不倫の慰謝料相場はいくら?請求できるケース・慰謝料増額のポイント

不倫の慰謝料相場はいくら?請求できるケース・慰謝料増額のポイント

不倫(不貞行為)は慰謝料請求の根拠にはなり得ます。もっとも、不倫の内容はどのようなものなのか、証拠は揃っているかなどの事情によって、裁判などで慰謝料請求が認められるか否かは変わってきます

なお、慰謝料額には大まかな相場がありますが、実際のところはケースバイケースです。

配偶者の不倫が発覚したことで、「慰謝料を請求したい」と考えている方は、慰謝料を請求できるだけの有力な証拠や、慰謝料が高額になるポイント、請求する方法などについて押さえておくべきでしょう。

この記事では、不倫された場合に慰謝料請求できるケース・慰謝料相場・請求方法などを詳しく解説しますので、慰謝料請求を検討している方はもちろん、慰謝料請求をされている方も参考にご覧ください。

弁護士に依頼をすると、配偶者や不倫相手に対する慰謝料の増額や、獲得などが望めます。不倫・浮気に関するお悩みを抱えている方は、離婚弁護士ナビで弁護士を検索の上、まずはご相談ください。

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不倫の慰謝料とは

法律上、夫婦には「配偶者以外の者と性的な関係をもってはならない」という貞操義務があります。不倫(不貞)は離婚原因とされているほか(民法第770条第1項第1号)、不法行為として配偶者や不倫相手に対して損害賠償請求(慰謝料請求)が可能です(民法第709条、第710条)。

慰謝料の金額は、まずは相手と話し合って決定します。お互いに合意していれば金額はいくらでも構いません。当事者同士では話がまとまらない場合には、調停や裁判などを検討することになるでしょう。

不倫の慰謝料を請求するために必要な要件

不倫に対する慰謝料を請求するためには、配偶者が貞操義務に違反して精神的苦痛を受けた、といえることが必要です。具体的には以下の点を満たしている必要があります。

不貞行為があったこと

不貞行為とは、配偶者がいるにもかかわらず、他者と性的関係を結ぶことです。配偶者が不倫相手と性行為を行っている場合には不貞行為があったとして、権利の侵害を受けたことによる慰謝料を請求することが可能です。

不倫のボーダーラインは人それぞれですので、「性行為がなければ不倫とはいえない」という人もいれば「キスやハグでも不倫だ、許せない」という人もいるでしょう。しかし、不倫の慰謝料請求は、基本的には肉体関係(性交類似行為含む)にまで至っていなければ認められない可能性が高いでしょう。

もっとも、不倫相手に慰謝料を請求した事案で、肉体関係があったとまでは認められないまでも、相手と高価なプレゼントを交換したり、二人だけで旅行に出かけたりしていたなど、社会的妥当性の範囲を逸脱し、夫婦生活の平穏を害し精神的苦痛を与えたとして、請求していた慰謝料の一部(10万円)が認められたケースもあります(東京簡裁判決平成15年3月25日:Westlaw Japan 文献番号 2003WLJPCA03259001)。

態様次第では慰謝料請求が認められる可能性もありますので、離婚問題に注力する弁護士に一度相談してみましょう。

婚姻関係にあったこと

不倫で慰謝料請求するには、前提として自身と配偶者が婚姻関係を結んでいなければいけません。法律婚の場合はもちろん、事実婚(内縁関係)が成立している場合も、慰謝料を請求できる可能性があります。

なお、事実婚として認められるには、「お互いに婚姻意思があり、夫婦として共同生活を送っていること」が必要です。お互いの親族や同僚などに配偶者として紹介していたり、共同生活を長年(目安として3年以上)続けていたりする場合は認定されやすいでしょう。

婚姻関係が破綻していないこと

婚姻関係が破綻していないことも必要です。別居中の不倫であっても、あくまで夫婦喧嘩をして一時的に別居したに過ぎない状態であれば、婚姻関係は破綻していないと評価される可能性は高いでしょう。

