株式会社アシロの「法律相談ナビ編集部」が執筆、社内弁護士が監修しました。

時効の援用とは?

借金の時効援用とは、一定期間借金の返済をしなかった場合に、債権者に対して消滅時効が完成しているため、返済しない旨を主張することを指します。

借金を放置していれば時効が成立するわけではありません。

時効を成立させるためには、正しい手続きを踏んだうえで時効の援用をおこなう必要があります。

正しい手続きをおこなわなかったり、適用される条件を満たしていなかったりすると、利息や遅延損害金が上乗せされた借金を返済しなければならなくなる可能性があります。

時効の援用を利用できる条件

時効の援用を利用するためには、満たすべき条件があります。

以下では、満たすべき3つの条件について解説します。

1.5年または10年以上返済をしていない

時効の援用を利用するためには一定期間、借金の返済をおこなっていないことが必要です。

期間は抱えている借金の種類によって異なります。

一般的な借金の場合、5年以上全く返済していなければ時効の援用をおこなえます。

具体的には、消費者金融のキャッシング・クレジットカードでの負債・銀行のカードローンなどがあげられます。

一方で、借金の種類によっては、10年以上全く返済していない場合でないと時効の援用がおこなえないものがあります(改正民法施行前である2020年4月1日以前に借入れをした場合)。

具体的には、信用金庫や信用組合、労働金庫のカードローン(個人事業主が事業目的で借りる場合は5年)、奨学金、個人間の借金などです。

2.債務を承認していない

債務の承認とは、債権者に対して債務がある旨を認めることを指します。

具体的には、以下の行為がおこなわれることで「債務を承認した」とみなされます。

  • 少額でも借金の一部を返済した
  • 返済を待ってもらうよう債務者に依頼するなど、借金に対するやり取りをした
  • 借金が存在することを認める書面を作成した

もし債務を承認する行動を取ってしまうと、時効の援用が認められるための期間は振り出しに戻ります。

債務を承認してから、再度5年もしくは10年経つまで時効の援用は利用できません。

3.債権者から裁判を起こされていない

債権者によって、支払督促などの法的手続きが取られている場合についても、借金の時効がリセットされます。

そのため、時効の援用を主張できるまでの期間は振り出しに戻ります。

裁判による法的手続きが取られている場合、時効援用をおこなうには判決の確定から10年以上の期間が経っていることが必要です(消費者金融のローンなどでも、5年でなく10年となります)。

