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クレジットカードの借金を債務整理で減額するデメリットをわかりやすく解説
2024.10.08
借金の消滅時効が完成した場合、債務者が時効を援用すれば、借金を返済する必要がなくなります。
ただし、借金の時効を援用した場合でも、個人信用情報機関に登録された信用情報(事故情報)が回復するとはかぎりません。
場合によっては、時効援用後の数年間、引き続きローンやクレジットカードの利用ができない可能性があるため注意してください。
本記事では、借金の消滅時効と信用情報の関係性などを解説します。
借金の時効援用には注意が必要です。
時効の更新というルールがあり、裁判上の請求で判決が出た場合や強制執行などが実行された場合、権利の承認があった場合には時効がリセットされます。
従って、たとえ借りたときから5年や10年が経っていたとしても、必ず時効が成立しているとはいえないのです。
また時効の援用に失敗すると、多額の返済が求められる可能性もあります。
時効援用を検討中の方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
下記のようなメリットがあります。
初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはお気軽にご相談ください。
「信用情報」とは、個人にお金を貸した場合などに、将来債務がきちんと支払われるかどうかを判断する際の参考になる情報です。
借金の返済を滞納した場合、信用情報に傷がつくことにより、債務者は一定の不利益を受けてしまいます。
個人の信用情報を管理しているのは、以下の3つの個人信用情報機関です。
銀行・信用金庫・信用組合・農協などが主に加盟しています。
【参考元】全国銀行個人信用情報センター
主に消費者金融などの貸金業者が加盟しています。
【参考元】株式会社日本信用情報機構
主にクレジットカード会社が加盟しています。
【参考元】株式会社シー・アイ・シー
借金の返済を滞納すると、個人信用情報機関のデータベースに「事故情報(異動情報)」が登録されます。
事故情報にあたるのは、以下のいずれかの事由が発生したという情報です。
支払期日より2ヵ月から3ヵ月程度支払いが遅れた事実は、事故情報に該当します。
任意整理・個人再生・自己破産などをした事実は、事故情報に該当します。
債務不履行が発生し、保証会社が債務者に代わって債務を支払った事実は、事故情報に該当します。
金融機関やクレジットカード会社が与信審査(お金を貸してよいか・クレジットカードの利用を認めてよいかなどを判断するための審査)をおこなう際には、債務者の信用情報をチェックするため、個人信用情報機関のデータベースを参照します。
その際、事故情報が登録されていると、与信審査に通ることはほとんどなくなってしまいます。
個人信用情報機関に事故情報が登録された場合の、具体的なデメリットは以下のとおりです。
事故情報の登録期間は、該当する事由と個人信用情報機関によって、以下のとおり異なっています。
滞納の解消から5年(共通)
上記の期間が経過すると事故情報は抹消され、再び借り入れやクレジットカードの利用ができるようになります。
借金の消滅時効を援用した場合、債務者の返済義務は消滅します。
しかし、個人信用情報機関のデータベースに登録された事故情報については、きれいに抹消されるとはかぎらないという点に注意が必要です。
個人信用情報機関は、会員(加盟している金融機関やクレジットカード会社など)から提供される情報を基にデータベースを管理・更新しています。
そのため、借金の時効援用についても、債権者である金融機関やクレジットカード会社によって情報が登録されないかぎり、信用情報の更新はおこなわれないという点に注意しましょう。
株式会社日本信用情報機構(JICC)に登録された借金の滞納に関する事故情報は、消滅時効の完成後に時効が援用された場合、時効の起算日に遡って抹消されます。
民法上、時効完成による債務消滅の効力は、起算日に遡って発生するものとされているのです(民法第144条)。
JICCでは、事故情報の取り扱いについても、このような民法の規定を尊重していると考えられます。
【参考元】開示書についてのQ&A |JICCに登録されている信用情報は、どのくらいの期間登録されるのですか?|日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
株式会社シー・アイ・シー(CIC)に登録された借金の滞納に関する事故情報は、時効が援用されても完全に抹消されるわけではありません。
CICの場合、借金の時効が援用された情報が登録された場合、事故情報の訂正がおこなわれます。
具体的には、終了状況が「完了」となり、情報の保有期限は登録から5年後の日付に訂正されます。
つまり、「借金の滞納があったけれど、時効援用により債務が消滅した」ということがわかる状態が、時効援用後5年間は続くのです。
与信審査においてどのように考慮されるかは金融機関・クレジットカード会社によって異なりますが、過去に借金の滞納があった事実が、直ちに信用情報から消えるわけではないという点に注意が必要です。