一方、すでに離婚に向けて話し合いを進めていたり、別居状態が長期間続いていたりする場合には、婚姻関係が破綻していると評価される可能性が高くなります。

不倫が自由意思に基づいていたこと

自由意思とは、他者に強制などされない自発的な意思をいいます。配偶者が自ら望んで不貞行為に及んでいる場合には、自由意思に基づいて不倫をしたといえます。

一方、「脅迫や強引な手段によって無理やり肉体関係を結ばされていた」という場合には、自由意思に基づく行為ではなく、慰謝料請求が認められない可能性が高いでしょう。

故意・過失があったこと

不倫相手の方に慰謝料請求する場合、不倫相手に、不倫であることについて故意・過失があることも必要です。不倫相手が、配偶者が結婚していると知ったうえで不倫していたのであれば、故意があったといえるでしょう。

一方、配偶者が相手に対し「独身である」と嘘をつき、状況から不倫相手も独身であると信じることがやむを得ないといえる場合であれば、仮に不倫があった場合でも、不倫相手には故意・過失はないと評価される可能性があります。

不倫の慰謝料請求が認められるケース・認められないケース

以上の要件を前提に、具体的に不倫による慰謝料請求が認められるケース・認められないケースについて整理します。

慰謝料請求が認められるケース

以下のようなケースでは、慰謝料請求が認められる可能性があります。

いずれの場合でも、「不貞行為を裏付ける証拠」があることは極めて重要です。証拠がなくても相手方は事実を認め慰謝料を支払ってくれれば別ですが、相手方が不倫の事実を認めない場合には証拠が必要になってきます。証拠集めに関する具体的な内容は、のちほど解説します。

慰謝料請求が認められないケース

以下のようなケースでは、慰謝料請求が認められない可能性があります。

不倫に関する慰謝料請求権(損害賠償請求権)の時効は、以下の2種類があります。

いずれかの時効が成立している場合、慰謝料請求することはできません(民法第724条)。なお、配偶者に対する慰謝料請求権は、婚姻中であれば時効にかからず、仮に離婚しても6か月経過するまでは時効は完成しません(民法159条)。

そのため、離婚後でも慰謝料請求できるということになります。お金の問題ですから、時効については予め詳しく把握しておきたいところです。

時効については以下のような手段で更新又は完成猶予することもできます。

裁判上の請求等(民法第147条) 裁判上の請求等(訴訟・支払督促・調停など)を行うと、その事由が終了するまで(訴訟手続きが終了するまで等)時効の完成は猶予され、請求が認められた場合には、時効期間が10年更新されます(民法第169条第1項)。
催告(民法第150条第1項) 裁判所を介さずに内容証明郵便などで慰謝料請求した場合には、時効の進行が6ヶ月ストップします。
債務承認(民法第152条第1項) 債務承認とは、債務者が債務の存在を認めることをいいます。相手が慰謝料の一部を支払ったり、慰謝料の支払義務を認める旨の書類に署名捺印したり、減額や支払期日の延長を求めてきたりするなどの行為が該当します。債務承認が行われた場合、これまでの時効進行がリセットされ再スタートします。

不倫の慰謝料を請求できる相手

配偶者以外の異性と不貞行為を行うことは貞操義務違反であり、不貞をした配偶者本人には損害賠償をする義務が生じます。また、不倫相手(配偶者の交際相手)にも共同不法行為責任が生じるため、不倫相手も損害賠償責任を負うことになります。

したがって、配偶者と不倫相手のどちらに対しても慰謝料を請求することができます

慰謝料の請求相手は自由に選択でき、どちらか一方にだけ請求することもできますし、両者に対して請求することもできます。

ただし、両者に対して慰謝料請求するときでも、二重取りはできません。たとえば、慰謝料として請求できる額が200万円であると仮定した場合、配偶者と不倫相手の両方に請求するときであっても、受け取れる金額は合計200万円です。それぞれから200万円、合計400万円を受け取れるわけではありません。

なお、どちらか一方にだけ慰謝料請求して、当該不倫当事者が全額慰謝料を支払った場合、支払いをした不倫当事者は他方の不倫当事者に対し求償権を行使することができます。ここでいう求償権とは、慰謝料を支払った一方の不倫当事者が、もう一方の不倫当事者に対して負担を求める権利のことです。

たとえば、不倫相手に慰謝料請求し、不倫相手が支払った場合、不倫相手は配偶者側(不倫をした配偶者)に対して「慰謝料を半額支払え」と要求してくる可能性があります。配偶者と離婚しないのであれば家計にも影響しますので、「浮気相手にだけ慰謝料請求したい」と考えている方は、このような事態も起こり得ることを知っておき、慎重に対応しましょう。

