不倫慰謝料の請求ガイド|請求条件・慰謝料相場・請求の流れを解説

不倫慰謝料の請求ガイド|請求条件・慰謝料相場・請求の流れを解説
目次
  1. 不倫の慰謝料とは?
  2. 不倫で慰謝料を請求するための3つの条件
    1. 不貞行為の証拠がある
    2. 故意・過失の証明ができる
    3. 時効期間内である
  3. 不倫の慰謝料を請求できないケース
  4. 不倫慰謝料の相場はいくら?
    1. 不倫慰謝料の相場は50万円~300万円
    2. 不倫慰謝料が相場より高額になるケース
    3. 不倫慰謝料が相場より低額になるケース
  5. 不倫慰謝料における実際の判決事例
    1. 事例1:弁護士に依頼して慰謝料300万円獲得
    2. 事例2:妻の不倫相手へ慰謝料を請求
  6. 慰謝料請求に必要な証拠とは?
    1. 不貞行為(肉体関係があること)の証拠になるもの
    2. 故意・過失の証拠になるもの
  7. 不倫で慰謝料を請求する方法
    1. 直接会って話し合う
    2. 内容証明郵便を送る
    3. 調停を申し立てる
    4. 裁判所に訴訟を提起する
  8. 不倫の慰謝料を請求するときの注意点
    1. 慰謝料請求の適切なタイミングを見極める
    2. 有効な証拠をそろえる
    3. 慰謝料請求には不倫相手の名前や住所が必要
    4. 逆に訴えられる可能性がある
  9. 不倫の慰謝料請求は弁護士に依頼するのがおすすめ
  10. 不倫で慰謝料請求するときの弁護士費用の相場
  11. 不倫で慰謝料請求をするときの流れ
  12. 不倫の慰謝料請求でよくある質問
    1. 不倫された場合に慰謝料はいくら請求できますか?
    2. 離婚しなくても慰謝料を請求できますか?
    3. 不倫の慰謝料を配偶者と浮気相手の双方に請求できますか?
  13. さいごに

配偶者の不倫が発覚した場合、配偶者や不倫相手に慰謝料を請求できます。

ただし、不倫の慰謝料請求には法律上の条件や証拠が必要で、絶対に慰謝料をもらえるわけではありません。

また、請求方法や金額の相場、慰謝料を請求するときの注意点などもあります。

それらを知らないと、慰謝料をもらえないどころか、不倫相手から訴えられる可能性もあるため、事前に理解しておきましょう。

本記事では、不倫慰謝料の基本から請求の流れ、成功のために必要な証拠まで詳しく解説します。

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不倫の慰謝料とは?

不倫の慰謝料とは、配偶者の不貞行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。

慰謝料の請求権は民法709条(不法行為)および710条(財産以外の損害の賠償)に基づいています。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用元:民法709条

夫婦間には互いに貞操義務があり、義務に違反する行為は不法行為として慰謝料請求の対象となります。

不倫をした配偶者はもちろん、不倫相手も慰謝料請求の対象です。

不倫で慰謝料を請求するための3つの条件

不倫による慰謝料請求を成功させるためには、3つの条件を満たす必要があります。

不貞行為の証拠がある

不倫による慰謝料を請求する際に一番重要な条件は、不貞行為を証明する証拠がある点です。

「不貞行為」とは、配偶者以外と肉体関係(性交渉)をもつこと。

肉体関係がないと、法律的には不貞行為と認められず、慰謝料請求はできません。

この際重要になるのは、「肉体関係があると証明できる証拠」があるかどうかです。

【不貞行為が認められない】
  1. 手を繋いでいるところを見た
  2. キスしているところの写真がある
  3. LINEで親しくやり取りをしている
  4. 最近帰るのが遅くなることが多い
【不貞行為が認められる】
  1. ラブホテルに2人で出入りする写真
  2. 性的関係があることを示す発言の録音
  3. 性行為中の写真や動画

