性風俗店で「本番強要」(レイプ)は犯罪|逮捕後の流れ・示談時の注意点・強制性交等罪の成立要件

性風俗店で「本番強要」(レイプ)は犯罪|逮捕後の流れ・示談時の注意点・強制性交等罪の成立要件

性風俗店では、キャストと客が性交渉をする「本番行為」が禁止されています(本番行為を容認している性風俗店は、売春防止法違反により罰せられます)。

店舗のルールに反して、キャストに対して本番行為を強要(レイプ)した場合、強制性交等罪により重罰が科される可能性があります。

もし風俗店でレイプをしてしまった場合には、速やかに弁護士までご相談ください。

今回は性風俗店での本番行為について成立する犯罪や、逮捕後の流れ、示談に関する注意点などを解説します。

刑事事件について弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

刑事事件弁護士ナビは加害者や加害者家族向けです

被害者の方やその他のお悩みは法テラスへご相談ください

この記事を監修した弁護士
阿部 由羅
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。

性風俗店での本番行為は犯罪?レイプの罪について知っておくべきこと

性風俗店では性的なサービスが提供されていますが、性交渉(性器の挿入)を容認する営業は違法であるため、いわゆる「本番行為」は禁止されています。

もし店舗のルールに反して本番行為をしてしまった場合には、強制性交等罪などの責任を問われる可能性があるので、十分ご注意ください。

レイプには「強制性交等罪」が成立しうる

強制性交等罪(刑法177条)とは、無理やり性交などを強要する行為について成立する犯罪です。

俗に「レイプ(rape)」と呼ばれている行為が、強制性交等罪による処罰の対象となります。

レイプがおこなわれる状況はさまざまなパターンがあり得ますが、強制性交等罪は、夫婦同士・恋人同士・友人同士・性風俗店での性行為などの状況を問わず成立します。

つまり、相手の同意なく無理やり性交などを強要した場合には、どんな状況であっても強制性交等罪により処罰される可能性があるのです。

強制性交等罪の構成要件

強制性交等罪は、以下の構成要件(犯罪の成立要件)をいずれも満たす場合に成立します。

暴行・脅迫を用いて、被害者の反抗を著しく困難にしたこと

強制性交等罪は、「暴行または脅迫」を用いて性交等をした場合に成立します。

この「暴行または脅迫」とは、被害者の反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要と解されています。

これに対して暴行・脅迫が犯行を著しく困難にする程度に至らない場合や、そもそも暴行・脅迫がなかった場合には、強制性交等罪は成立しません。

反抗困難状態で性交・肛門性交・口腔性交をおこなったこと

強制性交等罪の対象行為は、性交(セックス)・肛門性交(アナルセックス)・口腔性交(オーラスセックス)の3つです。

これらの行為を、被害者の反抗困難状態が継続している間に行った場合、強制性交等罪が成立します。

一方、被害者が反抗困難状態ではなかった場合、強制性交等(既遂)罪は成立しません(後述する未遂罪が成立する可能性はあります)。

また、性交・肛門性交・口腔性交以外の性的行為(キス・体を触る行為など)は、強制性交等罪ではなく「強制わいせつ罪」(刑法176条)による処罰の対象です。

酒や薬物などで抵抗できなくした場合は「準強制性交等罪」が成立

性風俗店に酒や薬物などを持ち込み、キャストに飲ませて心神喪失・抗拒不能状態に陥らせ、その状態で性交等をした場合は「準強制性交等罪」(刑法178条2項)により処罰されます。