場合によっては、求償権の放棄と引き換えに慰謝料の減額が行われるケースなどもあります。金額の交渉にあたっては、弁護士に相談するのが良いでしょう。

不倫慰謝料の請求・増額に関する交渉は、弁護士に依頼することでスムーズに進みます。無料相談が可能な弁護士事務所も多くありますので、まずはあなたの抱えているトラブル・ご状況について話してみましょう。

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不倫に関する慰謝料相場|高くなるケース・低くなるケース

ここでは、不倫に関する慰謝料相場や、慰謝料が高額になりやすいケース・低額になりやすいケースなどを解説します。

慰謝料相場

不倫問題の慰謝料相場は、一般的に50~300万円程度と言われています。なお、不倫が原因で離婚した場合の方が慰謝料も高額になりやすい傾向にあります。

ただし、上記はあくまでも一つの目安であり、実際のところは以下の事情なども踏まえて総合的に判断されます。場合によっては、上記の範囲に収まらないこともあるでしょう。

慰謝料が高額になりやすいケース・事例

以下のようなケースでは慰謝料が高額になる可能性があります。該当する場合は、交渉時に増額理由を主張するのも良いかもしれません。

婚姻期間が長い

一般に、婚姻生活が長いほど、不貞された場合の精神的ダメージは大きいと言えるでしょう。実際に、婚姻期間の長さが考慮されて慰謝料が算定された裁判例もあります。

11年間夫婦生活を送っていた妻が、勤務先病院の経営者である男性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、不貞行為が発覚した後に妻が家を出て別居状態となり、離婚に向けて話し合いを進めていました。裁判では、婚姻期間の長さなどが考慮され、不倫男性に対する200万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和3年1月18日:Westlaw Japan 文献番号 2021WLJPCA01188016)

不貞行為が複数回・長期間行われている

複数回・長期間にわたって不貞行為が行われている場合も、慰謝料が増額する可能性があります。以下は、不貞行為の悪質性などが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

妻が不倫相手の男性と結託して、約2年間にわたり密会を繰り返して不貞行為に及んだという事例です。この事例では、夫が精神病院に入院していて家を不在にしている期間、妻が複数回にわたって不倫男性を呼んで不貞行為に及んでいました。裁判では、不貞行為の悪質性の高さ・婚姻期間が20年間であること・夫婦が離婚に至ったことなどの事情が考慮され、不倫相手に対する250万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和2年10月21日:Westlaw Japan 文献番号 2020WLJPCA10218006)

夫婦間に子どもがいる

夫婦間に子どもがいる場合も、不倫による精神的苦痛は大きくなると考えられ、慰謝料が増額する可能性があります。以下は、夫婦間に幼いこどもがいることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

2人の子供(当時2歳・5歳)を抱える夫婦の夫が、当時同じ会社で働いていた女性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、不貞行為が疑われるようになってから妻の精神状態が不安定になり、夫婦は別居状態で、離婚を前提に話し合いを進めていました。裁判では、幼い子供が2人いること・婚姻期間が4年間であることなどの事情が考慮され、不倫女性に対する200万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決平成19年8月24日:Westlaw Japan 文献番号 2007WLJPCA08248012)

配偶者と不倫相手との間で子供ができている

不倫相手との間に子供ができていている場合、配偶者に与える精神的ダメージは大きいでしょう。以下は、不倫のうえでの妊娠・出産などが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

妻が、茶会で知り合った男性と不貞行為を働き、不倫男性との子供を妊娠・出産したという事例です。この事例では、一度の流産を経て、不倫男性との子供を出産しています。不倫関係が開始してからは、夫婦はセックスレスの状態にあり、子供もいませんでした。裁判では、不倫男性との子供を出産したこと・婚姻期間が12年間であること・不貞関係が2年半以上に及ぶことなどの事情が考慮され、不倫男性に対する250万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和2年8月4日:Westlaw Japan 文献番号 2020WLJPCA08048003)

不倫による精神的ダメージで病気を発症している

不倫による精神的ダメージでうつ病などの病気を発症してしまったケースでは、慰謝料が高額になる傾向にあります。以下は、不倫が原因で病気を発症したことなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

