
債務整理
消費者金融とのトラブル解決に頼れる無料相談窓口9選|弁護士に依頼するメリットも
2023.11.06
消滅時効の援用とは、時効が完成した債権(借金)の返済義務を免れるための手続きです。
法律で定められた期間の経過によって借金の時効が完成すれば、時効の援用手続きができるようになります。
ただし、期間が経過していても、援用手続きなしには返済義務を免れることはできません。
時効の援用は、何らかの理由で借金返済に悩む債務者にとって、非常に重要な手続きなのです。本記事では、時効の援用の具体的なやり方、時効完成の確認方法や時効の更新事由などを詳しく説明します。
消滅時効の援用には注意が必要です。
時効の更新というルールがあり、裁判上の請求で判決が出た場合や強制執行などが実行された場合、権利の承認があった場合には時効がリセットされます。
従って、たとえ借りたときから5年や10年が経っていたとしても、必ず時効が成立しているとはいえないのです。
また時効の援用に失敗すると、多額の返済が求められる可能性もあります。
時効援用を検討中の方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
下記のようなメリットがあります。
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時効が成立しているかどうかは、基本的には自分で調査して確認しなければいけません。時効が成立したことを、債権者が親切に知らせてくれることはまずないからです。
ここでは、時効が成立しているかを調べる方法や、調べることによるリスクなどを徹底解説します。
【関連記事】借金の時効はどうすれば成立する?成立要件と注意点、借金問題解決方法
借金は、弁済期または弁済期以降の最後に返済をした日から5年間または10年間で時効が完成します。大まかにいって、お金を貸してくれた側である相手方が消費者金融などの貸金業者なら5年、それ以外の個人等なら10年です。
完成した時効を援用することで、お金を返す義務を免れることができます。
なお、上記時効期間は、改正前の民法により規定されたものであり、取引開始日が2020年4月1日よりも前の借金に適用されます。2020年4月1日以降の借金については、改正後の規定が適用されるので、注意してください。
長い間返済を滞らせている借金であれば、もしかしたら時効が完成しているかもしれません。時効が完成したかどうかを確認したい場合は、信用情報機関に対して信用情報の照会を行います。
信用情報機関とは、貸金業者に対する個人の借金やカード取引などの詳細情報を「信用情報」という名目でデータ化し保持している法人です。借金等の詳細情報は、基本的に信用情報機関に登録されます。
信用情報には、借金の詳細な内容(金銭消費貸借契約締結日や金額など)のみならず、返済の履歴や残りの借金額も、返済の都度登録されていくのが通常です。よって、信用情報を開示請求することにより、時効が完成しているかどうかを確認できます。
時効が完成しているかどうかは、通常なら信用情報を見れば確認できます。ただし、厄介なのは、借金の記録が信用情報上に存在しない場合です。
そのような場合に時効の完成を確かめたいなら、もはや貸金業者の会社に直接確認するほかありません。
しかし、貸金業者に直接問い合わせをするなどの対応をすると、かえって状況が悪化するおそれがあります。なぜなら、問い合わせをきっかけとして債権者が時効期間に気づき、対抗措置を講じてくる可能性があるからです。
時効が完成しているかどうかの判断は難しく、自分では「時効が完成している」と思っても、実際にはまだ完成していなかったというケースはめずらしくありません。債務者からの問い合わせをきっかけとして、借金が時効完成間際であることに債権者が気づいた結果、あと少し待てば完成していたはずの時効がリセットされたとなると、悔やんでも悔やみきれないものです。
時効がリセットされれば、基本的には、そこからさらに期間の経過を待たなければ時効を主張できなくなります。
もちろん、その間に時効のリセットの事由が再度生じることも十分にありえるでしょう。
そのような事態を避けるためにも、時効が完成しているかどうかが不確かなケースでは、慎重に確認手続きを進めなければいけません。対処法について不安がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
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時効の援用の流れ自体はとてもシンプルです。しかし、援用手続きのなかでは、いくつかの注意点に気を配りながら進めないと、スムーズに時効を援用できなくなるおそれがあります。
