離婚相談
女性のための離婚相談窓口まとめ|目的別の相談窓口や弁護士をおすすめする理由を解説
2024.10.25
夫婦が離婚する原因には夫のDVやモラハラ、または不倫や浮気といったケースが少なくありません。
上記の悩みを抱えている女性は、離婚を決断する前に女性のための離婚相談窓口を利用してみましょう。
感情論で離婚すると、離婚後の生活が成り立たない、子どもを養育できないなど、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。
本記事では、女性のための離婚相談窓口について、利用方法や受付時間、有料・無料などの違いを詳しく解説します。
女性のための離婚相談窓口には以下の種類があり、無料相談も受け付けています。
離婚について悩んでいる方は、自分に合った相談窓口を利用してみましょう。
相談できる内容 | 離婚前後の法律相談や養育費相談など |
相談日時 | 地域ごとのホームページ参照 |
相談方法 | 面談・電話相談・オンライン相談 |
予約の有無 | 相談内容による |
相談料 | 無料 |
ひとり親家庭支援センターは全国に設置されており、就業や養育費などの相談や、弁護士の法律相談なども受け付けています。
設置場所は公共施設などが多く、電車やバスのアクセスもよいため、車を運転しない方でも気軽に利用できます。
離婚後に母子家庭となり、就業や育児などに不安がある方は「地域名+ひとり親家庭支援センター」でネット検索してみましょう。
相談できる内容 | DVやモラハラなどの人権侵害 |
相談日時 | 平日の8時30分~17時15分 |
相談方法 | 電話相談のみ:0570-070-810 |
予約の有無 | なし |
相談料 | 無料 |
公式ホームページ | 法務省 |
女性の人権ホットラインは法務省管轄の相談窓口になっており、「0570-070-810」に電話すると、法務局職員や人権擁護委員がDVなどの相談に乗ってくれます。
パートナーのセクハラやストーカー行為に悩んでいる方も、女性の人権ホットラインに相談してみるとよいでしょう。
女性の人権ホットラインには相談活動の強化週間もあり、期間中は土日の相談も受け付けています。
相談できる内容 | DVに関する悩み |
相談日時と相談方法 | 電話「0120-279-889」:24時間 メール:24時間 チャット:12時00分~22時00分 |
予約の有無 | なし |
相談料 | 無料 |
公式ホームページ | https://soudanplus.jp/ |
DV相談プラスは内閣府が設置しており、DVに関する相談を365日受け付けています。
電話とメールは専門の相談員が悩みを聞いてくれるので、身近に相談相手がいない方はぜひ利用してください。
DVかどうか判断がつかないケースでも、まず相談してみるとよいでしょう。
離婚するかどうか迷っている方や、夫婦関係を修復したい方は、離婚カウンセラーを利用してみましょう。
「地域名+離婚カウンセラー」や「地域名+夫婦カウンセラー」で検索すると、近くに事務所にあるか確認できますます。
離婚カウンセラーは夫婦のあり方や心のケアなどを専門としており、臨床心理士などが相談に乗ってくれます。
なお、離婚カウンセラーは特に資格を必要としないため、無資格者が対応する場合もありますが、カウンセリングは基本的に有料です。
離婚の手続きや子どもの親権、養育費や慰謝料請求などの法律問題に悩んでいる方は、弁護士への相談をおすすめします。
弁護士に離婚相談したい方は、以下の相談窓口を利用してみましょう。
各自治体では定期的な法律相談を受け付けており、弁護士などの専門家に無料相談できます。
相談場所や相談日時、予約の有無などは自治体のホームページや広報誌などに掲載されています。
「弁護士に相談したいけど法律事務所は敷居が高そう」と感じている方は、自治体の法律相談が向いているでしょう。
なお、担当弁護士は相談しか受け付けられないため、その場ではトラブル解決の委任契約を結べません。
信頼できる弁護士と出会い、具体的な依頼をしたいときは、法律事務所に出向いて委任契約を結んでください。
相談できる内容 | 法律事務所などの案内のみ |
相談方法 | 電話:0570-078374 メール AIチャット |
予約の有無 | なし |
