任意整理のメリット・デメリットは?手続きの流れと費用も解説

任意整理のメリット・デメリットは?手続きの流れと費用も解説
目次
  1. 任意整理とは|毎月の返済額の減額、利息の減額を債権者と直接交渉する手続き
    1. 任意整理とほかの債務整理との具体的な違い
  2. 任意整理を検討すべきケース3選|どのような場合に向いているのか?
    1. ギャンブル等の免責不許可事由が存在する場合
    2. 裁判所は使いたくないが借金を減額したい場合
    3. 借金を滞納してしまい、一括請求されている場合
  3. 任意整理のメリット9つ
    1. 1.返済期間中の利息をカットしてもらえる可能性が高い
    2. 2.遅延損害金を免除できる可能性がある
    3. 3.借金の返済方法を変更できる可能性がある
    4. 4.過払い金を発見できる可能性がある
    5. 5.裁判所を介さないため負担が少ない
    6. 6.手続きによる職業・資格制限がない
    7. 7.家や自動車などの財産を維持できる
    8. 8.任意の業者とだけ交渉をおこなえる
    9. 9.国の機関紙である官報には載らない
  4. 任意整理のデメリット5つ
    1. 1.借金の支払い義務はなくならない
    2. 2.借金を大幅に減額できるわけではない
    3. 3.信用情報機関の事故情報に登録される
    4. 4.全ての業者が交渉に応じてくれるわけではない
    5. 5.自力で交渉しようとしても受け付けてくれない
  5. 任意整理は弁護士に任せよう!相談・依頼する4つのメリット
    1. 1.債権者からの督促・取り立てを止められる
    2. 2.無理のない返済条件での和解を目指せる
    3. 3.過払い金が見つかった場合は請求できる
    4. 4.開示手続きや交渉などの負担を減らせる
  6. 任意整理の流れと目安期間|弁護士への依頼から和解成立まで
    1. 1.弁護士に任意整理を相談・依頼
    2. 2.受任通知の送付|当日~翌日
    3. 3.業者への取引履歴開示請求|2週間~4ヵ月
    4. 4.利息制限法に基づく残高を算出
    5. 5.任意整理の交渉・和解の成立|1~2ヵ月
  7. 任意整理にかかる費用|弁護士と司法書士のそれぞれの費用相場
    1. 弁護士の場合|3万円程~20万円程
    2. 司法書士の場合|着手金2万円~3万円+報酬金10%程度
  8. 任意整理が失敗しやすいケース|ほかの債務整理を選ぶのがおすすめ
    1. 1.借金額が多く、和解後3~5年で完済が期待できない場合
    2. 2.安定的な収入がなかったり、収入額が少なすぎたりする場合
    3. 3.過去に任意整理をしている業者に対して再度任意整理をする場合
  9. 任意整理に関するよくある質問
    1. Q.返済実績がない業者とも任意整理はおこなえますか?
    2. Q.専業主婦・学生でも任意整理をおこなえますか?
    3. Q.会社や家族にバレませんか?
    4. Q.契約書などがなくても任意整理はおこなえますか?
    5. Q.和解内容どおりに返済できないとどうなりますか?
    6. Q.仮に弁護士費用を滞納したらどうなるのでしょうか?
  10. さいごに|任意整理をするなら早めに弁護士に相談しよう

借金返済の額が大きく、生活に困難が生じている方や精神的負担になっている方は少なくありません。

無理のない返済計画への変更、借金の減額・免除を望んでいるけれど、どうすればよいかわからないとき、まず検討する債務整理のひとつに任意整理があります。

任意整理は、借金の利息部分の減額や毎月の返済額の減額を期待でき、周りにバレてしまうリスクがほとんどなく、ほかの債務整理に比べて柔軟性の高い方法だといえます。

任意整理とは何か、向いているケース、メリット・デメリットなどについて詳しく見ていきましょう。

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この記事を監修した弁護士
福田 圭志
福田 圭志弁護士(船橋リバティ法律事務所)
船橋で長年弁護士業をしている地元密着の弁護士。借金問題、離婚問題、相続問題、企業法務に注力。依頼者の納得のいくゴールを目指し、依頼者と二人三脚で事件に挑む。司法書士、税理士等の他士業との連携も武器。

