離婚したくない!離婚回避と夫婦仲修復につなげる対処法とは

ある日突然、配偶者から離婚を切り出されたら、さまざまな疑問や不安が頭をよぎるでしょう。

どのような事情があるにしても、離婚を決断することは容易ではありません。

また、配偶者への愛情や子どもの存在、経済的負担といったさまざまな事情を考え、どうにか離婚しなくて済む方法はないか知りたい人もいることでしょう。

配偶者から離婚請求されたとしても、対処次第で夫婦仲が改善に向かうケースもゼロではありません。

いかに配偶者の状況を考え、行動できるかが離婚請求を回避できるカギといえます。

本記事では、配偶者から離婚を要求されたときに気を付けたい行動や、夫婦関係を改善させる方法、話し合いで解決しなかった場合の今後の展開について詳しく紹介します。

「離婚したくない」という気持ちがある人は参考にしてみてください。

「離婚したくない」とお悩みの方へ
妻や夫から離婚したいといわれたが、離婚しないためにどうしたらいいかわからず悩んでいませんか。

結論からいうと、相手から離婚を切り出されていても、弁護士に相談することで離婚を回避できる可能性があります

離婚について弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • 離婚しないための対処法を教えてもらえる
  • 法的な観点から、離婚についての的確なアドバイスがもらえる
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この記事を監修した弁護士
福田 匡剛弁護士(福田総合法律事務所)
2014年より大手法律事務所へ勤務。幅広い分野での実務経験を培い、2021年に福田総合法律事務所を開設。『前向きな気持ちでの再出発』のサポートを心掛け、日々業務に向き合っている。

離婚したくないワケとは?誰もが抱える「離婚したくない」理由

夫婦がお互いに不仲だと感じていた場合、突然配偶者から離婚を切り出されても、その要求に驚くことなく応じる人は多いことでしょう。

しかし、そのような円満離婚を遂げている夫婦は意外に少なく、ほとんどのケースで夫婦のどちらかが「離婚したくない」と離婚請求に不満を抱いているものです。

まずは、離婚請求された者が思う配偶者と離婚したくない理由と、その心理状態についてみていきましょう。

  1. 配偶者に好意がある
  2. 子どもの存在
  3. 金銭的な負担
  4. 孤独が辛い
  5. 世間体やプライド

配偶者に好意がある

離婚請求された者が「離婚したくない」と思う理由として「配偶者に対する好意をもっているから」ということが挙げられます。

配偶者に好意を抱いていれば、配偶者からの突然の離婚相談は思ってもいなかったことであり、「好きだから離婚したくない」という気持ちになるのは当たり前のことです。

配偶者から離婚の意志を伝えられたからといって、離婚請求された者の配偶者に対する好意がなくなるわけではありません。

また、好意を寄せる相手との離婚協議は計り知れないほどの苦しみがあることでしょう。

もし配偶者からの離婚請求によって不安定な精神状態に陥った場合、早期解決に向けて話し合おうとしてもよい方向に進まないことが見込めます。

一旦気持ちを落ち着かせてから、話し合いの場を設けることが大切です。

子どもの存在

離婚請求された側が「離婚したくない」と思う理由のひとつに、子どもの存在があります。

たとえ夫婦仲が冷めきっていたとしても、子どもの立場を考えると離婚に踏み切れないという夫婦は多いものです。

もし離婚してしまうと、子どもの姓や住む場所が変わることもありえるでしょう。

また、片親であることが将来的に子どもを苦しませるのではないかという考えに至り、その罪悪感や子どもを思う親心から離婚を思いとどまっている可能性があります。

金銭的な負担

離婚請求された側が「離婚したくない」と思う理由に、金銭的な負担を強いられることへの不安が挙げられます。

特に専業主婦の場合、離婚して急に自力で生計を立てるのは簡単なことではありません。

生活への不安を抱くため、離婚に同意しにくくなると考えられます。

なお、もし離婚請求された側に浮気やDVといった過失がある場合、金銭的負担は慰謝料といった部分でも必要となります。

いずれにしても、配偶者と離婚すると金銭的負担を強いられる可能性があるため、離婚を言い渡された側はすぐには同意できない状況にあるのが普通です。

孤独が辛い

離婚請求された側が「離婚したくない」と思う理由として、孤独が辛いからという人もいるのではないでしょうか。

たとえ夫婦の愛情が薄れていたとしても、一度は惹かれ合い、支え合ってきたパートナーがいなくなることを寂しく思うのは、誰にでもあることです。

特に男性の場合、身の回りの世話や家事をしてもらっていた妻がいなくなることで「孤独に耐えられない」と感じる人が多いといわれています。

夫婦が離婚することで、双方の親族や家族ぐるみで仲良くしていたファミリーとの交際関係が薄れる可能性もあり、人との繋がりがなくなることに寂しいと感じるのも当然でしょう。

