子どもの親権・養育費
養育費の差し押さえ方法(強制執行)をわかりやすく解説
2024.11.20
子どもを持つ親が離婚する際に必ず問題となるのが、子どもの「養育費」です。
厚生労働省が実施した「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子世帯の42.9%、父子世帯では20.8%が養育費の取り決めをしたうえで離婚しています。
また、養育費の取り決めにあたっては、母子世帯の51.2%、父子世帯の31.2%が「誰かに相談した」と回答しており、特に母子世帯となる側では自分だけでは問題を解決できないという状況がうかがえます。
本記事では、、離婚に際して養育費の取り決めに悩んでいる方へ相談窓口をご紹介します。
養育費に関する基礎知識や養育費問題を弁護士に相談すべきケースもあわせて解説していきましょう。
離婚後の養育費について悩んでいても、どこに相談したらいいかわからずにか迷っていませんか。
結論からいうと、養育費の問題は弁護士へ相談するのがおすすめです。養育費問題は、相手方と揉めることも多いため、事前に相談しておくことで話し合いが長引くことや相手と揉めることを防げる可能性があります。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットを得ることができます。
当サイトでは、離婚問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
養育費問題の解決が期待できる相談先は「弁護士」です。
とはいえ、数ある弁護士事務所の中から離婚・養育費の問題について良いアドバイスがもらえる事務所を自分で探し出すのは容易ではありません。また、「いきなり弁護士はハードルが高い」と考えている人も多いでしょう。
ここでは、養育費について無料相談できる窓口を4つ紹介します。
法テラスは日本司法支援センターが提供する法的トラブル解決を目指した総合案内所です。
サポートダイヤルもあり、電話すれば法制度や適切な相談機関・団体等の情報が得られます。
また、法テラスの制度を利用して弁護士に依頼すれば、弁護士費用の立替払いなどのサポートも受けられるので、経済的な理由で弁護士への相談・依頼をためらっている方におすすめです。
法テラスでの面談には事前予約が必要なので、まずは法テラスのサポートダイヤルに電話をかけて予約をとりましょう。
都道府県や市区町村が開催している無料法律相談では、会場に弁護士が常駐しており、さまざまな法律相談についてアドバイスしてくれます。
開催の期日や会場は自治体によって異なるので、広報や自治体のホームページなどを確認しましょう。
全国の弁護士会も、気軽に利用できる法律相談センターを設けています。
夜間や土日の相談を受け付けている弁護士会もあるので、仕事が忙しく平日・日中に利用できない方でも相談しやすいでしょう。
多くの弁護士会が電話による相談の場合には無料で対応しています。
弁護士会によってはセンターでの相談も無料で対応していることがあるので、詳しくは各弁護士会のホームページを確認するとよいでしょう。
弁護士事務所の中には、無料相談をおこなっている事務所もあります。
初回無料・30分まで無料・何度でも無料など、無料相談の条件は事務所によって異なるものの、法律のプロから直接助言してもらえるので、悩みの解決にもつながりやすいでしょう。
ベンナビ離婚では、養育費問題を得意とする弁護士を多数掲載しています。
地域ごとに無料相談・電話相談・休日夜間相談など、さまざまな条件で弁護士を探せるので、あなたの相談しやすい弁護士が見つかるでしょう。
もちろん、依頼するかどうかは決めていなくてもOKです。まずは無料相談をしてみることが、悩みの解決につながるでしょう。
養育費等相談支援センターとは、厚生労働省から委託を受けておこなわれている事業のことで、各地方自治体ごとに設置された相談員に、養育費や面会交流についての相談をすることができます。
相談を担当するのは弁護士ではないため、法律相談に乗ってもらうことはできませんが、養育費の基礎知識や取り決め方法、手続きについてなど、基本的なことを教えてもらえます。
「いきなり弁護士に相談はハードルが高い…」という方は、検討してみましょう。
【参考】養育費等相談支援センター
子どもがいる夫婦が離婚する際には、多くの場合に「養育費」の問題が発生します。
養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいい、>子どもが経済的・社会的に自立できるまでの費用として、非監護親が監護親に対して支払うのが一般的です。
ここでは、養育費に関する基礎知識を確認しておきましょう。
離婚の養育費の相場は以下の要素により異なります。
上記の3つの要素に応じて裁判所が養育費を算定する際に使用している養育費算定表に当てはめることで、金額が算出されます。
養育費の算定表については以下よりダウンロードできます。
【参考】養育費・婚姻費用算定表|裁判所
子どもの数や年齢・自営業か否かなどの条件によって当てはめる養育費算定表は異なります。
母子世帯となる方の中には、再婚すると「養育費がもらえなくなるのでは?」という不安を抱えている方もいるでしょう。
原則として、元妻が再婚をしても元夫と子どもとの親子関係が変わることはないので、元夫には養育費を負担する義務があります。