キスや手を繋いでいるところの写真や動画があっても、「肉体関係」の証拠にはなりません。

具体的にどのような証拠が有効かについては、後ほど詳しく説明します。

故意・過失の証明ができる

不倫相手に慰謝料を請求するためには、不倫相手に「故意」または「過失」があったことを証明しなくてはいけません。

「既婚者であると知っていた(=故意)」もしくは、「知れる状態であった(=過失)」かどうかが重要です。

【故意・過失が認められない】
  1. 配偶者が独身だと嘘をついていた
  2. お見合いパーティーで出会った
  3. 配偶者と不倫相手が半同棲状態だった
【故意・過失が認められる】
  1. メールで「妻(夫)がいる」といったやり取りをしている
  2. 不倫相手が友人に「恋人には妻(夫)がいる」と話している
  3. 配偶者のSNSに家族写真がアップされている
  4. 同じ職場で働いている

例えば、メールで「妻(夫)がいる」といったやり取りをしていれば、故意に不倫していたと認められます。

しかし配偶者が「独身だ」と嘘をついて騙していた場合、不倫相手には不倫をしている意識がないため故意は認められません。

さらに、既婚者であると気付ける状況になければ、過失も認められない可能性が高いでしょう。

時効期間内である

不倫の慰謝料請求には時効があるため、時効期間内に請求をおこなう必要があります。

時効は次のとおりです。

  1. 不倫の事実を知ってから3年以内
  2. 不倫が行われた時点から20年以内

相手が不倫を隠していて発覚が遅れた場合でも、20年が上限です。

この期限を過ぎると請求権が消滅するため、注意してください。

ただし、例外的に時効が延長されるケースもあります。

例えば、配偶者の不倫が継続している最中は、不倫行為が終了するまで時効は進行しません。

不倫の慰謝料を請求できないケース

すべての不倫ケースで慰謝料が認められるわけではなく、以下のようなケースでは請求が難しくなります。

  1. 不倫前から夫婦関係が破綻していた
  2. 不倫相手が配偶者が既婚者だと知らなかった
  3. 不貞行為の証拠がない
  4. 時効期間が過ぎている

不倫前から夫婦関係が既に破綻していた場合、不貞行為による精神的苦痛が認められにくいです。

例えば、別居期間が長い場合や家庭内別居状態だった場合、あるいは既に離婚協議中だった場合などが当てはまります。

なお、不倫が原因で離婚しなくても慰謝料請求は可能です。

不倫によって精神的苦痛を受けたと認められれば、婚姻関係を継続する場合でも慰謝料を請求できます。

ただし、離婚しない場合は請求額が低くなる傾向があります。

不倫慰謝料の相場はいくら?

不倫による慰謝料の金額は、ケースによって大きく異なります。

相場を知ることで、自分のケースではどの程度の金額が期待できるのか、ある程度の目安を立てられます。

不倫慰謝料の相場は50万円~300万円

不倫慰謝料の一般的な相場は、50万円から300万円程度。

慰謝料の金額は、不倫の期間や回数、夫婦の婚姻期間、子どもの有無、不倫が離婚の原因となったかどうかなど、様々な要因によって大きく変動します。

具体的には、離婚する場合の慰謝料相場は150万円から300万円程度、離婚しない場合は50万円から150万円程度と言われています。

ただし、これはあくまで目安であり、個別の状況によって実際の金額は変わります。

不倫慰謝料が相場より高額になるケース

次のケースでは、慰謝料が高額になる傾向があります。

  1. 不倫期間が長い
  2. 不倫の回数が多い
  3. 不倫の悪質性が高い
  4. 配偶者や不倫相手の社会的地位が高い

長期間にわたる不倫関係は、精神的苦痛が大きいと判断される傾向があります。

また、不倫の悪質性が高い場合も慰謝料が高額になりやすいです。

例えば、不倫相手との間に子どもができた場合や、不倫が原因でうつ病などの精神疾患を発症した場合などが該当します。

さらに、不倫相手の社会的地位が高い場合や、支払い能力が高い場合も、慰謝料額が高くなる傾向があります。

相手の経済状況に応じて「適正な賠償額」が判断されるためです。

不倫慰謝料が相場より低額になるケース

一方、以下のケースでは慰謝料が低額になりやすいです。

  1. 婚姻期間が短い
  2. 不倫期間が短い
  3. もともと夫婦関係が円満ではない
  4. 不倫相手の社会的地位が低い
  5. 配偶者や不倫相手がすでに社会的制裁を受けた

