「借金の返済が滞っている」「利息の返済で精一杯で元本がなかなか減らない」と借金の問題に苦しんでいるときは、弁護士に相談をしてみましょう。
弁護士に相談することで、相談者に最も適した形で、借金を整理する方法を提案してもらえます。
本記事では、借金を減額するための方法を紹介します。
また、借金の問題を弁護士に相談すべき理由や依頼した際の費用についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
借金減額の仕組みとは|借金問題を解決する3つの方法
借金を合法的に減額する方法としては、債務整理・過払い金請求・借金の借換えの3つがあります。
以下では、3つの減額方法について詳しく解説します。
債務整理|借金を減額または返済義務を免除する手続き
債務整理とは、借金の減額、免除または支払いの猶予を目的としておこなう手続きのことです。
債務整理には以下の3つの方法があり、借金の総額や債務者の状況に応じて選ぶべき方法が異なります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
過払金請求|払いすぎた利息の返還を求める手続
過払金とは、利息制限法に違反する金利に基づいて貸金業者に支払っていた利息のことです。
これを返還してもらうことで、借金の減額につなげます。
過払金が発生する背景として、2010年ごろまでは、出資法と利息制限法の上限金利に差があったことが挙げられます。
貸金業者は出資法と利息制限法の上限金利の間で金利を設定し、利息制限法に違反する利率で貸付けをおこなっていたのです。
俗に「グレーゾーン金利」といい、過払い金請求をおこなえば、グレーゾーン金利と利息制限法の上限金利の差額が返還されることになります。
したがって、過払金を請求できる可能性があるのは、2010年ごろまでに借入れをしていた人に限られます。
グレーゾーン金利が撤廃されたあとに開始した借金については、過払金請求ができないことが通常だということを覚えておきましょう。
また、貸金業者との最後の取引から10年以上経過してしまっている場合は、過払金請求権が消滅時効にかかってしまい返還を求められなくなってしまうので注意しましょう。
借換え|金利の低いローンを組んで返済中のローンを返済する手続き
現在の借入先から、金利が低い業者に借換えをおこなうことで、借金の利息を抑えられる可能性があります。
たとえば、金利が15%の借入先から金利10%の業者に借換えをし、200万円の借金を毎月5万円ずつ返済した場合は、利息の支払総額に約35万円の差がつきます。
また、複数の借入先を持っている方は、「おまとめローン」を利用して借換えをおこなうことも可能です。
おまとめローンは審査が厳しいものの、複数の借入先をまとめることで返済や管理をおこないやすくなります。
債務整理の3つの種類と適用条件
債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産の3つに分かれます。
それぞれ利用できる条件やメリット・デメリットが異なるので、以下の詳細を確認し、ご自身にマッチした債務整理の手続きを選んでください。
任意整理|金利カットや返済期間を交渉し返済の負荷を軽減する方法
任意整理とは、特定の債権者との交渉により、金利のカットや返済期間の延長を目指す手続きです。
では、任意整理の仕組みや適用条件を詳しく見ていきましょう。
任意整理の仕組み
任意整理をおこなう場合は、交渉する相手を選ぶことから始めます。
そして、将来的に発生する利息・遅延損害金のカットと、3年~5年の分割払いを認めてもらえるよう、交渉を進めていくケースが一般的です。
交渉が成立すれば、返済総額の圧縮と返済期間の延長によって、月々の負担を軽減することができます。
任意整理は個人再生や自己破産と比べて、免除・減額できる借金の額は小さいものの、裁判所を通す必要がなく、手間と時間がかからないため、比較的利用されることの多い方法といえるでしょう。
また、個人再生・自己破産とは異なり、債権者を自由に決められる点も特徴のひとつです。
どうしても迷惑をかけられない保証人がいる場合などは、一部の債権者だけを交渉の対象から外すこともできます。
任意整理の適用条件
任意整理の適用条件には、以下3点が挙げられます。
- 安定した収入がある
- 3年~5年間で完済できる見込みがある
- 返済計画を明確に示すことができる
任意整理では借金の元金自体を減らすことは難しいため、収入にもよりますが、一般的には200万円程度までの借金に有効な手段といえます。
個人再生|裁判所を通じて借金を大幅に減額してもらう方法
個人再生は、裁判所を通じて、現在負っている借金を大幅に減額してもらう手続きです。
では、個人再生の仕組みと適用条件を詳しく見ていきましょう。
個人再生の仕組み
個人再生の手続きをおこない、裁判所から返済が難しいことを認めてもらえると、借金が5分の1から10分の1程度まで減額できます。
個人再生後に最低限支払わなければならない金額は、現在抱えている借金の総額に応じて以下のとおり変動します。
