債務の返済に困ったら弁護士に相談を|弁護士ができること・費用・選び方

債務の返済に困ったら弁護士に相談を|弁護士ができること・費用・選び方

この記事を監修した弁護士
阿部 由羅
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。

収入に比べて債務が膨れ上がってしまった場合、自力で状況を改善することは困難です。

そんなときは、弁護士への相談をお勧めいたします。

弁護士に相談すれば、債務整理などの方法によって、債務の負担が大きく改善する可能性があります。

債務に関する精神的な負担を軽減するためにも、お早めに弁護士までご相談ください。

この記事では、債務問題を解決するために弁護士ができることや、弁護士費用・弁護士の選び方などについて解説します。

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債務問題を解決するために、弁護士ができること

債務の支払い負担に苦しんでいる方は、一日も早く弁護士に相談することをお勧めいたします。

信頼できる弁護士に依頼すれば、債務者の状況に応じて、最適な解決策を提案してもらえるでしょう。

債務問題を解決するために、弁護士ができる主な対応は、以下のとおりです。

債権者からの取立てをストップさせる

貸金業法21条1項では、貸金業者に対して、不相当な方法を用いた取り立て行為を禁止しています。

弁護士は、債務整理を受任した直後に、債権者に対して受任通知を発送します。

受任通知を受け取った貸金業者は、それ以降正当な理由がないのに、債務者に対して直接取り立てを行うことが禁止されます(同項9号)。

つまり、債務整理を弁護士に依頼するだけで、債務者は日々の過酷な取り立てから解放されるのです。

取り立てが止まれば、債務者の精神的なストレスは大きく軽減されるでしょう。

また、債務を一時的に弁済しなくてよくなるため、その間に生活再建の資金を蓄えることもできます。

時効を援用して債務を消滅させる

債権の消滅時効が完成している場合には、債権者に対して時効を援用することにより、支払義務を免れることができます。

債権の時効期間は、2020年4月1日に施行された改正民法の施行前後で、以下のように異なっています。

旧民法
(2020年3月31日以前に発生した債権)
<原則>
権利を行使できる時から10年
<職業別の短期消滅時効>
権利を行使できる時から以下の期間
飲食料・宿泊料: 1年
弁護士・公証人の報酬:2年
小売商人・卸売商人などの売掛金:2年
医師・助産師の診療報酬:3年
新民法
(2020年4月1日以降に発生した債権)
以下のいずれか早く経過する期間
①権利を行使できることを知った時から5年
②権利を行使できる時から10年

消滅時効の援用は、内容証明郵便などを用いて行うのが一般的です。

弁護士に依頼すれば、消滅時効が完成しているかどうかの検討を行うとともに、時効援用の手続きについても全面的にサポートを受けられます。

過払い金の返還を請求する

過払い金とは、債務者が債権者に対して支払った利息のうち、改正前出資法の上限金利(年29.2%)と利息制限法の上限金利(年15~20%)の差分に相当する部分をいいます。

この差分は「グレーゾーン金利」と呼ばれています。

改正前の出資法を含む貸金業規制法の下では、債務者が任意に行ったグレーゾーン金利の弁済は有効と解されていた時期がありました。

しかし、利息制限法を無視した貸付けを公然と行う貸金業者等の姿勢が問題視され、裁判例によってグレーゾーン金利の無効化・返還が認められるようになりました。

その後、2010年6月18日に施行された各種改正貸金業規制法により、グレーゾーン金利は完全に撤廃されています。

グレーゾーン金利によって債務者が払い過ぎた「過払い金」は、債権者に対して返還を請求できます。

過払い金が生じた結果、返済すべき元本の額が大幅に減ったり、元本完済のうえでお金が戻って来たりするケースもあるのです。

過払い金の返還請求を行うには、債権者との間で交渉したり、訴訟を提起したりする必要があります。

弁護士に依頼すれば、債権者と対等以上にわたり合い、訴訟手続きにもスムーズに対応できるので安心です。

債務整理をして債務を減免する

債務整理とは、債権者との交渉や法的手続きを通じて、債務負担の軽減を実現する方法をいいます。

個人が対象の債務整理には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きがあります(各手続きの詳細は後述)。