ただし、次のような状況があれば、元夫は養育費を支払わなくてよくなったり、減額されたりする可能性があります。
養育費の算定には元妻・元夫の収入状況が大きく関係するため、それぞれの収入状況が変われば養育費も当初の取り決めから増減することがあると知っておきましょう。
養育費の支払い期間は「子どもが経済的・社会的に自立するまで」です。
一般的には次のようなタイミングが基準となるでしょう。
支払い期間を子どもの年齢で決めるのか、進学状況で決めるのかは、夫婦間の合意によって決まります。
両親と同等以上の教育を受けさせるべきと考えれば、夫婦の学歴が大学卒であれば子どもが大学を卒業する22歳までが支払い期間となるケースも多いでしょう。
養育費の取り決めは、原則として夫婦間の話し合いで決定します。
夫婦のお互いが合意すれば、養育費の金額や支払い期間は、裁判所が用意している算定表や一般的な基準となるタイミングに従う必要はありません。
ところが、夫婦間の話し合いでは合意に至らないケースも少なくないでしょう。
交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てることで解決を目指すことになります。
養育費請求調停は、裁判官・調停委員を介して話し合いを進める手続きです。
夫婦間では冷静に進められなかった話し合いがスムーズにまとまる可能性があるだけでなく、調停における合意は調停調書にまとめられて法的な効果が得られるので、相手が支払いを拒んだときに役立ちます。
なお、お互いの合意に至らず調停が不成立となった場合は審判・訴訟への移行も可能です。
【参考】裁判所|養育費請求調停
養育費の支払い方法は、離婚に際する話し合いで取り決めておくべき事項です。
相手が事前の取り決めに従わず養育費を支払ってくれない場合は、まずは相手に対して「取り決めのとおりり養育費を支払ってほしい」と請求することになるでしょう。
それでも支払いに応じてくれなければ、養育費の取り決めに関する書面があるのかを確認します。
家庭裁判所による調停調書や公正証書化した(執行認諾文言付きの)離婚協議書がある場合は、それをもって強制執行の申し立てが可能です。
もしこれらの取り決め書面が存在しない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることになります。
養育費の不払いが大きな社会問題となっていますが、令和2年4月には民事執行法が改正されて、債務者の財産開示手続きが容易になりました。
裁判所の呼び出しに応じない債務者には6か月以下の懲役または50万円以下の罰金を科すなど罰則も強化されているので、未払いの養育費を請求しやすい環境が整えられています。
養育費に関するトラブルを解決したいなら弁護士への相談がベストです。
ところが、日ごろから弁護士に相談する機会は少ないので「わざわざ弁護士に相談してもよいものだろうか…」とためらってしまう方も多いでしょう。
ここで挙げる5つのケースに該当する方は、弁護士への相談をぜひおすすめします。
離婚や養育費の取り決めについて相手が弁護士に相談・依頼している場合は、弁護士のサポートによって相手に有利な結果へと傾く恐れがあります。
話し合いの場に弁護士が同席するだけでも強いプレッシャーを受けてしまい、調停や審判・訴訟でもあなたにとっては強大な敵となってしまうでしょう。
相手方に弁護士がついている場合は、あなたも「一緒に戦って少しでも多く養育費を獲得してくれる味方」として弁護士を選任しましょう。
子どもの養育には想像以上のお金がかかります。
親権者としては少しでも多くの養育費を獲得したいと考えるのが当然でしょう。
一方で、養育費の請求を受ける側としては、自身の生活を続けていくうえで養育費の負担を少しでも軽減したいと考えるのも当然です。
あなたにとって有利となる状況や証拠を示すことで、養育費の増額・減額が叶う可能性があります。
弁護士に相談して有利な結果を勝ち取りましょう。
離婚については同意が得られても、養育費はお互いの今後の生活や金銭が絡む問題なので意見がまとまりにくい傾向があります。
夫婦間だけの話し合いではまとまらない場合に有効なのが家庭裁判所の調停ですが、調停も裁判官・調停委員を介した話し合いであり、結局は合意が得られない可能性もあります。
相手との言い分が食い違って離婚話が進まないと、お互いが精神的に疲弊してしまいます。
「とにかく離婚したい」という気持ちばかりが膨らんでしまい、不利な条件の離婚でも飲み込んでしまう恐れがあるので、弁護士に相談してお互いが譲歩できる妥協点を見つけるのもスムーズな解決法となるでしょう。
養育費の取り決めは、必ず書面に残すべきです。
個人が作成した書類は法的な観点から不備があることも多いので、離婚協議書などを有効なかたちで残したいと考えるなら弁護士に相談してチェックを受けましょう。
文書の作成に不慣れであったり、相手が取り決めを守らない恐れが強かったりするなら、強制執行などの手続きを見越して弁護士に書類作成を依頼するのがおすすめです。
離婚を考えている最中は、今後の生活などを見越すとお金のムダ使いはできません。
すると、弁護士に相談しようにも「今はお金を使うことはできない」と考えてしまいがちです。
弁護士費用を支払う余裕がない、弁護士費用が多額になるのではないかと不安を感じるのであれば、無料相談に対応している各種窓口を利用してみましょう。