世間体やプライド

離婚請求された側が「離婚したくない」と思う理由に、社会的体裁が気になるためというものがあります。

離婚にはさまざまな理由があるとはいえ、世間から見るとマイナスな印象があるのも事実です。

離婚後、好き勝手噂話をされたり陰口を叩かれたりしないためにも、世間体を気にして離婚したくないと考える人もいます。

また、世間に対してというより、離婚を言ってきた配偶者に対して、言われるがままには離婚したくない、対等に渡り合って交渉したいと考える人もいます。

離婚したくない!と離婚請求を拒否しても大丈夫?

配偶者から「離婚してほしい」と言い渡された場合、その離婚請求を拒否しても問題ないのでしょうか。

また、離婚請求に応じなかった場合、離婚に向けた話し合いはどのように進んでいくのでしょうか。

先々のことを想定して動くためにも、配偶者が離婚請求するに至った原因と予想される今後の展開についてチェックしていきます。

民法で定められた明確な離婚原因がある場合

配偶者から言い渡された離婚請求を拒否できるかどうかは、離婚原因における『法定離婚事由』の有無によって決まります。

『法定離婚事由』とは、民法第770条で定められた明らかな離婚原因とされる事由のことであり、以下の5項目が規定されています。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復が見込めない強度精神病
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

上記の行為を犯した者は、法律上、夫婦の婚姻関係を破綻させた責任を有する者として『有責配偶者』といわれます。

また、日本の裁判において有責配偶者からの離婚請求は原則認められません。

したがって、配偶者が離婚請求してきたとしても、相手が法的な離婚事由に該当する行為をおこなっているのであれば、その離婚請求は基本的に通ることはありません。

すなわち、離婚請求された側は、ためらいなく拒否しても問題ないということです。

夫婦の不仲が原因である場合

配偶者から言い渡された離婚請求の原因が「夫婦の不仲」である場合、客観的視点による夫婦関係の破綻度合いが離婚の判断要素になります。

例えば、夫婦間の会話が一切なかったり、別居が長期におよんでいたりすると、どんなに離婚請求された側が「離婚したくない」と伝えたとしても、裁判では離婚が成立してしまうこともありえるのです。

