あちこちから借金をした結果、借金返済の負担が重くなってしまった場合、債務者がご自身だけで状況を改善するのは困難です。
借金返済に関しては、各機関が相談窓口を設けています。
特に弁護士に相談すれば、債務整理によって、借金返済の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
もし借金返済が苦しくなってきたと感じた場合には、早めに相談してください。
この記事では、借金返済に関する相談窓口や、弁護士に借金返済の相談をした際の流れなどについて解説します。
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借金の返済で毎月のやりくりが苦しい方や、督促がつらいと感じている方は、今すぐ弁護士に相談しましょう。あなたに合った債務整理方法を提案してもらって手続きをすれば、毎月の返済を大幅に減らせる可能性があるからです。
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相談をすると、すぐに督促がストップします。債務整理がどういった手続きで、今後はどういった生活になるか丁寧に説明してもらえますので、デメリットも十分理解したうえで債務整理に臨めます。
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この記事を監修した弁護士
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。
借金返済が苦しい場合の対処法は?
借金の返済負担が重い場合には、収支のバランスを改善する必要があります。
そのためには、主に以下の方法が考えられます。
収入を増やす
収入を増やすことができれば、借金を返済した後の可処分所得が増えるので、生活が楽になります。
在宅でできる副業などがないか、求人サイトやクラウドソーシングサイトなどで探してみるとよいでしょう。
ただし、本業の会社の就業規則などにおいて、副業に関するルールがどうなっているかは要確認です。
支出を減らす
日常生活における支出を削ることによって、借金返済に充てる資金をねん出することも考えられます。
外食などの交際費・携帯電話料金・クレジットカードを用いたショッピングなど、不要な支出が発生していないかをチェックしましょう。
借金を一本化する(おまとめローン)
複数の債権者から借金をしている場合には、「おまとめローン」を利用することも一つの手段です。
「おまとめローン」を利用する場合、1社から新たに資金を借り入れて、その資金で既存の債務をすべて返済します。
そうすると、借金が債権者1社のみに一本化され、債務を管理しやすくなります。
またおまとめローンを利用すると、利息制限法との関係で、借金全体の金利負担が軽くなる可能性があります。
<利息制限法の上限金利>
金銭消費貸借の元本額 |
上限金利 |
10万円未満 |
年20% |
10万円以上100万円未満 |
年18% |
100万円以上 |
年15% |
ただしおまとめローンの場合、借金自体の金額が減るわけではないので、債務負担を軽減する効果は限定的です。
【関連記事】借金をまとめる方法|債務整理と比較してデメリットも解説
債務整理をする
債務整理とは、債権者との交渉や裁判所での手続きによって、借金などの負担を軽減することをいいます。
債務整理には、主に自己破産・個人再生・任意整理の3つの方法があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。
弁護士に相談して、債務者の状況に合わせた形で債務整理を行えば、借金問題を抜本的に解決できる可能性があります。
借金の返済が難しいと感じている方は、一度弁護士に債務整理の相談をしてみるとよいでしょう。
【関連記事】
▶債務整理とは?債務整理の種類と違い、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説
▶債務の返済に困ったら弁護士に相談を|弁護士ができること・費用・選び方
借金返済に関する相談窓口一覧
借金返済に困った場合、早めに専門家へ相談することが大切です。
以下に借金返済に関する相談窓口の例を紹介しますので、返済の負担が重いと感じた場合は、いずれかの窓口を訪れてみてください。
国民生活センター
国民生活センターは、消費者の悩み相談や救済に取り組んでいる独立行政法人です。
参考:独立行政法人国民生活センターHP
全国に消費生活センターが設けられているほか、全国統一の「消費者ホットライン」にて電話相談も受け付けています。
参考:全国の消費生活センター等
法テラス
法テラスは、市民に司法サービスを行き届かせることを目的として設立された公的機関です。
正式名称を「日本司法センター」といいます。
法テラスでは無料で法律相談を利用できるほか、経済的に困窮している方は、弁護士や司法書士への依頼費用を立て替えてもらうこともできます。
