不倫をして相手方から慰謝料請求されているけれど、金がなくて困っている方もいるでしょう。
実は、慰謝料は正しく対処すれば減額や免除にできる可能性があります。
しかし、交渉は素人には簡単ではなく、不当に高い慰謝料を払わされる恐れもあります。
そのため、慰謝料問題に悩んだら、弁護士に相談するのがおすすめです。
本記事では、慰謝料請求された場合そもそも支払う必要はあるのか、慰謝料を払えないときの対処法、慰謝料を支払えない場合にやってはいけないことや弁護士費用がない場合の対処法などについて解説します。
慰謝料請求されたけどお金がない!具体的な対処法4つ
「慰謝料を請求されたけれど、手元に支払えるお金がない…」
そんな状況でも、諦める必要はありません。
こちらでは4つの対処法を紹介します。
対処法1:減額交渉をする
慰謝料を請求されたとしても、提示された金額をそのまま支払わなければならないとは限りません。
慰謝料は、交渉によって減額できる可能性があります。
慰謝料の金額は、法律で一律に定められているわけではなく、個別の事情によって大きく変動します。
慰謝料の減額で考慮されうる要因
- 不倫が一時的なもの
- 相手夫婦の生活に与えたダメージが少ない
- 不貞発覚後も夫婦が離婚していない
- すでに社会的制裁を受けた
- 請求金額が相場より高すぎる
- 求償権を行使しない
減額を求める根拠を具体的に示すことができれば、減額できる可能性は十分にあります。
対処法2:分割払いの交渉をする
一括での支払いがどうしても難しい場合は、分割払いを提案してみましょう。
慰謝料の支払いは一括払いが原則とされていますが、相手方が納得すれば、分割払いでの解決も十分に可能です。
ただし、慰謝料を請求する側にとって分割払いを認めることは、途中で支払いが滞ってしまうリスクを負うことになります。
そのため、一括払いの場合よりも支払い総額が多少上乗せされることを相手方が求めてくる可能性も念頭に置いておくとよいでしょう。
さらに、分割払いの合意ができた場合には、法的な強制執行が可能となる「公正証書」を作成することがあります。
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書のことで、裁判の判決と同じように強い法的効力を持ちます。
支払いが滞った場合に強制執行が可能となるため、相手が納得して応じてくれやすくなります。
また、分割払いの場合、相手方から連帯保証人を立てるよう要求されることもあります。
対処法3:親族に立て替えてもらう
どうしてもご自身で慰謝料を用意できない場合は、信頼できる親族に相談して一時的に立て替えてもらうこともひとつの手段です。
もちろん、親族に支払いの義務はないので、話し合う必要があります。
金融機関からの融資と比べて、利息や返済条件を柔軟に設定してもらえる可能性があり、余裕を持って返済できるかもしれません。
中には、立て替え金を返済不要の「贈与」という形で受け取るケースもありますが、110万円以上は贈与税がかかる点に注意してください。
対処法4:(不倫慰謝料の場合)不倫相手に一部負担を求める
不倫は法的に「共同不法行為」と評価され、あなただけでなく、不倫相手も連帯して慰謝料を支払う義務を負います。
これを「求償権(きゅうしょうけん)」と呼びます(民法第719条)。
具体的には、あなたと不倫相手の負担割合がそれぞれ50%ずつと判断される場合、あなたは不倫相手に対して支払った慰謝料の50%を請求することができます。
ただし、求償権を行使するためには、まずあなたが慰謝料を支払わなくてはなりません。
また、不倫相手の状況次第では実際に回収することが難しいケースもあります。
求償権の行使を検討する場合は、弁護士に相談し、具体的な進め方や回収可能性についてアドバイスを受けることをおすすめします。
慰謝料請求で最初に確認すべき3つの重要ポイント
慰謝料を請求する通知が届いたら、慌てて相手の要求に応じてしまう前に、まず確認すべき重要なポイントが3つあります。
ポイント1:そもそも慰謝料を支払う義務があるのか?
