個人再生
個人再生でクレジットカードは使えなくなる?いつから使える?代替手段や注意点を解説
2024.11.26
高額な借金を抱えてしまい、生活がひっ迫している方は個人再生を検討してみましょう。
個人再生をすると毎月の返済額が大幅に減額されるので、完済の目途が立ちやすく、人生のやり直しも十分に可能です。
個人再生は裁判所を介した手続きであるため、弁護士に依頼するケースが一般的ですが、借金に苦しんでいる方は以下のような疑問も生じるでしょう。
個人再生する場合、裁判所費用と弁護士費用が必要になるため、ある程度の出費は避けられません。
ただし、弁護士費用の負担を軽減できる方法もあるので、まとまった資金がなくても個人再生を依頼できる可能性があります。
本記事では、個人再生における弁護士費用の相場や費用負担を軽くする方法、個人再生を任せる弁護士の探し方などをわかりやすく解説しています。
借金生活から抜け出したい方は、ぜひ個人再生のメリットも参考にしてください。
個人再生を弁護士に依頼した場合、弁護士費用は50万円~80万円程度が相場です。
弁護士との相談料や報酬金だけではなく、弁護活動に必要な実費なども発生します。
具体的には以下のような費用で構成されているので、依頼する前に相場をつかんでおきましょう。
なお、弁護士費用は法律事務所によって異なるので、依頼する前には必ず費用を確認してから依頼をするようにしましょう。
弁護士との法律相談料は30分あたり5,000円~1万円程度が相場です。
初回のみ無料としている法律事務所もあるので、気軽に相談してみましょう。
以下の項目をメモなどに書き出し、要点をまとめてから相談すると時間を有効活用できます。
預金通帳や残債(借金の残り)などがわかる資料も準備しておくとよいでしょう。
個人再生を弁護士に依頼すると、20万円~40万円程度の着手金がかかります。
着手金は問題解決の成否を問わず支払うことになるので、正式に依頼するときはまとまった資金が必要です。
以下の報酬金や実費なども含め、借金生活から抜け出し、再起を図るための必要経費と捉えておきましょう。
なお、弁護士によっては着手金無料で依頼できるケースもあります。
個人再生が成功した場合は30万円程度の報酬金を支払います。
ただし、住宅ローン特則によって自宅を残したときは、40万円程度の報酬金になります。
何をもって成功とするかですが、一般的には「裁判所に再生計画案(減額された借金の返済プラン)が認められること」を成功とする弁護士が多いでしょう。
なお、弁護士によっては報酬金を設定していないケースもあります。
弁護士が法律事務所を離れて活動する場合は日当が発生します。
半日分の日当は3万円~5万円程度、1日分の日当は5万円~10万円程度になることが多いでしょう。
移動時間も日当の対象になるので、着手金や報酬金が安くても、遠方の弁護士に依頼すると支払総額が高くなる可能性があります。
どうしても費用を押さえたい場合は、できるだけ近くの弁護士に依頼するとよいでしょう。
実費には、交通費・通信費・事務手数料・印紙代などが含まれます。
特に決まった相場はありませんが、発生の都度請求されるケースが多いので、1万円~2万円程度は確保しておくべきでしょう。
個人再生手続を開始するときは、裁判所に以下の費用を支払います。
個人再生委員には個人再生手続をサポートする役割があります。
申立人(個人再生をする方)の収入や借金、資産などを調査して、再生計画案作成のサポートをしてくれます。
選任するかどうかは各裁判所の判断となりますが、たとえば東京地方裁判所では必ず個人再生委員を選任するルールとなっています。
なお、裁判所によっては個人再生委員による履行テスト(返済能力があるかどうか)がおこなわれるケースもあります。
一般的には6ヵ月程度個人再生委員に支払いをして、弁済(返済)可能かどうかを判断しますが、テストが完了したあとは申立人に返金されます。
個人再生の弁護士費用は決して安くありません。
しかし、以下のように負担を軽くする方法もあり、すぐに支払うのが難しそうな方は柔軟に対応してくれる弁護士を探しましょう。
借金問題に注力している弁護士の場合、後払いや分割払いに応じてくれることがあります。
分割払いは基本的に最大12回程度で、個人再生できれば借金は大幅に減額されるので、なるべく短い期間で支払いを完了させましょう。
後払いは弁護士によって条件が異なるので、何ヵ月まで待ってもらえるか相談時によく確認してください。
着手金を用意できないときは、完全成功報酬制の弁護士を探してみましょう。
完全成功報酬制の弁護士は着手金を無料にしているので、相談料や実費さえ負担できれば個人再生手続を依頼できます。
分割払いや後払いが可能かどうかも確認しておくとよいでしょう。
ただし、着手金相当額を報酬金に加算しているケースが一般的なので、弁護士費用の総額が安くなるわけではありません。