基準債権総額 | 最低弁済額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円以上500万円未満 | 100万円 |
500万円以上1500万円未満 | 借金総額の5分の1 |
1,500万円以上3,000万円未満 | 300万円 |
3,000万円以上5,000万円以下 | 借金総額の10分の1 |
上記の表により算出される最低弁済額よりも手持資産の合計額が上回る場合は、手持資産の合計額が最低弁済額となります。
借金減額後の返済期間は、3年~5年程度に設定されるケースが一般的です。
個人再生を利用するメリットは、保権がついていない財産を手元に残せることです。
さらに住宅に関しては住宅ローンの残債が残っていても、住宅資金特別条項を使うことによって処分を回避できます。
自己破産の場合は住宅の維持が難しいので、住宅を残したい方には特に個人再生がおすすめです。
また、借金の理由は問われないため、ギャンブルや浪費による借金も個人再生で減額できる能性があります。
個人再生の適用条件
個人再生の適用条件には、以下2点が挙げられます。
- 住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下であること
- 安定的な収入があり、再生計画に則った返済ができること
自己破産の資格制限を受けてしまう方や、住宅ローンを支払っていて、債務整理をおこないつつも住宅を維持したい方は、個人再生申立てを検討してみてください。
なお、住宅ローンを除いて5,000万円を超える借金がある方は利用できないため、その場合は、自己破産申立てを検討する必要があるでしょう。
自己破産|裁判所を通じて借金の支払義務をなくす方法
自己破産は裁判所を通して、税金などの一部の債務を除き、全ての借金の支払義務を免責してもらう手続きです。
返済義務がなくなる反面、デメリットとして、価値のある財産が処分されてしまうおそれがあります。
では、自己破産の仕組みや適用条件を詳しく見ていきましょう。
自己破産の仕組み
自己破産は、換価できる財産を全て処分して債権者に分配をし、それでもなお返せない借金の支払い義務を免責する制度です。
借金が帳消しになるため、自己破産は債務整理のなかで最も強力な手続きといえるでしょう。
換価できる財産がないまま自己破産申立てをおこなうことも多く、その場合は、破産手続が開始決定と同時に廃止されます。
そのため、同時廃止となった場合は、換価する手続きはなされずに、免責の手続きに進みます。
ただし、破産手続が同時廃止となるか否かについては、専門家でなければ判断が難しいので、一度弁護士に相談することをおすすめします。
自己破産の適用条件
自己破産を選択するにあたっての考慮要素としては、以下の3点が挙げられます。
- 支払不能であること
- 借金の理由をはじめとし、免責不許可事由に該当しないこと
- 借金が非免責債権だけではないこと
免責不許可事由には、「浪費や賭博などによる借金」「返済できないとわかっていて借入れをした」「過去7年以内に自己破産をしている」などが含まれます。
また、非免責債権には「税金」「国民健康保険料」「罰金」「養育費」などが含まれます。
債務整理・過払金請求・借換えにはデメリットもあるので注意が必要
これまで説明したとおり、債務整理をすることで返済額の減額や免除が認められますが、一方で相応のデメリットが存在します。
以下では、どのようなデメリットがあるかについて解説します。
任意整理のデメリット
任意整理のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 減額できるかどうかは交渉次第
- 元本のカットは難しい
- 信用情報機関に事故情報が完済後も5年間程度登録される
- 保証人・連帯保証人に対する請求を実行される
任意整理はあくまでも債権者との交渉によって借金減額を目指すものなので、必ずしも成功するわけではありません。
また、元本のカットは難しいため、多額の借金があるようなケースには不向きといえます。
信用情報機関に事故情報が登録されてしまうのは、任意整理だけでなく個人再生・自己破産も同様ですが、人によっては大きなデメリットになるでしょう
債務整理後はしばらくの間、ローンが組めなくなったり、クレジットカードの作成・利用ができなくなったりといった不利益を受けることになります。
そしてなにより、保証人・連帯保証人付きの借金を任意整理すると、保証人・連帯保証人に請求がいき、迷惑をかけてしまう点には十分注意が必要です。
個人再生のデメリット
個人再生には、以下のようなデメリットがあります。
- 担保権がついている財産は原則として処分される
- 国が発行する官報に氏名・住所が掲載される
- 信用情報機関に事故情報が5年~7年登録される
- 全ての借金が対象になる
- 保証人・連帯保証人に対する請求を実行される