慰謝料を請求されたからといって、必ずしも法的な支払い義務が生じるわけではありません。
まずは、ご自身に慰謝料を支払う法的な義務があるのかどうかを慎重に確認しましょう。
慰謝料とは、相手に与えた精神的な苦痛に対する損害賠償金です。
そのため、慰謝料の支払い義務が発生するには、あなたの行為が「不法行為」(例えば、不倫における不貞行為、DV、名誉毀損など)に該当し、その不法行為によって相手が精神的な苦痛を被り、その間に法的な因果関係が認められる必要があります。
例えば、不倫(不貞行為)を理由に慰謝料を請求された場合でも、以下のようなケースでは支払い義務がない、あるいは大幅に減額される可能性があります。
不倫相手と肉体関係がまったくない場合 | プラトニックな関係や、食事に行っただけでは、原則として不貞行為には該当しません。 |
不倫相手が既婚者であることを知らなかった(かつ、知らなかったことに過失がない)場合 | 故意・過失がなければ不法行為責任は問われません。 |
不倫相手に肉体関係を強要されていた(脅迫や暴力などがあった)場合 | あなた自身も被害者である可能性があります。 |
慰謝料請求権の時効が成立している場合 | 不倫の事実と不倫相手を知った時から3年、または不倫行為があった時から20年で時効により消滅します(民法第724条、724条の2)。 |
請求者夫婦の関係が、あなたの不貞行為以前からすでに破綻していた場合 | 保護されるべき夫婦共同生活の平和が存在しなかったとして、慰謝料が否定されたり、減額されたりする可能性があります。 |
客観的に状況を振り返り、法的な支払い義務の有無を検討してみてください。
ポイント2:請求されている慰謝料の金額は妥当か?
次に確認すべきは、請求されている慰謝料の金額が法的な相場と比較して妥当かどうかです。
不当に高額な請求には応じず、適正な金額での解決を目指しましょう。
慰謝料の金額は、法律で明確に定められているわけではなく、個別の事情によって変動します。
しかし、過去の裁判例の積み重ねなどから、ある程度の「相場」というものが形成されています。
もし裁判になった場合も、この相場がひとつの重要な判断基準となります。
例えば、不倫(不貞行為)による慰謝料の相場は、一般的に以下のように言われています。
- 不倫が原因で離婚に至らない場合: 数十万円~100万円程度
- 不倫が原因で離婚に至った場合: 100万円~300万円程度
これらの金額はあくまで目安であり、実際にはさまざまな要素を総合的に考慮して最終的な金額が判断されます。
もし、請求額が500万円や1000万円といった、上記の相場を大幅に超えるような高額なものである場合は、減額交渉の余地が大きいと考えられます。
請求の根拠や内訳を相手に確認し、不当と判断できる場合は交渉しましょう。
ポイント3:内容証明郵便の内容も確認する
慰謝料請求の通知がどのような形で届いたのか、そして誰から送られてきたのかによって、相手の本気度や状況を把握することができます。
特に注意が必要なのは、「内容証明郵便」、かつ「弁護士名義」で請求書が送られてきた場合です。
内容証明郵便は、いつ、どのような内容の文書を誰から誰宛に差し出されたかを日本郵便が証明するサービスです。
これ自体に法的な強制力はありませんが、後日、裁判になった際の証拠として利用されることがあります。
弁護士が代理人として内容証明郵便を送付してくるということは、相手方が法的手続(交渉、調停、訴訟など)を具体的に視野に入れ、専門家に対応を依頼している可能性が高いことを示唆しています。
事態は深刻であることが予想されますので、速やかに弁護士などの専門家に相談することを強くおすすめします。
一方、相手本人から直接、手紙やメール、口頭で請求された場合は、法的な検討が不十分なまま感情的に請求されているケースも考えられます。
誠実に対応する必要はありますが、まだ交渉できる余地があると考えられるので、まずは冷静に話を聞きましょう。
慰謝料を減額できる可能性があるケース
不貞行為の慰謝料は、個々の事情に応じて減額できる可能性があります。
こちらでは減額の根拠となる具体的なケースについて説明します。
不倫が一時的なものだった場合