法テラスに相談すれば、資力が一定以下の場合に限って弁護士用を立て替えてくれる制度もあるので、現在の資力にとらわれずにまずは相談だけでも利用することをおすすめします。
養育費の取り決めがなされているにも関わらず相手が支払ってくれないというケースは少なくありません。
厚生労働省が公開している「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」によると、養育費の支払いを受けている母子世帯がわずか19.7%しかいないことが明らかになりました。
母子世帯の困窮をまねく大きな原因として養育費の不払いが指摘されているなか、養育費の回収は母子が健康な生活を送るための課題となるでしょう。
ここでは、より確実に養育費を回収するために、弁護士に回収を依頼した場合の流れを解説します。
まずは養育費の回収を安心して任せることができる弁護士を探しましょう。
「ベンナビ離婚」では、お住いの地域や弁護士の得意分野などの条件から、あなたが相談しやすい地元で事務所を構えている養育費問題の解決実績が高い弁護士を検索できます。
弁護士の取扱分野やコメントから「ぜひ相談したい」と感じた弁護士事務所があれば、公開されている電話番号に電話をかけるか、メールで問い合わせましょう。
弁護士事務所から面談の日程などを打診されるので、都合のよい日程を選んで弁護士事務所を訪ねます。
詳しく相談して弁護士費用や報酬額などに納得できれば正式に依頼します。
依頼を受けた弁護士は、依頼者であるあなたの状況にもっとも適した方法で養育費の回収を目指します。
弁護士が代理人として交渉するだけで回収できるのか、調停や審判などで合意を得る必要があるのか、強制執行によって回収するのかはケースバイケースです。
ここからは、養育費の無料相談でよくある質問について答えていきます。以下のような内容にも弁護士ならより詳しく助言してくれるので、ぜひ参考に相談の際に役立ててください。
離婚をしたあとでも養育費の請求は可能です。
離婚時に養育費の取り決めをおこなっていない場合はもちろん、離婚の際「養育費はいらない」などといっていた場合でも、あとから養育費を請求することはできます。
ただし、離婚時に支払い額や支払い時期を決めている場合、養育費を請求できる権利には5年という時効があります。時効が迫っているなら、早めに弁護士に相談しましょう。
なお、養育費は過去の分までさかのぼって請求することも可能ですが、支払いに応じるかは相手次第です。これまで請求していなかった分を調停や裁判で申し立てることもできますが、事例として過去分まで支払いが命じられたケースは多くないことを覚えておきましょう。
離婚時に決めた養育費は、一方的に減額したり、支払いをやめたりすることはできません。再婚はもちろん、再婚後に子どもができたとしても同様です。
とはいえ、元夫(妻)からすると、新しい人生のために養育費はできるだけ減らしたいと思うことも考えられるため、協議の申し入れや調停の申し立てがされる可能性はあります。
仮に相手から、養育費の減額や支払いの停止を求められているなら、早めに弁護士に相談して対応についてアドバイスをもらいましょう。
相手に収入がなく、自己破産した場合でも、養育費の支払い義務が免責されることはありません。
しかし、実情として収入がない相手からは養育費を回収できないことが多いといえます。相手が収入を隠していることも考えられるため、まずは本当に収入がないのかを調べることをおすすめします。
また、事例としてはほとんどないものの、子どもの祖父母に養育費を請求することも可能です。その場合は、弁護士に対応を相談するとよいでしょう。
加えて、ひとり親が受けられる手当等もあるので、養育費の回収が難しい場合は、利用を検討してみましょう。
養育費は、通常月々ごとの支払いとなるケースが多いものの、一括で支払うことも可能です。
ただし、多額の贈与税を受け取る場合は贈与税が発生する可能性があるうえに、支払う側も扶養控除を受けられない等のデメリットがあることを覚えておきましょう。
離婚して子どもの親権を引き受ける側としては、養育費を受け取るのが当然です。
しかし、離婚する夫婦が話し合いを進めようとしてもお互いの今後の生活を尊重しようとするばかりでスムーズには進展しません。
また、事前の取り決めがあっても養育費の支払いに応じない元夫が多いという実情もあります。
養育費に関する話し合いが進展しない、相手が養育費の支払いに応じてくれないなどのお悩みがある方は、弁護士への相談をおすすめします。
弁護士への相談は30分あたり5,000円程度の費用がかかりますが、無料で相談できる窓口もあるので有効活用しましょう。
離婚後の養育費について悩んでいても、どこに相談したらいいかわからずにか迷っていませんか。
結論からいうと、養育費の問題は弁護士へ相談するのがおすすめです。養育費問題は、相手方と揉めることも多いため、事前に相談しておくことで話し合いが長引くことや相手と揉めることを防げる可能性があります。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットを得ることができます。
当サイトでは、離婚問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。