個人再生をおこなうと、担保権がついている財産は原則として処分されるため、ローン返済中の家や自動車がある場合には、一部例外を除いて手放さなくてはなりません。
また、国の機関紙「官報」に個人情報が掲載されるのもデメリットのひとつです。
官報はインターネットでも閲覧できるので、可能性は低いですが、知り合いに債務整理したことがバレてしまうリスクがあります。
任意整理とは異なり、個人再生では保証人・連帯保証人付きの借金や友人からの借金を含め、全ての借金が対象になる点にも注意が必要です。
個人再生をおこなうと、家族や友人に借金を肩代わりさせてしまう可能性があります。
自己破産のデメリット
自己破産のデメリットは、以下のとおりです。
- 借金の理由によっては免責が得られない
- 職業制限がある
- 財産が処分される
- 国が発行する官報に氏名・住所が掲載される
- 信用情報機関に事故情報が5年~7年登録される
- 全ての借金が対象になる
- 保証人・連帯保証人に対する請求を実行される
自己破産では借金の理由が重要な要素となるので、浪費やギャンブルなどで借金を作っている場合は、基本的に免責許可を受けられません。
また、職業制限があり、手続きが終了するまでは、弁護士などの士業・警備員・公証人・貸金業・教育委員会委員・団体企業の役員などの仕事ができなくなります。
自己破産をおこなうと、高価な財産が処分されてしまう点にも注意が必要です。
裁判所ごとに基準は異なりますが、99万円を超える現金や20万円を超える預貯金・有価証券、不動産、自動車などは原則として処分されます。
自己破産は借金が帳消しになる強力な手続きですが、その分、多くのデメリットがあることも理解しておかなければなりません。
過払金請求のデメリット
過払金請求のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 信用情報機関に事故情報が登録されることがある
- 請求先から借入れができなくなる可能性がある
過払金請求をしてもなお借金が残った場合には、信用情報機関に「債務整理」として約5年間登録されてしまいます。
また、借入先のブラックリストに載ってしまうケースもあり、信用情報機関への登録の有無に関係なく、請求後の借入れができなくなるおそれがあります。
借換えのデメリット
借換えのデメリットは、以下のとおりです。
- そもそも借換先の審査に通過できない可能性がある(不確実性)
- 総量規制の影響を受けることがある
借換えをおこなう際は、新たにローン審査を受ける必要がありますが、すでに多額の借金を抱えている状況では審査に通過できないこともあります。
また、借り換える金額や年収によっては、総量規制の影響を受けます。
総量規制とは、年収の3分の1を超える貸付けを禁止する制度のことです。
借換えによるお金の全額を他社返済に充てる場合は、総量規制の対象外となりますが、借りたお金の一部をほかの目的に流用する場合、総量規制に引っかかることがある点に注意してください。
借金減額を弁護士に相談するのがおすすめな理由
借金減額の手続きは、弁護士に相談するのがおすすめです。
以下では、借金の減額を弁護士に相談すべき理由を紹介します。
自分にとってベストな方法を提案してもらえる
借金減額を弁護士に相談するメリットのひとつは、自分にとってベストな方法を提案してもらえることです。
債務整理の方法は、借金の総額や置かれている状況に応じて選ぶ必要があります。
個人で判断することもできなくはないですが、専門家である弁護士の判断を仰ぐことで、よりベストな選択ができます。
一方でベストな選択肢ができなかった場合、本来であれば自己破産の申立てが相当であるのに、返済の目途が立たない条件で任意整理をおこなってしまうなど、結果的に状況が悪化してしまうおそれもあります。
債権者からの催促や支払いをストップできる
債権者からの催促や支払いをストップできることも、弁護士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
債務整理の依頼をおこなったタイミングで、弁護士から各債権者に受任通知が送られます。
受任通知を受けた債権者は、債務者に対して直接の連絡を取ることができなくなり、弁護士とのみやり取りをおこないます。
そのため、依頼をすると同時に、催促や取立てを一時的にストップすることが可能です。
面倒な手続きを全て任せられる
借金減額を弁護士に依頼すれば、面倒な手続きを全て任せられます。
債務整理の手続きは、債権者との交渉や裁判所への申立てなど、複雑な対応を多岐にわたっておこなう必要があります。
一方で、弁護士に債務整理を依頼すると、依頼者は必要書類の提出や家計表の作成といった、比較的単純な作業のみ対応することになります。
借金減額のためにかかる弁護士費用
借金減額を弁護士に依頼する場合、弁護士費用がかかります。
債務整理の方法ごとに詳細な費用を紹介します。
ただし、料金体系は法律事務所によって異なるので、あくまでも目安のひとつにしてください。
任意整理の場合
任意整理を弁護士に依頼した場合、かかる費用は以下のとおりです。
内訳 | 費用 |