不貞関係が長期間にわたって継続したものではなく、一時的なものであった場合、慰謝料が減額される可能性があります。
その理由は、慰謝料の金額を算定する際に、不貞行為の期間や頻度、その悪質性などが重要な考慮要素となるからです。
関係が一時的なケースでは、継続的な不貞関係と比較して、相手方が受けた影響や精神的苦痛の程度が相対的に小さいと評価される傾向にあります。
相手夫婦は婚姻関係を続けている場合
不貞行為が発覚した後も、相手方の夫婦が離婚せずに婚姻関係を継続している場合、慰謝料が減額される可能性があります。
相手方夫婦が離婚という選択をせずに関係を修復し、婚姻生活を継続しているという事実は、不貞行為による夫婦関係への影響が、回復不可能なほどの決定的な破綻にまでは至らなかった、と評価される一因となります。
相手夫婦の婚姻期間がまだ浅い・子どもがいない場合
不貞行為の相手方である夫婦の婚姻期間が短い場合や、未成熟の子どもがいない場合も、慰謝料が減額される可能性があります。
一般的に、婚姻期間が短い場合は長年連れ添った夫婦と比較して、不貞行為によって被る精神的苦痛の程度も、比較的少ないと判断される傾向があるためです。
また、夫婦間に未成熟の子どもがいない場合も、子どもがいる場合に比べて不貞行為が家庭環境全体に及ぼす影響が相対的に小さいと判断され、減額の一要素となることがあります。
不貞行為のペナルティをすでに受けている場合
あなたが不貞行為に関して、慰謝料の支払いとは別に、すでに何らかの社会的制裁を受けている場合、慰謝料が減額される可能性があります。
不貞行為が原因で、解雇や左遷などの不利益を被っている場合、すでに一定の責任を果たしていると評価されるためです。
しかし、実際の裁判例では、社会的制裁を受けたことを慰謝料減額の理由として認めない判断も多いため、必ず減額されるというわけではありません。
求償権を放棄する場合
あなたが支払う慰謝料について、不倫相手にも金銭的な負担を求める「求償権」を放棄する場合、慰謝料が減額される可能性があります。
この求償権をあなたが放棄するということは、慰謝料を請求する側(被害者である配偶者)から見れば、以下のようなメリットがあります。
- 慰謝料問題を一度で終わられる
- 配偶者への求償による家計からの実質的な持ち出しを防げる(離婚しない場合)
- 慰謝料負担に関する評価の矛盾を防ぎ、整合性のある解決を図れる
- 将来的な求償リスクがなくなり精神的に安心できる
このようなメリットがあることから、求償権を放棄すれば減額に応じてくれる可能性は十分にあると言えます。
お金がなくて慰謝料を払えないとどうなる?無視し続けた場合の2大リスク
慰謝料を請求されたものの、その請求を無視し続けることは非常に危険です。
最悪の場合、大きな法的リスクに直面することになります。
以下では、具体的に起こり得る法的措置について解説していきます。
リスク1:裁判(訴訟)を起こされる
慰謝料の支払いに関して無視を続けると、相手方は裁判所に対して慰謝料請求訴訟を起こすことができます。
裁判(訴訟)は、慰謝料の支払い義務の有無や、支払うべき具体的な金額などを、法的に確定させるための公的な手続きです。
裁判所が双方の主張や証拠を審理し、最終的に判決を下します。
この判決には法的な拘束力があり、原則として当事者はその内容に従わなければなりません。
もし相手方が弁護士に依頼して訴訟を起こしてきた場合、あなたもご自身の権利を守り、適切な主張をするためには、弁護士に依頼して対応する必要が生じることが一般的です。
そうなると、弁護士費用だけでなく、裁判手続のための時間や精神的な負担も大きくなります。
さらに注意が必要なのは、裁判所からの訴状や呼び出し状を無視してしまうことです。
これに応じないと、相手方の主張が全面的に認められた「欠席判決」が出てしまう可能性があります。
この判決に基づいて、次のステップである強制執行に進んでしまうリスクがあるため、裁判所からの通知は決して無視してはいけません。
リスク2:強制執行(給与・財産の差し押さえ)される
裁判で判決が下された支払い命令を無視した場合、相手方はあなたの財産を差し押さえる「強制執行」を裁判所に申し立てることができます。
