傷害罪は、全刑法犯のなかでも発生件数の多い犯罪です。
令和2年版の犯罪白書によると、1年間で21,188件が認知されています。
うち17,987件・20,105人が検挙され、84.9%という高い検挙率が記録されているのが現状です。
引用元:令和2年版犯罪白書|法務省
友人・知人など顔見知りの間で起きることが多く、ささいなトラブルが原因となることが多い犯罪なので「誰もが加害者になってしまうおそれがある」といえるでしょう。
傷害事件の加害者として容疑をかけられてしまったときは弁護士のサポートが欠かせません。
では、弁護士に依頼するとどのようなサポートが期待できるのでしょうか?
傷害罪とはどのような犯罪なのか、弁護士によって期待できる活動を解説します。
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傷害罪は刑法第204条に規定されている犯罪です。
(傷害)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。引用元:刑法|e-Gov
ニュースに目を向けると、毎日のように傷害事件の発生が報道されています。
知人を殴って怪我をさせた、家族ともめて暴力をふるい怪我をさせた、子どもを虐待した、復縁を迫るうちに元恋人を刃物で刺したなど、その態様はさまざまです。
傷害罪は「人の身体を傷害した」場合に成立する犯罪です。
単純には暴力をふるって相手に怪我を負わせれば成立しますが、法的にみるとさらに詳しい要件を満たさなければなりません。
傷害罪の成立要件を法的な視点から見ていきましょう。
傷害の原因となる「暴行」にはさまざまな態様があります。
これらの行為はすべて暴行にあたるといえますが、傷害罪が成立するのはこれらの暴行に「故意」がある場合に限られます。
「故意」の意味を知るには、刑法第38条1項が参考になるでしょう。
(故意)
第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。引用元:刑法|e-Gov
条文を見ると「罪を犯す意思があること」を故意と呼ぶものと考えられます。
さまざまな学説がありますが、刑法学者の間でも「行為者が犯罪の実現を認容していること」と考えるのが通説です。
つまり、相手に暴力をふるうという意思がなく、不可抗力やミスなどによって相手に有形力が作用してしまった場合は「故意による暴行」とはいえません。
傷害罪が成立するのは、暴行が原因となって相手を傷害したときです。
ここでいう傷害とは、法的には「人の身体の生理的機能を害すること」と定義されています。
典型的には物理的に怪我を負わせることを意味しますが、そのほかにも病気・精神障害といった結果をもたらした場合も処罰の対象です。
なお、暴行行為と相手の傷害の間には因果関係が必要です。
暴行を加えたものの傷害にいたらなかったとすれば、傷害罪は成立しません。
「暴行罪」は傷害罪と非常に近い存在であり、どちらが成立するのかが争われるケースも多い犯罪です。
暴行罪とはどのような犯罪なのか、傷害罪とはどのような違いがあるのかを確認しましょう。
暴行罪は刑法第208条に規定されている犯罪です。
(暴行)
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。引用元:刑法|e-Gov
条文をみると「傷害」という用語が登場していることがわかるでしょう。
刑法は全40章からなる法律ですが、暴行罪と傷害罪はいずれも第27章の「傷害の罪」に規定されています。
このような点からも、暴行罪と傷害罪が非常に近い存在であることは明らかです。
暴行罪と傷害罪を区別するのは「傷害の有無」です。
傷害罪は「暴行によって人の身体を傷害した者」を罰するものですが、暴行罪は「暴行を加えたが人の身体を傷害するに至らなかった者」を処罰の対象としています。
つまり、同じ暴行行為をはたらいても、相手が怪我をすれば傷害罪が成立し、相手に怪我がなければ暴行罪の成立にとどまるわけです。
このような関係をみると、暴行罪にあたる行為が基本形で、その結果に応じて傷害罪へと発展することがわかります。
この考えかたを刑法では「結果的加重犯」といいます。
結果的加重犯にあたる犯罪では、より悪い結果を生じさせた場合に厳しく罰せられることになります。
傷害罪に問われた場合はどのような刑罰を受けるのでしょうか?
