不倫・離婚慰謝料
大阪府で無料の不倫慰謝料の弁護士相談窓口を確認|目的別の使い分けも紹介
2024.11.14
配偶者の不倫が発覚した際、少しでも気持ちを晴らすために慰謝料を請求したいと考える方も多いでしょう。
ただし、過去の不倫について慰謝料を請求したい場合、不倫の時効について知っておく必要があります。
そこで本記事では、不倫の時効期間や成立条件について解説します。
昔の不倫が今になって発覚したケースでも慰謝料を請求できるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
不倫の時効とは、慰謝料の請求ができる期限のことです。
不倫の慰謝料の請求時効が成立すると、法的に慰謝料を請求する権利を行使できなくなります。
したがって、不倫の慰謝料を請求したい場合は迅速な行動が必要です。
そのため、必要に応じて、弁護士や専門家の意見を仰ぐことが推奨されるでしょう。
不倫による慰謝料の時効は、次の3種類です。
まず、不倫の慰謝料の時効は、不倫の事実や不倫相手がわかった日から3年です。
時効がカウントされた日から3年の間に慰謝料の請求をおこなわないと、請求権が消滅してしまうので注意しましょう。
不倫の事実を知った際には、3年の時効を意識した迅速な行動が推奨されます。
不倫の慰謝料請求には、不貞行為があった日から20年という時効も設定されています。
20年という長い時効期間は、被害者が不倫の事実を知らなかった場合のために設けられています。
離婚の原因が不貞行為の場合は、慰謝料の請求時効は離婚が成立した日から3年です。
不貞行為が原因で離婚が成立した場合の慰謝料は、不貞行為で夫婦関係が悪化したため、離婚に至った精神的苦痛に対して支払われます。
不貞行為そのものの慰謝料とは異なり、離婚が成立した日から3年という期間が設けられています。
離婚後は生活再建や心の整理、子供の養育など多岐にわたる課題に追われるため、法的な手続きがおろそかになることも予想されるでしょう。
離婚の背景に不貞行為があった場合、時効を念頭に置いて早期に法的対応を検討することが大切です。
不倫による慰謝料の時効を中断する3つの方法は、次のとおりです。
内容証明の送付で催告することで、時効を中断できます。
内容証明とは不倫に関する事実や慰謝料請求の意向を示す文書を相手方に郵送し、事実を明確に伝えるものです。
催告によって、6か月間時効の完成が猶予されるため、その間に訴訟提起の準備をするなど請求権を守るための時間を確保できるでしょう。
裁判を開始することで、不倫に関する慰謝料の時効を中断できます。
裁判は、相手方に対して慰謝料を請求する意思を明示的に示す行動でもあるでしょう。
慰謝料の請求を裁判所に提起することで時効の進行がリセットされるとともに、新たな時効がスタートします。
裁判を通じて正式に請求権を確保することで、時間の経過による請求権の喪失リスクを減少させられるでしょう。
また、判決が下されれば、時効は10年に延長されます。
判決が確定した権利の消滅時効については、民法第169条に規定されています。
(判決で確定した権利の消滅時効)
第百六十九条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。
引用元:民法|e-Gov法令検索
債務の承認は、慰謝料の時効を中断させる方法のひとつです。
不倫の加害者が自ら慰謝料の支払い義務を認めることで、時効の期間がリセットされます。
債務の承認は書面での契約、口頭での合意など形式を問わず有効です。
ただし、口頭の場合は、合意があったことの証明が難しいこともあります。
可能な限り書面に残すなど、確実に証拠を取るようにしましょう。
時効成立後であっても、相手が慰謝料の支払いを承諾すれば、権利を受けられます。
ただし、時効成立後に慰謝料の支払いを求める場合は法的な強制力は失われているため、加害者の自発的な意思に依存することになるでしょう。
時効で慌てないために、不倫の慰謝料請求に関する注意点を2つ解説します。
不倫の慰謝料請求に関しては、早めの行動が重要です。
不倫による精神的な苦痛を受けた場合は、法的に慰謝料の請求権利が認められていますが、特定の期間を過ぎると時効により失われてしまいます。
したがって、不倫の事実を知った際は、速やかに慰謝料の請求を考え、実際の手続きに移りましょう。
時間が経過することで時効が進行し、最終的に慰謝料を請求する権利を失ってしまう可能性が高まります。
早期の請求は相手方へのプレッシャーとなり、交渉の際に有利な立場を築けるでしょう。
請求前に十分な証拠を収集しておくと、裁判や交渉での有利な立場を築きやすくなります。
不倫の事実を知った際には感情的になりがちですが、冷静に証拠を確保することも必要です。
不倫の証拠としては、メッセージの履歴、写真、目撃証言などが挙げられます。
とくにスマートフォンのメッセージやメールのやり取りは、感情や関係性を明確に示す有力な証拠となり得るため、消去されないよう注意しましょう。
