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2024.08.15
昨今、離婚する夫婦が増加しています。
離婚率の高い都道府県はどこなのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、離婚率が高い都道府県ランキングを紹介します。
離婚と県民性や文化との関係性についても解説しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
まずは、2022年度の離婚率が高い都道府県ランキングを紹介します。
順位 | 都道府県名 | 離婚率(件/人口1000人) | 順位 | 都道府県名 | 離婚率(件/人口1000人) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 沖縄県 | 2.13 | 25 | 神奈川県 | 1.42 |
2 | 大阪府 | 1.7 | 25 | 静岡県 | 1.42 |
3 | 福岡県 | 1.68 | 25 | 鳥取県 | 1.42 |
3 | 宮崎県 | 1.68 | 28 | 茨城県 | 1.41 |
5 | 北海道 | 1.65 | 28 | 千葉県 | 1.41 |
6 | 香川県 | 1.6 | 28 | 京都府 | 1.41 |
7 | 高知県 | 1.59 | 31 | 青森県 | 1.39 |
8 | 鹿児島県 | 1.58 | 32 | 奈良県 | 1.38 |
9 | 和歌山県 | 1.55 | 32 | 長崎県 | 1.38 |
10 | 愛知県 | 1.53 | 34 | 岐阜県 | 1.36 |
11 | 岡山県 | 1.52 | 35 | 宮城県 | 1.35 |
12 | 大分県 | 1.5 | 35 | 山口県 | 1.35 |
13 | 群馬県 | 1.49 | 37 | 滋賀県 | 1.34 |
13 | 兵庫県 | 1.49 | 38 | 佐賀県 | 1.31 |
13 | 愛媛県 | 1.49 | 39 | 長野県 | 1.29 |
16 | 三重県 | 1.47 | 40 | 岩手県 | 1.27 |
17 | 広島県 | 1.46 | 41 | 島根県 | 1.25 |
18 | 熊本県 | 1.46 | 42 | 山形県 | 1.16 |
19 | 福島県 | 1.44 | 43 | 秋田県 | 1.15 |
19 | 埼玉県 | 1.44 | 43 | 福井県 | 1.15 |
19 | 山梨県 | 1.44 | 45 | 石川県 | 1.14 |
19 | 徳島県 | 1.44 | 46 | 新潟県 | 1.13 |
23 | 栃木県 | 1.43 | 47 | 富山県 | 1.08 |
23 | 東京都 | 1.43 |
【参考元】人口動態調査 都道府県別にみた年次別離婚率(人口千対)|e-Stat 政府統計の総合窓口
離婚率が高い都道府県は、第1位が沖縄県、第2位が大阪府、第3位が福岡県、宮崎県となりました。
なお、ここでいう離婚率とは、人口1,000人あたりの年間離婚件数のことであり、数値はパーセンテージではありません。
たとえば沖縄県の場合は1,000人あたり2.13件、大阪府の場合は1,000人あたり1.7件の離婚が成立しています。
この結果からわかるように、上位3県は西日本エリアに集中しています。
しかし、5位は北海道がランクインしているため、一概に西日本のみが離婚率が高いともいえないようです。
さらに、離婚率が低い都道府県は石川県、新潟県、富山県と北陸地方に集中しているのも、注目すべきポイントです。
理由として、北陸地方の3世代同居率の高さが考えられます。
全国的に同居率が高いのは、新潟県と富山県です。
これらの地域に住んでいる夫婦は親族が身近にいるため、離婚に踏み切るハードルが高いのかもしれません。
【参考元】3世代世帯割合|福島県
続いて、年間の離婚件数のランキングを紹介します。
順位 | 都道府県名 | 件数 | 順位 | 都道府県名 | 件数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 東京都 | 19,255 | 25 | 新潟県 | 2,415 |
2 | 大阪府 | 14,462 | 26 | 愛媛県 | 1,928 |
3 | 神奈川県 | 12,797 | 27 | 滋賀県 | 1,836 |
4 | 愛知県 | 11,061 | 28 | 奈良県 | 1,780 |
5 | 埼玉県 | 10,259 | 29 | 宮崎県 | 1,759 |
5 | 千葉県 | 8,605 | 30 | 山口県 | 1,757 |
7 | 福岡県 | 8,444 | 31 | 長崎県 | 1,751 |
8 | 北海道 | 8,398 | 32 | 青森県 | 1,664 |
9 | 兵庫県 | 7,902 | 33 | 大分県 | 1,635 |
10 | 静岡県 | 4,957 | 34 | 岩手県 | 1,492 |
11 | 広島県 | 3,962 | 35 | 香川県 | 1,472 |
12 | 茨城県 | 3,900 | 36 | 和歌山県 | 1,386 |
13 | 京都府 | 3,514 | 37 | 石川県 | 1,255 |
