ホスラブとは、ホストラブというインターネット上掲示板の略称です。主にホステス、キャバクラやホストクラブといった夜の業界・水商売に関する内容について、匿名での書き込みがなされています。
こうしたインターネット上での匿名掲示板では、誹謗中傷、プライバシー侵害等の権利侵害行為が横行しています。ここでは、ホスラブで名誉毀損等の権利侵害の内容が投稿されてしまった際の対処法や、投稿した本人を特定するための開示請求の方法などについて、解説します。
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ホスラブ掲示板に誹謗中傷、名誉毀損や悪口等の内容が書き込まれた際に、その書き込み(投稿)を行った人物を特定するための発信者情報開示の手続きの流れを解説します。
なお、以下で説明する発信者情報開示の流れは、プロバイダ責任制限法に基づくものです。2022年1月時点における現行プロバイダ責任制限法のもとでは、まずサイト管理者(ホスラブ掲示板運営者)に対して発信者のIPアドレスの開示を求め、次に開示されたIPアドレスをもとにプロバイダ事業者に対して発信者情報の開示を求めるという二段階の手続きが必要となってしまいます。
しかし、2022年9月までに施行予定の改正プロバイダ責任制限法のもとでは、この二段階の手続きを一つの手続きで行えるようになります。
まず、当該書き込みが違法なものかどうかを確認しましょう。違法なものかを判断するための目安として、ホスラブ運営者が定める利用規約内の「禁止行為」に該当するかを確認しましょう。
ホスラブ掲示板の利用規約では、「著作権などの第三者の知的財産権を侵害し、または侵害を助長する行為」、「第三者に対する誹謗中傷または名誉き損、もしくは他者に対して不利益または不快感を与えるおそれのある発言」など、禁止行為の内容を細かく定めています。まずは、書き込みの内容が、これら禁止行為のいずれかに該当するかどうかを確認しましょう。
次に、ホスラブの掲示板運営者に対して、当該書き込みを行った者のIPアドレス等の発信者情報開示請求を行います。一般的には裁判所での仮処分という手続きを利用します。
ホスラブの掲示板運営者は、公開されている裁判例などによると「有限会社YDC」とされています。有限会社YDCの本店所在地などについては、法務局で商業登記簿の照会をするか、弁護士などの専門家に調査を依頼しましょう。
ホスラブ掲示板運営者からIPアドレスの開示を受けたら、次にそのIPアドレスをもとに当該投稿者が利用している通信事業者(プロバイダ)を特定します。
プロバイダは、ドコモ、ソフトバンクなどの携帯電話機の通信事業者であったり、NTTコミュニケーションなどのパソコン等の通信回線を管理する会社であったりします。要するに、IPアドレスから分かることは、当該投稿者がどの通信事業者(プロバイダ)を利用して投稿したかということです。
プロバイダを特定したら、そのプロバイダを相手に発信者情報開示請求を行いますが、アクセスログの保存を併せて請求することを忘れずに行ってください。アクセスログとは、当該投稿者が、いつ、どこから(何を用いて)サイトにアクセスし、どのような操作(書き込み)を行ったかなど、当該投稿に関してプロバイダが保管する情報のことです。
明確な決まりはありませんが、一般的にプロバイダのアクセスログ保存期間は3か月程度とされています。つまり、3か月以上経ってしまうと、当該投稿に関する情報が消えてしまう危険性があります。こうしたリスクを回避するために、発信者情報開示を請求するとともに、当該投稿のアクセスログの保存も請求するようにしましょう。
IPアドレスをもとにプロバイダを特定したら、そのプロバイダ事業者に対して、同IPアドレスの保有者(発信者)の氏名、住所などの情報開示を求めます。プロバイダが争ってきた場合には開示までに時間がかかる可能性がありますので、併せて、同IPアドレス保有者(発信者)がサイトにアクセスした記録(アクセスログ)の保存も申請する必要があります。
プロバイダから、IPアドレスをもとに当該IPアドレス保有者(発信者)の氏名、住所、メールアドレスなど、プロバイダが保有する発信者の個人情報の開示を受けます。こうした一連の流れを経て、ようやく発信者がどこの誰であるかの特定ができることになります。