ただし、夫婦の不仲を原因に離婚成立させるためには、互いに夫婦仲を修復する意志がないということを証明する必要があります。

したがって、もし離婚したくないと思うのであれば、夫婦関係の修復に努めるような行動を起こしましょう。

例えば、配偶者へ「離婚したくない」「やり直したい」といった趣旨のメールや手紙を送っておくだけでも、不本意な状態での離婚成立を防げる可能性が高くなります。

離婚したくない人がやりがちな最悪のケースを招く行動

配偶者から突然離婚を言い渡されたとき、離婚したくないと思っている人が下手に行動すると、配偶者によい印象を与えません。

それどころか、配偶者の「離婚したい」と思う気持ちを大きくさせてしまい、最悪の場合、その行動が裁判で不利に働く可能性もあります。

ここからは、離婚請求された側が「離婚したくない」と思ったときに、避けるべき行動を紹介します。

  1. 感情任せで泣きついたり責めたりする
  2. デメリットを挙げて説得する
  3. 別居する
  4. 一人で思い詰める

感情任せで泣きついたり責めたりする

配偶者からの離婚請求に対して泣きついたり責めたりする行動は、配偶者に不快感を与えてしまうだけです。

また、配偶者が離婚請求された側の感情的な様子を目の当たりにした場合、「こんな人だったのか」と幻滅する恐れもあり、離婚意志をいっそう強くしかねません。

また、離婚請求された者が感情任せで発する言葉は、最悪の場合「モラハラ」などと判断され、裁判で不利に働く可能性もあります。

どんなに離婚請求がショックだったとしても、一旦冷静になり、配偶者としっかり会話を重ねるよう心がけることが大切です。

デメリットを挙げて説得する

配偶者から離婚請求された際、離婚によって生じるデメリットを挙げて「一人じゃやっていけないでしょ」と配偶者を説得する行為は避けましょう。

経済面の不安や慰謝料請求、孤独感など、思い当たる節はさまざまあるかと思いますが、それらの事由を挙げたところで配偶者の怒りをあおるだけです。

配偶者は、将来的に生じるデメリットを含むあらゆる事由を考え抜いた結果、離婚を決意しています。

今さら「こんなにデメリットがあるのだから」と言われたところで、配偶者の気持ちが揺らぐ可能性は極めて低いといえます。

たとえそれらのデメリットが事実であったとしても、言葉をグッと飲み込んで配偶者と話し合う姿勢を取るのが賢明です。

別居する

配偶者から離婚請求された際、前述のように混乱が生じるなかで夫婦関係がギクシャクしてくることもあるでしょう。

そのようなとき、一旦気持ちを落ち着かせるために別居を提案する人がいますが、決しておすすめとはいえません。

別居は「お互い冷静になって考えたい」という願いとは裏腹に、夫婦の気持ちがさらに離れてしまう可能性があります。

また、別居で自由に行動できるようになれば、その間、配偶者が着々と離婚準備を進めてしまってもおかしくありません。

別居していれば話し合いのスピードが失速するため「離婚協議を長引かせられる」と思う人もいるかもしれませんが、逆に夫婦生活の破綻と判断される可能性が高くなります。

別居したまま同居を再開できなければ、長期の別居になっていき、それ自体が離婚原因になりかねません。

離婚請求された側が「離婚したくない」と思うのであれば、いかなる理由があったとしても別居だけは避けるようにしましょう。

一人で思い詰める

配偶者から離婚請求をされた際、ショックのあまり一人で考え込んでしまう人も少なくありません。

「自分の何がいけなかったのか」「どのようにしたら離婚しなくて済むのか」など、一人で悩んでいても解決案はほとんど浮かばないものです。

思い悩みすぎて気が滅入り、最悪の場合、精神的な病気を患ってしまうこともありえます。

離婚請求された段階では、まだ離婚が決まったわけではありません。

深く思い悩むのではなく、カウンセラーや弁護士といった専門機関に相談し、うまく対応する方法を見つけるのがおすすめです。

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離婚したくない場合に心がける相手との向きあい方

離婚協議に向けて話が進むなか「どうしても離婚したくない」と願う場合は、これまでの配偶者との関わり方を見つめ直し、夫婦関係を改善させる必要があります。

ここからは、離婚したくない人が留意すべき相手との向きあい方について詳しくみていきます。

  1. 離婚請求の原因を探す
  2. 自分の行動を振り返る
  3. 冷静にしっかり話す
  4. 相手に感謝する
  5. 相談役を立てる

離婚請求の原因を探す

そもそもなぜ突然離婚を切り出されたのか、その原因を理解しなければ改善策を見出すことはできません。

離婚請求をされた側に原因があったのか、はたまた配偶者に過失があったのか、具体的にどのような部分が不満だったのか、配偶者が思っていることがわかれば、改善すべき部分が見えてくるはずです。

時間をかけてでも配偶者の気持ちを引き出せるよう努めましょう。

自分の行動を振り返る

前述の離婚原因を探すと同時に、自分自身の行動で配偶者を不快にさせるような出来事はなかったかしっかり振り返ってみましょう。

夫婦として連れ添ったとはいえ、もともとは他人同士です。

物事の考え方や行動に多少のズレが生じるのは当たり前ですが、小さなことでも一緒に過ごした期間が長ければ、大きな不満になっている可能性があります。

金銭感覚、生活スタイル、趣味嗜好など、配偶者と向き合うためにはお互いの違う部分を見つめ直し、みずから歩み寄る努力が必要だといえます。

冷静にしっかり話す

配偶者からの離婚請求にショックを受ける・驚くのは当然です。

しかし、感情のままに行動したり配偶者に怒りをぶつけたりするのはよい結果につながりません。

配偶者と向き合うには一度冷静になり、配偶者の気持ちを理解できるようしっかり会話することが大切です。

きちんと会話の時間を確保しましょう。そうすることで、今まで見えなかった「配偶者の本音」が見えてくるはずです。

意識的なコミュニケーションの増加は、相互理解と夫婦円満にもつながるといえます。

相手に感謝する

一緒に過ごす期間が長いと、配偶者に感謝する機会が減っていることに気付かない人もいるものです。

配偶者が自分のためにどのような働きをしてくれているのか思い返し、これまで伝えられなかった感謝の気持ちを言葉にしてみましょう。

ご飯が出てくる、生活費が足りている、部屋が片付いているなど、一緒に過ごすなかで当たり前におこなわれていたことでも、感謝と労いの言葉をかけることで配偶者を大切に想う気持ちが伝わります。

逆に、人というものは自分の苦労は大きなものと感じやすいようです。

自分の負っている負担や大変さは、もしかしたら世間の客観的な視点からしたら、別の見方をしたら、必ずしも大きなものではないかもしれないと考えて、「やってやっているのに」という気持ちがわいて来ないようにするのも大事なことです。