14 | 沖縄県 | 3,087 | 38 | 山形県 | 1,197 |
15 | 宮城県 | 3,046 | 39 | 山梨県 | 1,128 |
16 | 岡山県 | 2,787 | 40 | 富山県 | 1,074 |
17 | 群馬県 | 2,765 | 41 | 秋田県 | 1,068 |
18 | 栃木県 | 2,658 | 40 | 高知県 | 1,065 |
18 | 岐阜県 | 2,565 | 43 | 佐賀県 | 1,041 |
20 | 福島県 | 2,561 | 44 | 徳島県 | 1,008 |
21 | 長野県 | 2,559 | 45 | 福井県 | 850 |
22 | 熊本県 | 2,482 | 46 | 島根県 | 813 |
23 | 三重県 | 2,481 | 47 | 鳥取県 | 763 |
24 | 鹿児島県 | 2,455 |
【参考元】人口動態調査 都道府県別にみた年次別離婚件数|e-Stat 政府統計の総合窓口
離婚件数が多い都道府県は、第1位が東京都、第2位が大阪府、第3位が神奈川県となっています。
なお、ここでいう離婚件数とは、1年間で離婚届を提出した夫婦の数のことです。
大阪府は離婚率第2位、年間離婚件数は第2位と、双方ともに高い数値を記録していることがわかります。
しかし東京都は、離婚率は第23位にもかかわらず、離婚件数は第1位です。
逆に沖縄県は、離婚率は第1位と高いものの、離婚件数は第13位となっています。
双方のランキング結果には大きな違いがあり、離婚率の高さと離婚件数の多さは、必ずしも比例しないといえるでしょう。
では、離婚件数の上位にランクインしている東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県にはそれぞれどのような共通点があるのでしょうか。
離婚件数の上位にランクインしている都道府県に共通していることは、人口の多さです。
2022年度の政府の統計によると、国内で人口が多い都道府県は以下のとおりとなっています。
第1位 | 東京都 | 1,403万8,000人 |
---|---|---|
第2位 | 神奈川県 | 923万2,000人 |
第3位 | 大阪府 | 878万2,000人 |
第4位 | 愛知県 | 749万5,000人 |
第5位 | 埼玉県 | 733万7,000人 |
離婚件数の多い東京都、大阪府、神奈川県、そして愛知県、埼玉県は、全国的にも人口が多い都市だということがわかります。
人口が多いということは結婚する男女も多く、比例して離婚する夫婦も多いといえるでしょう。
また、沖縄県の人口は146万8,000人で、全国第25位となっています。
大都市に比べて人口が少ないため、離婚率は高くても離婚件数が少ないのかもしれません。
【参考元】都道府県、男女別人口及び人口性比-総人口、日本人人口(2022年10月1日現在)|e-Stat 政府統計の総合窓口
ここからは、相対離婚率の高い都道府県のランキングを紹介します。
順位 | 都道府県名 | 相対離婚率(%) | 順位 | 都道府県名 | 相対離婚率(%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 高知県 | 48.7% | 25 | 山口県 | 38.3% |
2 | 沖縄県 | 47.2% | 26 | 兵庫県 | 37.9% |
3 | 宮崎県 | 46.2% | 27 | 静岡県 | 37.8% |
4 | 青森県 | 45.5% | 28 | 岡山県 | 37.7% |
5 | 北海道 | 45.0% | 29 | 山形県 | 37.6% |
6 | 鹿児島県 | 43.7% | 30 | 島根県 | 37.5% |
7 | 秋田県 | 43.6% | 31 | 栃木県 | 37.2% |
8 | 和歌山県 | 43.4% | 32 | 京都府 | 36.7% |
9 | 愛媛県 | 43.1% | 33 | 広島県 | 36.4% |
10 | 香川県 | 42.9% | 34 | 宮城県 | 36.1% |
11 | 岩手県 | 42.5% | 35 | 大阪府 | 35.8% |
12 | 徳島県 | 42.4% | 36 | 埼玉県 | 35.6% |
13 | 奈良県 | 42.3% | 37 | 新潟県 | 35.4% |
14 | 福島県 | 42.1% | 38 | 佐賀県 | 35.3% |
15 | 群馬県 | 41.2% | 39 | 長野県 | 35.1% |
16 | 大分県 | 40.5% | 40 | 千葉県 | 34.7% |
17 | 長崎県 | 39.7% | 41 | 愛知県 | 33.1% |
18 | 岐阜県 | 39.3% | 42 | 滋賀県 | 32.5% |
19 | 山梨県 | 39.2% | 43 | 神奈川県 | 31.8% |
20 | 熊本県 | 39.1% | 44 | 富山県 | 30.7% |
21 | 福岡県 | 38.7% | 45 | 福井県 | 30.2% |
22 | 鳥取県 | 38.5% | 46 | 石川県 | 29.8% |
23 | 三重県 | 38.5% | 47 | 東京都 | 25.6% |
24 | 茨城県 | 38.4% |
