刑事告訴されたときの対処法|弁護士に依頼するメリットと費用

刑事告訴されたときの対処法|弁護士に依頼するメリットと費用

刑事告訴(けいじこくそ)とは、事件の被害者や被害者家族またはその代理人が、警察や検察庁などに犯罪事実を通告し、犯罪者へ処罰を求めることを言います。

似た言葉に「刑事告発」や「被害届」などの言葉がありますが次のような違いがあります。

刑事告訴
被害者や親権者その代理人などが捜査機関に対して「犯罪事実」を申告し、加害者の処罰を求める意思表示のこと
刑事告発
上記以外の第三者が捜査機関に対して犯罪の事実を申告し、犯人への処罰を求めること
被害届
被害者側が警察に「被害事実」を申告するための書類

※捜査機関(警察官・検察官・労働基準監督署など)

もしも刑事告訴されてしまうと、逮捕や勾留をうけ、最終的に起訴をされ刑事処分を受ける可能性も否定できません。刑事事件は早期から適切な対処をとらないと、今後の人生に大きな影響を与える可能性も十分にあるのです。

そこでこの記事では、刑事告訴されたらどうなるかについて、状況ごとに分けてまとめました。さらに対処法についても合わせてご紹介いたします。

また、刑事告訴されて逮捕される可能性があるという人のために、弁護士に依頼するメリットや、依頼したときの費用について解説しています。

もしも刑事告訴されてしまったら、この記事を参考に適切な対処を取るようにしてください。

この記事を監修した弁護士
梅澤 康二
梅澤 康二弁護士(弁護士法人プラム綜合法律事務所)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。


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刑事告訴されてから逮捕までの流れ

刑事告訴から逮捕までの流れ

刑事告訴されてから逮捕されるまでの流れは上記の通りです。

被害者が告訴状を提出し、捜査機関が受理すると捜査がおこなわれ、逮捕が必要と判断された場合、初めて逮捕となります。

被害者が告訴状を作成する

事件の被害者が、「犯罪の事実」を申告するとともに、加害者への処罰を求めるために告訴状を作成します。

このとき、事件の概要や被害の状況を告訴状に記載する、犯罪の事実を示す証拠があれば一緒に提出することが通常です。

捜査機関が告訴状(告発状)を受理する

被害者が提出した告訴状を見て、受理となった場合、捜査がおこなわれることになります。

なお、告訴状は提出しても受理されにくいといわれています。

確実に受理してもらうために、被害者側が弁護士に依頼して告訴状を作成してもらう、事件を立証する証拠をまとめてもらう、といったケースも少なくありません。

警察で捜査開始

告訴状が受理されると、警察などの捜査機関で事件に関する捜査がおこなわれます。

捜査が行われたからといって必ずしも逮捕されるとは限りません。ただし、この段階で警察から「被疑者の疑いがある」などといった連絡が入る可能性があります。

逮捕される

捜査の結果、被疑者が特定され必要があれば逮捕となります。

逮捕には3種類あり、令状を示して、逮捕理由を伝えてから逮捕する「通常逮捕」と、刑事訴訟法第210条に該当し、逮捕状がなくても逮捕できる「緊急逮捕」があります。

通常逮捕
逮捕令状を被疑者の前で示して、どんな犯罪の疑いがかけられているか、逮捕の理由は何かを伝えた上で逮捕となる方法です。
緊急逮捕
刑事訴訟法第210条に記載されている状況に該当する場合、逮捕状がその場になくても、逮捕の理由を告げれば逮捕できる方法です。