相談料 | 無料 |
公式ホームページ | https://www.houterasu.or.jp/ |
経済的な余裕がない方は、法テラスに連絡してみましょう。
法テラスでは民事法律扶助制度を利用できるため、収入や資産が一定要件を満たすと30分×3回まで法律相談が無料となり、弁護士費用の立替払いも利用できます。
ただし、法テラスは法律相談窓口ではなく、法律事務所などを紹介してくれる「案内窓口」に過ぎないため、離婚問題の相談はできません。
法テラスを利用する際は、「○○について相談できる窓口を知りたい」という状況に限られるでしょう。
弁護士も自分では選べないため、相性の悪い弁護士が担当する可能性もあるので、自分に合う弁護士を選びたい場合は直接法律事務所を訪ねてください。
知り合いの弁護士がいない方や、近くに法律事務所がない方は、各都道府県の弁護士会に相談してみましょう。
各弁護士会では全国に法律相談センターを設置しており、予約も受け付けているため、都合のよい日時で弁護士に相談できます。
相談料は有料ですが、弁護士の紹介にも対応してくれるので、法律事務所を探す手間と時間がかかりません。
ただし、「離婚問題に詳しい弁護士を紹介してほしい」など、個別の要望には応じてもらえないため、悩みに合わせて弁護士を選びたい方は個別に法律事務所を探す必要があります。
相談できる内容 | 法律問題全般 |
相談日時 | 水曜日:10時00分〜19時00分 土曜日:10時00分〜16時45分 |
相談方法 | 面談のみ |
予約の有無 | あり |
相談料 | 1回45分で5,500円 |
公式ホームページ | https://j-wba.org/ |
日本女性法律家協会は女性の弁護士や裁判官などで組織されており、相談会場を以下の場所に設置しています。
地域限定にはなりますが、夫からモラハラやDVなどの被害を受け、男性に対する恐怖心がある方は、日本女性法律家協会に相談してみましょう。
自分で弁護士を選びたい方は、法律事務所に直接相談してみましょう。
悩みを簡潔にまとめておくと、時間内に要件が伝わります。
離婚問題は今後の人生に大きく影響するため、時間に余裕があれば数ヵ所の法律事務所を回り、納得できる弁護士を探してください。
効率的に法律事務所を探したい方は、「ベンナビ離婚」の活用をおすすめします。
ベンナビ離婚には全国の弁護士が登録されており、地域や相談したい内容から弁護士検索もできるので、理想的な弁護士がすぐに見つかるかもしれません。
各法律事務所の解決事例も参照すると、何を依頼できるのかよくわかります。
離婚の状況はケースバイケースになるため、「離婚条件は自分で交渉できるけど、証拠集めや書類作成に対応できない」といった方もいるかもしれません。
書類作成などの実務に悩んでいる方は、以下の相談窓口を利用してください。
探偵事務所は不倫や浮気の調査に対応しており、証拠集めを依頼できます。
不貞行為は正当な離婚事由になりますが、証拠がなければ離婚や慰謝料請求は困難になることがあります。
ただし、いわゆる“証拠”をやみくもに集めても、法的に有効な証拠としては使えない・・・というケースもたくさん見てきました。
どのような証拠が必要で、どういったときに探偵を依頼すべきかは、事前に弁護士に相談されることをお勧めしています。
ただし、いわゆる“証拠”をやみくもに集めても、法的に有効な証拠としては使えない・・・というケースもたくさん見てきました。
どのような証拠が必要で、どういったときに探偵を依頼すべきかは、事前に弁護士に相談されることをお勧めしています。
探偵事務所に依頼すると費用はかかりますが、相談のみは無料になるケースがあるので、証拠がなくて悔しい思いをした方は、まず相談だけでもしてみましょう。
なお、探偵事務所はネット検索で見つかりますが、稀に悪徳業者もいるため、口コミや評判も必ず調べてください。
司法書士や行政書士の業務は多岐に渡っており、離婚に関する事務手続きをサポートしてもらえる場合があります。
離婚条件の交渉結果を離婚協議書にまとめたいときや、示談書・念書などの書類を作成したいときは、行政書士が協力してくれます。
調停や裁判で離婚するときは、司法書士に申立書や訴状の作成を依頼できるので、書き方が分からない方は相談してみましょう。