時効の援用の流れは以下のようになります。
時効の援用の第一段階は「時効が完成しているかどうかの確認」です。信用情報機関に照会をかけて、借金の詳細情報を確認します。
信用情報上で時効が完成していることが確認できたなら、第二段階に進みます。
時効の援用の第二段階は、時効援用通知書の作成です。時効援用通知書には、時効を援用するために必要不可欠な情報をひとつも漏らさずに記載する必要があります。
そして、第三段階として、完成した時効援用通知書を配達証明付き内容証明郵便によって債権者に送ります。
後述しますが、ここでは「配達証明付きの内容証明郵便であること」が重要ポイントです。決して普通郵便で送らないように注意してください。
内容証明郵便によって時効援用通知書を送った後、債権者から連絡がくることがあります。ここでも、注意が必要です。
時効援用通知に不備があり時効援用がなされていなかった場合、気を付けないと、意図せず「債務の承認」と受け取られる言葉を発してしまうおそれがあります。
時効援用通知書の送付後に連絡がない場合は、自分から債権者に連絡をとる必要はありません。連絡がないということは、すなわち債権者が時効の援用を承認したことを意味するからです。
「時効援用通知書」と当然のようにご説明していますが、ほとんどの人にとっては馴染みのない書類でしょう。時効援用通知書は、読んで字のごとく「時効を援用する旨を債権者に通知するための書類」です。
時効の実際的な効果を得るには援用が不可欠であり、時効援用通知書の債権者への送付は、借金返済の義務を免れるための重要な手続きといえます。
では、時効が完成した旨が債権者に伝わるならどんな書類でも良いのかというと、そういうわけにはいきません。時効援用通知書には一定のルールがあるので、そのルール通りに必要な内容を漏れなく記載するのがポイントです。
ルールを無視して時効援用通知書を作成してしまうと、予想外のリスクを発生させかねません。これから時効援用通知書の書き方を紹介していきますが、自力での時効援用通知書作成が不安という方は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
それでは、時効援用通知書の書き方について具体的に説明します。作成にあたっては、時効完成を主張する根拠となる資料(信用情報など)を手元に置いて、逐一参照しながら必要事項を記載していきましょう。
何度も確認しながら書き進めることで、ケアレスミスを防ぐことができます。
時効援用通知書には、送付日を記載します。「配達証明付き内容郵便であれば送付日が客観的に明らかだから、わざわざ記載する必要はない」と考える人もいるかもしれません。
しかし、時効援用通知書は、その性質上、時効が完成した「後」に作成される書面です。
そのため、送付日が空欄であったり、日付が書かれていなかったりすると、その時効援用通知書が時効の完成後に作成されたものなのかを客観的に判断できません。そうすると、債権者側から「これは時効の完成前に作成された時効援用通知書だから、無効だ」といった反論をされ、時効の援用手続きをスムーズに進められなくなるおそれがあります。
時効援用通知書を作成するときは、必ず送付日を記入してください。
時効援用通知書の中では、時効が完成した借金(債権)を特定する必要があります。たとえば、同一の貸金業者に対して複数の借金をしているといったケースなどでは、どの借金について時効が完成したのかを明確に示さないと手続きがスムーズに進みません。
もちろん、借金がひとつしかないケースであっても、債権の内容を時効援用通知書に記載する必要はあります。
記載すべき債権の内容は、次のとおりです。
金額や最終返済日をはっきりと覚えていなくても、契約番号があれば債権の特定は可能です。また、債権者から借金をした後に引っ越しなどで住所を変更し、かつ、債権者に新住所を知らせていない場合は、旧住所を併記しておく必要があります。
時効援用通知書の中で、「時効が完成していること」をはっきりと示します。たとえば、「最終返済日である平成〇年〇月〇日の翌日から、すでに5年が経過していることから、貴社が私に対して有する上記貸金返還請求権は時効により消滅しています。」など、法で定められた時効期間が経過し、その結果として債権が消滅したということを明確に記載するのが重要です。
最終返済日の具体的な日付に自信がない場合は、「最終返済日の翌日からすでに5年が経過していることから」といったふうに記載してもよいでしょう。債権の内容の特定要素として契約番号を記載していれば、文中で具体的に最終返済日を示す必要性はないからです。
なお、個人個人の債務の内容や状況によっても、時効援用通知書に書くべき内容は違ってくるので、上記はあくまでも一例文として活用してください。