刑法に定められている傷害罪の刑罰は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
裁判官が審理したうえで、15年以下の懲役か、または50万円以下の罰金のいずれかが科せられます。
最高で15年にもわたって刑務所に収監されてしまうという点をみれば非常に重たい刑罰ですが、一方で罰金を納めることで済まされる可能性もあるという点にも注目すべきでしょう。
実際の刑事裁判では、法定刑の範囲内で裁判官が適切と考える刑罰を言い渡します。
ここで言い渡されるのが「量刑」です。
令和2年中に全国の地方裁判所で審理された傷害事件において懲役を言い渡されたのは2,236人、罰金を言い渡されたのは324人でした。
量刑の分布は次のとおりです。
20年以下 | 実刑 | 2人 |
15年以下 | 実刑 | 1人 |
10年以下 | 実刑 | 10人 |
7年以下 | 実刑 | 18人 |
5年以下 | 実刑 | 67人 |
3年 | 実刑 | 32人 |
一部執行猶予 | 1人 | |
全部執行猶予 | 77人 | |
2年以上 | 実刑 | 128人 |
一部執行猶予 | 2人 | |
全部執行猶予 | 380人 | |
1年以上 | 実刑 | 256人 |
一部執行猶予 | 2人 | |
全部執行猶予 | 767人 | |
6か月以上 | 実刑 | 216人 |
一部執行猶予 | 1人 | |
全部執行猶予 | 251人 | |
6か月未満 | 実刑 | 25人 |
一部執行猶予 | 0人 | |
全部執行猶予 | 6人 | |
100万円以上 | 1人 | |
50万円以上 | 23人 | |
30万円以上 | 102人 | |
20万円以上 | 101人 | |
10万円以上 | 89人 | |
5万円以上 | 7人 | |
3万円以上 | 1人 |
【参照元】
・通常第一審事件の有罪(懲役・禁錮)人員 罪名別刑期区分別 全地方裁判所|裁判所
・通常第一審事件の有罪(罰金)人員 罪名別罰金額区分別 全地方裁判所|裁判所
このデータをみると、6か月以上~3年未満の範囲で懲役を言い渡されている人の数が多いことがわかります。
ただし、1年以上3年未満の範囲では執行猶予つき判決を受けている人も多数です。
傷害事件を起こしたからといってかならず刑務所に収監されるわけではないことがわかるでしょう。
傷害事件において裁判官は次のような点を考慮して量刑を判断しているといわれています。
やはり、被害者にどの程度の怪我を負わせたのかという点が占めるウェイトは非常に重く、軽傷で済めば量刑は軽くなり、重傷を負わせれば厳しく処罰される傾向があります。
また、事件後に救護措置をとっているのか、謝罪のうえで賠償を尽くしているのかといった点も量刑判断に大きな影響を与えます。
刑法には、傷害罪や暴行罪のほかにも傷害に関する犯罪が規定されています。
傷害罪と密接な関係にあるほかの犯罪も確認しておきましょう。
傷害の結果、相手を死に至らしめた場合は刑法第205条の「傷害致死罪」が成立します。
法定刑は3年以上の有期懲役なので、最長で20年にわたって刑務所に収監されてしまう重罪です。
傷害致死罪は「殺人罪」との成立が争われやすい犯罪ですが、両者は「殺意の有無」によって区別されます。
傷害致死罪は加害者に傷害の故意があったとしても「相手を殺そう」という故意がない場合に適用されますが、殺人罪は殺意をもって相手を殺害した場合に成立するという違いがあります。
故意の暴行ではなかったとしても、相手に傷害という結果を生じさせてしまった場合は刑法第209条の「過失傷害罪」に問われます。
傷害の故意がないため、法定刑も30万円以下の罰金または科料という軽いものが予定されていますが、前科がついてしまうという点では決して軽視できません。
なお、業務上必要な注意を怠ったことで相手を負傷させた場合は「業務上過失致傷罪」、重大な過失があった場合は「重過失致傷罪」となり、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に加重されます。
傷害事件の加害者として容疑をかけられてしまった場合は、ただちに弁護士にサポートを依頼しましょう。
警察に逮捕されると、警察の段階で48時間以内、検察官の段階で24時間以内、合計72時間以内の身柄拘束を受けます。
さらに検察官による請求が認められてしまうと、最長で20日間にわたる勾留を受けて社会から隔離されるため、会社からの解雇、学校からの退学、離婚や離縁といったリスクが生じることになるでしょう。
素早い社会復帰を目指すためには、検察官による勾留の回避・阻止が欠かせません。
検察官に対して勾留請求をしないようにはたらきかけるとともに、裁判官に対して勾留は不要であることを説明し、勾留の回避・阻止に力を尽くします。