あくまでも「支払いの先送り」だと理解してください。
後払いや分割払いも難しいようであれば、すぐに弁護士へ相談してください。
もし対応途中で「実はお金が足りない」ということになると、弁護士に辞任される可能性があります。
その場合は着手金が無駄になってしまうので、収入などの事情は全て弁護士に伝えておきましょう。
個人再生の依頼先としては、弁護士のほかに司法書士などもあります。
司法書士の依頼費用は弁護士よりも安く済むこともあり、弁護士費用を用意できないときは司法書士への相談を検討してみましょう。
ただし、司法書士と弁護士では業務範囲や権限が異なるので、以下の点には十分注意してください。
司法書士に個人再生を依頼すると20万円~30万円程度で済むこともあり、弁護士費用に比べて安くなる可能性があります。
ただし、自宅を残す場合は5万円~10万円程度の加算がされることがあるほか、以下のように高額な借金には対応できないので注意が必要です。
司法書士(認定司法書士)の場合、依頼者の代理人になれるのは簡易裁判所の手続きのみとなっており、受任できる案件は140万円以下の場合に限られます。
個人再生は地方裁判所を介した手続きなので、司法書士には申立用の書類作成しか依頼できないでしょう。
弁護士が関わる法律問題は多岐にわたり、債務整理や刑事事件など、弁護士によってそれぞれ注力分野が異なります。
なかには「個人再生を依頼する弁護士の探し方がわからない」という方もいるでしょう。
弁護士への相談や依頼が初めての方は、以下の方法で弁護士を探してください。
すぐにでも弁護士を見つけて依頼したい方は、当サイト「ベンナビ債務整理」をおすすめします。
ベンナビ債務整理では、地域別や相談内容別で弁護士検索でき、近くで対応可能な弁護士が一覧表示されます。
以下の情報も一覧でチェックできるので、自分に合った弁護士が効率的に探せるでしょう。
無料相談の回数が無制限の弁護士や、無料相談が1時間可能な弁護士なども掲載されています。
法律事務所の詳細情報には借金問題の解決事例もあるので、個人再生の具体的な効果がわかります。
弁護士費用を比較して決めたい方や、自宅や最寄り駅近くの弁護士を探したい方は、ぜひベンナビ債務整理を活用してください。
個人再生を依頼するときは、弁護士の専門性や解決力の高さを見極める必要があります。
法律事務所のホームページには重要な情報が集約されているので、「地域名+弁護士」や「弁護士+個人再生」などのキーワードでインターネット検索してみましょう。
自宅や会社の近くなどで利用しやすい法律事務所が見つかったら、以下の情報を確認してください。
経験年数が長い弁護士は裁判所の手続きにも慣れており、借金問題の解決ノウハウも豊富です。
債務整理が得意な弁護士であれば、個人再生も安心して任せられるでしょう。
また、ホームページに相談件数や解決実績が掲載されている場合、借金問題の解決に自信がある弁護士と考えてよいでしょう。
法律事務所の候補先が複数見つかったときは、弁護士のプロフィールも参照してみましょう。
弁護士選びでは相性の良さもかなり重要で、対応方針などの情報をもとに自分に合う弁護士が見つかるケースもあります。
どの弁護士に依頼してよいか迷ったときは、個人再生関連の著書がある弁護士や、書籍の監修に携わっている弁護士を探してみましょう。
書籍監修に携わっている弁護士であれば、しっかりとした知識があり、借金問題に注力していることがわかります。
関連書籍は法律事務所のホームページや通販サイトに掲載されており、大型の本屋でも取り扱っています。
新聞社などのホームページにコラムを投稿していたり、法律関連の業界誌に小論を掲載していたりする弁護士であれば、理想的な相談相手といえるでしょう。
法テラス(日本司法支援センター)とは、各都道府県に設置された法務省所管の法律相談窓口です。
法テラスでは民事法律扶助業務をおこなっており、収入や資産が少ないなどの一定条件を満たしている方は3回までの無料法律相談と、弁護士費用の一時立替払いを利用できます。
相談方法には、直接面談・電話相談・メール相談があります。
サポートダイヤルは以下の時間帯に対応しているので、帰宅が遅い方や平日の相談が難しい方も利用しやすいでしょう。
サポートダイヤル | 0570-078374 |
受付時間 | 平日9:00〜21:00 土曜9:00〜17:00 ※祝日・年末年始を除く |
相談料金 | 0円(通話料は利用者が負担) |
民事法律扶助制度を利用するには収入要件などを満たす必要があり、給与明細や住民票などを提出し、審査結果を待たなければなりません。
たとえば、単身者の場合は月収が18万2,000円以下、保有資産(預貯金や現金など)が180万円以下などの要件があります。