時効が完成した旨を記載したら、続けて「時効を援用する」意思を文中で表明します。上記の例文に続けるなら、たとえば「……よって、私は、本書をもって上記貸金返還請求権の消滅時効を援用します」などです。
時効援用通知書をもって消滅時効を援用することが伝わればいいので、書き方はシンプルでかまいません。
単純な一文ではありますが、この一文があるからこそ消滅時効によるメリットが得られるのです。たとえ他の記載事項を完璧に記入したとしても、この「本書をもって消滅時効を援用する」旨の一文がなければ、時効援用通知書としての役割を果たせません。
この部分が、時効援用通知書作成における最大のポイントであることを忘れないでください。決して「援用」の一文が漏れることのないように、送付前には繰り返しチェックすることをおすすめします。
時効援用通知書には、差出人の連絡先等についても記載します。これは、時効援用通知書について不備などがあった場合など、債権者から差出人へ連絡する必要性が生じたときのためです。日常的に使っている連絡手段を軸に考え、電話番号やFAX番号、メールアドレスなどを記載しておくことをおすすめします。
なお、少し特殊な例ではありますが、亡くなった人(被相続人)の借金については、相続人が借金の消滅時効を援用することができます。その場合は、相続人が時効援用通知書を作成する等の手続き全般を行うのが通常です。
相続人が複数人いる場合は、基本的に相続人一人ひとりが別々に時効援用手続きを行う必要があります。相続人からの時効援用では、債権者から、被相続人と相続人の関係性を証する書面(戸籍謄本など)を要求される場合もあるので、あらかじめ準備しておくのがよいでしょう。
必須ではありませんが、時効援用通知書には「信用情報に登録された事故情報の削除依頼」も併せて記載しておくのが望ましいです。返済滞納後、長い月日が経っているなら、ほぼ間違いなく、信用情報機関が保有する「信用情報」というデータ上に事故情報が登録されています。
俗に言う「ブラックリスト入り」です。この事故情報が登録されたままだと、住宅ローンが組めなかったり、クレジットカードを作れなかったりといった状況が延々と続いてしまい、不利益を被りかねません。
消滅時効の援用によって信用情報上の事故情報を消すには、債権者から信用情報機関に働きかけてもらう必要があります。つまり、忘れずに事故情報を消してもらえるように、時効援用通知書上で債権者に念押しをしておくのが重要なのです。
なお、消滅時効を適切に援用したにも関わらず事故情報が消えない場合は、債権者に問い合わせましょう。それでも解決しない場合は、専門家である弁護士への相談がおすすめです。
【関連記事】
信用情報を回復させることは可能?時効が過ぎたら弁護士に相談!
借金を時効援用すると、信用情報は回復する?事故情報や時効援用の方法も解説
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時効援用通知書は、配達証明付きの内容証明郵便で送付することが重要です。内容証明郵便を使うことで、差出人、宛先、内容、送付日を証明することができます。
もし、普通郵便で時効援用通知書を送付してしまうと、債権者から「時効援用通知書なんて受け取っていません」と白を切られてしまいかねません。内容証明郵便を使えば「いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の文書を送ったか」を客観的に証明できるため、そのような逃げ道をあらかじめ塞いでおくことができるのです。
内容証明郵便を使って時効援用通知書を送る場合には、文字数や押印、発送方法に関して守るべきルールがあります。これから一つずつ解説していくので、作成時の参考として活用してください。
内容証明郵便に記載できる文字数は、縦書きか横書きかによって異なります。
【縦書きの場合】
【横書きの場合】
なお、時効援用通知書では考えられにくいことですが、内容証明郵便が複数枚にわたる場合は契印が必要です。ちなみに、内容証明郵便で使う紙については特に指定はありませんが、内容証明郵便専用の用紙も市販されているので活用するのもよいでしょう。
内容証明郵便に対する差出人の押印は、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、実際には、差出人の署名の横に押印するのが通例となっています。
名前の横にハンコを押すことで、差出人の意思表示を補強するという意味合いもあります。
ただし、押印は任意とはいえど、内容証明郵便が複数枚にわたる場合は契印が必要なので、結果的には押印しなければならないことになります。なお、押印に使う印鑑は認印でかまいません。