結婚後間もない時期の不倫や、不倫関係が一時的だった場合は、精神的苦痛が比較的小さいと判断されることがあります。

また、不倫前から夫婦関係が円満でなかった場合も、不貞行為による精神的苦痛が軽減されると判断されるため、慰謝料が低くなる傾向があります。

さらに、不倫が原因で配偶者や不倫相手が退職したケースなどは「すでに社会的制裁を受けた」として、慰謝料が低くなりやすいでしょう。

不倫慰謝料における実際の判決事例

実際の判決事例を見ることで、より具体的にイメージしやすくなるでしょう。

弁護士に依頼して解決したケースを紹介します。

事例1:弁護士に依頼して慰謝料300万円獲得

40代女性、婚姻期間12年、子どもはいないケース。

夫は典型的な亭主関白で、日常的にモラハラのような言動が多いタイプです。

そんな夫の不倫が発覚し、女性は離婚を決意。弁護士に依頼して慰謝料請求をおこないました。

弁護士が交渉を引き受けることで、夫と直接対峙する精神的ストレスを回避できました。

また、法的な知識と交渉力を持つ弁護士が介入したことで、夫側も誠実に対応。結果として300万円の慰謝料を獲得し、スピーディーに解決することができました。

長年のモラハラ的な言動もあったことから、裁判所は比較的高額の慰謝料を認めたと考えられます。

事例2:妻の不倫相手へ慰謝料を請求

30代男性、婚姻期間7年、子どもありのケース。

妻の携帯画面に表示されたLINEメッセージの通知で不倫が発覚しました。

男性は証拠を集め、妻と不倫相手の両方から事実関係についての言質を取ることに成功。

弁護士を通じて不倫相手に対して慰謝料請求を行った結果、不倫相手が一括で支払える精一杯の金額として300万円で和解することになりました。

LINEの証拠に加え、妻と不倫相手から直接言質を取ったことが、高額な慰謝料獲得につながりました。

不倫の証拠を確保することの重要性を示す事例といえます。

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慰謝料請求に必要な証拠とは?

事例からもわかるように、慰謝料請求を成功させるためには適切な証拠の収集が不可欠です。

不貞行為(肉体関係があること)の証拠になるもの

不倫の慰謝料請求において最も重要なのは、不貞行為(=肉体関係がある)を証明する証拠です。

証拠がないと、いくら不倫の疑いがあっても、慰謝料請求は認められない可能性が高くなります。

証拠になるもの

不倫の証拠として有効なものには、以下のようなものがあります。

証拠詳細例
写真・動画ラブホテルに二人で出入りしている
長時間、相手の自宅に滞在していることがわかる
性行為中に撮影された
メールやLINEの履歴不倫を認めるやり取り
肉体関係があることを認めるやり取り
録音や念書不倫を認める自白
性的関係を認める日記
自宅の寝室に仕掛けた盗聴器に残された性行為時の音声
カーナビやGPSの履歴・ドライブレコーダーの映像ラブホテルや不倫相手の自宅へ行き来する履歴
クレジットカードの明細ラブホテルの料金
外泊を伴う旅行のホテル代
周囲の証言友人や職場の人の証言
探偵や弁護士の報告書肉体関係があったと認められる浮気調査報告書

重要なのは、肉体関係があったかどうか。メールやLINEのやり取りの場合、「愛している」「昨日は楽しかった」などの抽象的な表現だけでなく、より具体的な関係性を示す内容であれば証拠力が高まります。

また、探偵の調査報告書も重要な証拠

プロの調査員による報告は、裁判でも信頼性が高いと評価されることが多いです。

証拠になりにくいもの

一方、証拠になりにくいものの例は次のとおりです。

  1. 手を繋いでいるところを友人が見た
  2. キスしているところの写真・動画
  3. デートしているときのツーショット写真
  4. 「愛してる」「今日は楽しかった」などのLINEでのやり取り
  5. 最近帰るのが遅くなることが多い
  6. 見覚えのないコンドームやアダルトグッズ
  7. 車に落ちていた不倫相手のネックレスやピアス
  8. 女性ものの商品を買ったレシート