直接的な暴行・脅迫を用いなくても、何らかの方法でキャストの抵抗を抑え込んで性交等をすれば、犯罪の責任を問われる点に注意が必要です。

強制性交等罪・準強制性交等罪の法定刑

強制性交等罪・準強制性交等罪の法定刑は、いずれも「5年以上(20年以下)の有期懲役」です。

減軽事由がない限り、実際の刑罰は懲役5年以上となるため、執行猶予が付されず常に実刑となります(刑法25条1項)。

強制性交等罪・準強制性交等罪は、それだけ重罪であることを十分にご認識ください。

強制性交等罪・準強制性交等罪は未遂も処罰対象

強制性交等罪・準強制性交等罪は、いずれも未遂の段階であっても処罰の対象となります(刑法180条)。

たとえば暴行・脅迫を用いて性交を迫ったものの、キャストに拒否された場合には、強制性交等未遂罪が成立します。

未遂犯は刑の減軽が可能とされていますが(刑法43条)、必ず減軽されるわけではありません。

したがって刑法上は、強制性交等罪・準強制性交等罪と同様に、最長20年の懲役刑が科され得る点に注意が必要です。

性風俗店でのレイプも犯罪|同意の推定は働かない

強制性交等罪・準強制性交等罪は、性風俗店のキャストに対しても成立します。

「性風俗店だから、性交についても流れで受け入れてくれると思っていた」

このような言い訳は通用しません。

そもそも店舗のルールで本番行為は禁止のはずですから、キャストが性交渉に同意していたという推定は働きません。

性交渉を拒否するキャストの抵抗を困難にして性交等を行えば、性風俗店であっても強制性交等罪・準強制性交等罪に責任を問われます。

「その場の気分」に流されて重罪を犯してしまわないように、性風俗店を利用する際には十分ご注意ください。

レイプの容疑で逮捕されてしまった場合の刑事手続きの流れ

レイプ(強制性交等罪・準強制性交等罪)の被疑事実で逮捕された場合、その後起訴され、最終的に刑事裁判で有罪判決を受ける可能性があります。

逮捕後の刑事手続きの流れは、以下のとおりです。

1.【逮捕後、48時間以内】警察官の取調べ

逮捕された被疑者は、まず留置場で警察による取調べを受けることになります。

被疑者には黙秘権があるため、警察の質問に対しては、答えるか答えないか自由です。

また、被疑者は弁護人を選任することもできます。

資力がない場合には、国の費用で国選弁護人を選任することも可能です。

なお、警察官は逮捕時点から48時間以内に、被疑者を書類・証拠物とともに警察官へ送致する義務を負っています(刑事訴訟法203条1項。ただし、微罪処分とする場合を除きます)。

したがって、逮捕直後から始まる警察の取調べは、逮捕から48時間以内に一段落することになります。

2.【逮捕後、72時間以内】検察官の取調べ

検察官は、警察官から被疑者の送致を受けた直後に、被疑者に対して取調べをおこないます。

逮捕段階における検察官の取調べの目的は、逮捕よりも長い身柄拘束処分である「勾留」の必要性を判断することです。

検察官は犯罪の重大性に加えて、罪証隠滅や逃亡のおそれがあるかどうかなどを考慮して、勾留の必要性を判断します。

勾留の必要性を判断するため、検察官は以下の質問をおこなうことが予想されます。

  • 被疑者の住所
  • 家族の有無
  • 職業
  • 住んでいる家は持ち家か賃貸か  など

事件に関する具体的な質問が行われるケースもありますが、本格的な取調べは勾留後に(勾留されない場合は在宅で)行われることが多いです。

検察官は、警察官から送致を受けた後24時間以内(かつ逮捕後72時間以内)に、以下のいずれかを選択して実施しなければなりません(刑事訴訟法205条)。

  • 裁判官に被疑者の勾留を請求する
  • 被疑者について公訴を提起する(起訴する)
  • 被害者を釈放する

実務上は、逮捕段階で直ちに被疑者が起訴されるケースはほとんどなく、勾留請求または釈放のいずれかとなるのが通常です。

3.【10日間、延長でプラス10日】勾留

裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ以下のいずれかに該当する場合に勾留状を発行します(刑事訴訟法207条1項、60条1項)。

  • 被疑者が定まった住居を有しないとき
  • 被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 被害者が逃亡し、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき

当初の勾留期間は最長10日間ですが(刑事訴訟法208条1項)、やむを得ない事由がある場合にはさらに10日間の勾留延長が認められることがあります。

したがって、起訴前の勾留期間は最長で20日間、逮捕期間と通算すると最長で23日間です。

4.【逮捕後、最長23日以内】検察官による起訴・不起訴の判断

逮捕・勾留を合わせた最長23日間のうちに、検察官は被疑者を起訴するかどうか判断します。

起訴・不起訴の判断は、完全に検察官の裁量事項です(起訴独占主義。刑事訴訟法247条)。

犯罪の嫌疑が確実であっても、犯罪の性質や被疑者の更生可能性などを考慮して、起訴が見送られることもあります(起訴猶予処分)。

被疑者が起訴された場合、起訴前勾留から起訴後勾留へと自動的に切り替わり、引き続き被疑者の身柄は拘束されたままです。

ただし、起訴後勾留へと移行してからは、保釈保証金を預託することを条件に保釈が認められることもあります(刑事訴訟法89条、90条)。

5.【起訴後、約1か月後~】刑事裁判

被疑者が起訴されてから1か月程度後の時期に、第一回公判期日が開催され、刑事裁判が始まります。

公判期日では、検察官が被疑事実を立証し、被疑者はそれに反論する形で審理が進行します。

被疑者の方針としては、罪を認めたうえで情状酌量を求めるか、被疑事実を否認して争うかの2通りです。

最終的に、裁判所が有罪または無罪の判決を言い渡し、控訴・上告の手続きを経て判決が確定します。

有罪判決が確定した場合は、判決内容に従って刑が執行されます(量刑によっては執行猶予が付されることもあります)。

性風俗店におけるレイプのトラブルに関するQ&A

性風俗店における本番強要について、トラブルの当事者から寄せられることの多い疑問点に回答します。

性風俗店で禁止の本番行為はすべて犯罪に該当する?