また、財産分与で不動産を取得した場合、司法書士には法務局の登記申請も依頼できます。
どの事務所に相談してよいかわからないときは、各都道府県の司法書士会や行政書士会の法律相談も活用してください。
なお、紛争解決の依頼や離婚条件の代理交渉、調停や裁判などの代理人は弁護士しか対応できないので注意しましょう。
法的に有効な離婚協議書を作成したいときは、公証役場に相談してみましょう。
離婚協議書を公正証書化すると、判決文を同じ効力を持つため、相手が養育費や慰謝料を支払わないときは強制執行が可能になります。
公正証書を作成する公証人は元検事、元裁判官などが多く、公正証書を作ることで、将来、養育費が支払われなくなった場合などに、強制執行ができるようにしておくことができます。
ただし、公正証書の作成には費用がかかり、原案は自分で考える必要があります。
調停や裁判で離婚したい方は、家庭裁判所が必要書類や手続きの流れを教えてくれます。
手続用の郵便切手や収入印紙の種類も聞いておくと、不要な出費を抑えられます。
裁判所を介した手続きは専門用語が多いので、できれば窓口に出向き、書類の様式などを見ながら説明を聞いたほうがよいでしょう。
離婚の悩みは個別に異なっており、複数の問題が絡み合っているケースもあります。
以下の窓口にも離婚問題を相談できるので、目的別に使い分けてください。
裁判を起こさずに離婚したい方は、法務省管轄の「かいけつサポート」を利用してみましょう。
かいけつサポートでは裁判外紛争解決手続きを利用できるため、専門家のあっせんや仲裁、調停により、離婚問題を平和的に解決できる可能性があります。
相談窓口は全国に設置されており、弁護士が対応してくれるケースもあるので、深刻な悩みも相談可能です。
相談料は有料・無料に分かれているため、公式ホームページで確認してください。
NPO法人の活動目的はさまざまですが、夫婦間の悩みや離婚問題を専門的に受け付けているケースもあります。
たとえば、東京在住の方はNPO法人「よつば」が離婚相談を受け付けており、以下の日時で利用できます。
相談できる内容 | 浮気や不倫、パートナーとの関係修復 |
相談日時 | 9時00分~20時00分 ※年中無休 |
相談方法 | 電話 面談 メール |
予約の有無 | あり |
相談料 | 無料 |
公式ホームページ | https://npoyotuba.com/index.html |
全国にも夫婦の悩みを相談できるNPO法人があり、子どもに関する相談も受け付けています。
養育費や面会交流の悩みを抱えている方は、「NPO法人 相談 離婚」などのキーワードで近くの事務所を探してみましょう。
なお、NPO法人によっては無資格のカウンセラーもいるため、専門的な相談には乗ってもらえない場合もあります。
相談できる内容 | 養育費や離婚前後の相談など |
相談日時 | 週1~2回程度 ※詳細スケジュールは公式ホームページのカレンダーを参照 |
相談方法 | 電話 面談 オンライン |
予約の有無 | 法律相談や要予約 |
相談料 | 無料 |
公式ホームページ | https://haat.or.jp/ |
東京都ひとり親家庭支援センターはあとは飯田橋と多摩に相談窓口があり、法律相談や職業相談、養育費などの相談を受け付けています。
利用者は都内在住の方に限定されますが、1時間の無料相談を1人3回まで利用可能になっており、経験豊富な弁護士が「ひとり親」の悩みに寄り添ってくれます。
なお、法律相談は離婚前後の内容のみとなり、20歳未満の子どもがいることが利用条件です。
夫の暴力に身の危険を感じたときは、迷わず警察署に「110番通報」してください。
警察は民事に介入しないため、離婚や浮気などの通報はできませんが、暴力・暴行になると話は別です。
夫と接触したくないときや、ひとまず相談したいときは、以下の窓口も利用できます。
子どもに危害が及びそうなときも、早めに相談・通報してください。
女性のための離婚相談窓口を選ぶときは、以下の項目に該当するかどうかチェックしてください。
一つでも多く該当していれば、悩みを解決できる確率が高いでしょう。
女性の専門家であれば、専業主婦の就業や育児の悩みなどに詳しく、具体的な解決方法をアドバイスしてくれます。
