国際離婚
国選弁護人は離婚裁判でも依頼できる?刑事事件以外での依頼可否を解説
2024.11.20
夫婦関係が冷え切っていたり、相手との会話が減ったりすると、「離婚危機」といえるため、どのようなケースが該当するのか理解し、夫婦関係修復に向けた対処も必要です。
いつもと変わらない夫婦関係だと思っていても、相手が真剣に離婚を考えている場合もあります。
相手側に離婚原因がある場合は、謝罪と慰謝料請求も考えておかなければならないでしょう。
本記事では、離婚危機かどうかをチェックするポイントや、離婚危機の乗り越え方などを詳しく解説します。
離婚危機かどうかをチェックしたいときは、以下のポイントを参考にしてください。
該当する項目が複数あると、離婚の確率が高くなるので早めに対策を取りましょう。
結婚してから年月が経過すると、相手に対して愛情を感じにくくなる場合があります。
相手に対する思いやりも薄れてしまい、お互いが自分勝手に行動し始めると、ちょっとしたことでも口論になりがちです。
すぐに謝って仲直りすればよいところ、自分が正しいと思い込んでしまった場合、口論がさらに激化するケースもあります。
口喧嘩が毎日のように続くようであれば、離婚危機に直面している状況といえるでしょう。
会話の減少も離婚危機のサインといえます。
相手の存在をストレスに感じていると、家庭内でも距離を取ろうとするため、会話も徐々に減少します。
簡単な受け答えの会話しかないようであれば、お互いが相手に対する興味・関心も失っており、どちらが離婚を切り出してもおかしくない状況でしょう。
配偶者や家庭に対する愛情が薄れてしまうと、お金の使い道が変わるケースもあります。
今までは一定額を生活費に入れていたところ、徐々に金額が減っている場合は、お気に入りの女性がいるスナック通いや、ギャンブルなどに使っているかもしれません。
お金の使い道を聞いても答えてくれないときは、風俗店通いも考えられるでしょう。
いわゆる「外で使うお金」が増えている場合、相手は夫婦生活に何らかのストレスを感じている可能性があります。
セックスは男女間の自然な欲求といえるため、何年も性交渉がない生活が続くと、離婚危機になっているかもしれません。
相手に性欲があってもセックスを求めてこない場合、愛情が薄れている可能性があるでしょう。
なお、年齢や健康状態から性欲が減退している場合は、セックスレスも致し方ない状況といえます。
夫婦関係が冷え切っていると、不倫や浮気をしやすい状況です。
相手に対する愛情が薄れている状況であれば、異性に優しくされると心が動いてしまうでしょう。
愛人との間に子どもができてしまった場合、夫婦関係の修復はほぼ困難です。
妻が夫側の義父母と同居している場合、世代間のギャップや価値観などの違いから、強いストレスを感じてしまうケースがあります。
義父母と対立関係にある場合、妻にとっては家庭内の味方が夫しかいないため、ストレスを受け止められるかどうかが夫婦生活に影響します。
妻のストレスがピークになると離婚危機を避けられないため、義父母との別居も考えておかなければなりません。
離婚する夫婦にはいくつかの特徴があり、具体的には以下の4パターンです。
夫婦間のコミュニケーションが減っているときや、価値観の違いを受け入れられない場合は、離婚の確率が高くなるでしょう。
結構生活が長くなると、夫婦間のコミュニケーションが少なくなり、必要最低限の会話しかしないケースがあります。
夫が会社で働いており、妻が専業主婦の場合は、お互いの置かれた環境に大きな違いがあるため、コミュニケーションそのものが成り立たない状況もあるでしょう。
妻は夫の仕事疲れやストレスを気遣い、あえて必要以上に話しかけないようにしていても、夫は「お疲れさまくらい言ってくれよ」と思っているかもしれません。
お互いが本音を出さず、表面的な会話だけで夫婦生活を送っていると、離婚危機が目前に迫っている状況といえます。