弁護士は、これらすべての手続きについて、債務者の代理人として全面的にサポートします。

債務整理を行えば、債務負担が抜本的に改善する可能性がありますので、ぜひお早めに弁護士までご相談ください。

債務整理を弁護士に相談するメリット

債務整理を検討する場合、弁護士に相談すれば、スムーズかつ適切に手続きを進めることができます。

債務整理を弁護士に相談する主なメリットは、以下のとおりです。

状況に合わせて手続きを選択できる

前述のとおり、債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きが存在します。

各債務整理手続きの概要とメリット・デメリットは、以下のとおりです。

①任意整理

債権者と直接交渉を行い、利息・遅延損害金の免除や、返済スケジュールの変更を認めてもらう方法です。

簡易・迅速・柔軟な手続きであり、債務者が整理対象の債務を選べるメリットもあります。

債務者の所有財産を処分する必要がない点も、大きなメリットです。

その一方で、元本のカットが認められにくいため、債務減額の効果が比較的弱い点がデメリットといえます。

②個人再生

裁判所で個人再生手続きを行い、原則として債権者全員との間で、債務の減額を行う方法です。

債務総額が高額の場合には、元本を含めた大幅な減額が期待できます。

担保権付きの財産は原則処分されますが、住宅ローンが残ったマイホーム(土地・建物)に限っては、例外的に手元に残せる制度が設けられています。

ただし、安定した収入がなければ利用できないほか、最低弁済額(100万円以上)が設けられている点などが難点です。

③自己破産

裁判所で破産手続きを行い、最終的に債務全額を免除する方法です。

全債権者との間で強制的に債務免除を実現できるため、もっとも強力な債務整理手続きといえます。

その反面、債務者が所有する財産は、一部の自由財産を除いてすべて処分されてしまいます。

自己破産は、債務者救済の最終手段として位置づけられるため、メリット・デメリットのいずれも大きい諸刃の剣といえるでしょう。

このように、それぞれメリット・デメリットが異なるため、債務者の状況に合わせて債務整理手続きを選択することが重要です。

弁護士に相談すれば、債務者の状況に応じて、どの債務整理手続きを利用すべきかについて適切なアドバイスが受けられるでしょう。

債権者への対応を一任できる

弁護士に債務整理を依頼すると、その後の債権者とのやり取りをすべて任せることができます。

任意整理の交渉であれば、弁護士が実務経験を活かして債権者を説得することで、無理のない返済プランを実現できる可能性が高まるでしょう。

また個人再生や自己破産に当たっても、弁護士が矢面に立って債権者対応を行うため、債務者の精神的な負担は大きく軽減されるかと思います。

裁判所での手続きにもスムーズに対応できる

個人再生や自己破産は、法律で定められた手続きに従って進行し、その準備にも膨大な労力を要します。

弁護士に依頼すれば、提出書類の準備から実際の手続きの遂行まで、弁護士が全面的に債務者に代わって対応してくれます。

債務者としては、煩雑な法的手続きに時間を取られることなく、自らの生活再建などに注力できる点は大きなメリットです。

(自己破産の場合)少額管財を利用できる

自己破産を申し立てる場合、裁判所に納付する予納金がネックとなります。

予納金は、主に破産管財人の報酬に充てられますが、債務者本人による申立ての場合は50万円以上と高額です。

これに対して弁護士による代理人申立ての場合、多くの裁判所で「少額管財」という運用が行われています。

少額管財とは、破産管財人の業務を大幅に簡略化する代わりに予納金額を抑えることで、自己破産手続きを利用しやすくする破産手続きの運用です。

少額管財の場合、予納金は20万円前後で済みます。

少額管財の利用に当たっては、弁護士による代理人申立てが必須となりますので、自己破産は弁護士への依頼を強くお勧めいたします。

債務に関して弁護士に相談する際の注意点

債務の負担が重くのしかかり、生活が苦しい場合には、弁護士に相談することが有効な解決策になります。

「正直に」「遠慮なく」「早めに」の3点を心がけて、すぐにでも弁護士の法律相談をご利用ください。

借金等の原因を正直に伝える

借金を作ってしまった原因は人それぞれですが、中には借金の原因を人に言いたくないという方もいらっしゃるでしょう。

  • ギャンブルで負けてしまった
  • ヤミ金から借り入れをしてしまった
  • 商材詐欺や結婚詐欺に騙されてしまった

上記のような理由で借金を作ってしまった場合、家族や友人には秘密にしておきたいと考えるかもしれません。

しかし、弁護士に相談する際には、借金の原因を正直に伝えることが大切です。

借金の原因によって、問題解決に向けて講ずべき手段は変わってきます。

したがって、正しく問題を解決するためには、弁護士との間で十分に情報共有を行うことが大切なのです。

弁護士は職務上の守秘義務を負っているので、債務者から聞いた情報を、家族・友人を含めた他人に無断で漏らすことはありません。

債務整理を円滑に進めるためにも、借金の原因を包み隠さず弁護士にお伝えください。

希望する事項があれば遠慮なく伝える

債務整理の方法を選択する際には、債務者自身がどうしたいかという点も大事になります。

  • 財産を処分されてもいいから、債務をリセットして生活を再建したい
  • できるだけ債権者に迷惑をかけないように、返せる借金は返したい
  • 保証人に請求がいかないように、保証されている債務を整理対象から外したい