判決は、単なるお願いではなく、法的な強制力を持っています。
強制執行とは、その判決内容が実現するように、債務者(この場合はあなた)の意思に関わらず、強制的に財産から支払いを受けることを可能にするものです。
強制執行の対象となる財産には、以下のようなものがあります。
<tr”>給与の差し押さえあなたが会社から受け取る給与の一部が差し押さえられます。
原則として、毎月の手取り給与の4分の1(ただし、手取り月額が44万円を超える場合は、33万円を超えた全額)が対象となり、勤務先から直接相手方に支払われることになります。
これにより、慰謝料問題の存在が勤務先に知られてしまう可能性が非常に高くなります。<tr”>預貯金の差し押さえあなた名義の銀行口座にある預貯金が差し押さえられ、慰謝料の支払いに充当されます。
場合によっては、口座が一時的に凍結され、引き出しができなくなることもあります。<tr”>不動産や動産の差し押さえあなたが所有する土地や建物、自動車といった財産が差し押さえられ、競売にかけられることがあります。
その売却代金が慰謝料の支払いに充てられます。
強制執行は、あなたの生活に深刻な影響を及ぼします。
このような事態を避けるためにも、請求を受けた段階で誠実に対応するようにしましょう。
慰謝料請求でやってはいけないNG行動3選
慰謝料を請求されたとき、動揺したり、腹が立ったりするのは無理もありません。
しかし、その後の対応次第で、状況が大きく変わってしまいます。
ここでは、絶対にやってはいけない対応について説明します。
NG行動1:請求を無視する
慰謝料請求の通知は絶対に無視してはいけません。
相手方は、話し合いに応じてもらえないと判断すれば、法的手続をとることができます。
それでも応じずにいた場合、相手方の主張が全面的に認められ、強制執行がおこなわれる可能性があります。
そうなると、財産が差し押さえられたり、勤務先に慰謝料問題の存在が知られたりと、あなたの生活に大きな影響が出ることになりかねません。
問題を先送りにしても、何も良いことはありません。
NG行動2:感情的に対応する・嘘をつく
相手に対して感情的な態度を取ったり、その場しのぎの嘘をついたりすることは、交渉を著しく難航させ、解決を遠ざける行為です。
そういった行為を繰り返せば、あなたの立場はさらに悪くなり、相手の態度はより硬化するでしょう。
それどころか、相手は「この人とは話し合いでの解決は無理だ」と判断し、早々に弁護士に交渉を委任したり、ためらわずに訴訟に踏み切ったりする可能性すらあります。
感情的な言葉の応酬は、建設的な話し合いを不可能にし、お互いにとって何のメリットもありません。
NG行動3:安易に借金して支払う・無理な約束をする
一刻も早くこの問題から解放されたいという焦りから、安易に借金をして支払おうとしてはいけません。
慰謝料問題が解決できたとしても、今度は多額の借金返済に追われることになり、生活が破綻してしまうリスクがあります。
一度合意した内容は、それが口約束であっても法的な拘束力を持つ場合があり、後から「やはり払えない」と覆すのは非常に困難です。
まずは、請求された金額が妥当なのか、減額の余地はないのか、分割払いは可能か、といった点を冷静に検討し、交渉することを優先しましょう。
慰謝料請求されたら、まずは弁護士に無料相談
慰謝料を請求されてしまったら、どうすれば良いのかわからず、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかし、そんな時は速やかに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士はあなたの置かれている状況を客観的に分析し、法的な観点から最善の対応策をアドバイスしてくれます。
問題を一人で抱え込まず専門家に相談することで、精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。
多くの法律事務所では、初回の法律相談を無料でおこなってるので、気軽に話を聞くことができます。
慰謝料問題という複雑で精神的負担の大きい問題に直面した際は、問題を有利に、そして円滑に解決するために、弁護士を頼ってください。