ホスラブにIPアドレスなどの発信者情報開示を行い、更にIPアドレスをもとにプロバイダに発信者情報開示請求を行い、裁判所で情報開示が認められた事例、更には、特定した発信者に対して慰謝料等の損害賠償を支払うよう命じた事例というのは数えきれないほどたくさんあります。ここでは、二つほど事例を紹介します。
ある障害を持つ女性Aに関して、ホスラブ掲示板において、AのTwitterアカウントなどを明記したうえで、Aが障害者であることや介護を受けていることなどの身体的特徴が書き込まれたり、Aを侮辱する内容が投稿されたりした事案で、プロバイダ事業者であるソフトバンクはAを特定できるものではないとして情報開示の必要性がない旨を争いましたが、裁判所は、ツイッターアカウントが明示されていることなどからみて、Aを特定できるものであるし、その内容もAの名誉を毀損するものであるとして、ソフトバンクに対して、発信者情報を開示するよう命じました。
参考:TKC判例検索
風俗店の男性従業員Bに関して、ホスラブ掲示板において、「Bは危険人物」、「Bは仲良くなったらすぐ食っちゃうよ」「キャストの皆さん、Bの盗撮には注意してね」などと投稿した者に対し、Bの社会的評価を下げ名誉を毀損するものであるとして、裁判所は25万円の損害賠償を命じました。
参考:TKC判例検索
ホスラブ掲示板で誹謗中傷などの被害にあい、慰謝料を請求したい、削除や謝罪を求めたい、そのためにはまず発信者情報の開示を求めたいとお考えの人は、まずは弁護士に相談しましょう。ただ、弁護士業務は多種多様で、扱っている分野により得手不得手がありますので、依頼するならば、誹謗中傷やIT問題、開示請求に詳しい弁護士に依頼しましょう、弁護士に依頼するメリットとして主として以下の3つが挙げられます。
発信者情報開示請求は、基本的には裁判所を通して手続きをする必要があるケースがほとんどです。裁判所を通じて手続きする場合、裁判所へ法的に整理された主張書面の提出、証拠の選別、裁判期日への出廷し、裁判官と協議する等、法律的な知見が必要となる場面が多々あります。
また、仮処分を申し立てたり、アクセスログの保存を求めたりなど、発信者情報開示請求に伴い併せて行うべきことも多数あり、手続きが複雑です。弁護士に依頼すれば、こうした複雑な手続きをすべて弁護士が代理人となって行ってくれます。
弁護士の業務は多岐にわたり、それぞれの分野を専門的に扱っている弁護士もいます。とりわけIT問題は、近年急速に発展・問題化してきている分野であり、ネット上の誹謗中傷などのIT問題を専門的に扱っている弁護士もいます。こうした弁護士に相談すれば、手続きに習熟していますので、スムーズ・スピーディに対応してくれるでしょう。
弁護士は法律の専門家です。発信者の開示請求をして損害賠償請求するということのみならず、ホスラブ掲示板への投稿の削除の請求や、悪質な投稿の場合には告訴などの刑事手続きも検討する必要があります。また、権利侵害の書き込みは一人が行っているとは限りません。多数の者を相手に情報開示・賠償請求をしなければならないケースもあります。
弁護士に依頼すれば、こうした他のトラブルが併発してもすべてカバーし、柔軟に対応してくれます。
発信者情報開示請求は、現行のプロバイダ責任制限法のもとでは、上記の通りに概ね二段階の裁判手続き(ホスラブ運営元とプロバイダ事業者への各開示手続き)を経なければならないため、時間がかかります。発信者の氏名、住所などの発信者を特定できるだけの情報を取得できるに至るまで、個別の事案内容にもよりますが、概ね9~10カ月を要すると言われています。書き込みの内容が悪質である場合には警察に被害届の提出、ないしは告訴手続を取ることもできます。警察であれば捜査権限をもとに、比較的早く当該書き込みを行った犯人(加害者)を特定することができます。
ただ、ホスラブ運営者に関しては、発信者情報開示の仮処分を求めた場合、裁判所に出廷せずすぐに開示決定が得られるケースが多いようですので、一般の期間よりは短くて済む可能性はあります。