夫婦間のコミュニケーションが減ったときは、誰が自分の生活を支えているのか、振り返ってみる必要があります。
どちらかの親と同居している夫婦であれば、親が夫婦関係に介入してくることもあります。
妻が夫の実家に嫁いでいる場合、義父母から数十年前の価値観を押し付けられ、ストレスを感じているケースは少なくありません。
夫婦の関係は当事者同士で決めるべきですが、親が頻繁に介入すると、実の親であっても折り合いが悪くなるでしょう。
息子を溺愛している母親は嫁を敵視する場合もあるため、専業主婦の嫁は「家庭内に居場所がない」という状況になります。
親が経済的に自立しており、健康面にも問題がなければ、いざとなったときに守ってあげられるのは配偶者しかいないのです。
お互いに尊重できていない夫婦の場合、いつ離婚危機が訪れてもおかしくありません。
相手を見下していると自分の間違いを認められなくなり、無理矢理な論理で自分の主張を押し通す人もいます。
しかし、夫婦の考え方は違っていて当たり前です。
離婚を避けたいのであれば、まず自分のパートナーを尊重し、価値観の違いも受け入れる必要があるでしょう。
男女にはいまだに収入格差があるため、一般的には夫の収入が高く、妻を扶養に入れているケースが多いでしょう。
夫婦関係が冷え切っており、夫が不倫や浮気をしていると、妻に生活費を渡さなくなるため、困った妻が離婚を望む場合もあります。
逆のパターンでは、夫が妻の収入をギャンブルなどに使い、生活費を食いつぶすため、妻が離婚を切り出すケースもあるでしょう。
裁判所が公表する2023年の司法統計によると、夫婦の離婚理由は「性格の不一致」がもっとも多く、以下のようになっています。
件数順 | 妻 | 夫 |
1 | 性格が合わない | 性格が合わない |
2 | 生活費を渡さない | 精神的に虐待する |
3 | 精神的に虐待する | 異性関係 |
4 | 暴力を振るう | 浪費する |
5 | 異性関係 | 家族親族と折り合いが悪い |
6 | 浪費する | 性的不調和 |
7 | 性的不調和 | 同居に応じない |
8 | 家庭を捨てて省みない | 暴力を振るう |
9 | 酒を飲み過ぎる | 生活費を渡さない |
10 | 家族親族と折り合いが悪い | 家庭を捨てて省みない |
11 | 病気 | 病気 |
12 | 同居に応じない | 酒を飲み過ぎる |
2021年や2022年の統計をみても、夫婦ともに1位には変化がありません。
妻の離婚理由は上位に生活費の問題、DVやモラハラなどもあるため、金銭的な困窮や身の危険を感じた方も多いようです。
ただし、本来の離婚理由が不倫や浮気であっても、体裁を気にして性格の不一致にしているケースも考えられます。
離婚危機に直面したときは、夫婦間の問題だけでなく、子どもの将来についても考える必要があります。
冷静になって考えると、自分に原因があるケースも少なくないため、以下を参考に離婚危機を乗り越えていきましょう。
コミュニケーションの機会を増やすと、双方の考え方や離婚危機の原因がよくわかります。
すでに夫婦の会話が少なくなっており、相手と話すきっかけを掴めないときは、メールやLINE、手紙などを使ってみましょう。
離婚危機だと思っていたところ、相手と本音で話し合うと、「些細な原因だった」というケースもよくあります。
男女の関係は交際中が加点方式、結婚後は減点方式になる場合があります。
恋人同士のときは会うたびに相手の魅力を発見し、次のデートが待ち遠しかったところ、結婚すると逆になりがちです。
育児に協力してくれない、家事の要領が悪いなど、相手の嫌な部分だけを見てしまうと、円満な夫婦関係の構築は難しいでしょう。
離婚危機を乗り越えたいときは、評価を加点方式に切り替え、相手の魅力を再発見してください。