内科医の妻が、当時研修医だった男性と不貞行為を働き、夫がうつ病とPTSDを発症したという事例です。この事例では、夫婦で2人の子供(当時10歳・12歳)を育てながら、妻が不倫男性との子供を出産しました。裁判では、夫が通院を継続していること・小学生の娘が2人いること・不倫男性との子供を出産したことなどの事情が考慮され、不倫男性に対する300万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和3年1月20日:Westlaw Japan 文献番号 2021WLJPCA01208011)

相手が不倫していることを認めない

反省の態度などが一切みられない場合、慰謝料が高額になる可能性があります。以下は、相手が不誠実な態度をとっていることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

デイサービス施設長の夫が、当時同じ施設で働いていた女性と不倫関係にあったことについて、口裏合わせをするなどして否定した事例です。この事例では、妻の要望で、不貞行為を謝罪する誓約書作成に応じたものの、結局その後も不倫関係を続けたうえ、訴えられた際の対策として「知り合い以上の関係にはない」と事前に口裏合わせをしていました。裁判では、提訴前後の夫の態度が不誠実であること・不貞行為により生じた被害者の精神的苦痛などが考慮され、不倫女性に対する200万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和2年8月24日:Westlaw Japan 文献番号 2020WLJPCA08248002)

相手の社会的地位が高い・収入や資産が多い

年齢・社会的地位・資力なども、慰謝料額算定に考慮され得ます。以下は、社会的地位の高さなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

看護師の妻が、当時同じ病院で働いていた男性医師(当時55歳)と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、男性医師は夫婦に子供(当時2歳)がいることを知りながら、妻を連れ出して子供一人だけ置き去りにしており、夫から追及された際も「他人の家庭のことは分からない」などと述べていました。裁判では、男性医師の年齢や社会的地位を踏まえると軽率かつ自分勝手な行為であること・不貞行為により生じた被害者の精神的苦痛などが考慮され、不倫男性に対する250万円の慰謝料請求が認められています。(参考:東京地裁判決令和元年5月30日:Westlaw Japan 文献番号 2019WLJPCA05308023)

慰謝料が低額になりやすいケース・事例

以下のようなケースでは、慰謝料が低額になる可能性があります。

婚姻期間が短い

婚姻期間が短いほど、慰謝料は低額となる傾向にあります。以下は、婚姻期間の短さなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

6ヶ月間夫婦生活を送っていた妻が、知人男性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、夫婦はすでに一度結婚・離婚しており、再婚後に不貞行為が発覚したことで、再び離婚に至りました。裁判では、不貞行為が原因で離婚に至ったことが認められたものの、婚姻期間の短さなどが考慮され、不倫男性に対する慰謝料として90万円が相当と判断されました。(参考:東京地裁判決平成30年6月27日:Westlaw Japan 文献番号 2018WLJPCA06278003)

不貞行為が1回のみ

不貞行為が1度のみの場合、悪質性が比較的低いと評価され、慰謝料が低額となる傾向にあります。以下は、不貞行為が1回のみであることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

夫が知人女性と1度不貞行為に及んだという事例です。この事例では、夫自身が1度だけでなく何度も不貞行為を働いたことを供述していましたが、具体性や裏付けがないことから認定されていません。裁判では、不貞行為が1度のみであることや、婚姻期間が6ヶ月程度であることなどが要因となり、不倫女性に対する慰謝料として40万円が相当と判断されました。(参考:東京地裁判決令和元年10月30日:Westlaw Japan 文献番号 2019WLJPCA10308029)

不倫発覚前から夫婦関係が破綻寸前だった

すでに夫婦関係が破綻寸前であれば、不倫により夫婦関係に与える影響は小さいと評価される可能性があります。以下は、夫婦関係が破綻寸前であることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

7年間別居状態にあった夫婦の夫が、看護師の女性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、不倫関係が始まる前から夫婦が別居状態にあったほか、夫によって離婚調停・離婚訴訟が申し立てられていました(調停は不成立・訴訟は棄却)。裁判では、婚姻期間が約15年半であることなどを踏まえても、夫婦関係は破綻こそしていないが良好ではなかったことや、継続的な不倫関係が認められなかったことなどが考慮され、不倫女性に対する慰謝料として80万円が相当と判断されました。(参考:東京地裁判決令和2年9月2日:Westlaw Japan 文献番号 2020WLJPCA09028006)