また、これらの手続について、迅速に行うためには裁判所に仮処分の申し立てを行うことになりますが、裁判所から仮処分命令を出してもらうためには担保金を求められます。担保金の額は事案に応じて裁判所が決めますが、一般的には20万円程度と言われています。担保金は正当な請求であれば後で還付されるものですが、一時的とはいえ、数十万円のお金を用意しておく必要があります。
さらに、これらの裁判・訴訟手続きを弁護士に依頼した場合には弁護士への着手金・報酬が必要となります。弁護士費用については各法律事務所により異なりますが、一般的な相場としては少なくとも20万円~50万円程度の弁護士費用がかかります。
ホスラブ掲示板においては、掲示板運用者が独自に書き込み削除(投稿削除)を行ってくれるケースがあります。慰謝料や謝罪等を要求するよりも先にまずは、当該投稿を削除してほしい場合には、ホスラブ運営者に対して投稿削除を求めましょう。
その手順は以下の通りです。
まず、ホスラブの削除依頼ガイドラインを確認しましょう。ガイドラインでは、掲示板への投稿の内容が、①公益性がなく、個人特定の目的のもの、②電話番号(一部伏字なども含む)、③メールアドレス、④誹謗中傷などで個人を特定できるもの、⑤誹謗中傷でなくても個人のプライバシーなどの私生活情報に該当する場合には、削除の対象となる旨が明記されています。
また、ホスラブの利用規約には、その他にも「虚偽または故意に誤解を与える発言」、「公序良俗に反する行為」などが禁止行為として明示されています。
当該書き込みが、これらガイドライン・利用規約に違反するものであることを確認しましょう。
参考:ホスラブ削除依頼フォーム
ガイドライン・利用規約に違反する投稿について、ホスラブの削除依頼フォームにて削除を依頼しましょう。ホスラブ掲示板は、関東版、東北版、関西版などの地域ごとに分けられています。当該書き込みがなされた掲示板が属する地域のホスラブ削除依頼フォームにアクセスするようにしましょう。
削除依頼フォームでは、「スレッド番号」、「レス番号」、「削除理由」「お名前」「メールアドレス」を入力するように設定されています。「スレッド番号」とは、各スレッドを指すURLの14桁の数字を指します。その掲示板のURLに表示されています。「レス番号」とは、その掲示板内の何番目の書き込みかを示す数字です。
まずは、当該書き込みがなされた掲示板を確認し、スレッド番号とレス番号を入力しましょう。
次に、「削除理由」の記載です。削除理由は、ガイドライン・利用規約での禁止行為に該当するということを明確に示すようにしましょう。例えば、「○○という書き込みは、私の個人情報であり、ガイドライン⑤の私生活情報に該当する」というような形で記載するようにしましょう。
削除依頼フォームの下部に注意書きとして、「削除依頼内容は、削除依頼履歴にて公開されます。」とされています。これは、ホスラブ運営者が、むやみやたらと削除依頼が来ることを防止するために設けた措置と考えられます。削除依頼フォームを用いて削除請求した場合、削除依頼履歴のページにて削除依頼したことが公開されることになります。公開されているため、正当な理由がないのに削除依頼した場合には、余計なトラブルを招きかねません。
削除依頼する場合には、ガイドライン・利用規約に反する行為であるという明確な理由を以って行うようにしましょう。
ホスラブの掲示板において、名誉毀損やプライバシー侵害等の権利を侵害する内容の書き込みがなされてしまった場合、以下の二つを検討しましょう。
こうした手続き取るためには、まずは当該書き込みが、掲示板のガイドライン・利用規約に違反するものであるかを確認するようにしましょう。
発信者情報開示から損害賠償請求などへの流れは以下のステップを踏む必要があります。
こうした手続きは実際に行うとなると複雑です。また、権利侵害と言えるかどうかもご自身では判断が付かないケースも多々あります。こうした判断や手続きを進めていくためには、法律の専門家である弁護士にぜひ一度ご相談してみてください。
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