借金をまとめる方法|債務整理と比較してデメリットも解説

借金をまとめる方法|債務整理と比較してデメリットも解説

おまとめローンを使うことで複数の借入先をひとつにまとめることができ、「返済の負担軽減」「返済金額の減少」といったメリットが期待できます。

全国銀行協会が2020年3月に発表したアンケートによると、銀行カードローン利用者において、「おまとめローン」の利用経験者は24.4%。

「利用したことはないが、検討したことはある」が28.7%、「利用したことはなく、検討もしたことがない」は26.1%と、8割近くが「おまとめローン」を認知している結果となりました。

もちろんおまとめローンにはデメリットもあり、審査も厳しいため、この記事ではどんな方におまとめローンがおすすめなのか解説します。

最後に債務整理との違いについて解説しますので、これから借金をどのように解決していくのがよいか参考にしてください。

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この記事を監修した弁護士
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当社在籍弁護士(株式会社アシロ)
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

借金をまとめる「おまとめローン」とは?

借金をまとめるとは、多くの場合、銀行などが行っている「おまとめローン」というサービスを利用することをいいます。

おまとめローンとは、債務者が消費者金融やカード会社などの複数の会社(債権者)から借金をしている場合(多重債務者等)に、借金及び借金の返済先を一本化(借金全額を銀行等だけに返済する形にする)するサービスのことです。

つまり、新しい金融業者(銀行等)から現在の借り入れ総額分に相当する融資を受けて、現在の借金を全て返済します。

そしてその後、その新しい金融業者(銀行等)1社のみに返済をしていくことになります。

このように1社に借り替えることによって金利が低くなり、返済先も1つに絞られるため、返済の手間は軽減されます。

おまとめローンにより借金を一本化するメリットとして、ローンやキャッシングなどよりも低い金利が設定されていることが多い点が特徴です。

借金をまとめる3つのメリット

借金をまとめる3つのメリットを解説します。

返済先を整理できる

複数の会社から借り入れをしていると、返済額・返済期日・返済先を正しく管理できず、返済が滞ってしまうことがあります。

例えば、ABCと複数の借入先がある場合、給料日の翌日はA社に、15日はB社、25日はC社…と計画的な返済を続けていかなければならず、大変です。

借金をまとめると返済先は1社に整理されますので、このような負担がなくなります。

毎月返済をする金額が下がることがある

借換先の金融機関において低利率で借入をすることができた場合、毎月の返済負担が軽減されます。

例えば、消費者金融から高利率(年利15%等)で借入を行っていたものを、銀行で低利率(年利3%等)で借入をすることができれば、返済を要する利息分が減って毎月の返済額が軽減されます。

もっとも、このような低い利率で借入を行うことができるかは事案次第ですし、借入元本それ自体は増額しますので、借金の一本化が必ずしもメリットしかないというわけではありません。

ブラックリストにのらない

借金の返済が苦しい場合によく検討されるのが債務整理です。

しかし、債務整理を行った場合、金融事故があったものとしてブラックリストに載ります。

そうすると、以後数年間は新たなローン取引ができなくなりますので、クレジットカードの新規作成ができなくなったり、住宅ローンが組めなくなったりする可能性があります。

また、上記のような借換行為も当然難しくなります。

借金の一本化はあくまで借金を借り換えるだけなので、ブラックリストに登録されることはありません。

借金をまとめる6つのデメリット

金利が安くなる、複数の返済日に追われずに済む、ブラックにならないなどのメリットはありますが、反面以下のようなリスクもあります。

良い面も悪い面も考慮した上で検討しましょう。

支払総額が増加する可能性がある

借金を一つにまとめるということは、それだけ支払い期間が長くなるということです。

毎月の負担は少なくなりますが、最終的な支払総額は多くなってしまう可能性があります。

返済総額のシミュレーションを事前に行いましょう。

借金がなくなるわけではない

当たり前のことですが、複数あった返済先を一つにまとめだけなので、まとめる=借金完済にはなりません。

まとめたことで借金が減ったと勘違いしてしまい、新たな消費者金融で借り入れを行ってしまう人もいるので注意が必要です。

審査が厳しい

おまとめローンを行う際にも通常のキャッシング同様に審査があり、当然金利が安い金融機関ほど審査が厳しくなります。

特に銀行系は低金利で審査が厳しいことで有名で、5社以上の借り入れがあると審査に通りにくくなると言われています。

おまとめローンを利用したという情報は共有される

ブラックリストにはならずとも、金融機関では「おまとめローンを利用した」ということが分かる情報が残ります。

これにより、おまとめローン後の新規借り入れが難しくなる可能性があります。

保証人・不動産担保を設定される

おまとめローンは必然的に大きな金額を新たに借り入れることになりますので、金融機関からは連帯保証人を立てたり、物的担保を入れたりということが求められることが多いです。