法テラスに相談すると弁護士も紹介してもらえますが、相談者側からは指定できないため、個人再生に詳しくない弁護士が担当する可能性もあります。
弁護士を指定して相談・依頼したい方は、以下の法律相談センターを利用してみましょう。
【参考元】法テラス(日本司法支援センター)
日弁連(日本弁護士連合会)の法律相談センターは全国に設置されており、借金問題の相談も受け付けています。
債務整理や個人再生に詳しい弁護士を紹介してくれるので、自宅や会社の近くに法律事務所がなく、どこで弁護士を探してよいかわからない方は利用してください。
相談料は有料のところと無料のところがあります。
多重債務などの問題は無料相談できるケースもあるので、各センターの情報をよく確認しておきましょう。
忙しくて相談できる日時が限られている方は、「ひまわり相談ネット」または「ひまわりお悩み110番(0570-783-110)」で相談日を予約できます。
地域によっては巡回法律相談もおこなわれているので、法律相談センターが遠い方でも利用しやすくなっています。
【参考元】全国の弁護士会の法律相談センター(日本弁護士連合会)
市区町村によっては、定期的に無料法律相談を開催しているところもあり、同じ区内や市内など、近くにいる弁護士が相談に乗ってくれます。
原則として相談のみとなっていますが、近くにいる弁護士が担当しているので、個人再生手続きについて聞きたいときに遠くまで移動する必要がありません。
ただし、担当弁護士が個人再生に詳しいとは限らず、相談日によっては司法書士が担当しているケースもあります。
利用する際は、事前に自治体ホームページで相談可能な内容を調べるか、担当窓口に問い合わせておくとよいでしょう。
個人再生を弁護士に依頼すると以下の5つのメリットがあるので、借金に悩まされている方は参考にしてください。
弁護士費用が気になっている方は、費用対効果を考えてみるとよいでしょう。
弁護士が個人再生手続きを受任すると、債権者に受任通知が送付されます。
受任通知送付後は、債権者からの督促や請求が一旦停止するので、不安やストレスから解放されます。
自分で個人再生手続きに対応すると督促は止まりませんが、弁護士に依頼すると精神的な余裕も出てくるので、仕事にも集中しやすくなるでしょう。
個人再生を弁護士に依頼すると、借金の調査過程で過払い金が判明するケースもあります。
過払金請求には別途費用もかかりますが、これまでの支払い過ぎた部分を取り返せるので、弁護士に依頼するメリットは十分にあるでしょう。
個人再生は自分で手続きを進めることもできますが、裁判所に何度か出向くことになるので、働いている方は平日に時間を空ける必要があります。
休暇を取りにくい方は裁判所での手続きが難しく、必要書類の準備なども自分で対応しなければいけません。
弁護士には裁判所での手続きを全て任せられるので、多忙な方ほど依頼するメリットが大きいでしょう。
裁判所の手続きでは書類の提出がメインになります。
個人再生の場合は、財産目録・再生計画案・申立書・陳述書なども作成しなくてはならないため、素人にはかなりハードルの高い作業です。
弁護士に依頼すると、依頼者にとって有利になるような書類を準備してくれるので、個人再生を認めてもらえる可能性が高くなります。
自分では「個人再生するしかない」と思っていても、弁護士からすると意見が異なるケースもあります。
借金問題の解決方法には任意整理や自己破産などもあり、収入・負債額・資産状況などから総合的に最適な手段を判断する必要があります。
借金問題に注力している弁護士であれば、個人再生すべきか相談に乗ってもらえるので、正しい解決方法を提案してくれるでしょう。
なお、借金問題に詳しい弁護士であっても情報が不足していると正しい判断ができません。
「何社からいくら借りているか」「毎月の手取り額や返済額はいくらか」「どのような資産があるか」といった情報は正確に伝えておきましょう。
個人再生を考えている方は、以下で解説するポイントを押さえておきましょう。
借金問題の解決方法はいくつかあるので、本当に個人再生が最も良い選択なのかどうか、以下のメリット・デメリットから判断しましょう。
借金の減額も含めて、個人再生が生活にどのように影響するのか、具体的なイメージをつかんでください。
個人再生には以下のようなメリットがあり、これまで借金に悩んでいた方でも生活再建の目途が立つでしょう。
個人再生に成功すると、借金が500万円以上1,500万円未満のときは弁済額が5分の1、3,000万円以上5,000万円未満のときは10分の1まで減額されます。
借金の理由も問われないので、単なる浪費やギャンブルが原因であっても申立ては可能です。
自己破産の場合は財産を処分(売却)して返済に充てますが、個人再生では車や自宅を手放す必要がありません。
資格や職業の制限もなく、現在の仕事や収入をそのまま維持できるので、再生計画案どおりの返済がしやすくなります。