性風俗店で本番行為をすることは、店舗のルールには違反するものの、必ず犯罪が成立するわけではありません。

たとえば強制性交等罪については、暴行・脅迫により、被害者の反抗を著しく困難にしたことが成立要件となっています。

したがって、キャストの同意があった場合・暴行・脅迫がなかった場合には、強制性交等罪は成立しません。

店舗の禁止行為に該当するかどうかと、犯罪が成立するかどうかは別の問題であり、それぞれ個別に検討する必要があります。

性風俗店から示談を持ち掛けられたから承諾した方がいい?

仮に強制性交等罪などによって起訴されたとしても、被害者と示談が成立したことは被告人にとって良い情状として働き、重い刑事罰を回避できる可能性があります。

そのため、示談は積極的に検討すべきですが、あくまでも被害者であるキャスト本人と示談をおこなうことが必要です。

店舗だけと示談をしても、被害者との示談とは認められない点にご注意ください。

なお店舗からも、業務妨害などを理由に損害賠償を請求される可能性はあります。

そのため、店舗とも一定の金額で示談をおこないつつ、並行してキャストとの示談を目指す方針をとるのがよいでしょう。

示談金の適正額はどのくらい?

レイプ被害に関する示談金額は、被害者・加害者間の協議によって決まります。

100万円~500万円程度の間となるケースが多いですが、行為の悪質性・加害者の支払能力・被害感情の大きさなどの事情によるため、一概に言えません。

また、店舗との示談についても同時に問題となるケースが多く、総合的な観点から対応する必要があります。

そのため、弁護士に示談交渉を依頼して、適正額による示談を目指すのが得策です。

性風俗店でレイプをしてしまったときに弁護士に依頼するメリット

性風俗店でキャストに本番強要をしてしまい、刑事・民事上の法的責任を追及された場合には、弁護士へのご依頼をおすすめいたします。

弁護士に依頼することの主なメリットは、以下のとおりです。

示談での解決を目指すことができる

弁護士は、店舗・キャストとの各示談交渉を全面的に代行し、早期に示談を成立させられるよう尽力してくれます。

重い刑事処分をできる限り回避し、穏便に事態を収拾するためには、弁護士に示談交渉を任せることがもっとも成功率の高い方法です。

性風俗店からの不当な請求を拒否できる

性風俗店は、本番強要などを行った客に対して、法外な損害賠償を請求してくることがあります。

本番強要をしたこと自体には非があっても、法外な損害賠償を店舗の言い値で支払う必要はありません。

弁護士に依頼すれば、店舗からの不当な損害賠償請求をブロックし、適正な条件で示談を成立させられる可能性が高まります。

家族・職場にバレないように解決を目指せる

弁護士は職務上の秘密保持義務を負っているため(弁護士法23条)、本人に無断で依頼内容を第三者に開示することはありません。

性風俗店の利用に関するトラブルを、家族や職場へ内密にしつつ解決を図るためには、弁護士を代理人として対応することをおすすめいたします。

後のトラブルを未然に防ぐことができる

店舗やキャストとの間で示談をおこなう場合、示談書を作成・締結して合意内容を明確化することが大切です。

示談書を作成しなかったり、示談書の内容に不備があったりすると、後に相手方からトラブルを蒸し返されてしまう可能性が否定できません。

弁護士には、示談書の文案作成や相手方との調整についても全面的に任せられます。

きちんとした示談書を作成して、店舗・キャストとのトラブルを完全に解決するためには、弁護士に依頼するのが安心です。

まとめ

性風俗店で禁止されている本番行為(性交等)をおこなうと、状況によっては犯罪の責任を問われる可能性があります。

性風俗店を訪問する際には、必ず店舗の定めたルールを守ったうえでご利用ください。

万が一性風俗店との間でトラブルになってしまったら、穏便な形で事態の収拾を図るため、弁護士へのご相談をおすすめいたします。

刑事事件について弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北 北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東 東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越 山梨新潟長野富山石川福井
東海 愛知岐阜静岡三重
関西 大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国 鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄 福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

刑事事件弁護士ナビは加害者や加害者家族向けです

被害者の方やその他のお悩みは法テラスへご相談ください

この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。