傷害事件において裁判官が量刑を判断する際に考慮する事情のひとつが「事件の悪質性」です。
たとえば、社会に対する不満を理由に「誰でもいいから傷つけてやろう」と考えて無差別傷害事件を起こしたケースと、人としての尊厳を傷つけられて立腹したため傷害に至ったエースとでは、事件の背景にある悪質性がまったく異なるでしょう。
加害者に寄り添い、傷害事件を起こすに至ったにはそれなりの事情や背景があったことを検察官・裁判官に主張するのも弁護士の大切な役割です。
傷害事件を穏便なかたちで解決するもっとも効果的な手段が「被害者との示談交渉」です。
被害者に対して真摯に謝罪し、治療費や慰謝料を含めた示談金を支払うことで、被害届や刑事告訴を取り下げが実現すれば、検察官による不起訴や刑事裁判における有利な判決の獲得が期待できます。
ただし、傷害事件の被害者との示談交渉は決して簡単ではありません。
被害者は加害者に対して強い怒りや嫌悪の感情を抱いているので、謝罪さえも受け入れてもらえないおそれがあります。
また、加害者本人が逮捕されているケースでは、身柄拘束を受けているため物理的にも示談交渉が不可能です。
弁護士に依頼すれば、代理人として示談交渉を一任できます。
第三者である弁護士が間に入ることで被害者の警戒心も解きほぐされるので、円滑な交渉が実現する可能性が高まるでしょう。
示談成立が早ければ、早い段階での身柄釈放も期待できます。
容疑をかけられてしまった時点で、すぐにアクションを起こして示談成立を目指すのが最善策です。
弁護士に傷害事件の弁護活動を依頼した場合は弁護士費用が発生します。
では、実際にどのくらいの弁護士費用を負担することになるのでしょうか?
弁護士費用は「1事件につきいくら」のようなパック料金ではなく、各項目に費用が設定されているのが一般的です。
また、依頼した際の着手金や依頼が成功した際の報酬金など、特殊な面も多いので複雑に感じる方も多いでしょう。
一般的な弁護士費用の内訳は次のとおりです。
内訳 | 相場 |
相談料 | 30分あたり5,000円 ※初回無料・分野によっては無料とする事務所も多い |
接見費用 | 1回あたり2~5万円 |
着手金 | 30~50万円 |
成功報酬 | 30~50万円 |
実費 | 事件の内容によって異なる |
日当・タイムチャージ | 1時間あたり1万円 |
合計 | 60~100万円程度 |
傷害事件の弁護士費用は、一般的な刑事事件と同じく60~100万円程度が相場だといわれています。
ただし、被害者に重大な傷害を負わせてしまったケースや、故意の傷害ではなかったのに容疑をかけられてしまったケースなどでは、難易度が高くなるため相場を超えてしまうこともめずらしくありません。
弁護士費用の負担を抑えるには、相談料や接見費用を無料としているなどのサービスが充実した弁護士を探すと効果的です。
ただし、刑事事件の弁護活動ではスピード感が大切なので、ゆっくり・じっくりと弁護士を比較して選んでいる余裕はありません。
傷害事件の解決が得意な弁護士をどれだけ素早く見つけられるかが大切です。
傷害事件をできるだけ穏便なかたちで解決するには、傷害事件の解決に力を注いでいて、数多くの実績をもつ弁護士を探すのが近道です。
傷害事件の解決が期待できる弁護士の探し方を紹介しましょう。
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傷害事件の解決実績が豊富な弁護士を探すもっとも簡単でスピーディーな方法は、弁護士紹介のポータルサイトを活用することです。
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まだ逮捕に至っていない段階で時間的な余裕があるなら、全国の各弁護士会による弁護士紹介制度を利用するのも有効です。
事前に事件名や事件の概要を説明しておけば、弁護士会を通じて適切な弁護士を紹介してくれます。
弁護士会によって対応が異なりますが、利用にあたって事前の予約やヒアリングが必要となる場合もあります。
まずは最寄りの弁護士会に問い合わせて利用方法を確認しましょう。
参考サイト:弁護士紹介センター|東京弁護士会
傷害罪には非常に厳しい刑罰が規定されています。
ただし、素早く弁護活動を尽くせば早期釈放や処分の軽減も期待できるので、穏便な解決を期待するなら「まずは弁護士に相談」という心構えが大切です。
家族がとつぜん傷害事件の加害者として逮捕されてしまった、友人や知人とのケンカで相手に怪我を負わせてしまい逮捕や刑罰に不安を感じているといった方は、傷害事件の解決が得意な弁護士に相談しましょう。
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