不倫の落ち度が自分にもある(例:自身にも不倫の経験がある など)

自分にも落ち度があると評価されれば、慰謝料も低額になりやすいでしょう。、以下は、不貞をされた側にもある程度の落ち度があることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

夫婦関係がうまくいっていない夫が、同僚女性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、不倫関係が開始する前から妻が性交渉を拒否していたり、無断で実家に帰ったりしていたほか、夫の生活態度に対する抗議の意味を込めて離婚届を提出したりするなどの行動もありました。裁判では、不貞行為によって夫婦関係が破綻した事実は認められるものの、そもそも不倫関係が開始する前から夫婦間の協力意思が薄く、夫婦のあり方自体にも問題があったとして、不倫女性に対する慰謝料として30万円が相当と判断されました。(参考:東京地裁判決平成21年11月26日:Westlaw Japan 文献番号 2009WLJPCA11268011)

不倫したことを謝罪している・社会的制裁を受けている(例:退職している など)

謝罪や社会的制裁などがあった場合、「被害者の精神的苦痛を埋めるもの」として考慮されることがあります。以下は、すでに社会的制裁を受けていることなどが考慮されて慰謝料算定された裁判例です。

2人の子供(当時4歳・10歳)を抱える夫婦の夫が、既婚者である知人女性と不貞行為に及んだという事例です。この事例では、妻が、夫・不倫女性・不倫女性の夫などに対して強硬な態度で交渉に臨んだ結果、不倫女性は夫との離婚に至っています裁判では、夫婦間に子供がいることなどを踏まえつつ、不倫女性が夫と離婚したことについて相応の社会的制裁を受けたものと考慮して、不倫女性に対する慰謝料としては90万円が相当と判断されました。(参考:東京地裁判決平成30年1月29日:Westlaw Japan 文献番号 2018WLJPCA01298010)

不倫の慰謝料を獲得するための重要な証拠

不倫されて慰謝料を請求するには、証拠収集が重要です。証拠がなくても請求自体は可能ですが、もし相手側が不倫関係を否定している場合、慰謝料請求する側が事実を立証しなければいけません。

その際、十分な証拠を揃えていなければ、仮に裁判に持ち込んでも慰謝料請求が認められない可能性が高いでしょう。

ここでは、慰謝料請求の際に証拠になり得るものについて解説します。

配偶者と不倫相手に肉体関係があったと推測できる写真・動画

以下のような写真・動画データは、一般的に証拠価値が高いでしょう。ただし、画像がブレていたり不鮮明だったりすると証拠として使用できない可能性もあるため、お互いの顔がはっきり写った写真・動画である必要があります。

不倫事実について認めている音声データ

「一度だけならと思って不倫した」「不倫によって家族に迷惑をかけて申し訳ない」など、相手が不倫した事実を認めている音声データ・自認書・謝罪文なども証拠になり得ます。

なお、音声データの場合、不倫事実を認めている部分しか録音していないと、のちのち「無理やり言わされた」などと反論される可能性もあるでしょう。このような反論をさせないためにも、やり取りは全て録音しておくことをおすすめします。

LINE・メールなどの記録

配偶者と不倫相手とのLINEやメールなどのやり取りも証拠になり得ます。これら単体では不倫の事実を立証するのに不十分なケースも多いですが、複数の証拠と組み合わせることで不倫の事実を立証できる可能性はあります。

たとえば、配偶者と不倫相手がデートしている動画が撮れたとしても、それだけでは不貞を証明するのは難しいでしょう。しかし、同日にLINEなどで肉体関係を思わせるやり取りがあれば、不貞の立証はしやすくなるはずです。

なお、LINEやメールなどは履歴を消すなどして証拠隠滅される恐れもありますので、やり取りの画面を写真に撮ったり、自分のスマホにデータ転送したりして証拠化することも検討しましょう。

ラブホテルのレシート・クレジットカードの利用履歴

ラブホテルのレシートやクレジットカードの利用履歴なども、それのみでは証拠価値は低いかもしれませんが、複数の証拠と組み合わせることで不貞の事実を立証できる可能性があります。

例えば、レシートやクレジットカードの利用履歴だけでは、「誰とラブホテルに行ったのか」までは分かりませんし、「1人で休むために入った」「仕事の打ち合わせで使っただけ」などの言い訳をされることもあるでしょう。