こういったものは、不倫・浮気を疑うものですが、慰謝料請求において決定的な証拠にはなりません。

しかし、これらを不倫の証拠として配偶者に問いただせば、不貞行為を認める可能性もあるでしょう。

また、複数のものを組み合わせることで有効な証拠となり得ます。

証拠は多ければ多いほどよいので、可能な限り収集しておきましょう。

故意・過失の証拠になるもの

不倫相手に慰謝料を請求するためには、相手が配偶者の既婚状態を知っていた(故意)、または知るべき状況だった(過失)のいずれかを示す証拠も必要です。

たとえば以下のものが証拠になります。

  1. 既婚者であることが明記されているメール
  2. 友人や職場関係者の証言
  3. 配偶者が結婚指輪をしている写真
  4. 不倫相手が家庭について言及しているSNSの投稿

配偶者のSNSやメールのやり取りで「妻(夫)がいる」と明記されているメッセージ履歴などが有効です。

また、友人や職場関係者から、不倫相手が配偶者の家庭状況を知っていたことを証言してもらえれば、強力な証拠となります。

他にも、不倫相手が家庭について言及しているSNSの投稿やメールなども証拠として有効です。

ただし、故意・過失の証拠がない場合(配偶者が既婚状態を隠していた場合など)でも、配偶者への慰謝料請求は可能です。

不倫で慰謝料を請求する方法

慰謝料を請求するための具体的な方法を、順を追って説明します。

状況に応じて最適な方法を選びましょう。

直接会って話し合う

まずは当事者間で話し合います。

離婚せずに関係修復を望む場合や、はやく不倫問題を解決したい場合には話し合いで解決できるのがベスト。

いきなり裁判を起こすよりも、時間や費用、精神的な負担を軽減できることが多いです。

具体的には、不倫相手または配偶者に対して慰謝料請求の意思を伝え、証拠を提示しながら、請求金額や支払い方法について話し合います。

相手が不倫を認め支払いの意思を示したら、示談書を作成して合意内容を書面で残しましょう。

口約束だけでは、後からトラブルになる可能性があります。

より確実なのは、合意内容を公正証書にすること。

公正証書にすることで、相手が支払いを拒否した場合に強制執行が可能です。

内容証明郵便を送る

話し合いが難しい場合や、相手が話し合いに応じない場合は、内容証明郵便を送付する方法があります。

内容証明郵便とは、誰が、いつ、誰に、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれる郵便のこと。

内容証明郵便は、慰謝料請求の意思を正式に伝える証拠となるだけでなく、相手に心理的なプレッシャーを与える効果もあります。

一般的には、弁護士に依頼して内容証明郵便を作成・送付してもらうことが多いでしょう。

専門的な知識に基づいた文面の方が説得力も効果も高まるため、弁護士に相談しましょう。

調停を申し立てる

当事者間の話し合いや内容証明郵便での交渉が進まない場合は、家庭裁判所で調停を申し立てることになります。

調停とは、家庭裁判所で調停委員を介して話し合いをおこなう手続き

裁判よりも柔軟な解決が期待でき、費用も時間も少なく済みます。

非公開で進められるためプライバシーも守られることから、配偶者との関係修復を望む場合や子どもがいる場合でも安心でしょう。

調停の具体的な流れは以下の通り。

  1. 家庭裁判所に調停申立書を提出する
  2. 期日が決まったら、双方が調停に出席する(代理人による出席も可能)
  3. 調停委員を介して話し合いをおこなう
  4. 合意に至れば「調停調書」が作成される

調停調書には法的拘束力があり、相手が支払いを拒否した場合には強制執行も可能です。

裁判所に訴訟を提起する

調停でも解決しない場合、最終的には裁判で争います。

配偶者と離婚する場合や確実に慰謝料をもらいたい場合などの最終手段です。

裁判では不倫の事実や慰謝料請求の正当性を裁判所で審理します。

確実に立証できるかどうかが鍵となるため、有効な証拠集めが重要です。

訴訟の流れは以下の通り。

  1. 裁判所に慰謝料請求の訴状を提出する
  2. 被告(不倫相手・配偶者)に訴状が送達される
  3. 双方の主張を聞き、証拠をもとに審理が進められる
  4. 判決が下り、慰謝料の支払い命令が出される