参考:法テラスHP
日本貸金業協会
日本貸金業協会は、消費者金融などの貸金業者を統括する自主規制機関です。
貸金業者に対する苦情のほか、借金返済に関する相談も受け付けており、必要に応じて弁護士や司法書士の紹介を受けられます。
参考:貸金業相談・紛争解決センターについて|日本貸金業協会
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、多重債務者救済のためのカウンセリングなどを行っている公益財団法人です。
「多重債務ほっとライン」にて電話相談を受け付けているほか、全国各地にセンターや相談室を設け、多重債務者からの相談に応じています。
参考:よくあるご質問|公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会
全国銀行協会
一般社団法人全国銀行協会は、銀行を統括する自主規制機関です。
個人ローンの利用者に向けたカウンセリングサービスを実施しており、電話や面談にて借金返済の相談ができます。
参考:カウンセリングサービス|全国銀行協会
市区町村役場の相談窓口
市区町村の役場では、弁護士による法律相談会が定期的に開催されています。
利用時間は1人当たり20分~30分程度ですが、あらゆる法律相談を受け付けており、債務整理についても相談ができます。
弁護士が信頼できると思えば、そのまま正式に債務整理を依頼することも可能です。
実施のタイミングや予約方法などは自治体によって異なるので、各自治体の窓口に確認してみましょう。
金融庁
銀行・貸金業者などの金融機関を監督する金融庁も、各都道府県に設置された財務局・財務事務所において、多重債務者などに向けて借金返済の相談を受け付けています。
また以下のページでは、金融庁内部の機関に加えて、外部の相談窓口を含めてまとめたExcelが公開されています。
借金返済に関する相談先を探す際には、参考にしてください。
参考:多重債務相談窓口の連絡先|金融庁
弁護士会・法律事務所
借金返済については、弁護士に直接相談をするのがもっともスムーズです。
弁護士は、債務者の代理人として、債務整理の交渉や手続きのほとんどを代行してくれます。
信頼できる弁護士に心当たりがあれば、法律事務所(弁護士事務所)の法律相談を申し込んでみましょう。
もし弁護士に心当たりがない場合は、地域の弁護士会の法律相談を利用するとよいでしょう。
【関連記事】弁護士に無料法律相談できるおすすめ相談窓口|24時間・電話相談OK
参考:法律相談|日本弁護士連合会
司法書士会・司法書士事務所
弁護士のほか、司法書士も借金返済に関する相談を受け付けている場合があります。
司法書士は弁護士に比べて、業務範囲が狭いという難点がありますが、依頼費用は弁護士よりも安く済む傾向にあります。
司法書士に借金返済の相談をしたい場合は、心当たりのある司法書士事務所か、または地域の司法書士会の法律相談を利用するとよいでしょう。
参考:各種法律相談|日本司法書士会連合会
借金返済を早めに専門家に相談すべき理由
借金の返済が苦しいと感じた場合は、早めに専門家に相談することをお勧めいたします。
借金返済について、早めに専門家に相談した方がよい理由は、以下のとおりです。
【関連記事】
▶借金返済に悩んだ場合は早めの相談が大切|相談窓口・弁護士相談時の流れ
▶借金返済の無料相談先まとめ|状況に合わせた相談先と債務整理の解決事例
▶【借金の無料相談先一覧】成功事例や債務整理についても解説
自力での収支改善は難しい
借金返済が滞ってしまうのは、収支のバランスが悪いためであることがほとんどです。
収支バランスを改善するには、収入を増やすか、または支出を減らすかのどちらかしかありません。
収入を増やしたい場合は、「労働時間を増やす」「副業をする」という選択肢が挙げられます。
しかし、労働時間を増やすにしても会社との調整が必要ですし、そもそも可処分時間や体力には限界があります。
また副業を始める場合でも、すぐに副業が軌道に乗るとは限りませんし、本業とうまく両立できなければ疲弊してしまいます。
支出を減らす場合には、浪費に当たる部分を見直すことになります。
しかし、「浪費をやめられなかったからこそ借金が膨らんでしまった」という方がほとんどなので、自力で支出を減らすことは意外に難しいでしょう。
このように、収支を自力で改善することは困難なことが多いので、一度専門家にアドバイスを求めることをお勧めいたします。
債務整理で借金の減額・免除が可能
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、借金そのものを減額・免除したり、月々の返済額を減らしたりできる可能性があります。
特に、借金返済に延滞が生じてしまっている場合には、一刻も早く弁護士や司法書士に債務整理を依頼してください。
依頼した直後から取り立てが停止する