しかし、不倫相手とのLINEやメールで「昨日は楽しかった。またホテル行こうね」などのやり取りが残っており、レシートやカード利用履歴の日付が一致すれば、不貞の立証はしやすくなるはずです。

探偵が作成した調査報告書

探偵に不倫調査・浮気調査を依頼した際に作成される「調査報告書」も、証拠として使用できる場合があります。

※原一探偵事務所様より提供いただいた調査報告書写真

調査報告書には、調査期間内の行動記録(「どこに行ったのか」「誰と接触していたのか」など)や、調査員による所見(一緒にいた人物との親密性など)が記載されます。

ただし、事務所ごとに調査報告書のクオリティは異なり、画像や映像が不鮮明で証拠として使用できないこともあり得ます。不倫調査を依頼する際は、信頼できる事務所に依頼しましょう。

不倫の慰謝料を請求する方法

慰謝料は相手に直接請求することも可能ですし、裁判を起こして請求することも可能です。ここでは、慰謝料の請求方法について解説します。

直接交渉する

相手方と連絡を取って話し合いができる状況であれば、直接交渉することも可能です。ただし、できれば「周りに人がいる場所」で交渉を行うほうが良いでしょう。

2人きりでの交渉の場合、後になって「脅された」などの言いがかりをつけられてトラブルになる可能性もなくはありません。

交渉が成立した場合には、必ず合意内容を示談書などの形で書面化しましょう。書面化しないと、後になってから「言った言わない」の争いになる可能性が高いです。

書面を作成した後は、公証役場に持っていき公正証書にしてもらうのも効果的です。執行認諾文言付きの公正証書にしておけば、もし相手方が合意内容通りに慰謝料等を支払ってくれない場合、訴訟手続きを踏むことなく強制執行を行うことが可能です。

どのような内容の公正証書を作成すれば良いかは、事前に弁護士に相談しておくのが良いでしょう。

内容証明郵便を送る

直接交渉するのが難しい場合は、内容証明郵便を送付して請求するという手段もあります。内容証明郵便とは、「差出日・差出人・宛先・書類内容」などを郵便局が証明してくれるサービスです。

内容証明郵便によって慰謝料書の送付をすると、その請求通知書には慰謝料の金額と支払い期限が記載されていることが通常です。

なお、内容証明郵便を送っても、あくまでも任意での支払いを促すものですので、支払いに応じるかどうかは相手次第です。それでも、慰謝料請求の強い意思があることを伝えるという意味では有効ですし、相手によっては、のちのち裁判などに発展することを恐れて支払いに応じることもあるでしょう。

調停を行う

上記の方法では慰謝料の支払いに応じてくれない場合は、裁判所を介して請求することになります。方法は調停・裁判の2種類あります。

調停では、裁判所において、調停委員を交えて話し合いを進めます。基本的に、当事者同士で顔を合わせることはありません。当事者間で合意できれば調停成立となりますが、いくら話し合っても合意が困難な場合には調停不成立となります。

裁判を起こす

最終的には訴訟で解決を図ることになります。裁判の場合、特に法律的な知識が求められるため、基本的には弁護士に依頼した方が良いでしょう。

裁判では、裁判所において、それぞれ主張及びそれを裏付ける証拠を提出します。

場合によっては、裁判官から和解案が提示されることもあります。双方が和解案を受け入れれば判決を待たずに終了となりますが、もしどちらか一方でも応じなければ判決を待つことになります。

不倫慰謝料の請求・増額に関する交渉は、弁護士に依頼することでスムーズに進みます。無料相談が可能な弁護士事務所も多くありますので、まずはあなたの抱えているトラブル・ご状況について話してみましょう。

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不倫慰謝料に関する相談なら弁護士がおすすめ

慰謝料を請求したいと考えている方は、弁護士に相談することをおすすめします。ここでは、弁護士に相談するメリット・弁護士費用・弁護士の選び方などを解説します。

弁護士に相談するメリット

不倫の慰謝料について弁護士に相談した場合、以下のようなメリットが望めます。

慰謝料が増額できる可能性が高まる

不倫に関する慰謝料相場はあくまで一つの目安に過ぎず、個々の事情によっては相場から大きく外れることもあります。不倫慰謝料について知識がないと、本来であればもっと受け取れたにもかかわらず損をしてしまうこともあるでしょう。