相談役を立てる

配偶者から離婚請求されて夫婦仲が一度ギクシャクすると、どんなに話し合おうと試みてもまともな会話にならない可能性があります。

そのようなときは、第三者として「相談役」を立ててみてください。

相談役を挟むことで、夫婦の会話のキャッチボールがスムーズになるだけでなく、ダイレクトに伝えると言い合いを招きかねないシーンでも、雰囲気の緩和が図れます。

もし可能であれば、相談役は夫婦のことをよく知る信頼できる人にお願いするのがおすすめです。

第三者からの客観的な視点によって、夫婦仲の改善点が見えてくるでしょう。

離婚したくない人が夫婦仲を修復できる4つの条件

配偶者が考える離婚原因を理解したうえで話合いを重ねたとはいえ、離婚はすぐに解決できる問題ではありません。

また、どんなに配偶者から説得されたとしても、離婚請求された側の「離婚したくない」という気持ちも簡単に変えられないはずです。

もし「このまま離婚するしかないのか」と途方に暮れているのであれば、次から紹介する夫婦仲の修復が見込める4つの条件を試してください。

  1. 不倫・浮気していない
  2. DV・モラハラしていない
  3. 子どもがいる
  4. 経済面で助けている

不倫・浮気していない

夫婦間に不倫や浮気がなければ、夫婦仲を修復できる可能性があります。

不倫や浮気は1回の過ちであっても相手の信頼を大きく失うものです。

たとえ浮気相手と縁が切れたとしても「またするんじゃないか」と常に疑われ、夫婦仲に溝ができてしまうケースが多いものですが、そのような事由がなければ夫婦関係の修復は見込めるといえます。

前述で挙げた相手との向き合い方に気を付けながら、夫婦でコミュニケーションをとることで少しずつ改善していけるよう努めましょう。

DV・モラハラしていない

家庭内で暴力やモラハラがなければ、配偶者と向き合えるケースが多く、時間をかけて夫婦関係の修復を図れる可能性があります。

そもそも暴力や精神的苦痛を与える行為は、夫婦仲の修復どころか離婚事由として認められるものです。

もしこれらの行為が夫婦間でなされているなら、身の危険を感じる前に即刻離婚すべきだといえます。

しかし、暴力やモラハラがないのであれば、諦めず配偶者へアプローチし続けてみてください。

自身の日頃の行動を正すことで、配偶者も少しずつ向き合ってくれるでしょう。

子どもがいる

子どもに対して配偶者の愛情がしっかり向けられているなら、夫婦関係の修復がまだまだ見込めます。

子どもの将来について話し合ったり、計画したりすることをきっかけにコミュニケーションを増やし、関係修復を図ってみてください。

経済面で助けている

夫婦間で経済的に支え合っている場合、時間がかかったとしても夫婦仲の改善が見込めます。

もし配偶者があなたに対する情をもっていなければ、そのような助け合いがなされることはないでしょう。

しかし、経済面での助け合いがある場合は、少なからず配偶者があなたのことを気にかける気持ちがあるということです。

普段から配偶者に感謝することを忘れず、その思いを言葉で伝えてみることをおすすめします。

離婚したくない場合におこなう3つの対処法とは?

配偶者からの離婚請求を回避しようと思っても、むやみやたらに話を進めていては上手くいきません。

配偶者を納得させるためにもきちんと段階を踏み、その都度賢く振る舞うのが離婚回避には有効です。

ここからは、離婚回避に向けた対処法を3つの段階に分けてみていきます。

STEP1.交渉

配偶者から幾度となく離婚請求があったとしても、一方的な申し出のみで離婚が成立することはありません。

まずは交渉の場で離婚をしっかり拒むことが大切です。

たとえ配偶者から離婚届を差し出されたとしても、絶対に記入してはいけません。

配偶者による離婚届の偽造・不正受理を防ぐためにも、あらかじめ役所で『離婚届不受理申出』をしておくのがおすすめです。

離婚届不受理申出を済ませておけば、配偶者が離婚届を勝手に提出しても受理されることはありません。

交渉の場では、配偶者からの離婚請求に対する拒否の姿勢と、万が一に備えたできる限りの対策が必要です。

STEP2.調停

前述の交渉決裂により配偶者が法的措置をとった場合、次におこなわれるのは『夫婦関係調整調停』と呼ばれる手続きです。

調停は裁判所で開かれる話し合いであり、夫婦の自主的な解決を目的としています。

離婚について当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,家庭裁判所の調停手続を利用することができます。
調停手続では,離婚そのものだけでなく,離婚後の子どもの親権者を誰にするか,親権者とならない親と子との面会交流をどうするか,養育費,離婚に際しての財産分与や年金分割の割合,慰謝料についてどうするかといった財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