保証人を設定すれば、万が一借換先に返済ができなければ、保証人が莫大な返済義務の履行を迫られます。

不動産担保を設定すれば最終的に不動産が換価処分されるかもしれません。

おまとめローンを謳う詐欺がある

おまとめローン特有のデメリットではありませんが、便利なおまとめローンを詐欺のタネに使う悪質な業者もいます。

上手い話には裏があるとはよく言いますが、このような詐欺の被害に遭うリスクもあるので、ご注意ください。

参考:おまとめローンのデメリットとキャッシング一本化のリスク

借金を一つにまとめる4つの方法

「借金をまとめる」というと大半は「おまとめローン」のことを指します。

しかしそれ以外にも「高額カードローン」や「有担保・無担保ローン」や「ビジネスローン」などの商品もありますので、それぞれ解説します。

おまとめローン

新しい金融業者から借り入れ先分(例えば4社であれば4社分)の借入総額の融資を受けて、現在の借金を全て返済します。

そしてその後、その新しい金融業者1社のみに返済をしていくことになります。

新しい金融業者の金利が低ければ、その分返済の負担は軽減されます。

例えば下記のような商品があります。

商品名 金利 借入上限金額
りそな銀行
「りそなフリーローン」
6.0%~14.0% 500万円
三井住友銀行
「カードローン」
4.5%~14.5% 800万円
三菱UFJ銀行
「バンクイック」
1.8%~14.6% 500万円
楽天銀行
「スーパーローン」
1.9%~14.5% 800万円
スルガ銀行
「カードローン」
1.7%~17.4% 800万円

銀行がおまとめローンを推す理由

おまとめローンは様々な会社が提案していますが、中でも消費者金融系は金利が高いです。

それに比べて、銀行系は良心的な金利で融資してくれるところが多いです。

また、銀行系であれば総量規制(借入残高が年収の3分の1を超える場合、貸金業者は、原則として、利用者に対して新たな貸付ができなくなるというもの)の問題もありません。

総量規制に関しては以下の記事を参考にして下さい。

高額カードローン

こちらもおまとめローンとほとんど概要は同じです。

例えば25万円のカードローンを4つ持っているならば、100万円のカードローンを作り、それを用いて返済をします。

返済日や返済方法が一本化されるので、返済のやりくりが楽になる上に返済忘れの防止にもなりますが、上記のおまとめローンのほうが一般的です。

例えば下記のような商品があります。

商品名 金利 借入上限金額
みずほ銀行カードローン 年2.0%~14.0% 800万円
りそなカードローン 3.5%~12.475%
(変動金利)
800万円
三井住友銀行 カードローン 年4.0%~14.5% 10万~800万円
オリックス銀行カードローン 1.7%~17.8% 800万円

有担保・無担保ローン

有担保ローンは、土地や預金、証券などを担保に融資を受けることになりますが、例えば土地を担保に入れるにも費用が掛かるので、申し込むのであればその辺りも検討しないといけません。

無担保ローンは担保なしでお金を借りることができるローン商品を指します。

例えば下記のような商品があります(有担保型・無担保型)。

商品名 金利 借入上限金額
三井住友銀行
「フリーローン(有担保型)」
(変動金利型)新規ご融資利率は、所定の短期プライムレートに連動する長期貸出金利を基準とする利率にて決定 50万円以上1億円以内(10万円きざみ)
京葉銀行
「フリー住宅ローン」
年1.2%~3.9% 5,000万円
東京スター銀行
「スター不動産担保ローン」
0.85%~8.35%(変動金利)
1.20%~8.75%(固定金利)
100万円以上1億円以内
㈱セゾンファンデックス
「フリーローン(不動産担保)」
6.8%~9.9% 100万円~3,000万円
みずほ銀行
「みずほホームエクイティローン」
2.975%(変動金利) 100万円以上
1,000万円以内
みずほ銀行
「多目的ローン(無担保)」
5.875%(変動金利方式)
6.55%(固定金利方式)
10万円以上300万円以内
みずほ銀行
「多目的ローン(無担保)」
5.875%(変動金利方式)
6.55%(固定金利方式)
10万円以上300万円以内

ビジネスローン

ビジネスローン(事業者ローン)とは、事業者を対象とした金融商品のことを指します。

総量規制の対象外ですので借り入れをまとめる役割も果たせそうですが、そもそも事業資金としての貸し付けを前提としているので事業計画書や決算書の準備が必要です。

商品名 金利 借入上限金額
関西みらい銀行
「事業者向けフリーローン」
4.0%~13.5%(固定金利) 300万円以内
みなと銀行
「みなと事業者向けフリーローン」
年3.8%・年5.8%・年8.8%・年10.8%・年11.9%・年14.9%(固定金利)いずれか審査のうえ、決定 10万円以上500万円以内
三重銀行 事業者向けフリーローン
「クイック」
年5.5%~年14.8% 10万円以上500万円以内
中京銀行事業者向けフリーローン
「はやわざ-α」
年5.9%・年8.4%・年12.9%(固定金利)いずれか審査のうえ、決定 10万円以上300万円以内