慰謝料問題で弁護士に相談する4つの大きなメリット
慰謝料問題について、弁護士に相談するとどういった対応をしてくれるのでしょうか。
以下で弁護士に相談する具体的なメリットについて解説していきます。
メリット1:慰謝料を減額・分割できる可能性が高まる
弁護士に依頼する最大のメリットのひとつは、慰謝料の減額や、分割払いを実現できる可能性が高まることです。
弁護士は、あなたの状況を詳細にヒアリングし、法的に有効な減額事由や、支払いが困難であることを示す客観的な証拠を的確に提示してくれます。
これにより、当初請求されていた金額から大幅に減額できた事例や、長期の分割払いが認められた事例も数多くあります。
また、相手方も、弁護士が代理人として交渉の場に出てくると、根拠のない無茶な請求や高圧的な態度を取りにくくなるというメリットもあります。
メリット2:相手との交渉や連絡を全て任せられる
慰謝料を請求してきた相手との直接のやり取りは、精神的に非常に大きな負担となるものです。
弁護士に依頼すれば、この相手との交渉や連絡を全て弁護士に任せることができ、あなたは精神的なストレスから解放されます。
弁護士に任せることで、今まで通りにご自身の生活や仕事に集中することができるようになるでしょう。
この精神的な負担の軽減は、問題解決に向けて冷静な判断をするためにも非常に重要です。
メリット3:法的に有効な示談書を作成してもらえる
慰謝料の金額や支払い方法について相手方との間で合意に至った場合、その内容を明確にするために「示談書(合意書)」を作成することが一般的です。
弁護士に依頼していれば、この示談書を法的に有効な形で、かつ、あなたに不利な内容が含まれないように作成してもらうことができます。
示談書は、一度作成して署名捺印してしまうと、原則としてその内容に法的な拘束力が生じます。
もし示談書の内容に不備があったり、曖昧な表現が含まれていたりすると、後になって相手方から追加で金銭を請求されたり、合意したはずの条件が守られなかったりするリスクが生じかねません。
必要な条項を法的に正確に記載することで、合意内容を確実に履行させ、将来的な紛争の再燃リスクを最小限に抑えることができます。
メリット4:裁判になった場合も代理人として対応してもらえる
残念ながら、当事者間の話し合い(示談交渉)で解決に至らず、相手方が裁判所に対して訴訟を起こしてくるケースもあります。
そのような事態になった場合でも、弁護士に依頼していれば、あなたの代理人として法廷に立ち、適切な主張・立証活動をおこなってもらえます。
裁判手続は非常に専門的で複雑です。
素人では対応が難しいことも多く、知らないうちに不利な状況に追い込まれる可能性があります。
弁護士に依頼していれば、全てを代行してくれて、あなたが有利になるように進めてくれます。
また、原則として裁判所に出頭する必要がなくなり(※事案によっては出頭が必要な場合もあります)、裁判の進行に伴う精神的・時間的な負担も大幅に軽減されます。
弁護士に慰謝料問題を依頼する場合の費用相場
慰謝料問題を弁護士に依頼する場合、気になるのが費用ですよね。
弁護士費用は、一般的に「相談料」「着手金」「成功報酬」「実費」で構成されます。
具体的にいくらくらいになるのか、例をあげて解説します。
慰謝料請求された側の弁護士費用の相場は40万円~80万円前後
慰謝料減額交渉を弁護士に依頼した場合、一般的な費用の内訳と相場は以下のようになります。
- 相談料:初回無料~1時間1万円程度
- 着手金:10万円~30万円程度
- 成功報酬:減額できた金額の10~20%程度
- 実費:数千円~数万円程度
例えば、500万円の慰謝料を請求されたところ、弁護士の交渉によって200万円に減額できたとします。
この場合の弁護士費用の目安は以下のとおりです。
= 総額 約50万円~80万円 + 実費
決して安くはありませんが、300万円の支払いを回避できているため、メリットは大きいと言えます。
弁護士費用が払えない場合の対処法
弁護士に相談したいけれど、費用を一括で支払うのが難しい…そんな場合でも、諦める必要はありません。