個人再生の手続きを開始すると債権者は強制執行ができなくなるため、給与や家財道具などを差し押さえられる心配もありません。
再生計画に従った返済を続けていれば利息も発生しないので、借金生活からの脱出も現実的なものになるでしょう。
個人再生には以下のようなデメリットもあるので、十分な検討が必要です。
個人再生するときは再生計画案を作成しますが、清算価値保障の原則に従う必要があり、十分な専門知識がなければ対応できません。
手続きにはかなりの時間と労力がかかるので、弁護士以外の対応はほぼ困難でしょう。
清算価値保障の原則とは、仮に破産した場合、債権者への配当(財産の売却代金を返済に充てたもの)以上の金額を返済しなければならないルールです。
また、個人再生は借金全体に適用されるので、一部の借金だけを減額することはできません。
保証人付きの借金があると、保証人が減額分を一括返済することになる場合もあります。
なお、信用情報機関には事故情報として登録(いわゆるブラックリスト入り)されるため、約7年~10年は新たな借入れができません。
全ての借金の返済が免除されるわけではないため、安定した収入がなければ再生計画案どおりの返済は難しいでしょう。
個人再生すると官報にも掲載されますが、閲覧する人は限られているので、周囲に知られる可能性は低いでしょう。
ただし、官報を見た闇金業者が接触してくるケースもあるので、借りることがないように注意してください。
借金問題の解決方法はいくつかあるので、人によっては個人再生以外の方法が向いているケースもあります。
個人再生の向き・不向きは、以下の基準で判断しましょう。
もし迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
以下の条件に該当する方であれば、個人再生を選択したほうがよいでしょう。
借金問題を解決する場合、個人再生以外にも任意整理や自己破産などの選択肢があります。
任意整理は借金の減額幅が小さいため、なるべく返済負担を大幅に圧縮したい方は個人再生が向いています。
自己破産は財産の換価(売却して返済に充てる)が原則となっており、職業制限もあるため、現在の仕事や車・自宅などを維持したい方は個人再生を選択するべきでしょう。
個人再生では借金の理由を問われることがないので、ギャンブルなどの借金理由を問われたくない方には向いています。
また、個人再生は裁判所を介した法的整理になるため、再生計画が認められると債権者も従わざるを得なくなります。
法的整理ではない任意整理では債権者との交渉次第になるため、借金を大幅に減額したい方には個人再生が向いています。
以下の条件に該当する方は、個人再生に不向き、または個人再生が認められません。
住宅ローン以外の借金が5,000万円を超えている場合、個人再生手続は認められません。
裁判費用を用意できない方も、当然ながら個人再生は不可能です。
なお、個人再生ではない通常の民事再生は可能ですが、手続きの内容は非常に複雑です。
借金の減額分は保証人に請求されるので、保証人に迷惑をかけられない方も個人再生には不向きでしょう。
収入が不安定な方は再生計画案どおりの返済が難しいため、弁護士に相談して、自己破産が可能かどうか診断してもらいましょう。
個人再生を弁護士に依頼した場合、以下のような流れで手続きが進みます。
事務手続きは弁護士が対応してくれますが、個人再生委員との面談もあるので、依頼者も全体の流れを把握しておきましょう。
なお、弁護士への依頼から再生計画の認可まで、概ね6ヵ月程度の期間がかかります。
弁護士が個人再生手続を受任したあとは、財産目録や債権者一覧などを作成し、申立用の書類一式を準備します。
財産や家計の収支、債権者の情報は漏れなく弁護士に伝えてください。
個人再生委員が選任された場合は面談がおこなわれるので、質問には正直に答えておきましょう。
面談では、申立書類の内容だけではわからない部分を聞かれます。
隠している財産があったり収入が不安定だったりすると、個人再生を認めてもらえない可能性が高くなります。
無事に再生計画が認可されたら、必ず計画どおりに返済しましょう。
個人再生に成功すると毎月の返済負担が軽くなり、財産を失う可能性も低いので、自宅や車を残したまま借金生活から脱出できる可能性があります。
全ての借金から解放されるわけではありませんが、人生の再スタートは十分に可能でしょう。
弁護士以外が対応するのはかなり難しいので、もし手元の資金が足りないときは、後払いや分割払いに対応している弁護士や、着手金無料の弁護士などを探してください。
なお、債権者側が法的手段に出るケースも少なくないので、あまり弁護士探しに時間をかけるわけにはいきません。
効率的に弁護士を探し、すぐにでも依頼したい方はベンナビ債務整理で弁護士を探してみましょう。