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離婚後に苗字をそのまま使う方法!メリットとデメリットをそれぞれ3つずつ解説
2024.08.15
現在、日本では3組に1組が離婚しているといわれています。
厚生労働省の調査によると、2022年には婚姻件数に対して離婚件数の割合が約35%に達しました。
婚姻件数 | 離婚件数 | 離婚件数の割合 |
504,930組 | 179,099組 | 約35% |
【参考】令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
本記事では、離婚率に関するさまざまなデータや統計を紹介しながら、離婚の実態や傾向について考えていきます。
また、離婚を決めた理由や対策についても、男女別や熟年夫婦別に見ていきます。
離婚は誰にでも起こりうることですが、その背景や要因は多岐にわたります。
自分自身やパートナーとの関係性を見直すきっかけにしてみてください。
そもそも、離婚率とは何を指しているのでしょうか。
また、年代や地域、職業によってその数字は変わるのでしょうか。
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
離婚率とは、>離婚が多いか少ないかを比較するために使われる数値の事です。
正式な離婚率は、人口に対しての離婚率として計算されます。
この数式を日本の状況に当てはめてみると、令和4年の日本の離婚率は1.5となります。
ただし、これは人口1,000人あたりの離婚件数で計算しているため、1.5という数値の単位はパーセンテージではないという点には注意が必要です。
一般的に、「3組に1組は離婚している」という言い方をされる場合が多いですが、これは「ある年の婚姻件数に対しての離婚件数の割合」を計算したものです。
たとえば、以下は令和4年の婚姻件数と離婚件数です。
婚姻件数 | 離婚件数 | 離婚件数の割合 |
504,930組 | 179,099組 | 約35% |
【参考】令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
以上の数値では、婚姻件数に対して離婚件数の割合が約35%となります。
婚姻件数は令和4年に結婚した数ですが、離婚件数にあらわされる夫婦のほとんどが令和4年以前に婚姻関係を結んでいるという点には注意が必要です。
つまり、令和4年に結婚した夫婦の3組に1組が離婚する、ということを表した数値ではないのです。
ここからは、区分別に離婚率を見ていきます。
以下の図は、年代別の離婚率を示したものです。
【参考】-人口統計資料集(2020)-|国立社会保障・人口問題研究所
以上のデータによると、夫、妻ともに30~39歳の離婚率が最も高いことがわかります。
30代は子育てや仕事などでストレスが多くなる時期であり、夫婦間の価値観やコミュニケーションのずれが原因で離婚するケースが多いと考えられます。
夫と妻の年代の違いで注目すべきは、妻は29歳までに離婚する率が夫に比べて高いという点です。
一方、夫は50歳を超えてから離婚する率が妻より高くなっています。
次に、婚姻期間別での離婚率を見てみましょう。
【参考】-人口統計資料集(2020)-|国立社会保障・人口問題研究所
以上をご覧いただくと、最も離婚率が高い婚姻期間は1~5年未満であることがわかります。
結婚してから1年経たずに離婚する夫婦も全体の5.9%に及びます。
これは、結婚後に互いの性格や生活習慣の不一致が明らかになり、すぐに離婚に至るケースがあると考えられます。
また、10年未満で離婚するカップルは全体の約半数を占めており、結婚初期の離婚が多い傾向にあることがわかります。
ただし、結婚してから20年以上経ってから離婚する夫婦も18.5%と、決して低い割合ではありません。
次に、都道府県別での離婚率を見てみましょう。
厚生労働省が調べている人口動態調査を参照する関係で、ここでは、「同じ年の婚姻件数に対する離婚件数」の割合が多い上位10位を紹介します。
順位 | 都道府県 | 婚姻件数に対する離婚件数(%) |
1位 | 高知県 | 47.1 |
2位 | 沖縄県 | 45.1 |
3位 | 宮崎県 | 44.0 |
4位 | 青森県 | 43.7 |
5位 | 鹿児島 | 42.2 |
6位 | 北海道 | 42.0 |
7位 | 和歌山 | 41.3 |
8位 | 秋田 | 40.4 |
9位 | 愛媛 | 40.1 |
10位 | 福島 | 39.7 |
49位 | 東京 | 26.4 |
他 | 全国 | 34.8 |
【参考】令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
以上のとおり、離婚率が最も高いのは高知県であることが見て取れます。
参考として、東京都と全国の離婚率も掲載しました。
実は、東京の離婚率は26.4%と令和元年では最下位となっています。
最後に、日本の離婚率は世界と比べて高いのか?という点についても解説します。
以下は、総務省統計局が調査した「世界の統計2019」を参考に、主要国の離婚率をまとめたものです。
国 | 離婚率 |
日本 | 1.7 |
アメリカ合衆国 | 2.5 |
ドイツ | 1.9 |
フランス | 1.9 |
イギリス | 1.8 |
韓国 | 2.1 |
ロシア | 4.7 |
オーストラリア | 1.9 |
以上の表でわかるとおり、日本の離婚率は世界的にみて高いというわけではなく、むしろどちらかといえば低いといえます。