---|---|
相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度 |
着手金 | 債権者1件あたり3万円〜6万円程度 |
解決報酬金 | 債権者1件あたり2万円程度 |
減額報酬金 | 減額された借金の10%程度 ※過払金がある場合は、過払金回収額に対して20%程度 |
任意整理は裁判所を介さない手続きなので、その分、個人再生・自己破産よりも費用負担を抑えられます。
個人再生の場合
個人再生申立てを弁護士に依頼した場合、かかる費用は以下のとおりです。
内訳 | 費用 |
---|---|
相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度 |
着手金 | 30万円~50万円程度 |
成功報酬 | 0円〜30万円程度 |
弁護士に支払う報酬のほかに、官報掲載料や申立手数料などの実費として3万円程度です。
個人再生の手続きに必要な個人再生委員への報酬として、15万円〜25万円程度の費用がかかる場合があります。
自己破産の場合
自己破産申立てを弁護士に依頼した場合、かかる費用は以下のとおりです。
内訳 | 費用 |
---|---|
相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度 |
着手金 | 30万円〜50万円程度 |
報酬金 | 0円~30万円程度 |
また、弁護士費用のほかに官報掲載料を中心とした実費として数万円〜数十万円の費用がかかります。
加えて、管財事件となった場合は、裁判所に対し、最低でも20万円を納付する必要があります。
過払金請求の場合
過払金請求を弁護士に依頼した場合、かかる費用は以下のとおりです。
内訳 | 費用 |
---|---|
相談料 | 30分あたり5,000円〜1万円程度 |
着手金 | 債権者1件あたり2万円程度 |
解決報酬金 | 債権者1件あたり2万円程度 |
成功報酬金 | 交渉で解決した場合:過払い金の20%以下 訴訟で解決した場合:過払い金の25%以下 |
また、交通費や裁判の手数料などの実費や、弁護士が出張した場合の日当が別途かかります。
借金減額は弁護士と司法書士どちらに頼むのがよい?
多額の借金を背負っている場合は、弁護士を選ぶようにしましょう。
司法書士は債権者1社の借金が140万円を超えていると、対応することができません。
一方で、司法書士を選ぶメリットは対応費用の安さにあります。
そのため、比較的低額の債務整理であれば、司法書士への依頼を検討する価値はあるといえます。
弁護士の介入による借金減額の成功事例
ここでは、弁護士の介入による借金減額の成功事例を紹介します。
同じように借金を減額できる可能性は十分あるので、ぜひ参考にしてみてください。
自己破産で500万円の借金がゼロになった事例
依頼者は、クレジットカードで散財することで仕事のストレスを発散していました。
リボ払いも利用して買い物を続けるうち、借金額は500万円に膨れ上がり、収入内での返済が難しい状況に陥ってしまったのです。
そこで、弁護士と相談のうえ、自己破産に踏み切りました。
浪費での借金は、原則自己破産の対象外ですが、すでに浪費をやめて家計の見直しをしていたこともあり、免責が許可され、新たな人生のスタートをきれるようになりました。
過払金請求で2社から240万円を獲得した事例
依頼者は、15年間にわたって消費者金融2社から借入れをおこなっていました。
そして、1社が完済したタイミングで、過払い金請求の可否を弁護士に相談したところ、2社それぞれに120万円ずつの過払金があることが発覚したのです。
最終的には訴訟手続をおこない、計240万円の返還を受けることに成功しました。
借金減額診断・シミュレーターを利用するメリットと注意点
債務整理などを検討している場合は、借金減額診断・シミュレーターを利用してみましょう。
借入額・月々の返済額・利率などを入力すれば、任意整理によっていくら減額できるのかを簡単に把握できます。
ただし、借金減額診断・シミュレーターで表示される結果は、あくまでもおおよその目安です。
必ずしも、そのとおりに借金を減額できるわけではありません。
また、運営元から連絡がきたり、悪徳業者が運営していたりする可能性もあるので、サービスの信頼性はしっかりと見極めるようにしましょう。
「ベンナビ債務整理」でも借金減額シミュレーションを利用できるので、ぜひ活用してみてください。
さいごに|借金の返済に困ったら弁護士に相談して解決をめざそう
借金の返済にお困りの方は、債務整理をおこなうのが効果的です。
しかし、債務整理は借金の総額や置かれている状況に応じて、任意整理・個人再生・自己破産から適している手続きを選ぶ必要があります。
また、それぞれの手続きは複雑で法律の知識が求められます。
債務整理をおこない、借金の減額を目指したい方は弁護士への相談がおすすめです。
ベンナビ債務整理をうまく活用して、自分にあった法律事務所を探し、借金減額に役立ててください。

