過払い金請求
過払い金請求の流れ自力でおこなう場合と弁護士に依頼する場合の違いも解説
2024.11.11
支払い過ぎた利息の返金を求めるのが、過払い金請求という手続きです。
過去に消費者金融から借り入れをおこなったことがあり、過払い金請求を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、そもそもどのようなケースで過払い金請求が可能なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかなど、あらかじめ正しい知識を身につけておきたいでしょう。
本記事では、過払い金請求に関する基礎知識をわかりやすく解説します。
手続きの流れや注意点なども紹介するので、支払い過ぎたお金を取り戻したい方は参考にしてください。
そもそも、過払い金とはどのようなものなのでしょうか。
過払い金請求をする前に、まずは基礎知識を押さえておきましょう。
過払い金とは、貸金業者に対して支払い過ぎた利息のことです。
2010年6月17日以前に借り入れをおこなっている場合、法律で定められた上限金利を超えて利息を支払っている可能性があります。
上限金利を超えた利息は無効となるため、本来支払うべきだった金額との差額を返金してもらえるわけです。
過払い金請求とは、支払い過ぎた利息の返金を求める手続きのことです。
過払い金は、自動的に返金されるわけではありません。
こちらから適切な方法で請求しなければ取り戻せないので注意してください。
また、貸金業者の利用者全員が過払い金請求できるわけではないことも理解しておきましょう。
後述するように、各種条件を満たしている場合に限り、支払い過ぎたお金を回収できる可能性があります。
次に、過払い金請求ができるかどうかの判断基準を解説します。
主に2つの判断基準があるので、どちらも満たしている場合は過払い金請求を前向きに検討しましょう。
2010年6月17日以前に借り入れを開始している場合は、過払い金請求できる可能性があります。
多くの貸金業者において法律の上限を超える金利が設定されていたのは、2010年6月17日以前です。
当時の上限金利には、出資法では年29.2%、利息制限法では年15.0%~20.0%といった2つの基準がありました。
そして、利息制限法の上限を超えていても、出資法の29.2%を超えていなければ刑事罰は科せられませんでした。
この上限金利の差は「グレーゾーン金利」と呼ばれ、多くの賃金業者が利用していました。
しかし、利息制限法の上限金利を超える部分は無効となり、無効部分の金銭の返還を求めることが認められるわけです。
たとえば、100万円の借り入れであれば利息制限法の上限金利は年15.0%です。
しかし、2020年6月17日以前にグレーゾーン金利の25.0%が適用されていた場合、25.0%-15.0%=10.0%分を返金してもらえる可能性があります。
なお、2010年6月18日に出資法の上限金利が20.0%に改正され、グレーゾーン金利は解消されました。
したがって、過払い金を回収できるのは、2010年6月17日以前に借入れた場合に限られます。
借金を完済してから10年以内であることも、過払い金請求をおこなうための条件です。
過払い金請求権は「最後の返済日から10年」で時効となり、消滅してしまいます。
たとえば、2015年1月1日に完済している場合は、2025年1月1日までに請求手続きをおこなわなければ、過払い金を回収できなくなります。
2020年4月1日以降に完済している場合には、民法が改正された関係で、最後の返済日から10年経過していなくても「過払い金請求できることを知った日から5年」を経過していれば時効が成立するので注意してください。
次のいずれかのケースに該当する場合は、過払い金請求ができないおそれがあります。
そもそも、過払い金の返還請求が難しい業者も存在します。
全ての貸金業者がグレーゾーン金利を利用していたわけではないからです。
当然、適正な金利が適用されていれば、過払い金自体が発生していないことになります。
過払い金請求が難しい業者と、過払い金請求できる可能性がある業者は以下のとおりです。
過払い金請求が難しい業者 | モビット・オリックス・キャッシュワン・アットローン・ダイレクトワン・銀行・公庫 など |
---|---|
過払い金請求できる可能性がある業者 | アコム・プロミス・アイフル・レイク・セゾン・オリコ・ニコス・エポス・イオン・シンキ・セディナ・CFJ・ポケットカード・高島屋カード など |
貸金業者がすでに倒産してしまっている場合、当然過払い金は返ってきません。
過払い金請求をして回収ができるのは、相手が正常な会社経営を続けている場合に限ります。
たとえば、以下のような貸金業者からは回収できません。