そのほか、第三者からの目撃証言や、共通の知人からの情報も有効な証拠として活用できるでしょう。
時効前に不倫相手へ慰謝料を請求する3つの方法は、次のとおりです。
最も簡潔で迅速な方法は、直接不倫相手と話し合うことです。
できる限り円滑なコミュニケーションを保ちながら、お互いの立場や意向を理解し合うことが、トラブルを避ける鍵となります。
しかし、不倫の事実を知った場合、多くの人が感情的になりがちです。
怒りや悲しみの感情を持ち込むと、効果的な対話が難しくなります。
感情的な言葉の応酬を避け、慰謝料の請求に至った経緯や具体的な金額、支払い方法などの詳細を明確に伝えましょう。
また、双方の合意に至った場合は書面での合意書を残すことで、のちにトラブルが発生するのを防ぐことができます。
相手方に内容証明郵便を送付すると、時効の進行を6ヵ月間止めることができます(民法第150条1項)。
内容証明であれば、郵便局に催告した時期を証拠として残すことが可能です。
これにより、後々のトラブルの回避や、証拠として裁判に持ち込む際にも有利に働くでしょう。
ただし、内容証明郵便による催告の時効進行停止の効力は1回限りのため注意しましょう(同2項)。
また、6カ月が経過すると消滅時効が完成するため、それまでに話し合いをまとめるか、裁判上の請求をする必要があります。
直接の話し合いや内容証明郵便による催告が効果を示さない場合、裁判手続きが選択されることがあります。
裁判を通じて慰謝料の支払いを求める場合は、証拠の提出や裁判費用が必要です。
また、裁判は時間がかかる場合もあるので、解決までにある程度の期間がかかることを留意しておきましょう。
裁判によって慰謝料の請求が認められると、相手は法的義務として支払いをおこなう必要があります。
ただし、裁判は精神的、時間的、そして経済的な負担が伴うため、一度弁護士に相談するとよいでしょう。
不倫の時効についてよくある質問と回答をまとめました。
不倫が2年前まで継続していた場合、最終的な行為から3年経過していなければ、時効はまだ成立していません。
不貞行為の最後の事実が2年前に終了した場合、時効期間はまだ1年残っています。
1年の間に適切な行動を取ることで、慰謝料の請求ができる可能性があるでしょう。
不倫の慰謝料請求の消滅時効は不倫の事実を知った日から3年で完成するため、不倫の最終行為から5年経過していると慰謝料請求は難しいといえます。
しかし、「5年前の不倫を今知った」という事実も重要です。
たとえば、不倫から5年後に不倫の事実を知っても、不法行為から20年以内であれば慰謝料請求が可能です。
つまり、たとえ5年前の不倫でも不倫の事実を最近知った、不倫相手が最近わかったなどのようなケースであれば、その事実を知った時点から3年間は、配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求をすることができます。
不倫の慰謝料請求の時効は原則3年ですが、不倫の事実を把握していても不倫相手の素性がわからない場合は、時効が開始しないケースがあります。
最近になって初めて不倫相手の素性を知ったのであれば、時効はその時点から3年後に成立する可能性があるでしょう。
10年前の不倫についての慰謝料請求をおこなうことは、請求相手によって異なります。
不倫に関する慰謝料の請求の時効は、不倫の事実を知った日から3年です。
浮気を知っていて浮気相手の情報も知っていた場合、すでに時効が完成していることから、10年前の不倫の慰謝料請求は極めて難しいといえます。
ただし、10年前の不倫によって離婚に至ったのであれば、離婚後3年は配偶者に対する慰謝料請求が可能です。
10年前の不倫や婚姻関係が破綻したことを証明できる証拠が必要ですが、配偶者に対する慰謝料請求ができる可能性があるといえます。
不倫相手の名前だけしかわからない場合、原則的に時効は進行しません。
不貞行為の慰謝料請求の時効が成立する条件については、民法第724条で次のとおり定められています。
(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
引用元:民法|e-Gov法令検索
上記1項の「加害者を知った時」とは、具体的に請求が可能な状態、つまり最低でも不倫相手の名前と住所を知った時点を指します。
したがって、名前のみが判明している場合、3年の時効は起算されません。
しかし、2項の「浮気・不倫関係が始まった日から20年」という時効は、不貞行為があった時点からカウントされるため、20年が過ぎると請求できなる点には注意しましょう。
不倫の時効に関する疑問や不安がある場合、最も確実な方法は弁護士に相談することです。
不倫や慰謝料の問題は複雑なため、時効に関する知識がない場合、間違った判断をしてしまうリスクが高まります。
弁護士に相談することで、不倫の慰謝料請求に関する問題の的確なアドバイスが得られます。
時効については具体的な状況や背景に応じたアドバイスや対応策が求められるため、迷ったときや不安を感じたときは、弁護士の意見を求めましょう。