相対離婚率とは、年間に提出された婚姻届の件数に対して、離婚届が出された件数が何割に及ぶのかを計算したものです。
上表を見てみると、相対離婚率が高い都道府県の第1位が高知県、第2位が沖縄県、第3位が宮崎県となっています。
たとえば高知県の場合、年間100組の男女が婚姻届を提出しても、同期間に約49組が離婚をするという計算になります。
上位3県は、年間を通じておよそ半数近くの男女が離婚してしまうことがうかがえます。
しかし、こちらの表からもわかるとおり、全国的な相対離婚率は3割~4割程度となっています。
上位3県に限らず、離婚してしまう男女は全国的にも多いといえるでしょう。
また、離婚率・離婚件数共に上位3位にランクインしていなかった高知県が、相対離婚率に関しては第1位と高い数値となっているのも注目すべきポイントです。
そして、人口が多い東京都の相対的離婚率は最も低く、意外に思われる方もいるのではないでしょうか。
では、相対的離婚率の割合の裏にはどのような理由が隠れているのでしょうか。
都道府県別の相対的離婚率には、各都道府県の県民性や経済・社会環境が影響している可能性があります。
相対的離婚率第1位の高知県は、「よさこい祭り」でも有名な場所です。
踊り子たちが鳴子を手に力強く舞う様子からもイメージできるように、豪快でパワフルな県民性をもっているといえるでしょう。
また、高知県には、「いごっそう」「はちきん」という方言があります。
「いごっそう」には、「快男児」「頑固で気骨のある男」という意味が、そして「はちきん」には「男勝りな女性」という意味があり、どちらも高知県の男女の性質を表した土佐弁です。
この方言にも表されているように、高知県民は他の都道府県に比べ、男女ともに頑固で負けず嫌いな県民性を持っているといえるでしょう。
この特有の県民性もあり、夫婦で争いごとが起こった際にお互いに一歩も譲らず、離婚に至ってしまうのかもしれません。
相対的離婚率第2位の沖縄県は、授かり婚の割合が全国的にも高い地域です。
これは、都市部に比べて若者同士で遊ぶ場所が少ないためだと推測されています。
また、令和4年度の厚生労働省の調査によると、沖縄県の最低賃金は853円と全国最下位です。
貧困率の高さも目立ち、さらにはDV件数も多いため、離婚率が高いといえるでしょう。
沖縄県には、近所や親戚付き合いが盛んな文化があります。
周りが助けてくれる環境が整っていることもあり、離婚してシングルマザーになるハードルが都心部に比べて低いのかもしれません。
では、東京都の相対的離婚率が低い理由には、何が考えられるのでしょうか。
諸説ありますが、ひとつの理由として考えられるのは、東京都の地域性です。
東京都は、さまざまな地域から若者が移住してくる場所でもあります。
そのため東京都民には、多文化や個人の価値観を受け入れ、お互いを尊重し合うという性質があると考えられます。
人口は全国で最も多い東京都ですが、このような地域の特徴があることから、相対的離婚率は低いのかもしれません。
では、全国の離婚率は、どのように推移しているのでしょうか。
離婚率の推移を表したグラフは、以下のとおりです。
この表からも、離婚率は統計当初から現在に至るまでに上昇していることがわかります。
注目すべきポイントは、1990年代から2000年代にかけて、離婚率が急上昇しているということです。
一体、どのような理由があるのでしょうか。
離婚率が上昇した原因のひとつに、女性の経済的自立の困難さが考えられます。
令和4年度の国税庁の調査によると、男性の年間平均給与は563万円、女性は314万円となっています。
令和4年度に限らず今までの統計でも、女性の平均給与が男性を上回ったことはありません。
そのため、生活の安定を求める女性は結婚相手を探すときの条件として、男性の収入を重視する傾向にあるといえるでしょう。
しかし、離婚率が急上昇した1990年代はバブルが崩壊し、日本が不景気に突入した時代でもあります。
リストラが相次ぎ、男性の収入が不安定になったことから、経済的安定を求めた女性から離婚をつきつけられた家庭が増えたのかもしれません。
男性の収入の減少も、離婚率が上昇した理由のひとつだと考えられます。
1990年にバブルが崩壊して以降、国内の景気は一気に冷え込みました。
その結果、リストラや非正規雇用者が増え、安定した収入の確保が難しくなった男性もいるでしょう。
男性の経済力を見込んで結婚した女性にとって、収入減や非正規雇用といった経済的不安定さが耐えられず、離婚率が上昇したといえるでしょう。
離婚率と一口に言っても、統計の方法によって結果はさまざまです。
離婚率の高さは、県民性や地域特有の環境も影響しているかもしれません。
たとえば高知県だと、男女ともに頑固で負けん気の強い県民性が、そして沖縄県は、授かり婚の割合や貧困率が高いという特徴があります。
これらが、離婚率の高さにつながる可能性があるといえるでしょう。
また離婚率は、統計当初から現在に至るまで増加傾向にあります。
原因として、女性の経済的自立の難しさや男性の収入減があると考えられます。
すぐに解決するような問題ではないため、今後の離婚率は、国内の景気によっても変わってくるといえるでしょう。
あなたの住んでいる地域の離婚率は、いかがでしたか?
本記事を参考に、離婚する夫婦が増えている理由を考えてみるのもいいかもしれません。