過払い金請求の方法|検討事項・手続き・費用・注意点などを解説

過払い金請求の方法|検討事項・手続き・費用・注意点などを解説

過払い金とは、利息制限法の上限を超えて払いすぎた利息のことです。

過払い金請求をするためには、まず債権者から取引履歴を取得して、過払い金の引き直し計算をしましょう。その結果を基にして、和解交渉や訴訟を通じて請求をおこなえば、過払い金を獲得できる可能性があります。

過払い金は自分でも請求できますが、手続きは複雑で専門的な知識が必要なため、弁護士への相談がおすすめです。

今回は、過払い金請求の方法に関連して、検討事項・手続き・費用・注意点などを解説します。

過払い金に関する主な相談窓口としては弁護士がおすすめです

弁護士であれば安心して十分なサポートを受けられるでしょう。弁護士に相談するメリットは以下の通りです。

・漏れのない正確な請求ができる
・債権者と対等に交渉を進められる
・訴訟に発展した場合もスムーズに対応できる
・債務整理もセットで依頼できる(過払い金返還請求をしても債務が残る場合)

債務整理ナビ』では、過払い金請求に注力している弁護士を掲載しています。何度でも相談無料・分割払い可能・休日相談可能などの事務所もありますので、まずは一度ご利用ください。

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この記事を監修した弁護士
阿部 由羅
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。

「過払い金」とは?

2010年6月の改正貸金業法施行以前は、金融機関による「グレーゾーン金利」での貸付けが横行していました。その名残で、現在に至るまで「過払い金」の問題が発生しています。

まずは「過払い金」とは何かについて、基本的な事項を確認しておきましょう。

過払い金とは、利息制限法の上限を超えて払いすぎた利息

「過払い金」とは、支払い済みの借入金利息のうち、利息制限法の上限を超えて払いすぎた部分を意味します。利息制限法の上限金利は、元本額に応じて以下のとおり決まっています(利息制限法第1条)。

元本額 上限金利
10万円未満 年20%
10万円以上100万円未満 年18%
100万円以上 年15%

利息制限法の上限金利を超える利息は、超過部分について無効となります。しかし2010年6月17日まで適用されていた旧貸金業法では、以下の要件を満たす場合、上限金利を超える利息の支払いが有効になると定めていました。これを「みなし弁済」と言います。

  1. 債務者が、利息であることを認識したうえで、上限金利を超える利息を任意に支払ったこと
  2. 貸金業者が債務者に対して、所定の事項を記載した契約締結時書面を交付したこと
  3. 貸金業者が債務者に対して、弁済の都度直ちに、所定の事項を記載した受取証書を交付したこと
  4. 債務者が債権者から強制されることなく、任意で利息を支払ったこと
  5. 債権者が貸金業登録を受けていること

みなし弁済の規定を拠り所に、当時の貸金業者は軒並み、利息制限法の上限利率と出資法の上限利率の間である「グレーゾーン金利」での貸付けをおこなっていました。

グレーゾーン金利による貸付けは、いわば債務者の「無知」につけ込んで、少しでも多くの利息を回収しようとする点で問題があります。そのため最高裁は、グレーゾーン金利の支払いを無効化する判例法理を確立し、みなし弁済の規定の効力をなくしました。

その後、2010年6月18日に改正出資法・貸金業法が完全施行され、グレーゾーン金利の支払いが無効であることが法律上も明確化されました。それ以降、貸金業者のグレーゾーン金利による貸付けは、基本的におこなわれていません。

最高裁の判例法理によって、上記の法改正の前後を問わずグレーゾーン金利の支払いは無効となり、貸金業者は債務者に対して超過金利を返還する義務があります。そのため、債務者の貸金業者に対する過払い金請求が相次いだというのが、主に2010年代の状況です。

最近では、グレーゾーン金利による貸付けはおこなわれていないため、過払い金請求の件数もかなり少なくなってきました。しかし依然として、過払い金が発生しているケースは相当数残っていると考えられます。