ちなみに、調査対象となった68ヵ国の中では、ロシアは離婚率が世界トップという結果になっています。
離婚率は今後、上昇していくのでしょうか? その傾向を見てみましょう。
ピーク時 | 2022年 |
10.4(1972年) | 4.1 |
2.3(2002年) | 1.47 |
人口1000人あたりの婚姻率は、1972年の10.4をピークに減少傾向にあり、2022年には半数以下の4.1まで落ち込んでいます。
一方、人口1,000人に対する離婚率も2002年の2.3をピークに現在は減少を続けており、2022年では1.47に落ち着いています。
上記のデータでは、婚姻率と離婚率の差が縮まりつつあることがわかります。
このような現象は、日本だけではなく、先進国の多くで見られます。
これには、社会的・経済的・文化的な要因が複雑に絡んでいると考えられます。
以上のようなことが要因となっていると推測できます。
これらの要因が変わらなければ、離婚率はこのまま減少または横ばいの可能性が高いです。
また、婚姻率もなだらかに減少する可能性が高いといえるでしょう。
離婚を決めた理由は夫婦によってさまざまですが、一般的には性格の不一致や価値観の違いが最も多いです。
しかし、男女別に見るとそれぞれに特徴的な理由があります。
以下は、司法統計を元に作成した、離婚を決めた理由のランキングです。
順位 | 離婚理由 | 合計 | 件数(男性) | 件数(女性) |
1 | 性格の不一致 | 25,544 | 9,240 | 16,304 |
2 | 精神的虐待 | 14,107 | 3,159 | 10,948 |
3 | 生活費を渡さない | 13,921 | 686 | 13,235 |
4 | 暴力をふるう | 10,030 | 1,454 | 8,576 |
5 | 異性関係 | 8,637 | 2,132 | 6.505 |
6 | 浪費 | 5,903 | 1.883 | 4,020 |
7 | 性的不調和(セックスレスなど) | 4,557 | 1,749 | 2,808 |
8 | 家庭を捨てて省みない | 3,777 | 764 | 3,013 |
9 | 酒を飲みすぎる | 2,999 | 381 | 2,618 |
10 | 同居に応じない | 2,081 | 1,359 | 722 |
総数 | – | – | 15,500 | 43,469 |
【参考】婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所|裁判所
以上の結果を踏まえたうえで、男女別の離婚理由を見ていきましょう。
順位 | 離婚理由 | 件数 |
1 | 性格の不一致 | 16,304 |
2 | 生活費を渡さない | 13,235 |
3 | 精神的虐待 | 10,948 |
4 | 暴力をふるう | 8,576 |
5 | 異性関係 | 6,505 |
女性が離婚する理由として最も多いのは、「性格の不一致」です。
これは、男性が離婚する理由としても多く挙げられます。
また、「生活費を渡さない」「暴力をふるう」なども女性が離婚する理由として多く見られます。
これらは、女性の身体的・精神的な安全を脅かす重大な問題です。
順位 | 離婚理由 | 件数 |
1 | 性格の不一致 | 9,240 |
2 | 精神的虐待 | 3,159 |
3 | 異性関係 | 2,132 |
4 | 家族親族と折り合いが悪い | 1,964 |
5 | 浪費 | 1,883 |
男性が離婚する理由として最も多いのも、やはり「性格の不一致」です。
また、「異性関係」「浪費」なども男性が離婚する理由として多く見られます。
これらは、男性が妻に対して期待する忠誠心や節度を失われたと感じる場合に生じる不信感です。
そのほか、「家族親族と折り合いが悪い」も男性が離婚する理由として挙げられます。
近年、熟年夫婦の離婚率が急増しています。
以下は、厚生労働省がおこなった調査で、平成元年から平成30年までの年代別の離婚増減率を表したものです。
同居期間 | 増減率(対前年|元年~30年) |
総数 | 0.1 |
5年未満 | -1.6 |
5~10年未満 | -2.0 |
10~15年未満 | -1.4 |
15~20年未満 | 0.7 |
20年以上 | 4.8 |
【参考】同居期間別にみた離婚件数の年次推移|厚生労働省 2019年
以上のように、全体的には減少傾向にあるものの、同居期間が20年以上の夫婦の離婚率が大幅に高くなっていることがわかります。
これには、以下のような理由が考えられます。
2007年に年金制度が改正され、離婚時に専業主婦にも、夫が積み立てた年金を分割することができるようになりました。
これは、熟年離婚が増えている要因のひとつと考えられます。
また、夫の定年退職や子どもの自立は、夫婦の生活リズムや役割分担が大きく変化するタイミングです。
このときに、夫婦間のコミュニケーションや相互理解が不足していると、すれ違いや孤立感が生じる可能性があります。
夫婦が長年抱えてきた問題や隠してきた感情が、生活リズムの変化により表面化する場合に衝突が生じ、熟年離婚に至るのです。
本記事では、離婚率について詳しく解説してきました。
離婚は、夫婦にとって大きな決断であり、影響も大きいといえます。
しかし、離婚は必ずしも悪いことではありません。
離婚を通じて、自分自身やパートナーについて深く考える機会になるかもしれません。
また、離婚をきっかけに、新しい人生や幸せを見つけることができる可能性もあるのです。
参考:日本の離婚率はどのくらい?男女の離婚理由とは?|弁護士法人A&P 瀧井総合法律事務所