なお、会社が倒産する際には、通常債権者に対して一定の清算がおこなわれます。
過払い金請求権も債権のひとつなので、本来の過払い金よりは少額になるケースがほとんどですが、数%程度を回収できる可能性はあるでしょう。
とはいえ、貸金業者が倒産しないうちに満額回収することが大切なので、できるだけ早く行動に移しましょう。
時効が成立し、過払い金請求の権利を失っている場合も、過払い金請求はできません。
過払い金請求権の時効は、最後の返済日から10年です。
時効が成立したあとでいくら請求しても、貸金業者が応じてくれる可能性はゼロに近いでしょう。
キャッシングではなくショッピングで利用していたケースでは、過払い金請求は認められません。
クレジットカードのショッピング枠を利用する際に支払っているのは、利息ではなく手数料です。
単なる手数料は、出資法や利息制限法の対象外なので、過払い金とは一切関係がありません。
過払い金請求をおこなうと、以下のようなメリットがあります。
過払い金請求をおこなう最大のメリットは、支払いすぎた利息が戻ってくることでしょう。
そもそも、過払い金は本来支払う必要のなかったお金です。
放置していると損をしたままになるので、過払い金を請求し返還してもらうことは当然のことでしょう。
また、訴訟を起こせば、過払い金に5%の法定利息分をつけて回収できることもあります。
貸金業者に悪意があったことを示さなければなりませんが、ほとんどの貸金業者が過払い金の事実を知っていたはずなのです。
証明はさほど難しいことではないでしょう。
過払い金請求をおこなっても、信用情報機関に事故情報が載ることは基本的にありません。
過払い金請求は正当な行為なので、それだけでマイナスの評価を受けるものではないからです。
ただし、借金を全額返済できていない場合は、過払い金請求をおこなう中で事故情報が登録されるケースもあるので注意してください。
事故情報が登録されると、いわゆるブラックリストに載った状態となり、クレジットカードやローンなどの審査が通らなくなります。
過払い金請求は、できるだけ借り入れを完済したあとにおこなうようにしましょう。
過払い金請求は裁判なしで直接交渉できるため、あまり時間や手間がかからない点もメリットといえます。
相手方の対応次第では、自力で解決することも十分可能です。
なお、利息まで回収したい場合には、基本的に裁判を起こす必要があるでしょう。
任意交渉で済ませるか裁判をするかは、弁護士とよく相談して決めましょう。
裁判を通さずに過払い金請求をおこなえば、周囲に知られることもありません。
過去に貸金業者を利用していた事実を絶対に知られたくない方は、まずは任意交渉での解決を目指しましょう。
もっとも、裁判をしても周囲に知られる可能性は低いといえます。
次に、過払い金請求をおこなう4つのデメリットを解説します。
動き始めたあとで後悔することのないよう、あらかじめポイントをしっかりと押さえておきましょう。
過払い金請求をおこなっても、全額が返還されるとはかぎりません。
交渉段階において、過払い金請求にどの程度応じるかは相手方の自由です。
交渉先の経営状態などにもよりますが、前向きに返還に応じてくれる場合でも、1回目の交渉で返還される金額は7割~8割程度と考えておくのがよいでしょう。
ただし、弁護士を通じて過払い金を請求すれば、相手方の対応が一転するケースも多くあります。
1回の交渉で全額回収できるケースも少なくありません。
過払い金請求を弁護士や司法書士などに依頼すると、当然お金がかかります。
ただし、依頼費用は基本的に回収した過払い金から支払う形での契約が多いため、その場合には損をすることはないでしょう。
初期費用を支払う形での契約であれば、損をするリスクがあるので注意してください。
また、法律事務所によっては相談料や着手金などが無料に設定されているケースもあります。
その場合、回収した過払い金から報酬や実費を支払うだけで済むので、手持ちのお金を一切持ち出すことなく弁護士に依頼することが可能です。
過払い金請求をおこなうと、請求した業者から借り入れができなくなる可能性があります。
業者によって対応は異なるので一概にはいえませんが、契約が強制解除されたり、新規契約を受け付けてもらえなくなったりすることも少なくありません。
過払い金請求によって、ローン審査に影響が生じる可能性もあります。
過払い金の請求期間中に限り、信用情報機関に事故情報が登録されるケースがあるためです。
そのため、過払い金の請求と同時にローンを申し込むと、一時的に登録された事故情報によって審査に落ちてしまうことがあります。
ローンの申し込みを検討している場合は、まず過払い金の回収を優先するようにしましょう。
なお、現在利用しているローンに関して、過払い金請求により悪影響が生じることは基本的にありません。