完済前・完済後のいずれも過払い金請求が可能

過払い金請求は、借金の完済前後を問わずおこなうことができます。

完済前の場合、過払い金は残債の弁済に充当されます。その結果、残債がなくなれば完済扱いとなり、残った過払い金は債務者に返還されます。

これに対して完済後の場合は、過払い金全額が貸金業者から債務者へ返還されます。

なお、完済後に過払い金請求をおこなう場合には、消滅時効の完成に注意しなければなりません。過払い金請求権の消滅時効については、「過払い金請求権の消滅時効に要注意」で詳しく解説します。

過払い金請求の手続きの流れ

過払い金請求の手続きは、おおむね以下の流れで進行します。

弁護士への依頼・受任通知の発送

過払い金請求をおこなう場合、まずは弁護士に相談するのが一般的です。過払金請求の実績に長けた信頼できる弁護士を探して、過払い金請求の対応を依頼しましょう。

依頼を受けた弁護士は、債権者(金融機関など)に対して「受任通知」を発送します。受任通知は、弁護士が債務者から依頼を受けたことを、債権者に伝える書面です。

受任通知の送付を受けた金融機関などは、それ以降債務者に対して直接取り立てをおこなうことが禁止されます。厳しい取り立てに悩まされている場合には、弁護士に依頼することで、取り立てのストレスから解放されるメリットがあります。

取引履歴の取得

過払い金請求の準備段階として、まずは取引履歴を取得します。債権者である金融機関などに連絡して、過去の借入れ・返済内容が記録された取引履歴を送ってもらいましょう。

なお、弁護士に過払い金請求を依頼していれば、取引履歴の開示請求も代行してもらえます。

過払い金の引き直し計算

取引履歴を取得したら、その内容を基にして、過払い金の金額を計算します。過払い金の金額は、「引き直し計算」と呼ばれる方法によって求めます。

利息制限法の上限金利が適用されたと仮定して、本来支払うべき債務(利息)の金額を計算しましょう。計算された本来の金額と、実際に支払った債務の金額の差額が過払い金となります。

なお、毎月の支払債務について個別に引き直し計算をおこなう必要があるため、実際の計算はかなり煩雑になります。そのため、正しい過払い金額を求めるには、弁護士に計算を依頼するのが安心です。

債権者との和解交渉

過払い金額が計算できたら、債権者との和解交渉を試みます。内容証明郵便を送付するなどして債権者に連絡を取り、過払い金額と計算の根拠を示して支払いを求めましょう。

なお、過払い金請求を受けた債権者は、返還額の減額等を主張してくることも考えられます。その場合は債権者の主張理由の妥当性や、紛争を早期に解決することのメリットなどを総合的に考慮して、減額等に応じるかどうかを判断するのがよいでしょう。

弁護士に依頼している場合は、債権者との和解交渉を弁護士に一任できます。交渉に臨むストレスを回避できるほか、債権者から理不尽な要求を受けにくくなる点も、弁護士に依頼するメリットです。

過払い金請求訴訟

過払い金の精算を債権者が拒否している場合や、債権者・債務者の主張があまりにも食い違っている場合には、和解交渉を打ち切って過払い金請求訴訟を提起します。過払い金請求訴訟では、過払い金があることおよびその金額を、債務者が証拠に基づいて立証しなければなりません。

ただし過払い金に関する判例法理は確立されているため、引き直し計算が正しくおこなわれていれば、債務者側の主張は比較的スムーズに認められる傾向にあります。

訴訟手続きは専門的かつ複雑ですが、弁護士に依頼すればスムーズに対応してもらえます。

任意の支払い or 強制執行

和解交渉や訴訟の判決で過払い金額が決まった場合、債権者である金融機関などは、債務者に対してその金額を支払う義務を負います。基本的には、金融機関などは確定した過払い金を任意に支払うケースが多いです。

しかし、債権者が零細の貸金業者の場合、確定した過払い金の支払いを拒否されるケースも稀にあります。その場合は、裁判所に強制執行を申し立てることで、過払い金を回収することができます。

なお和解交渉で過払い金額を取り決めた場合、公正証書を作成していない限り、そのままでは強制執行を申し立てることはできません。強制執行の申立てをおこなう場合、確定判決などの「債務名義」をあらかじめ取得する必要があります(民事執行法第22条)。

過払い金請求権の消滅時効に要注意

過払い金請求権は、債務の完済から一定期間が経過すると、消滅時効の完成によって消滅してしまいます。そのため、過払い金の発生が疑われる場合には、早めに請求の準備へ着手することが大切です。

消滅時効とは?