債務整理の方法は、単純に「○○を選択するのが一番得」ということではなく、上記のような債務者の意思を最大限尊重する形で選択されるべきです。

債務者の意思を手続きに反映するため、希望する事項があれば、弁護士に遠慮なく伝えましょう。

弁護士が各手続きの特徴を考慮して、債務者の意に沿った解決が得られるように対応してくれます。

早めに相談する

債務の支払いが滞った状態を放置していると、取り得る債務整理の選択肢はどんどん狭くなります。

遅延損害金が膨らんだり、借金を返すために借金をしたりすると、財務状況の悪化はさらに深刻化してしまいます。

そうなると、任意整理や個人再生では解決できなくなり、最終的には自己破産を選択するほかありません。

また、債権者から取り立てが続く状況は、債務者にとって精神的に大きな負担でしょう。

精神的なストレスを軽減するためにも、債務負担の問題は一刻も早く解決する必要があります。

弁護士に相談するタイミングが早ければ早いほど、傷が浅いうちに債務負担の問題に対処できるため、スムーズに生活を再建できる可能性が高まります。

債務の支払いが苦しいと感じている方や、何度か返済が滞ってしまった方は、お早めに弁護士までご相談ください。

債務整理を弁護士に依頼する際の費用は?

債務整理を弁護士に依頼する場合、多くの方が弁護士費用を懸念されるのではないかと思います。

ただでさえ経済状況が厳しいのだから、弁護士費用をねん出するのは困難だと考えるのも、無理はないことです。

弁護士費用の支払いが難しい場合には、法テラスの立替払い制度を利用できる可能性があります。

弁護士に費用体系を確認したうえで、無理なく支払いができる方法がないか検討してみましょう。

相談料は無料の場合も多い

債務整理に関する法律相談は、無料で対応している弁護士も多いです。

ご自身が債務整理をすべき状況にあるのかどうか、専門的な視点からの話を聞いてみたいという程度でも、弁護士の法律相談を利用することに差し支えありません。

ぜひお気軽に弁護士の法律相談をご利用いただき、債務整理への一歩を踏み出してください。

着手金・成功報酬の二段階制が一般的

債務整理の弁護士費用は、着手金・成功報酬の二段階制がもっとも多く採用されています。

  • 着手金:弁護士への依頼時に支払う初期費用
  • 成功報酬:債務整理手続きが完了した時点で支払う費用

自己破産の場合は、着手金・成功報酬のいずれも、各20万円~30万円前後が相場です。

個人再生・任意整理の場合は、20~30万円程度の着手金に加えて、減免額の10%程度の成功報酬が加算されます。

具体的な費用水準は弁護士によって異なるので、相談の際に必ず詳しく確認しましょう。

弁護士によっては、法テラスの立替払い制度を利用可能

法テラスと契約している弁護士に依頼する場合、「民事法律扶助」の一環で、法テラスに弁護士費用を立て替えてもらえる可能性があります。

立替払い制度を利用するには、資産・収入に関する一定の要件を満たすことが必要です。

経済的に苦しい方は、法テラスを経由して弁護士に依頼することをご検討ください。

参考:法テラスHP

債務整理を相談する弁護士の選び方

債務整理を依頼する弁護士を選ぶ際には、ホームページなどに掲載されている実績や経験が一つの参考になります。

債務整理に関する経験が豊富な弁護士であれば、手続き選択に関するアドバイスも的確で、スムーズに手続きを進めてもらえる可能性が高いでしょう。

ただし、弁護士が信頼に値するかどうかについては、実際に会って相談してみなければわからない側面があります。

多くの弁護士が無料法律相談を行っているので、一度弁護士に詳しく状況を話してみて、親身になって相談に乗ってくれるかどうかを確かめるとよいでしょう。

また、弁護士費用は弁護士によってまちまちなので、相見積もりをとって複数の弁護士を比較することをお勧めいたします。

依頼する弁護士によって、債務整理の結果や手続きの期間が変わる可能性があるので、ぜひ信頼できる弁護士を見つけてください。

まとめ

債務の支払い負担を重荷に感じている方は、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めいたします。

弁護士に相談すれば、債権者からの取り立てを止めさせ、債務整理を通じて借金などの負担を大幅に軽減できる可能性があります。

まずは無料法律相談を利用して、信頼できるかどうかを見極めてから、弁護士に債務整理を依頼しましょう。

債務支払いの苦しみから脱却して生活を再建するには、一人で悩むのではなく、専門的な視点から合理的なアドバイスを受けることが有効です。

債務の支払いが難しくなってきた方は、お早めに弁護士までご相談ください。

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この記事の調査・編集者
みぞ
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。