内容証明郵便を送るときは、同じ内容の書類を3部用意しなければなりません。郵便として差し出すための1部、自分で保管するための1部、そして郵便局で保管するための1部です。押印したものをコピーするのではなく、1部ずつ直接、押印や契印をしておきましょう。
3部すべてを、差出人の住所氏名及び名宛人の住所氏名を記載した封筒と一緒に郵便局の窓口に持っていきます。内容証明郵便は集荷による発送はできないので、必ず窓口を訪ねなければいけません。なお、すべての郵便局が内容証明郵便を取り扱っているわけではないので、あらかじめ確認しておきましょう。
時効の援用は、自分で行うか、専門家に依頼するかによって費用面に大きな差が出ます。ここでは、それぞれの場合における費用相場を紹介するので、メリットやデメリットをイメージしながら比較検討してみてください。
自分で援用手続きを全て行えば、費用を安く済ませることができます。なぜなら、自力で行う場合にかかる費用といえば、コピー代金や郵便代金などの実費部分だけだからです。
以下、参考として1枚の時効援用通知書を内容証明郵便で送付した場合の一般的な料金を記載しておきます。(2021年10月時点)
その他、オプションで速達などを選べば、その分の料金が必要です。しかし、たいていの場合、オプション料金をあわせても合計2,000円にも満たないでしょう。
弁護士に依頼して時効の援用を行う場合の費用相場は、4~10万円とされています。4~10万円と幅があるのは、依頼の内容ごとに料金が変わってくるのが普通だからです。
また、依頼する弁護士事務所によっても料金は異なります。
自分で時効の援用手続きを行う場合と比較すると、かなり割高にみえるかもしれません。しかし、かけた費用分の安心と効果を享受できるのが、専門家に依頼する最大のメリットです。
時効の援用にあたっては、複雑な法律の知識を要するケースもめずらしくありません。そのようなケースでは、自分で行うことによる節約のメリットよりも、弁護士への依頼による安定感や安心感などのメリットの方が大きいといえます。
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ここで、そもそも「消滅時効」とは何か?について説明します。消滅時効の基礎知識は時効をスムーズに援用するために不可欠です。基礎知識不足はリスクにつながるので、しっかりと頭に入れておいてください。
消滅時効は「長期間行使されない権利を消滅させる」ための制度です。「権利の上に眠るものは保護しない」という法律の原則的な考えをベースとしていると言われていますが、所説あります。
まずはシンプルに、権利は一定期間使わないと消滅してしまうものだと捉えてください。
なお、繰り返しますが、一定期間の経過によって自動的に債権消滅の効果を得られるわけではありません。債務者が債権消滅の効果を得るには、必ず時効を援用する必要があります。
消滅時効の援用とは、ある権利の時効の完成によって利益を受ける者が、権利を有する者に対して、時効による権利消滅を主張することです。時効が完成していても、援用をしないなら債権は存在しつづけることになります。時効を援用するかどうかは債務者の選択にゆだねられます。
消滅時効を考えるときに重要なのが「起算点」です。ここでいう起算点とは、消滅時効の期間算定のスタート日をいいます。詳しくは民法第166条第1項に定められており、原則、権利を行使できるようになった日から時効期間の算定を始めます。
借金でたとえると、支払日(弁済期)が決まっている借金なら支払日から、支払日を決められていない借金なら借金の契約日が消滅時効の起算点です。
なお、「毎月〇日までに金〇円を支払う」といったような、分割で返済する趣旨の契約であれば、ほとんどの場合において「期限の利益喪失の定め」が契約書に記載されているでしょう。期限の利益喪失の定めとは、簡単にいうと、「借金の返済を遅滞した場合は残りの借金を一括返済してもらいますよ」という債権者と債務者の約束事です。
期限の利益を喪失した場合の消滅時効の起算点は、期限の利益を喪失した日です。
なお、民法の改正により、2020年4月1日以降に契約した借金については時効期間の考え方が変わっています。「権利を行使できるようになった日から10年」に加えて、新たに、「権利を行使できることを知った日から5年」という定めが設けられました。
「時効の更新」が消滅時効に与える影響は非常に大きいです。時効の更新があると、せっかく進んだ時効期間が振り出しに戻ってしまうのです。ここでは、時効の更新事由についてそれぞれ解説します。
時効の更新事由とは、時効の進行をリセットしてしまう行為のことです。時効の更新事由が発生すると時効が止まり、またゼロから時効期間が始まることになります。
そのため、時効の更新事由が繰り返されると、時効が完成されなくなることもあり得ます。
時効の更新事由となり得るのは、主に以下の3種類の行為です。