消滅時効とは、一定期間が経過すると、債権者が権利を行使できなくなる制度です。

長期間にわたって請求がおこなわれていないにもかかわらず、突然債務の支払いなどを請求されると、債務者にとっては不意打ちになってしまいます。また、長年権利を行使せずにいた債権者は、法的に保護する必要性に乏しいと言える部分があります。

上記のような点を考慮して、民法では消滅時効を設け、一定期間の経過によって権利を消滅させることにしたのです。

過払い金請求権の消滅時効期間

過払い金請求権の消滅時効は、以下の期間が経過することで完成します。消滅時効の完成後、金融機関などが時効を援用した場合、過払い金請求ができなくなってしまう点に注意が必要です。

2020年3月31日以前に最後の取引をした場合 最後の取引日から10年
2020年4月1日以降に最後の取引をした場合 最後の取引日から5年

過払い金請求権の消滅時効の起算点

過払い金請求権の消滅時効の起算点は、債権者である金融機関などとの「最後の取引日」です。具体的には、完済後であれば完済日、完済前であれば最後の返済または借入れの日となります。

ただし同じ債権者との間で完済と借入れを繰り返した場合、取引の一連性が認められるかどうかによって、以下のとおり消滅時効の起算点が変わります。

取引の一連性あり 過払い金請求権全体の消滅時効が、
最後の完済日から進行する
取引の一連性なし 個々の過払い金請求権の消滅時効が、
対応する債務の完済日から進行する

取引の一連性の有無は、以下の事情を考慮して決定されます(最高裁平成20年1月18日判決)。

  • 貸付けと弁済が反復継続して行われた期間の長さ
  • 完済から次の貸付けまでの期間
  • 前の取引に係る契約書の返還の有無
  • カードの失効手続きの有無
  • 完済から次の貸付けまでの期間における、貸主と借主の接触状況
  • 後の取引に係る契約が締結されるに至る経緯
  • 前後の取引における利率等の契約条件の異同 など

過払い金請求権の消滅時効の完成を阻止するには?

過払い金請求権の消滅時効の完成を防ぐには、時効の「完成猶予」または「更新」のいずれかの効果を発生させる必要があります。

時効の完成猶予:時効期間が経過しても、時効の完成を一時的に猶予すること
時効の更新:時効期間をリセットして、ゼロからカウントし直すこと

時効の完成猶予・更新の効果は、以下のいずれかの事由が生じた場合に発生します。

【時効の完成猶予事由】

  1. 裁判上の請求
  2. 支払督促
  3. 和解
  4. 調停
  5. 倒産手続参加
  6. 強制執行
  7. 担保権の実行
  8. 競売
  9. 財産開示手続
  10. 第三者からの情報取得手続
  11. 仮差押え、仮処分
  12. 内容証明郵便などによる履行の催告(6か月間のみ)
  13. 協議の合意

【時効の更新事由】

  • 以下のいずれかの手続きをおこなった後で、権利が確定したこと
    ・裁判上の請求
    ・支払督促
    ・和解
    ・調停
    ・倒産手続参加
  • 以下のいずれかの手続きが終了したこと
    ・強制執行
    ・担保権の実行
    ・競売
    ・財産開示手続
    ・第三者からの情報取得手続
  • 権利の承認

まずは内容証明郵便を送付して、時効の完成を6か月間猶予した後、訴訟(裁判上の請求)などの手段を講じるのが一般的です。消滅時効の完成が迫っている場合には、これらの対応をできる限り早めにおこないましょう。

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過払い金請求を自分でおこなうことはできるか?