裁判は時間と費用がかかりますが、判決が出れば強制執行が可能になります。

不倫の慰謝料を請求するときの注意点

慰謝料請求を進める際には、いくつかの注意点があります。

トラブルを避け、スムーズに解決するために心がけましょう。

慰謝料請求の適切なタイミングを見極める

慰謝料を請求する際には、適切なタイミングがあります。

不倫が発覚した直後は感情的になりがち。

しかし、そのような状態で即座に慰謝料請求をおこなうと、冷静な判断ができずに後悔する結果を引き起こします。

まずは証拠を確保して冷静に状況を見極めることが重要です。

また、離婚するか関係を修復するかによっても、請求額や方法が変わってきます。

離婚を前提とする場合は、財産分与や養育費なども含めた包括的な解決を目指すことになります。

一方、関係修復を望む場合は、配偶者への請求方法や金額について慎重に検討する必要があります。

状況に応じた適切なタイミングと方法を選びましょう。

有効な証拠をそろえる

慰謝料請求をするためには、有効な証拠を揃えなくてはいけません。

証拠が不十分だと、相手に「不倫はしていない」と否定されて逃げられる可能性があります。

法的に有効な証拠をしっかりと確保することが、慰謝料請求成功の鍵です。

写真やメッセージ、探偵の報告書など、確実に肉体関係があったと証明する具体的な証拠を集めましょう。

どんな証拠であれば有効となるのかわからない場合は、弁護士に相談すると適切なアドバイスを受けられます。

必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、慎重に証拠集めをしましょう。

慰謝料請求には不倫相手の名前や住所が必要

不倫相手の氏名・住所が不明だと、正式な慰謝料請求ができません。

内容証明郵便を送る場合も、裁判を起こす場合も、相手の個人情報が必要になります。

しかし配偶者が不倫相手の情報を教えてくれない場合や、住所がわからない場合もあるでしょう。

そういった場合でも、探偵や弁護士を活用して情報を入手できるので安心してください。

法的な手続きを利用して「弁護士会照会」や「住民票の取得」をおこなえます。

なお、会社を通じて連絡を取れる場合もありますが、職場に連絡するとトラブルになる可能性があるため、おすすめしません。

逆に訴えられる可能性がある

過度な請求や脅迫的な言動は、名誉毀損や強要罪に問われることがあります。

例えば、「支払わなければ会社や家族に不倫を暴露する」などの脅迫的な発言は「恐喝罪」、SNSなどで不倫を公に暴露すると「名誉毀損」です。

いくら不倫行為が事実でも、こういった行動は訴えられる可能性があるため注意してください。

慰謝料請求は感情的になりやすい問題ですが、冷静に慰謝料請求を進めることが重要です。

不安がある場合は、弁護士に相談し、法的根拠に基づいて行動するとよいでしょう。

不倫の慰謝料請求は弁護士に依頼するのがおすすめ

不倫の慰謝料請求をするときには、自力で解決しようとせず、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼する最大のメリットは、証拠集め、交渉、法的手続きを全て任せられ、精神的な負担を軽減できること。

配偶者の不倫が発覚すれば、冷静な判断が難しくなるのは当然です。

法律の専門家である弁護士に客観的な立場からサポートしてもらえると、安心でしょう。

具体的には、弁護士は適切な証拠の収集方法をアドバイスしてくれるだけでなく、相手方との交渉も代行してくれます。

また、内容証明郵便の作成・送付、調停・裁判の手続きなど、素人には難しい法的手続きも全て代行してくれます。

法的知識と交渉経験を持つ弁護士の存在は、不倫相手に対しても大きなプレッシャーとなり、スムーズな解決につながることが多いでしょう。

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不倫で慰謝料請求するときの弁護士費用の相場

慰謝料請求を依頼した場合に弁護士へ払う費用は、依頼時に支払う着手金と、慰謝料獲得に成功した場合に支払う報酬金の主に2つです。

費用相場は、着手金が20万円~30万円、報酬金が慰謝料の10%~20%相当。

慰謝料の金額によって弁護士へ支払う金額も変動します。

前述したとおり、不倫における慰謝料の相場は50万円から150万円です。

  1. 離婚する場合:150万円から300万円程度
  2. 離婚しない場合:50万円から150万円程度

例として、慰謝料の金額別の依頼費用はおよそ次のようになります。

慰謝料50万円の場合慰謝料150万円の場合慰謝料300万円の場合
着手金20万円~30万円20万円~30万円20万円~30万円
報酬金
※20%で計算
10万円30万円60万円
総額30万円~40万円50万円~60万円80万円~90万円