一般的に、過払い金を回収できるまでには3ヵ月~6ヵ月程度かかるとされています。
ここからは、各手順を詳しく見ていきましょう。
まずは、取引履歴の開示請求をおこないます。
過払い金の額を確定させるためには、そもそもいくら支払ったのかを明らかにしなければなりません。
そのため、貸金業者が保管している取引履歴を送付してもらう必要があります。
開示請求への対応スピードは、業者によってさまざまです。
早ければ1週間、遅い場合だと1ヵ月程度かかることも珍しくありません。
なお、開示請求を受けた貸金業者は、情報を開示する義務を負います。
取引履歴が1ヵ月以上送られてこない場合や、開示を拒否された場合は法律違反にあたるかもしれません。
取引履歴が明らかになったら、過払い金の計算をおこないましょう。
現在の上限金利で利息を計算し、実際に支払った利息から差し引くことで算出できます。
しかし、利息の計算は複雑になるケースも少なくありません。
たとえば、うるう年がある場合や遅延損害金を支払っている場合などは、特殊な計算方法を用いる必要があります。
計算を誤ると過払い金が少なくなったり、請求に応じてもらえなくなったりするので注意してください。
確実に過払い金を算出するためにも、弁護士に依頼することを検討しましょう。
過払い金が計算できれば、貸金業者に過払い金返還請求書を送付します。
決まった様式はありませんが、債権者の氏名・住所・連絡先・過払い金の額・振込先口座などを記載するケースが一般的です。
引き直し計算書もあわせて送付しておくとよいでしょう。
過払い金返還請求書を送付したあとは、業者側と和解交渉を進めます。
過払い金の額や支払い方法、支払い時期などを具体的に決めていきましょう。
しかし、個人で交渉する場合、業者によってはまともに応じようとしないこともあります。
時間をかけずに全額回収を目指したいのであれば、弁護士などのサポートが欠かせません。
問題なく合意形成がなされた場合、あとは過払い金の返還を待つだけです。
和解交渉が成立しなければ、過払い金返還請求訴訟を起こす必要があります。
正しい順序で適切な額を請求している場合は、訴訟によって過払い金を回収できる可能性は高いといえるでしょう。
しかし、訴訟を起こすとなると訴状の作成や証拠収集などを進める必要があるため、法律の知識のない個人が自力で対応するのは困難です。
訴訟に至ったときは、弁護士に依頼するのが賢明な判断といえるでしょう。
和解交渉や裁判の結果、こちら側の主張が認められれば、1ヵ月~3ヵ月程度で過払い金が返還されます。
基本的には、過払い金返還請求書に記載した口座に振り込まれるので、金額に誤りがないかを必ず確認しておきましょう。
次に、過払い金請求をおこなう際の注意点を解説します。
主に3つのポイントがあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
過払い金請求を自力でおこなう場合は、十分な返還が期待できない点に注意してください。
まず、過払い金請求での引き直し計算は複雑になることが多く、過払い金を過少に計算してしまうおそれがあります。
また、和解交渉をしても、業者が満額返還に応じてくれる可能性は低いでしょう。
高圧的な態度を取られた場合に、毅然とした対応がとれる精神的な強さも必要です。
費用負担をネックに感じて、なかには弁護士への依頼をためらう方も少なくありません。
しかし、それ以上に大きな金額を回収できる可能性もあるため、ひとまず無料相談を利用して弁護士に相談することをおすすめします。
過払い金の返還金額は、会社の経営状態により変動します。
資金力のない会社に過払い金請求をおこなっても、十分な金額を回収できない可能性があることを覚えておきましょう。
すでに破産手続をおこなっている会社はもちろん、多くの過払い金請求を受けている会社などは要注意です。
過払い金請求をおこなっても借金が残っている場合は、信用情報機関に事故情報が登録されます。
債務整理をおこなったときと同様に扱われ、クレジットカードが作れなくなったり、ローンを組めなくなったりするので十分注意してください。
過払い金請求をする際は、弁護士に依頼することで納得のいく形での解決が望めます。
ここでは、弁護士に依頼するメリットや弁護士の選び方などを解説します。
過払い金請求は自力でおこなうことも可能ですが、司法書士や弁護士に依頼するほうがメリットは大きいといえるでしょう。
ただし、司法書士は対応できる範囲が限られるので、基本的には弁護士に依頼することをおすすめします。
自力 | 司法書士 | 弁護士 | |
---|---|---|---|
メリット | ・専門家に支払う費用が不要 | ・弁護士よりも費用が安い傾向にある | ・相手方との交渉が可能 ・訴訟できる裁判所の制限がない ・取り扱える金額の上限がない |