時効の更新事由は法律で定められています。よって、時効の更新事由に該当するかどうかは、法律に照らし合わせながら判断しなければなりません。
債権者が債務者に対して裁判手続きを行うと、時効は更新します。ここでいうところの裁判手続きは、裁判上の請求や強制執行、支払督促、和解、調停などの裁判所が関わる手続き全般と考えてください。
裁判外の請求、たとえば電話による口頭での請求や催告書による請求では時効は更新しません。ただし、裁判外の請求には時効の完成を6カ月間ストップさせる、つまり時効の完成を猶予させる効果があります。
債権者は、この6カ月の間に裁判手続きを行うことで、時効更新の効果を得ることができるのです。
消滅時効を援用するために調査を進めるなかで、途中で時効がリセットされていたことが判明したというケースはめずらしくありません。債権者は通常、消滅時効の完成を妨げるために何らかの手段をとるからです。
時効の更新事由、2つ目が「強制執行等」です。
裁判をして時効を更新した場合、消滅時効は裁判がおわってから再び進行することになります。「裁判で○○円を支払え」という判決が出て時効が更新されたとしても、債務者が支払わないでいるうちに10年経ってしまうと時効が完成してしまいます。
これでは裁判をした意味がありません。そこで、時効が完成する前に、不動産、銀行預金、給与などを差し押さえて強制的に回収する手段があり、これが強制執行です。他にも担保権を実行して強制的に不動産を売却することなどの例もありますが、訴訟をしても支払ってくれない相手であるならば、強制的に回収するしかありません。
銀行預金や給与差し押さえをされた場合は、時効はリセットされることになります。
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時効の更新事由、3つ目が「債務の承認」です。債務の承認とは、平たくいうと、支払う意思があることを債権者へ伝える行為を指します。口頭で「支払います」と直接伝えた場合はもちろんですが、少額でも返済したり、分割払いの相談をもちかけたりすることも債務の承認とみなされて時効が更新するため注意が必要です。
「支払う意思がある」と客観的に推測されるような行為はすべて、時効の更新をまねく可能性があります。
時効期間を過ぎてから返済してしまった場合も、時効が更新してしまうため注意してください。たとえば、時効完成後、援用手続き前に債権者から請求がきて少額でも返済してしまった、というケースが該当します。
時効期間経過後、援用前に少しでも借金を返済すると、債務者は時効を援用する権利を失ってしまうのです。
この場合は、たとえ時効の完成を知らずに支払った場合であっても、基本的には消滅時効を援用できなくなるとされています。債権者から請求があった場合は、返済に応じる前に、まずは時効が完成しているかどうかを確認することをおすすめします。
また、もし時効完成を知らずに支払う意思を伝えてしまったり、支払ってしまった場合でも、時効援用が本当にできないものなのか弁護士に相談することをおすすめします。
消滅時効を援用すれば、借金返済の義務を免れることができます。さらに、たいていの場合は信用情報の事故情報も抹消されるため、新たにローンが組めたり、クレジットカードが作れたりと、金銭面における利便性も回復するでしょう。
時効が完成しているかどうかを適切に判断するためには、法律的な専門知識が不可欠です。そのため、借金の時効について迷った場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。たとえ時効の援用ができないことが判明したとしても、弁護士なら時効援用以外の制度にも精通しているので、債務者にとってベストな解決策を提示してくれるでしょう。
借金問題全般について悩みがある方は、問題を放置せず法律の専門家に相談してみましょう。無料相談を設ける弁護士事務所もありますので、お気軽に問合せてみましょう。
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消滅時効の援用には注意が必要です。
時効の更新というルールがあり、裁判上の請求で判決が出た場合や強制執行などが実行された場合、権利の承認があった場合には時効がリセットされます。
従って、たとえ借りたときから5年や10年が経っていたとしても、必ず時効が成立しているとはいえないのです。
また時効の援用に失敗すると、多額の返済が求められる可能性もあります。
時効援用を検討中の方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
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