加えて、交通費・郵便代など実際にかかった費用(実費)や初回の相談料がかかります。

ただし、これはあくまで目安。

初回相談を無料で行っている弁護士事務所も多いので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。

不倫で慰謝料請求をするときの流れ

不倫の慰謝料を請求する場合は、適切な手順を踏むことが重要。

一般的には示談交渉までで解決するケースが多く、以下の流れで進みます。

  1. 弁護士に相談・依頼
  2. 不貞の証拠集め
  3. 示談交渉の開始(内容証明の送付)
  4. 示談交渉成立
  5. 慰謝料の受け取り

まずは弁護士に相談後、アドバイスにしたがって有効な証拠を集めましょう。

証拠が揃ったら不倫相手に対して慰謝料請求の意思を示し、示談交渉を開始します。

この時点で、弁護士を通じて「内容証明郵便」を送付

請求額や支払い期限などを正式に通知します。

相手が慰謝料の支払いに合意すれば、示談が成立し、慰謝料を受け取って解決です。

もし示談がまとまらない場合は、裁判を起こして慰謝料を請求することになります。

裁判では証拠が重要となり、判決により慰謝料が認められれば、強制執行も可能です。

不倫の慰謝料請求でよくある質問

最後に、不倫の慰謝料請求に関してよくある質問に答えます。

不倫された場合に慰謝料はいくら請求できますか?

不倫慰謝料の相場は50万円から300万円程度です。

ただし、実際の請求金額はケースバイケースで異なります。

不倫の期間や回数、夫婦の婚姻期間、子どもの有無など、様々な要因によって判断されるため、一概にいくらとは言えません。

一般的には、離婚する場合の慰謝料相場は150万円から300万円程度、離婚しない場合は50万円から150万円程度です。

離婚しなくても慰謝料を請求できますか?

離婚しなくても慰謝料請求は可能

不倫によって精神的苦痛を受けたことが認められれば、婚姻関係を継続する場合でも慰謝料を請求できます。

ただし、離婚しない場合の慰謝料の相場は低めになる傾向があります。

婚姻関係が続いている場合、「夫婦関係が完全に破綻したわけではない」と判断され、請求額が減るケースが多いです。

また、夫婦関係を続ける場合は、不倫相手にのみ請求するケースが一般的。

配偶者に請求すると夫婦関係の修復が難しくなることもあるため、慎重に判断してください。

不倫の慰謝料を配偶者と浮気相手の双方に請求できますか?

配偶者と浮気相手の両方に慰謝料を請求することは可能です。

不倫は「共同不法行為」とみなされるため、双方に責任があると考えられています。

ただし、いわゆる「二重取り」はできません。

例えば、300万円を請求する場合、配偶者と不倫相手が合計で300万円を支払えばよく、両方から300万円ずつ合計600万円を得ることはできません。

どちらか一方に全額を請求することも可能ですが、合計額以上の慰謝料を得ることはできない点を覚えておきましょう。

さいごに

不倫で慰謝料請求するには、3つの条件を満たしている必要があります。

  1. 不貞行為の証拠がある
  2. 故意・過失の証明ができる
  3. 時効期間内である

慰謝料を確実にもらうには、不貞行為(=肉体関係がある)の証拠集めが特に重要です。

ラブホテルに出入りする写真やメールやLINEのやり取り、探偵の調査報告書などが有効なため、複数の証拠を手に入れましょう。

ただし、証拠集めや慰謝料請求を独断で進めると、逆に訴えられるリスクがあるため、弁護士に依頼すると安心です。

精神的な負担も軽くなり、スムーズに不倫トラブルを解決に導いてくれるでしょう。

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監修記事
東京スタートアップ法律事務所
益田 綾乃 (東京弁護士会)
当事務所ではこれまでに多くのご相談・ご依頼をお受けしてきた経験から得られた知識やノウハウを駆使して、ご依頼者様の権利を守るための弁護活動をお約束いたします。
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アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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