引用:裁判所|夫婦関係調整調停(離婚)

調停では、あなたの「離婚したくない」理由や配偶者への思いをしっかり伝え、前述の夫婦間交渉と同様に拒否し続ければ離婚成立となりません。

しかし、調停を申し立てるとなれば、配偶者も離婚請求の強い姿勢を見せてくるでしょう。

離婚原因が民法第770条で定められた『法定離婚事由』に該当するのであれば、その証拠を用意してくる可能性も否めません。

調停では離婚請求を拒否する姿勢をつらぬくとともに、婚姻関係が破綻していないことを立証できるものを準備しておきましょう。

準備に不安があれば専門機関や弁護士に相談することも視野に入れておきましょう。

STEP3.裁判

前述の調停で話がまとまらなかった場合、最後におこなわれるのが裁判です。

夫婦での話合いによる解決ではなく、証拠や法律に基づき裁判所が離婚の可否を判断する仕組みとなっています。

離婚について家事調停で解決ができない場合には,離婚訴訟を起こすことになります。
離婚訴訟では,離婚そのものだけでなく,未成年の子どもがいる場合に離婚後の親権者を定めるほか,財産分与や年金分割,子どもの養育費などについても離婚と同時に決めてほしいと申立てることができます。又,離婚訴訟とともに,離婚に伴う慰謝料を求める訴訟を起こすこともできます。

引用:裁判所|離婚

裁判の場合、夫婦関係の修復が可能であると判断してもらえるよう積極的に主張することが大切です。

夫婦の良好な関係性が立証できるものも必要となり、弁護士のサポートを依頼するのが勝訴につながる秘訣といえます。

配偶者からの離婚請求を受け入れたくないからといって、裁判を欠席したり無下な対応をとったりするような行動は控えましょう。

第三者からみて自身が不利に働かないよう、万全に準備して臨んでください。

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離婚したくないときの奥の手「円満調停」!後悔しないための最終手段とは?

配偶者とどうしても離婚したくない場合「離婚しなくて済む秘策はないのか」と考える人も多いのではないでしょうか。

配偶者から離婚を切り出されたとき、最初の交渉段階で検討しておくとよいのが『円満調停』です。

夫婦が円満な関係でなくなった場合には,円満な夫婦関係を回復するための話合いをする場として,家庭裁判所の調停手続を利用することができます。
調停手続では,当事者双方から事情を聞き,夫婦関係が円満でなくなった原因はどこにあるのか,その原因を各当事者がどのように努力して正すようにすれば夫婦関係が改善していくか等,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をする形で進められます。
なお,この調停手続は離婚した方がよいかどうか迷っている場合にも,利用することができます。

引用:最高裁判所|夫婦関係調整調停(円満)

円満調停とは、離婚したくない人が裁判所に申し立てる制度で、調停委員を交えながら夫婦関係の改善案を話したり、客観的視点での助言をもらえたりします。

「離婚回避」「夫婦仲の修復」を目的としており、以下の状態を改善したい場合に利用できる制度です。

  • 交渉段階で配偶者と口論になり会話にならない
  • 夫婦間に会話がまったくない
  • 配偶者の家出をやめさせたい
  • 配偶者との喧嘩をやめたい
  • 別居を解消したい

離婚したい人が申し立てる「離婚調停」とでは、目的にくわえ話し合う内容も大きく異なるため、離婚したくない人の奥の手として有効利用するのがよいといえるでしょう。

ただし、円満調停を起こしたはずが、かえって離婚の方に話が進んでしまうということもありますから、慎重な判断が必要です。

離婚したくないなら離婚問題が得意な弁護士に相談してみましょう

配偶者から離婚を切り出され、あなたがどのように対処しても配偶者の離婚請求が撤回されないと見込まれる場合、あえて協議離婚を受け入れることで子どもとの面会交流はできるようにして、家族関係の完全な崩壊を防ぐべきときもあります。

万一離婚を避けられない場合も考慮に入れた、全体を俯瞰した戦略が必要かもしれません。

また、離婚問題は精神的なダメージが大きく、お互いの合意が得られなければ長期間におよぶ可能性も否めません。

早期解決を目指すなら、専門的な知識をもつ弁護士に相談して解決の糸口を一緒に探していくのがおすすめです。

たとえ調停や裁判になったとしても、サポート体制があれば前向きな気持ちで臨めるはずです。

「離婚したくない」という願いを叶え夫婦仲の修復を図るためにも、1人で悩まず弁護士事務所への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。
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