多くの法律事務所では、初回の法律相談を無料(または比較的低額)でおこなっているので、相談だけならハードルは低いです。
依頼した場合の費用についても、分割払いや後払いに対応している法律事務所も増えてきており、支払いには柔軟に対応してもらえます。
そのほかにもお金をかけずに相談できる窓口はいくつかあり、賢く利用することで安価に解決を目指すことができます。
詳しい無料相談窓口について、次の項で紹介していきます。
お金がない時の無料相談窓口
手元にお金がなくても法律相談ができるサービスや公的窓口などについて説明します。
いずれの場合も相談時間は限られていることが多いため、聞きたいことは予めメモなどにまとめておきましょう。
問題解決の見通しだけでなく、もし正式に依頼した場合の弁護士費用(着手金、成功報酬、実費など)の見積もりや支払い方法についても、具体的に確認するのがおすすめです。
相談窓口1:ベンナビ
「初回面談料0円」「夜間・休日も相談可能」な弁護士を地域別に簡単に探せる「ベンナビ離婚」は、資金が少ない人でも大変便利です。
「ベンナビ離婚」を活用する主なメリットは以下のとおりです。
お近くで、相談しやすい弁護士が見つかる
あなたの街で、「初回相談無料」や「土日祝対応」といった条件に合う、不倫慰謝料問題に強い弁護士をピンポイントで検索できます。
忙しい方や日中時間が取れない方でも、相談のハードルがぐっと下がります。
費用面での安心感
多くの事務所が相談料や着手金、成功報酬などの費用体系を事前に明示しているため、相談前に費用の目安を把握でき、安心して問い合わせができます。
実績と口コミで信頼性を確認
弁護士のこれまでの解決事例や、実際に依頼した方々の評価(口コミ)を参考にしながら、ご自身に合った信頼できる弁護士を選ぶことができます。
得意分野に特化して探せる
慰謝料問題、特に不倫に関する慰謝料請求や減額交渉に豊富な経験と実績を持つ弁護士に絞って探せるため、非常に効率的です。
相談窓口2:法テラス(日本司法支援センター)
「法テラス(日本司法支援センター)」は、国によって設立された、法的トラブル解決のための総合案内所です。
経済的な理由で弁護士などの専門家に相談したり依頼したりすることが難しい方々を支援することを目的としています。
法テラスの大きな特徴は、弁護士や司法書士に依頼する際の費用の立替制度を利用できる点です。
この立替制度は、一時的に法テラスが費用を立て替え、利用者は後から分割で法テラスに返済していくというものです。
利用には、収入や資産が一定の基準以下であるなどの条件を満たす必要があります。
法テラスは全国に約100ヵ所以上の地方事務所・支部・出張所・地域事務所を設置しているので、まずはお近くの法テラスで相談してみてください。
相談窓口3:市区町村の法律相談
お住まいの地域によっては、多くの市区町村役場で、住民サービスの一環として、弁護士による無料の法律相談会を定期的に実施しています。
相談会の日程や予約方法、相談できる内容などについては、お住まいの市区町村の広報誌(広報紙)や公式Webサイトで確認することができます。
また、役所の担当窓口(例:住民相談課、市民相談室など)に直接問い合わせてみるのもよいでしょう。
相談窓口4:弁護士会の法律相談センター
各都道府県にある「弁護士会」も、地域住民や企業からの法律相談に応じるための法律相談センターを運営しています。
弁護士会の法律相談センターでは、電話や対面による無料法律相談サービスを実施しているところもあります。
各センターにより対応が異なるので、詳しくは最寄りの法律相談センターに問い合わせてみてください。
相談窓口5:法律事務所の無料相談
多くの法律事務所でも、初回の法律相談を無料、あるいは格安料金で実施しています。
これは、弁護士に正式に事件を依頼するかどうかを検討してもらうための機会として提供されているものです。
この制度を活用して複数の事務所に相談し、相性の良い弁護士を見つけることをおすすめします。
慰謝料請求「お金がない」時によくある質問5選
慰謝料を請求されたものの手元にお金がない、という方々から特によく寄せられる質問について、Q&A形式でわかりやすくお答えしていきます。
Q1:無職でお金がまったくない場合、慰謝料は免除される?