貸金業法21条1項9号では、弁護士や司法書士が債務整理を受任した旨の通知を受け取った貸金業者が、債務者に対して直接取り立てを行うことを原則禁止しています。
つまり弁護士または司法書士に債務整理を依頼すると、直後に受任通知が発送され、日々の過酷な取り立てから解放されるのです。
(なお、銀行には貸金業法の規定が適用されませんが、貸金業法上の取立て規制の趣旨を尊重した運用がなされています)。
債権者からの取り立てによって大きなストレスを抱えている方は、早めに弁護士や司法書士へ債務整理の相談をしてください。
(弁護士の場合)手続きを一任できる
債務整理の手続きを専門家に一任したい場合には、弁護士への依頼をお勧めいたします。
弁護士は、自己破産や個人再生の債務者代理人として活動できるため、複雑な手続きをすべて任せることができます。
これに対して、司法書士が債務者代理人として活動できるのは、1社あたりの債権額が140万円以下の任意整理に限られます。
自己破産と個人再生については、司法書士は書面を作成することが認められていますが、債務者代理人として手続きに出席することはできません。
また任意整理についても、1社あたりの債権額が140万円を超える場合、相談を含めて司法書士による対応が禁止されています。
上記のように、弁護士の方が司法書士よりも対応可能な範囲が広いので、債務整理手続きを一任したい場合には弁護士への依頼がお勧めです。
弁護士に借金返済の相談をする際に準備すべきもの
弁護士に借金返済に関する相談をする際には、以下の物を準備して持参すると、スムーズに相談や依頼の手続きを進められます。
借金に関する契約書類
債務整理を通じて借金問題の解決を目指すには、まず借金の状況を把握する必要があります。
もっとも基本的かつ重要な書類は、借金をした際に締結した契約書類です。
元本・利率・返済方法などの重要な情報は、すべて契約書に記載されているので、弁護士や司法書士に相談する際には必ず持参しましょう。
これまでの返済に関する書類
債務整理の方針を定めるに当たっては、残債務の金額を正確に計算しなければなりません。
当初の元本額からどの程度返済がなされたかを検証するため、預貯金口座の入出金履歴などが必要になりますので、相談の際にできる限り持参するとよいでしょう。
印鑑・本人確認書類
弁護士と委任契約書を締結する際には、印鑑と本人確認書類が必要になります。
まだ依頼するかどうか決まっていない段階でも、相談のために事務所へ訪問する際には、念のため持参しておくことをお勧めいたします。
借金返済を弁護士に相談した場合の流れ
弁護士に相談するのが初めての方でも、ある程度相談の流れを頭に入れておけば戸惑わずに済みます。
弁護士に借金返済の相談をする際の大まかな流れは、以下のとおりです。
法律相談
まずは弁護士に連絡をとり、法律相談を申し込みましょう。
債務整理に関する初回の相談は、無料で対応している弁護士も多いので、お気軽に法律相談をご利用ください。
初回相談では、まず債務などの状況を弁護士に伝える必要があります。
以下の項目については必ず訊かれるので、ご自身である程度説明できるように準備しておきましょう。
- 債務額
- 債権者の数
- 履行遅滞の有無
- 収支バランス
- 資産の内容 など
債務などの状況を弁護士と共有したら、任意整理・個人再生・自己破産など、具体的にどの債務整理を利用すべきかを弁護士とともに検討します。
委任契約書の締結
依頼する手続きの内容が決まったら、弁護士と委任契約書を締結します。
委任契約書の中でも、特に弁護士費用(着手金・成功報酬・実費など)に関する項目は、認識と齟齬がないかきちんと確認しておきましょう。
受任通知の発送
委任契約書を締結した直後に、弁護士は債権者に対して受任通知を発送します。
これ以降、貸金業者などから債務者に対する取り立ては禁止されますので、落ち着いて債務整理の準備を進めることができるようになります。
実際に債務整理を行う
受任通知の発送後、弁護士が実際の債務整理に着手します。
手続きによってやるべきことは異なりますが、基本的には弁護士の指示に従って対応すればOKです。
まとめ
借金返済が苦しいと感じた場合は、早めに弁護士などの専門家に相談することが大切です。
弁護士に依頼すれば、借金の取り立てをひとまず止めることができますし、債務整理によって借金の負担を軽減できる可能性もあります。
適切な方法によって債務整理を行うことは、借金の負担に苦しむ方にとって、生活再建への第一歩です。
法律事務所へ直接相談してもよいですし、各種機関の相談窓口を利用することも考えられますので、まずは一度弁護士に相談してみてください。
借金問題の解決に向けて、有効なアドバイスを得られるかと思います。
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この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。