他に「現行犯逮捕」もありますが、現行犯逮捕は現に罪を行っているときにできる逮捕の種類なので、「刑事告訴されている」状況では、該当しません。

【緊急逮捕の根拠】

第二百十条  検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。

引用元:刑事訴訟法

逮捕後から起訴・不起訴が確定するまでの流れ

逮捕されてから起訴・不起訴までの流れ

逮捕後から起訴・不起訴が確定するまでの流れは上記の通りです。

逮捕されてから起訴・不起訴が確定するまでの期間は、最大で23日間です。

逮捕されてしまった場合、いち早く弁護士に依頼し、逮捕の回避・早期身柄解放・不起訴処分のための活動をしていかなければなりません。

起訴となり裁判が始まった後の流れ

起訴が確定し、裁判が始まった場合の流れを確認していきましょう。起訴後は公判を経て「有罪」または「無罪」の判決が下されることになります。

公判

公判(こうはん)とは、一般人が傍聴できる法定で刑事事件の裁判がおこなわれることをいいます。

具体的には、有罪か無罪かの判断に必要な証人調べや、被告人(犯罪を犯した人)に対する尋問がおこなわれます。

【根拠】

第八十二条  裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

引用元:日本国憲法

判決

判決とは、被告人に対して「有罪」か「無罪」が言い渡されることです。

これまでの内容などから裁判官が判断を下し、判決内容が決定されます。

有罪の場合

判決で有罪となった場合、罰金刑・懲役・執行猶予いずれかの処罰を受けることになります。

罰金刑の金額や、懲役・執行猶予の期間などは、事件の内容などにより異なります。

刑事告訴されたらすべきこと

刑事告訴された人がすべきことを状況別にまとめました。

相手から刑事告訴すると言われた、警察から事件に関して連絡が入った、罪を犯した覚えがないのに告訴されたという状況に分けて解説します。

相手から刑事告訴すると言われた場合

被害者から「刑事告訴する」と言われた場合、必ずしも告訴されるとは限りませんし、捜査機関が受理するとも限りません。

いざというときに備え、依頼できる弁護士を探しておきましょう。

初回であれば無料で相談できる事務所もありますから、いくつか相談し最もよいと思う弁護士を決めておくとよいです。

刑事告訴されるような心当たりがないか確認する

刑事告訴すると言われたら、犯罪となるような行為をしたかどうか心当たりがないか確認してみてください。

弁護士へ相談・依頼した際、より具体的なアドバイスや対策をもらうことができます。

警察などから連絡が入る・捜査を受けている場合

既に、警察などから連絡が入り、捜査を受けていることが判明している場合、告訴状が受理されている可能性が高いです。

いち早く弁護士に依頼し、どのように対応していくかの検討をすべきでしょう。

罪を犯した覚えがないまたは冤罪などの場合

罪を犯した覚えがない、または冤罪の疑いがかけられている場合は、逆に相手を虚偽告訴等罪(きょぎこくそとうざい)で告訴できる可能性があります

この場合も、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。刑事事件を扱っている、経験豊富な弁護士へ相談してみてください。

刑事告訴されたときに弁護士に依頼するメリット

もしあなたがすでに刑事告訴されており、「これから逮捕されそう」もしくは「これから逮捕される可能性がある」という場合には、直ちに弁護士に相談することをおすすめします。

それは、弁護士に依頼することで次のようなメリットがあるからです。

被害者との示談交渉を依頼できる

刑事事件においては被害者と示談を締結することが非常に重要です。逮捕前であれば被害者が告訴を取り下げる可能性もありますし、起訴前であれば不起訴処分を獲得できる可能性が上がるからです。

とはいえ、あなた自身で被害者と示談交渉をするのは現実的ではありません。

被害者の連絡先が分からないことが通常ですし、仮に連絡が取れたとしても被害者は加害者に強い感情を抱いており、冷静な話し合いができないことも少なくないからです。

そのため、逮捕や起訴を避けるためには弁護士に依頼し、早期に示談を締結してもらう必要があります。

取り調べなどのアドバイス・サポートを受けられる

身柄事件・在宅事件のどちらであっても、捜査機関から取り調べを受けることが通常です。

このとき、「どういったことを聞かれるんだろう」「どのように答えればいいかわからない」「家族や職場の人に知られてしまうかも」など、不安なことがたくさんあるはずです。