デメリット | ・適切な額を回収できない可能性がある ・回収までに時間と手間がかかる ・業者から相手にされないことがある ・裁判所とのやり取りを自らおこなう必要がある ・裁判所から書類が自宅に届くため家族に知られる可能性がある | ・過払い金が140万円超の案件は扱えない | ・費用が司法書士より高い傾向にある |
弁護士であれば、金額に関係なく過払い金請求を依頼することができます。
司法書士の場合は、140万円以下の案件しか扱えないので注意してください。
過払い金が大きくなると、ちょっとした引き直し計算のミスで回収できる金額が大きく変わります。
確実に過払い金を回収するためにも、初期段階から弁護士に全ての手続きを依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼するメリットのひとつが、過払い金請求に必要な手続きを一任できることです。
過払い金の計算・業者への請求・交渉などを任せられるので、依頼者がやるべきことはほとんどありません。
基本的には、業者からの振り込みを待つだけです。
仕事や家事が忙しく時間の余裕がない方でも、弁護士を頼れば無理なく過払い金を回収できます。
過払い金請求を弁護士に依頼すれば、有利な条件で和解できる可能性が高まります。
自力で過払い金を請求して交渉しようとしても、業者によってはまともに応じてもらえません。
しかし、弁護士が出てきたとたんに、業者の態度が急変することもあります。
法律知識や交渉経験のある弁護士に任せれば、業者に言い負かされる心配もないでしょう。
できるだけ依頼者の利益を最大化させるように動いてくれるでしょう。
裁判手続に移行したあとの対応を任せられる点も、弁護士に依頼するメリットのひとつです。
業者側が和解交渉に応じようとしない場合や、お互いの主張が折り合わない場合は、裁判で争わなければなりません。
しかし、訴状の作成や相手側の主張に対する反論などを、素人が全て対応するのは難しいでしょう。
また、業者側が弁護士をつけてくることも十分考えられます。
そのため、裁判を有利に進めるためには、弁護士のサポートが必要不可欠です。
業者に過払い金を請求したり、交渉したりするだけであれば、自力でもできないことはありません。
しかし、少なくとも裁判に発展した場合は、弁護士に依頼するのが賢明な判断といえます。
過払い金請求を依頼する弁護士を選ぶ際は、以下の5つのポイントを確認しておきましょう。
弁護士選びの際に注目しておくべき点は、過払い金問題の解決実績が多いかどうかです。
一口に弁護士といっても、それぞれ得意とする分野は異なります。
対応経験の浅い弁護士に依頼してしまうと、思うような成果を得られないこともあるでしょう。
過払い金問題の対応経験が豊富な弁護士であれば、問題解決に向けた最善の方法を提案してくれます。
一般的に、得意分野や解決実績などは法律事務所のホームページなどで公開されているので、事前に確認しておくとよいでしょう。
弁護士の説明が理解しやすいかどうかも、弁護士選びのポイントです。
過払い金請求にはさまざまな法的手続きが関与するため、素人には理解しにくい部分が当然出てきます。
そのため、わかりやすく説明してくれる弁護士でなければ、現状ややるべきことを適切に把握することができません。
最悪の場合、依頼者と弁護士の認識にずれが生じてしまい、想定していた結果に至らないこともあるでしょう。
依頼者の目線に立ってくれるかどうかは、信頼関係を築くうえでも欠かせない要素です。
無料相談の機会などを通じて、円滑にコミュニケーションが図れる相手かどうかを見極めるようにしましょう。
弁護士には契約書の作成義務が基本的に課されています。
のちのちのトラブルを避けるためにも、契約書を作成しない弁護士には依頼しないようにしましょう。
契約書には、当然弁護士費用に関する記載があります。
記載内容が明確かどうかをしっかり確認しましょう。
記載内容が曖昧で、あとから想定外の高額な費用を請求されてしまうことがないように気を付てください。
交渉か裁判かの判断をしてくれる弁護士かどうかもチェックしておくとよいでしょう。
過払い金の請求方法は、主に和解に向けて交渉をおこなうか、裁判を起こすかの2種類です。
和解交渉をおこなえば、返還額が小さくなる可能性はありますが、比較的短時間で過払い金を回収できます。
裁判を起こせば、手間はかかるものの和解交渉するよりも大きな額を回収できるかもしれません。
どちらの方法にもメリット・デメリットが存在するため、知識や経験がなければ選択に悩んでしまうこともあるでしょう。
依頼者の意向や置かれている状況に応じて、よりよい方法を選択してくれる弁護士であれば、満足のいく結果が期待できます。
担当の弁護士が直接面談してくれるかどうかも、弁護士選びのポイントといえます。