事務的な対応ではないため、相談だけでも精神的に救われる可能性があります。
就業が必要な方は就職支援などのサービスもあり、生活面の不安も解消できます。
男性の相談員に抵抗がある方は、女性の専門家に相談してみましょう。
離婚問題を早く解決したいときは、土日や夜間に相談できる窓口を利用してください。
仕事をしている方は平日の相談が難しく、有給休暇を取りにくい職場であれば、相談するタイミングが先延ばしになってしまいます。
無理に時間をつくって相談すると、資料などの準備が間に合わず、正確な情報が伝わらないケースもあります。
落ち着いてじっくり相談したいときは、土日や夜間対応の相談窓口を探しておきましょう。
一部の無料相談窓口や、法律事務所をネットで調べると、オンライン相談に対応しているケースがあります。
オンライン相談はメールでやりとりするタイプや、スマートフォンなどの画面越しに面談するタイプがあり、おすすめは面談タイプです。
予約は必要ですが、対面で相談できるため、ご自身が抱えている悩みや不安が正確に伝わります。
仕事や家事で多忙な方や、近くに法律事務所がない方は、オンライン相談できる窓口を利用してみましょう。
慰謝料や養育費でもめているときは、弁護士がベストな相談相手です。
弁護士に職業や収入、DV被害などの状況を詳しく伝えると、慰謝料や養育費の適正額を算定してくれます。
夫婦だけで養育費や慰謝料を決めると、相場と大きくかけ離れてしまい、損をするケースが少なくありません。
弁護士が算定した慰謝料や養育費であれば、相手も納得しやすいでしょう。
調停や裁判で離婚する場合、申立書や訴状の作成、証拠や資料の準備など、さまざまな手続きに対応しなくてはなりません。
しかし弁護士は離婚問題をトータルサポートしてくれるので、必要書類の収集や作成、調停期日の同席などをすべて任せられます。
調停期日や口頭弁論の日は裁判所に出向く必要があるため、多忙な方は弁護士にサポートしてもらいましょう。
女性の離婚には以下の注意点があるため、不倫やDVなどを理由に離婚する場合でも、まず冷静な対処が必要です。
協力者が必要なときは、弁護士に相談しておきましょう。
女性が離婚するときは、まず離婚理由を確認してください。
協議離婚は双方の合意によって成立しますが、調停や裁判で離婚する場合は以下の法定離婚事由が必要です。
判断に迷ったときは弁護士に相談し、離婚事由になるかどうか判定してもらいましょう。
離婚原因が夫の浮気やDVであれば、証拠の確保が必要です。
浮気の現場はなかなか押さえられないかもしれませんが、浮気相手と宿泊したホテルのレシートなど、身近な場所に手掛かりがあるかもしれません。
DVやモラハラについては、可能であれば録音・録画で証拠を残し、被害を受けた状況を日記などに記録してください。
けがの治療を受けたときは、診断書も重要な証拠になります。
感情論や勢いで離婚すると、離婚後の生活に困ってしまう場合があります。
専業主婦やパートタイムで働いている方は、離婚後の家賃や光熱費、食費や衣料費など、生活費を計算しておきましょう。
親権者になる場合は、養育環境の整備も必要です。
離婚を決断したら、早めに財産分与や慰謝料、養育費を協議してください。
財産分与や慰謝料などは請求期限があるため、協議を先延ばしにすると、請求権が消滅する恐れがあります。
また、財産分与では2分の1をもらえますが、夫が預貯金などを使ってしまう可能性があるため、早く協議をまとめたほうがよいでしょう。
養育費も早めに決めておくと、離婚後の生活に目途がつきます。
夫婦が離婚する際、DVやモラハラの被害に遭っている女性は不利な立場になりやすいため、不利な条件を押し付けられたり、せっかく取り決めた慰謝料や養育費を支払ってもらえず、泣き寝入りするケースも少なくありません。
ご自身の権利をきちんと守るためにも、法律的な観点からご自身の権利を守ってくれる弁護士に相談しましょう。
「専業主婦だから」という理由で、夫が、少ししか財産分与しない、あるいはまったく財産分与をしてもらえないというケースもあるでしょう。
法律上は専業主婦であっても財産分与を等分に受ける権利がありますが、夫婦間の話合いではうまくいかないことも多いものです。
女性のための離婚相談窓口はさまざまですが、法的に有利な条件で離婚したいときには、弁護士への相談をおすすめします。