弁護士は、依頼者の利益を優先して動いてくれます。いくら請求できそうかアドバイスしてくれたり、増額要素の見落としがないかチェックしてくれたりしますので、自力で請求するより増額することもあるでしょう。

慰謝料請求に関する面倒な手続きや交渉を全て任せられる

どのような手段であれ、慰謝料を受け取るためには手間と時間がかかります。慰謝料請求の知識や経験もなく、まだ不倫のショックやストレスが癒えていない方にとっては、大きな負担になるでしょう。

弁護士には、慰謝料請求の手続きを任せることができます。基本的には請求相手と顔を合わせる必要もなくなりますし、法律知識が求められる裁判などでもスムーズに対処してくれるでしょう。

裁判に発展する前に早期解決できる可能性がある

慰謝料請求がスムーズに行えるかどうかはケースバイケースです。金額交渉で揉めることもありますし、そもそも請求に応じてくれないこともあるでしょう。素人同士では、解決が長引くことも珍しくありません。

弁護士という第三者が間に入ることによって、早期解決に向けたサポートが期待できます。たとえば、交渉対応を依頼した場合には、相手の主張に対して法的視点から的確に反論してくれたり、妥当な落とし所を見極めてくれたりして、早期決着に至ることもあるでしょう。

また、内容証明郵便での請求対応を依頼した場合には、こちらに不利益が生じないようにしつつ、相手がプレッシャーを感じるような内容の書類を作成してくれます。さらに、弁護士名義で送付してくれるため、受け取った相手が態度を一転させることもあるでしょう。

弁護士費用の相場

不倫に関する慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、費用相場は以下の通りです。ただし、事務所ごとに料金設定にはバラつきがありますので、より具体的な金額を知りたい方は事務所に直接ご確認ください。

費用項目 相場
相談料 0~5,000円程度/30分
着手金 20~30万円程度
報酬金 獲得した金銭の10~20%程度
実費 対応内容によって異なる
(交通費・通信費・収入印紙代・郵便切手代など)
日当 1~2万円程度/日

たとえば「着手金:20万円、報酬金:獲得した金銭の20%」という料金設定の事務所であれば、慰謝料額に応じて以下の費用が発生します。

獲得した慰謝料金額 費用合計
50万円 20万円(着手金)+10万円(報酬金)=30万円
100万円 20万円(着手金)+20万円(報酬金)=40万円
300万円 20万円(着手金)+60万円(報酬金)=80万円
500万円 20万円(着手金)+100万円(報酬金)=120万円

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弁護士の選び方

弁護士にはそれぞれ得意分野があり、解決実績なども人によってさまざまです。弁護士だからといって、必ずしも不倫慰謝料について知識やノウハウがあるわけではありませんので、自身で弁護士を選ぶ際は注意しましょう。

不倫慰謝料に注力している弁護士を探す際は、離婚弁護士ナビがおすすめです。離婚弁護士ナビでは、相談内容ごとに、お住まいの都道府県に対応している弁護士事務所を一括検索できます。無料相談可能・土日祝の相談可能・オンライン相談可能・電話相談可能など様々な事務所がありますので、まずは一度ご相談ください。

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まとめ

配偶者や不倫相手に対する慰謝料請求が認められるためには、「不貞行為が原因で夫婦関係が破綻したこと」「自由意思に基づいた不貞行為だったこと」「故意・過失があったこと」などの要件を満たしていなければいけません。

慰謝料相場は50~300万円程度ですが、婚姻生活の長さ・不貞行為の悪質性・精神的損害の大きさなど、さまざまな要素によって金額は変わります。自分のケースではいくらが妥当か気になる方は、弁護士に相談してみましょう。

弁護士には請求対応を一任でき、慰謝料の増額や早期解決が望めますので、請求対応が不安な方には特におすすめです。不倫慰謝料に注力している弁護士を探す際は、相談内容・対応地域から探せる離婚弁護士ナビをご利用ください。

この記事の調査・編集者
ぐっぴー
法律ライターとして入社後、新規事業部のコンテンツSEO、外部ライターディレクション、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティングに従事。ほぼ全ての法律分野の執筆に携わる。