法的トラブルを迅速に解決するためには、依頼者と弁護士との信頼関係が欠かせません。
そのため、話しやすい雰囲気かどうか、意向を適切に汲み取ってもらえるかなど、直接顔を合わせて自身との相性をチェックする必要があります。
しかし、法律事務所によっては、担当の弁護士ではないほかの弁護士や事務員が面談に応じるケースも少なくありません。
この場合、担当の弁護士と十分な意思疎通が図れず、意向に沿った手続きが進められないリスクがあります。
無料相談の機会などを通じて、弁護士が直接面談してくれるかどうかは必ずチェックしておきましょう。
一般的に、弁護士に依頼する場合には着手金や報酬金などの支払いが必要になります。
着手金は、弁護士に仕事を依頼する時点で発生する費用です。
たとえ過払い金の回収に失敗しても、着手金は返還されません。
報酬金は、過払い金の回収が成功したときに発生する費用です。
費用が発生する条件ごとに、以下の3種類に分けられます。
たとえば、引き直し計算によって借金がないことが判明し、さらに過払い金も回収できた場合は、3つの報酬金が全て適用される可能性もあります。
契約書記載の報酬の計算方法をしっかり確認してから契約するようにしましょう。
着手金や報酬金の料金体系は法律事務所によって異なりますが、以下の金額を目安にしておくとよいでしょう。
費用項目 | 費用目安 |
---|---|
着手金 | 0円~4万円前後 |
報酬金 | 獲得金額の20%程度 |
次に、過払い金請求に関するよくある質問6つを紹介します。
同様の疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
借金を返済している途中でも、過払い金請求はできます。
ただし、過払い金請求をおこなって借金が残ってしまった場合は、債務整理と同様の扱いになるので注意が必要です。
信用情報機関に事故情報が登録され、クレジットカードやローンの利用が制限されてしまいます。
まずは借金を完済したうえで、過払い金請求をおこなうようにしましょう。
過払い金請求は、弁護士に依頼することをおすすめします。
まず、弁護士なら相手方との交渉はもちろん、裁判を起こすことも可能です。
司法書士の場合、交渉や訴訟が認められているのは一部の認定司法書士に限られます。
さらに、簡易裁判所での訴訟にしか対応できないため、控訴・上告する場合は弁護士に頼らざるを得ません。
また、司法書士は1件あたり140万円以下の案件しか扱えない点にも注意してください。
借入額が140万円を超える場合、選択肢は弁護士だけに絞られます。
弁護士は司法書士よりも費用が高い傾向にはあるものの、過払い金請求については安い費用で受けている弁護士が多いため、そのような弁護士を探して依頼するのがおすすめです。
回収できる過払い金の額によっては、弁護士費用が上回ってしまう可能性があります。
結果として損をしてしまうのであれば、弁護士を頼るメリットはありません。
過払い金の額と弁護士費用は、あらかじめおおよその目途を立てておくことが大切です。
この点、着手金が0円の契約であれば、実費以外に損になることはなく安心でしょう。
住宅ローンの返済で過払い金が発生することはありません。
過払い金が発生するのは、利息制限法の上限を超えた金利が適用されていた場合に限ります。
少なくとも年15%を上回る必要があるため、基本的には年1%にも満たない住宅ローンの金利で過払い金が発生していることは考えにくいでしょう。
銀行のカードローンで借り入れている場合も、過払い金は発生しません。
銀行は、貸金業者のようなグレーゾーン金利での融資をおこなっていないため、カードローンの利用者も適法な利息を支払っているはずです。
エステの料金をローンで支払っている場合も、過払い金が発生することはないでしょう。
エステローンは利用料金を分割して支払う仕組みであり、お金を借りているわけではありません。
そのため、もともとの利用料に加算されているのも利息ではなく、単なる手数料です。
過払い金は支払い過ぎた利息を回収する手段なので、エステローンの手数料は対象になりません。
過払い金請求を考えている場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。
過払い金請求権の時効は、最後の返済日から10年です。
権利を失ってしまう前に、本来支払うべきではなかったお金を確実に回収しましょう。
しかし、自力で対応しようとすると、返還される金額が少なくなってしまうおそれもあります。
弁護士に依頼すれば満額回収できる可能性が高くなるうえ、もともとの返済額に利息を上乗せできるかもしれません。
過払い金に関しては、相談料や着手金を無料にしている法律事務所も多いので、まずは気軽に相談してみましょう。