弁護士に依頼すれば、どのように取り調べを受ければよいかについてアドバイスを受けられるので、安心感を得られます。

また、必要に応じで捜査の進捗についても確認できるので、今どういった状況にあるのか、今後の見通しはどうなりそうかについても把握可能です。

早期の身柄解放が期待できる

逮捕・勾留されてしまった場合であっても、弁護士に依頼すれば早期の身柄解放が期待できます。

すでにお伝えしましたが、一度逮捕されてしまうと最大で23日間も勾留され、社会と隔離されてしまいます。

弁護士に依頼すれば、勾留を避けるための「意見書」を提出してもらえるほか、勾留決定がされたのちも準抗告を申立ててもらうことで、早急な身柄解放が期待できるのです。

不起訴・執行猶予処分を目指せる

不起訴とは、訴訟条件を欠いていたり、有罪となる見込みがなかったりするときに、公訴せず事件を検察で終了させる手続きです。不起訴処分になれば刑事手続きはそれで終わりですし、前科がつくこともありません。

一方の執行猶予処分とは、加害者の更生が期待できるときに、一定の期間について、刑の執行を先送りする制度です。執行猶予期間中に別の刑事事件を起こさなければ、刑は執行されません。

弁護士に依頼すれば、弁護活動により不起訴処分や執行猶予処分を目指せます。

刑事告訴されて弁護士に依頼したときの費用

刑事事件について弁護士に依頼したときのおおよその費用は次の通りです。

相談料 1万円
着手金 30~50万円
成功報酬 30~50万円
接見費用(1回につき) 2~5万円
実費 10万円程度

どこの事務所に依頼するか、どういった事件かによっても異なりますが、おおよそ70~150万円の範囲におさまることが多いように思われます。

決して安い費用ではありませんが、刑事事件は対応によって加害者の一生が左右されてしまうこともあります。

できるだけ早急に弁護士へ相談し、早い段階からサポートを受けるのが賢明でしょう。

刑事告訴されたときによくある疑問

最後に、刑事告訴についてよくある疑問を解説します。

刑事告訴されたらすぐ捜査が始まり逮捕となる?

刑事告訴が受理されても、すぐに捜査が始まるとは限りません。

中には、告訴状が受理されてから1年ほど経過して捜査が始まったケースもあります。

仮に、警察から事情聴取を受けても話したくなければ話さなくても良い黙秘権(もくひけん)があるため、対処に困ったときは一旦黙秘を続ける方法もあります。

【黙秘権の根拠】

第二百九十一条

○4  裁判長は、起訴状の朗読が終つた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。

引用元:刑事訴訟法

また供述書への署名は拒否できるため、「弁護士に話して了承が得られたら署名します」と伝え、弁護士に相談の上、対応を検討してから署名すれば不利な状況になることを回避できます。

刑事告訴すると言われたがその後音沙汰がないときはどうする?

刑事告訴が受理されたからといって、必ずしも逮捕される訳ではありません。

もし音沙汰がない場合は、刑事事件に精通した弁護士に相談しておき、いざというときすぐに対処できる状況を作っておきましょう。

被害者と示談交渉すれば起訴されずに済む?

被害者と示談交渉すれば必ず起訴されずに済む訳ではありません。

ただし、示談成立し告訴を取り下げてもらえば、親告罪であれば不起訴となります。

また、親告罪でなくとも示談済みという事実は一定の考慮要素となり、不起訴となる可能性も相当程度高くなります。

まとめ

刑事告訴されたら、基本的に弁護士へ依頼して適切な対処をとってもらうことが大切です。

中には、刑事告訴されてから1~2年経過してから捜査が始まるなどのケースもあるため、すぐに逮捕されるとは限りません。

しかし、罪を犯したことに心当たりがある場合、無実の罪を疑われているなどの場合は弁護士に相談しておけば、いざというとき安心です。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。