無職で収入がないからといって、慰謝料の支払い義務が自動的に免除されるわけではありません。
しかし、支払い能力がないことは、減額や分割払いの交渉において非常に重要な要素となります。
無職であることを証明する書類(離職票や雇用保険受給資格者証など)を提示し、支払う意思があるものの困難であると伝えると、減額してもらえる可能性もあります。
ただし、預貯金や不動産などの資産がある場合は、それらを処分して支払いに充てることを求められるかもしれません。
Q2:シングルマザー(シングルファーザー)ですが、慰謝料は減額されますか?
シングルマザー(シングルファーザー)であること自体は、慰謝料の直接的な免除理由にはなりません。
しかし、経済的に困窮しており、お子さんを一人で扶養しているという状況は、慰謝料の減額交渉において考慮される可能性があります。
慰謝料の支払いが子どもの生活に与える影響などを誠実に伝えることで、減額や長期の分割払いに応じてもらえる可能性はあります。
Q3:親に慰謝料請求されることはありますか?お金がない場合、親が代わりに払う義務は?
原則として、慰謝料の支払い義務は不法行為をおこなった本人にあります。
そのため、あなたの親に直接慰謝料が請求されたり、親が代わりに支払う義務を負ったりすることはありません。
ただし、あなたが未成年者の場合は、親権者(法定代理人)が監督義務者として責任を問われる可能性があります(民法第714条)。
「お金がないなら親に払ってもらえ」と請求者から言われたとしても、法的な強制力はありません。
Q4:慰謝料請求を無視し続けたら、会社にバレる可能性はありますか?
慰謝料請求を無視し続け、あなたの給与が差し押さえられる「強制執行」の手続きが取られると、勤務先に慰謝料トラブルが知られてしまう可能性は非常に高いです。
なぜなら、給与差し押さえの手続きは、裁判所からあなたの勤務先に対して「債権差押命令」という通知が送付されるからです。
Q5:「借金してでも慰謝料を払え」と言われたら、従うべきですか?
「借金してでも慰謝料を払え」という相手方からの要求に、法的な強制力はありません。
支払いが困難な場合は、減額や分割払いの交渉を試みるべきであり、安易に高金利の消費者金融などから借金をして支払うことは推奨されません。
どうしてもご自身での交渉が難しい場合や、相手の要求が強硬な場合は、速やかに弁護士に相談し、対応を協議するのが賢明です。
まとめ|お金がなくて慰謝料を支払えない場合は弁護士に相談!
慰謝料を請求されてしまったからといって、必ずしも支払い義務が発生するわけではありません。
お金がない場合、適切に対応すれば減額や免除できる可能性もあります。
決してやってはいけないのが、慰謝料請求を放置してしまうこと。
訴訟や裁判に発展し、最悪の場合、財産が差し押さえられてしまいます。
突然の慰謝料請求に、どのように対処して良いのかわからない人は、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談することで、あなたに適した方法でスムーズに解決する方法がわかります。
お金がなくても弁護士に相談できる窓口はたくさん用意されているので、あきらめずに行動してください。