自分とまったく同じ考え方を持っている人はいないため、夫婦の価値観も違っていて当然です。
離婚原因は「性格の不一致」が多く、価値観の違いによるものですが、一方では夫婦円満の要因になっているケースも少なくありません。
たとえば、夫婦が同じ方向性で子どもの教育を考えていると、「自分の考え方がより優れている」など、優劣を競い始めるため、喧嘩になってしまう場合があります。
価値観の違いをデメリットと捉えず、「考え方が違うから学ぶべき点も多い」と理解できれば、離婚危機を乗り越えられる可能性があります。
相手の態度を不快に感じても、実は自分の言動が原因になっているケースもあります。
夫婦で家事分担を決めている場合、自分だけが毎回ゴミ出しを忘れてしまうようであれば不満が出て当然といえます。
自分の行動を振り返らず、不平不満や愚痴ばかりをぶつけていると、一緒にいてもストレスしか感じない相手だと思われてしまうでしょう。
離婚危機に直面したときは、まず自分の言動を振り返り、可能な範囲で直すべきところは直していきましょう。
夫婦生活の継続がどうしても難しいときは、離婚も視野に入れてください。
無理のある夫婦生活を続けても、ストレスばかりが大きくなり、お互いが幸せになれません。
また、相手からDVやモラハラの被害を受けている場合、我慢して夫婦生活を続けると、精神を病んでしまう可能性もあります。
精神的障害が発生したあとに離婚すると、専業主婦の場合は就職できない、または親権を取れないなど、さまざまなデメリットが生じるので早めに対処しましょう。
離婚危機になっている状況であれば、まず子どの将来を優先的に考えてください。
幼い子どもは大人の事情を理解できないため、安易に離婚を決めると、以下の悪影響がでてしまう可能性があります。
いわゆる「片親の子」はいじめに遭いやすいため、ストレスから不登校になり、家に引きこもってしまうケースも考えられます。
相手の収入で生計を維持していた場合、離婚によって収入が減ると、子どもの養育費が不十分になるかもしれません。
子どもを主体に考え、夫婦が協力して養育体制を整えると、離婚危機を乗り越えやすくなります。
離婚危機になったときは、信頼できる友人・知人にも相談してください。
一人で考えると答えが限定されるため、第三者の意見も聞いてみるとよいでしょう。
相手と話し合っても平行線にしからならないときや、話し合いにすら応じてくれないときは、第三者の協力も必要です。
夫婦が離婚危機に直面した場合、やってはいけないNG行為があります。
以下のような行為は「本気ではないのに離婚することになった」、または「離婚したいのにできない状況になった」など、さまざまなデメリットが生じます。
離婚危機に一人で対処すると、判断を誤ってしまう可能性があります。
相手と積極的に話し合ったり、共通の趣味を見つけたりすると、離婚危機を回避できますが、一人で考えると「離婚しかない」という結論になりかねません。
一方、相手のDVに悩まされている場合は、一人で考えたために離婚のきっかけを失い、メンタルを病んでしまう恐れもあります。
離婚するかどうかの判断に迫られたときは、第三者にも相談してください。
感情論で相手と話した場合、本気で離婚する気はなくても、後戻りできない状況になりかねません。
冷静に考えれば最善策が見つかったところ、売り言葉や買い言葉になると、「そこまで言うなら離婚する」など、引き下がれなくなってしまうでしょう。
勢いで離婚した夫婦は財産分与や親権などの問題を整理できていないため、相手と口論になったときは、その場で結論を出さないように注意してください。
離婚危機になっているときは、相手の無視や否定に注意が必要です。
たとえば、妻が離婚を切り出したところ、夫には離婚する意思がなく、「まともに付き合っても仕方がない」という理由で妻の要望を無視するケースがあります。
妻の要望を否定して自尊心を傷つけると、荷物をまとめて実家に戻るなど、実力行使に出る可能性もあるでしょう。