借金をまとめやすいおまとめローンの手続きの流れ

どの機関で借金をまとめたいか決めたら、申し込みを行いましょう。

申し込み手続きは店頭や郵送、インターネットなどから行えますが、今回は中でも一般的な《インターネットでの申し込みの方法》をご紹介します。

申し込みのページにアクセスし、申込書に記入する

おまとめローンを取り扱っている会社のホームページにアクセスし、申込書に必要事項を記入しましょう。

《主な必要事項》

申込書の情報をもとに審査をする

申込書の情報に偽りがないか確かめるために、自宅や職場に確認の電話がかかってくることもあります。

当然ここでおまとめローンの申し込みをしたことが職場にバレてしまう可能性もあります。

また、低金利であればあるほど、審査は厳しくなります。

配偶者の年収が高かったり、公務員や大手企業に勤めていたりすると、「安定している=返済の信用に値する」とみなされ、審査に通りやすくなる可能性もあります。

契約をする

審査は1~2週間程度かかることが多いですが、早ければ数日で完了するケースもあります。

審査を無事に通過すると契約書が送られてくるので、契約書に必要事項を記入し、返送します。

融資開始

返送後、間もなくして融資が開始されます。

指定口座へ振り込まれる形での融資が一般的です。

おまとめローンと債務整理を比較

おまとめローンの審査に通らない場合、債務整理を行うことも検討しましょう。

債務整理とは、借金の減額や免除をする手続きです。

ここではおまとめローンと債務整理を比較しながら、どちらの方法があなたに向いているのか解説します。

おまとめローン 任意整理 自己破産 個人再生
金利 低くなるがゼロにはならない 金利分をカットする方向で交渉 なし なし
返済期間 長期化する可能性あり 3~5年で完済 借金(債務)は全て免責。
支払う必要なし(税金等の非免責債権は除く)。
原則3年。特別の事情がある
例外的な場合のみ、最長5年。
返済総額 増える可能性あり 原則、元金のみ返済。
利息を支払わないため、総額が減る。
なし(税金等の非免責債権は除く)。 最大90%の債務をカット可能。
残りの元金を支払う。
ブラックリスト 載らない 載る 載る 載る

おまとめローンが向いている人

まずはおまとめローンが向いている人について解説します。

現在の借金の金利を下げたい人

今現在の借り入れ先よりも低い金利で借り入れ、一つにまとめることが出来ます。

トータルで見ると支払い額は増える可能性があり、負担は軽くなっても得をするとは限らないのが借金一本化の特徴ですが、とにかく今現在の金利を少しでも下げたいという人にとっては有効な手段です。

返済状況を整理したい人

返済先が一つになるので、月にいくら支払ったか明確になり、整理もしやすくなります。

返済状況がわかることで生活面においての支出や収入もしっかりと管理することが出来ます。

月々の返済額を小さくしたい人

一般に、支払いにかかる期間は長くなりますが、月の返済額は少額になるので、現在複数の借り入れ先への返済に追われ家計を圧迫してしまっている人にとってはオススメです。

収入が安定している人

あくまでも“借り入れ先を一つにまとめて長期的に返済していく方法”ですので、安定した収入があることが前提条件になります。

この、“返済のメドが立っている・立っていない”はとても重要で、収入が安定せず生きていく上で月々数万円の返済も厳しいという人は、債務整理(法的に借金を解決すること)を推奨します。

債務整理が向いている人

続いて債務整理を検討したほうがいい人について解説します。

返済の目処が立たない

借換行為をすれば、借金の元本額は増加します。

また、借換後の借金を返済できなければ、保証人に迷惑がかかったり、資産が換価処分されたりという不利益もあります。

そのため、借換後の借金について返済目処が立てられない場合は、借換は推奨されません。

この場合は、自己破産等を含む債務整理手続きを積極的に検討するべきでしょう。

そもそも審査に通らない

借金の一本化は相対的に多額の借入取引になりますので、審査は非常に厳しいといえます。

そのため、そもそも審査に通らない可能性もありますので、この場合は債務整理を検討せざるを得ないでしょう。

借金負担を大幅に減らしたい

借金の負担を大きく減らしたいのであれば、借金の一本化はあまりメリットがありません。

この場合は、自己破産や個人再生といった債務整理を検討するべきです。

複数社へ返済する作業を弁護士に代行してほしい

任意整理を行った場合、各債権者への返済を弁護士・司法書士事務所が代わりに行ってくれることがあります。これを返済代行といいます。

自己破産を行った場合には、裁判所に借金(債務)自体を免責(ゼロ)してもらうことで、そもそも複数社へ返済するという手間を省く手段を選ぶことも方法の一つです。

また、個人再生を行うことで借金総額を大幅にカットし、残金を返済していくという手段を選ぶことも合理的です。

任意整理を検討されている方へ

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この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。