なお、仮に裁判を起こされても、債権者が途中で訴えを取り下げたり、債権者が敗訴したりした場合は、時効援用までの期間が振り出しに戻ることはありません。

時効の援用手続きをおこなうまでの流れ

時効の援用手続きに決まった形式はありません。

電話で伝えられるほか、郵便で書面を送ることも可能です。

また、この手続きは弁護士や司法書士に依頼することも、自分自身でおこなうこともできます

時効の援用手続きをおこなうまでの具体的な流れは、以下のとおりです。

  1. 時効期間の経過を確認する
  2. 時効援用通知書を作成する
  3. 内容証明郵便で債権者に送付する

1.時効期間の経過を確認する

はじめに、時効期間が経過しているかどうかを正確に把握します。

借入先である銀行や消費者金融から送付される督促状などが手元にある場合は、契約内容や返済期日について確認しましょう。

返済期日から5年以上経過している場合には、時効期間が成立している可能性があります。

また、手元に確認できる書類がない場合には、信用情報機関に信用情報の開示請求をすることができます。

そうすることで借金の最終返済日などのおおよその情報がわかります。

2.時効援用通知書を作成する

時効期間が経過していることを確認できたら「時効援用通知書」を作成します。

時効援用通知書に決まった形式はないものの、以下の内容を記載することが一般的です。

  • 時効援用通知書を作成した日付
  • 債権者の住所・会社名
  • 債権者の住所・氏名
  • 時効の援用をおこなう意思表示
  • 債権を特定できる情報

3.内容証明郵便で債権者に送付する

時効援用通知書の作成が完了したら、内容証明郵便で債権者に送付します。

内容証明郵便で送ることで、差出日や文章の内容、受取人が受け取ったことなどを証明してくれるからです。

送付したあとに配達証明が届いたら、債権者が時効援用通知書を受け取ったことが証明されます。

なお、このあとの流れは、債権者側の対応によって異なります。

債務不存在証明書が届いた場合には、時効の成立が確認できます。

しかし、電話などで連絡が来た場合には、債務を承認しないように注意しましょう。

時効の援用における弁護士と司法書士の違い

時効の援用は、弁護士と司法書士のどちらの専門家でも対応可能です。

しかし、両者には明確な違いがあるため、時効の援用をおこなう借金の状況によって使い分ける必要があります。

たとえば、時効の援用について司法書士に依頼した場合、司法書士の名義で時効援用通知書を作成してもらうことが可能です。

ただし、1社あたり140万円を超える債務額については、代理業務をおこなうことができません。

また、裁判になった場合も簡易裁判所でなければ代理人になれない、などの制約があります。

一方で、弁護士に依頼した場合には、債務額に制限がないことに加えて、時効完成の調査から争いが起こったときに全ての裁判所で代理人になることができます。

ただし、その分だけ費用が高額になる傾向があります。

弁護士に依頼すると費用は高額になりがちですが、債務額や代理権に制限がないことから、時効の援用に付随する全ての業務をカバーしているのです。

時効の援用に強い弁護士の選び方

借金の時効援用にはさまざまな条件があるほか、手間のかかる手続きや交渉をおこなう必要があります。

そのため、債務整理を得意とする弁護士に依頼するのがおすすめです。

以下では、時効の援用を相談する際の弁護士の選び方のコツを3つ紹介します。

1.対応実績や口コミを確認する

弁護士は、それぞれ得意としている問題やジャンルがあります。

そのため、時効援用について相談するのであれば、過去に多くの時効援用の案件を取り扱った経験のある弁護士を選ぶことが大切です。

時効援用を取り扱ったことがあるかどうか調べるときは、法律事務所のホームページに記載されている対応実績や過去のクライアントの口コミなどが参考になります。

2.初回無料相談を活用して信頼できる弁護士を見つける

法律事務所では、初回の相談を無料としていることも多いです。

この無料相談を活用して複数の弁護士に相談することで、弁護士からもらったアドバイスを聞き比べたりすることができます。

また、印象や対応を比較することで、自分に合った弁護士を選ぶことが可能です。

3.ベンナビ債務整理を利用する

ベンナビ債務整理」は、借金問題に注力している弁護士や司法書士を探すことができる弁護士・司法書士の検索サイトです。

自分の住んでいる地域や相談内容から弁護士を検索できるほか、債務整理にかかる費用相場や借金問題の解決事例など、さまざまなコンテンツが多数掲載されています。

借金の問題を抱えているなら、一度確認してみることをおすすめします。

【関連記事】債務整理に強い弁護士を探すならベンナビ債務整理(旧:債務整理ナビ)

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時効の援用を弁護士に依頼した場合の費用

時効の援用を弁護士に依頼した場合の費用には、相談料と手続きにかかる費用があります。

相談料については1時間あたり1万円程度が相場です。

しかし、初回無料相談としている法律事務所も多くあります。

また、時効の援用手続きにかかる費用は、3万円から10万円が相場となっています。

ただし、この金額はあくまでも債権者1社あたりの金額です。

借入先が複数ある場合には、その分だけ費用が加算されることに注意しましょう。

【関連記事】借金の消滅時効の援用とは?弁護士・司法書士に相談するメリットや費用を解説

時効の援用を弁護士に相談するメリット

弁護士への相談となるとハードルが高く感じてしまっている方もいるのではないでしょうか?

ここでは、時効の援用に関して、弁護士に相談するメリットを解説します。

時効援用をおこなえるか適切に判断してもらえる

借金の時効援用をおこなうために必要な条件は複雑です。

条件を満たさないまま時効の援用を主張してしまった場合、時効の成立が困難になる場合もあります。

そのため、条件を満たしているかしっかり確認する必要があります。

弁護士に相談することで、自分の状況をもとに、時効の援用をおこなえるか適切に判断してもらえるでしょう。

依頼した場合は手続きや交渉を任せることができる

時効援用をおこなうためには、債権者に時効の援用を主張する必要があります。

また主張したあとにも、債権者からの連絡に注意して、債務を承認しないように立ち回る必要があります。

債務を承認すると最悪の場合、時効までの期間が振り出しに戻ってしまう事態になりかねません。

弁護士に依頼することで、時効の援用手続きや、必要に応じて債権者との交渉なども代行してくれます。

依頼したあとは対応に時間を取られずに済みます。結果として、身体的にも精神的にも負担を減らすことができるでしょう。

時効の援用を弁護士に相談するデメリット

時効の援用を弁護士に相談することには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

具体的なデメリットには、以下のようなものがあります。

費用がかかる

時効の援用を弁護士に相談すると、1時間あたり1万円程度の相談料が発生します。

そのため、自分で時効の援用をおこなう場合や司法書士に相談する場合と比較して、費用がかかります。

ただし、初回の相談を無料としている法律事務所も多くあります。

時効の援用について相談するときには、初回無料相談の法律事務所を選ぶとよいでしょう。

時間がかかる

弁護士に相談するためには、あらかじめ時間を用意する必要があります。

時効の援用について相談するための資料を準備したり、相談するための時間を作るためにスケジュールを調整するなど、時間と手間がかかることでしょう。

日中忙しく働いている方には、相談から手続きに移るまでの時間を割くことが難しい場合があります。

まとめ|時効の援用を検討するなら弁護士に相談

借金の時効援用をおこなうことで、抱えている借金の問題を解決できる可能性があります。

しかし、時効援用を適切におこなうためには専門的な知識や経験が必要です。

時効援用をおこなうことを検討している方は、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士は、自分の状況に合った最善策を提案してくれます。

時効の援用について考えている方は、まずは弁護士に相談することから始めましょう。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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