相手の無視や否定は人権侵害になるため、まず冷静に話し合ってください。
相手と距離を置くため、別居するケースは珍しくありませんが、そのまま気持ちが冷めてしまうかもしれません。
仕事に就いていれば日々の生活に充実感があるため、当初は本気で離婚するつもりがなかったところ、一人でも十分やっていけると考えてしまうでしょう。
また、別居中に気持ちを整理し、夫婦生活のやり直しを決めたとしても、相手の気持ちが変わっている可能性もあります。
相手が離婚裁判を起こした場合、長期間の別居が夫婦関係の破たんとみなされ、離婚が確定する恐れもあるでしょう。
相手から離婚届を手渡されても、迷っているうちは署名押印しないように注意してください。
役場が離婚届を受理すると、その後は事務的に手続きが進むため、確実に婚姻関係が解消されます。
離婚届の提出は最終的な手続きになるので、離婚危機を回避できるかどうか、相手と冷静に話し合ってみましょう。
離婚危機の回避が難しいときは、以下のように対処してください。
夫婦が離婚に合意していれば、手続きは婚姻届の提出のみですが、自分だけ離婚を望んでいるときは調停や裁判が必要です。
夫婦間の協議で離婚する場合、離婚届の提出で婚姻関係を解消できます。
しかし、調停や裁判で離婚するときは、以下の法定離婚事由が必要です。
性格の不一致は法定離婚事由にならないため、不貞行為などの事実があるかどうか、必ず確認してください。
夫婦間の協議で離婚するときは、以下の離婚条件を話し合いましょう。
慰謝料は精神的苦痛への償いになるため、相手のDVやモラハラ、不倫や浮気などがあったときに請求できます。
親権については、基本的に女性が有利な立場となっていますが、子どもが明確に意思表示できる年齢であれば、必ず本人の意向も確認してください。
夫婦間の協議で離婚がまとまらないときは、調停や裁判が必要です。
調停は話し合いによる解決手段になるため、お互いが調停委員の和解案に納得すると、夫婦関係を修復できる可能性があります。
ただし、調停が不成立になった場合は審判への移行がないため、裁判で勝たなければ離婚はできません。
裁判では離婚に至る経緯や法定離婚事由、原告の主張を裏付ける証拠も必要になるので、入念に準備しておきましょう。
離婚の判断に迷ったときや、調停や訴訟の手続きをサポートしてほしいときは、弁護士に関わってもらいましょう。
弁護士に依頼すると、以下のように対応してくれます。
ほとんどの弁護士は初回のみ無料相談できるので、迷ったらまず相談してください。
離婚を考えた理由や相手との関係性など、相談したい内容をまとめておくと、無料相談を有効活用できます。
夫婦関係が冷え切っている状態で結婚生活を続けても、お互いに幸せな人生とはいえないため、離婚が最善策になるかもしれません。
離婚する場合は親権や養育費、財産分与などの問題を解消しなければなりませんが、独身になったから仕事に打ち込めるなど、新たな可能性も見えてきます。
ただし、子どもの親権を獲得したときは、仕事と育児を両立し、十分な養育環境も整備しなければなりません。
一方、就労していない家事労働者は離婚すると生活に困るため、夫婦関係が破たんしていても、「絶対に離婚はしない」というケースもあるでしょう。
夫婦が離婚危機の状態になったときは、離婚と現状維持のどちらを選択すべきか、冷静な判断が必要です。
離婚危機にはさまざまな原因があり、少しずつ蓄積されていくため、表面化する前の対処が重要です。
相手とのコミュニケーションが減っている場合は、まず会話やLINEのやりとりなどを増やしてみましょう。
ただし、相手の不倫などが離婚危機の原因になっており、夫婦関係の修復が困難なときは、離婚を考えなければならないケースもあります。
離婚危機にどう対処してよいかわかないときは、弁護士にも相談してみましょう。