過払い金請求を弁護士に依頼すると費用がかかるため、自分で過払い金請求をおこなおうとする方もいるかもしれません。現実的に、債務者が金融機関などに対して、自分で過払い金請求をおこなうことはできますが、いくつか注意したい点があります。

自分で請求することも可能

過払い金請求権は法的に認められた権利であり、権利者(債務者)の判断で自由に行使できます。

権利の行使に当たって、弁護士を代理人とすることは必須ではありません。したがって法的には、債務者が自分で過払い金請求をおこなうこともできます。

債権者からの強硬な反論に要注意

ただし債務者が自分で過払い金請求をおこなう場合、債権者である金融機関などから、強硬な反論を受ける可能性が高い点に注意が必要です。

債務者に弁護士がついていない場合、債権者は、債務者側の主張の穴を突こうとしてくることが多いです。その際適切に反論できなければ、本来回収できるはずの過払い金を回収できなくなってしまうおそれがあります。

弁護士へ依頼しない場合でも、債権者からの反論に耐え得るように、法的な根拠のある主張を組み立てて臨まなければなりません。

引き直し計算や消滅時効など、専門的な事項への対応も必要

過払い金請求をおこなうに当たっては、引き直し計算や消滅時効など、専門性が高い事項の対応も必要になります。これらの事項に関する考え方を正しく理解し、かつ具体的な事案へ適切に当てはめて対応するのはかなり大変です。

債務者が自分で過払い金請求をおこなう場合、誤りを指摘してくれる専門家がいないので、和解交渉や訴訟で間違った主張を展開してしまうおそれがあります。その場合、債権者から反論を受けて窮地に陥ってしまうかもしれません。

過払い金請求は弁護士への相談がおすすめ

法的な根拠に基づき、適正額の過払い金を請求したい場合には、弁護士への依頼がおすすめです。

過払い金請求を弁護士に依頼するメリット

過払い金請求を弁護士に依頼することには、主に以下のメリットがあります。

1.適正な過払い金額を計算してもらえる
引き直し計算を正しくおこない、法的に根拠のある適正な過払い金額を計算してもらえます。

2.法律上の論点にも適切に対応できる
消滅時効を中心として、過払い金請求に関する法律上の論点についても、十分な検討をおこなったうえで適切な方針を定めることができます。

3.和解交渉・訴訟の対応を一任できる
債権者との和解交渉や、過払い金請求訴訟の対応を一任できるため、労力やストレスの軽減につながります。また、法的に筋の通った主張を展開できるため、最終的に有利な結果を獲得しやすくなります。

過払い金請求の弁護士費用相場

過払い金請求の弁護士費用は、各法律事務所によって異なりますが、ある程度の目安が存在します。

弁護士費用の目安を知るために参考となるのが、かつて適用されていた「日本弁護士連合会報酬等基準」(現在は廃止)です。同基準を参考にすると、過払い金請求権の弁護士費用の目安は、おおむね以下のとおりです(いずれも税込)。

相談料 30分ごとに5,500円~1万1,000円
※実際には無料のケースも多い
着手金 請求額の8.8%
※300万円以下の場合
報酬金 獲得額の17.6%
※300万円以下の場合
日当 半日:3万3,000円~5万5,000円
1日:5万5,000円~11万円
(例)
過払い金100万円を請求し、80万円を回収した場合着手金:100万円×8.8%=8万8,000円
報酬金:80万円×17.6%=14万800円着手金と報酬金の合計:22万8,800円(回収額の28.6%)

なお、法律事務所によっては、分割払い・後払いなどの相談に応じてくれる場合もあります。また、資産・収入に関する要件を満たす方については、法テラスの立替払い制度(民事法律扶助)を利用することもできます。

参考:民事法律扶助業務|法テラス

弁護士費用の支払いについて不安がある方は、その旨を弁護士に相談してみましょう。

まとめ

過払い金とは、上限金利を超えて払いすぎてしまった利息のことで、債権者に返還請求することができます。請求には、取引履歴の開示請求や引き直し計算、債権者との交渉・訴訟などの手続きが必要だとわかりました。

また、過払い金請求には消滅時効があるため、過払い金があると気付いたら早めに対応することが肝心です。

なお、過払い金請求は自分自身でおこなうことが可能ではあるものの、専門的な知識を要するため、弁護士への相談が得策です。過払い金請求を弁護士に依頼すれば、スムーズに手続きが進むだけでなく、債権者との交渉を一任できるメリットがあります。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。