借金の滞納に関する事故情報が全国銀行個人信用情報センター(KSC)に登録されているのは、主に銀行カードローンを滞納したケースです。
銀行カードローンは、保証会社が保証をおこなっています。
債務者が銀行から借りたカードローンについては、滞納が発生した時点で保証会社が代位弁済をおこない、代位弁済に関する事故情報が登録されます。
代位弁済に関する事故情報は、時効援用によって修正されることはありません。
代位弁済に関する事故情報の登録期間は5年間です。
したがって、事故情報の抹消には、代位弁済から5年間が経過するのを待つ必要があります。
消滅時効とは、一定期間権利を行使しない場合に、その権利が消滅する制度です。
借金についても、ほかの権利と同様に消滅時効が適用されます。
他人にお金を貸した人は、借りた人に対して返済を求める権利があります。
これを「債権」といいます。
民法上、債権には消滅時効が適用されるのです。
消滅時効期間が経過することを、時効の「完成」といいます。
借金の消滅時効が完成すると、借入人の貸付人に対する返済義務は消滅します。
したがって、貸付人は消滅時効が完成する前に、借入人に対して借金の返済を請求しなければなりません。
借金の消滅時効は、以下の期間が経過すると完成します。
借り入れ時期 | 時効期間 |
---|---|
2020年3月31日以前に借り入れた場合 | 権利を行使できるときから10年 |
2020年4月1日以降に借り入れた場合 | 以下のいずれかの期間 ・権利を行使できることを知ったときから5年 ・権利を行使できるときから10年 |
たとえば、2020年10月1日にお金を借り、返済期日が1年後の2021年9月30日だとします。
この場合、当初の消滅時効が完成するのは2026年9月30日が経過した時点です(=権利を行使できることを知ったときから5年)。
ただし、後述する時効の更新事由が生じた場合は、更新時から新たに消滅時効期間が進行します。
債務者が消滅時効の完成によって債務を免れるには、消滅時効期間が経過したあとに、時効の「援用」をおこなう必要があります。
時効の援用とは、時効完成による債務消滅の利益を受ける旨の意思表示です。
内容証明郵便の送付や訴訟での答弁によって時効を援用することになります。
時効を援用した債務者は、債権者に対して借金を返す必要がなくなります。
消滅時効期間が経過する前に、時効の「完成猶予」または「更新」の事由が発生した場合、消滅時効の完成は阻止されます。
<時効の完成猶予事由>※2020年4月1日以降に発生した債権の場合
<時効の更新事由>※2020年4月1日以降に発生した債権の場合
①以下のいずれかの手続きをおこなったあとに権利が確定したこと
②以下のいずれかの手続きが終了したこと
③権利の承認
ただし、2020年3月31日以前に発生した債権の場合、時効の完成猶予は「停止」、時効の更新は「中断」に置き換えられます。
<時効の停止事由>
<時効の中断事由>
消滅時効期間が経過しても、時効の完成猶予(停止)事由が存在する間は、時効完成により債務が消滅することはありません。
また、時効完成前に更新(中断)事由が発生した場合は、消滅時効期間がリセットされます。
消滅時効期間の経過を理由に借金の返済義務を消滅させるには、時効の援用が必要です。
時効の援用は、主に以下の方法によっておこなわれます。
時効完成後に債権者から請求書が送られてきた場合は、内容証明郵便を送付して時効援用の意思表示をおこなうのが一般的です。
内容証明郵便は、郵便局が差出人・宛先・差出日時・内容を証明するサービスです。
時効を援用した事実を明確化し、証拠を残しておくためには、内容証明郵便が手軽かつ有効な方法となります。
内容証明郵便を送付する際には、所定の書式に沿った謄本の作成が必要となります。
謄本の作成方法がわからなければ、弁護士などに相談してください。
【参考元】内容証明|郵便局
債権者が借金の返済を求めて訴訟を提起してきた場合は、裁判所に提出する答弁書の中で、時効を援用する旨を記載しましょう。
答弁書において時効を援用する場合、以下の事項の記載が必要です。
(例)2011年4月1日に、返済期限を2012年3月31日として、原告から金100万円を借り入れた。
(例)2022年3月31日は経過した。
※2020年3月31日以前に成立した債権のため、「権利を行使できるときから10年」の経過が必要
(例)上記金100万円の借り入れについて、消滅時効を援用する。
債権者は、時効完成を否認するため、さまざまな反論をおこなってくる可能性があります。
その際には、信頼できる弁護士と相談しながら、法的な観点から適切に再反論をおこないましょう。
借金の時効援用には注意が必要です。
時効の更新というルールがあり、裁判上の請求で判決が出た場合や強制執行などが実行された場合、権利の承認があった場合には時効がリセットされます。
従って、たとえ借りたときから5年や10年が経っていたとしても、必ず時効が成立しているとはいえないのです。
また時効の援用に失敗すると、多額の返済が求められる可能性もあります。
時効援用を検討中の方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
下記のようなメリットがあります。
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