任意整理とは|毎月の返済額の減額、利息の減額を債権者と直接交渉する手続き

任意整理とは、債権者との直接交渉によって返済計画を立て直すことを指します。

裁判所を介さないため、自分でおこなうことができます。

しかし、専門知識がない状態で適切な返済額の計算や交渉をするのは、容易なことではありません。

そこで、弁護士や司法書士に依頼して代理交渉をおこなうのが一般的です。

任意整理では、主に次の2点について交渉します。

  1. 返済期間を延ばし、長期分割払いで月々の返済額を減額すること
  2. 利息の減額等を交渉し、結果的に総返済額を減額すること

詳しくは、「任意整理の9つのメリット」で説明します。

任意整理とほかの債務整理との具体的な違い

債務整理には、いくつかの方法があります。

ここでは、任意整理と個人再生、自己破産の違いを見てみましょう。

1.任意整理

裁判所を介さずに、債権者と直接交渉するのが任意整理です。

返済回数の増加や利息カットなど、債務者が無理なく返済できるよう調整します。

弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。

手続き後、完済するまではブラックリストに載るため、新しい借入はできませんが、家や財産は残ります

ほかの債務整理と比べると依頼にかかる費用を抑えられる傾向にあり、債権者1社につき3万円程度から受け付けているところもあるようです(弁護士費用の場合)。

2.個人再生

裁判所に申し立てをして、債務の減額を求める手続きが個人再生です。

再生計画案を提出し、計画に沿った返済を条件に残りの債務が免除されます。

原則3年(最長5年)の分割で返済することとなります。

多くのケースで債務額を5分の1程度まで減額されるため、債務者の負担を大幅に軽減することができます。

綿密な再生計画が必要であり、提出書類が多く複雑で、債権者と裁判所への対応も必要となるため、弁護士に依頼されることを強くおすすめします。

弁護士費用は少なくとも30万円以上はかかると思います。

3.自己破産

裁判所に申し立てをして、債務全額を免除してもらうための手続きが自己破産です。

自己破産が認められれば、借金を返済する必要がなくなります

しかし、家や車などの財産は、処分(換価)されて返済に充てられる可能性が高いです。

提出書類が多く複雑で、債権者と裁判所への対応も必要となるため、弁護士に依頼されることを強くおすすめします。

弁護士費用は少なくとも30万円以上はかかると思います。

任意整理を検討すべきケース3選|どのような場合に向いているのか?

次のような場合には、任意整理を検討しましょう。

ギャンブル等の免責不許可事由が存在する場合

破産において、借金を免除することを免責といいます。

破産法において免責出来ない事由(免責不許可事由)が規定されています(破産法252条1項各号)。

免責不許可事由が存在する場合には、破産管財事件となるため、それを避けるために任意整理の選択を検討する余地があります。

裁判所は使いたくないが借金を減額したい場合

任意整理をおこなうと、今後発生する利息(将来利息)をカットしてもらえる可能性が高いです。

将来の利息をカットしてもらえると結果的に返済総額の減額となります。

裁判所を使わず返済総額を減らしたい場合は、任意整理が解決策の1つとなります。

借金を滞納してしまい、一括請求されている場合

借金を数ヵ月滞納したことで、残りの金額を一括請求されることがあります。

自分で連絡をしても言い分を聞き入れてもらえない場合、弁護士に依頼すれば応じてくれることも少なくありません

任意整理により、返済期間を延ばしたり月々の返済額を抑えたりできる可能性があります。

任意整理のメリット9つ

では、任意整理にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.返済期間中の利息をカットしてもらえる可能性が高い

最大のメリットは返済期間中の利息(将来利息)をカットしてもらえる可能性が高いことです。

交渉によって協議が調えば、それ以降の利息を支払わなくてよくなります

なお、既に滞納している元金や利息のカットについては非常に困難でしょう。

2.遅延損害金を免除できる可能性がある

期日までに返済できなければ、ほとんどのケースで遅延損害金が請求されます。

1日では数十円〜数百円でも、何日も返済できない日が続けば数千円〜数万円と、完済するまで増えていきます。

任意整理では、遅延損害金についても、交渉により免除や減額してもらえる可能性があります。

3.借金の返済方法を変更できる可能性がある

債権者への返済方法につき、弁護士の事務所が窓口となって弁済代行することをおこなっている弁護士に依頼した場合には、複数社の任意整理において、毎月一度の振込で済むことになり、返済方法が簡便になります。

また、債権者と直接連絡を取らなくてもよいため、精神的負担を軽減することにもつながるでしょう。

4.過払い金を発見できる可能性がある

貸金の利息の上限は利息制限法に定められています。

年間何%までなら利子をつけてよいかは、貸付額に応じて以下の3パターンに分かれています。

  • 10万円未満:20%
  • 10万円以上から100万円未満:18%
  • 100万円以上:年15%

上限金利が守られているかを確認し、利息を払い過ぎていた場合には、過払い金として返還請求ができ、お金が戻ってくる可能性があります。

5.裁判所を介さないため負担が少ない

裁判所を介さない私的交渉であるため、柔軟な交渉ができるのも、任意整理の利点です。

どのように進めるべきか、どのような内容で決着をつけるべきかなど、ルールがないため、自由度が高く負担が少ないといえます。

また、ほかの債務整理では多くの書類を作成したり、裁判所へ出向く必要がありますが、そのような負担もかからないのが任意整理です。

6.手続きによる職業・資格制限がない

自己破産には、手続きをしている間は一定の職業に就業できない職業制限があります。

しかし、任意整理には制限がなく、どのような仕事をしていても直接的な支障が出ることがありません

7.家や自動車などの財産を維持できる

自己破産の場合は、資産価値があるものは最低限を除いて、債権者に分配するために処分して換価しなければなりません。

一方、任意整理なら裁判所を介さず私的に債権者と交渉をおこなうため、家や自動車などの財産を残しておくことができます

8.任意の業者とだけ交渉をおこなえる

複数の業者からお金を借りている場合、希望する業者とのみ交渉することができます。

たとえば、保証人がついていない借金だけを選んで交渉することができ、周囲に迷惑をかけずに手続きすることが可能です。

9.国の機関紙である官報には載らない

自己破産や個人再生の場合には、官報に氏名や住所が掲載されてしまいます。

官報とは、国が発行する機関紙で、基本的には法令公布や国の政策周知のためにあるものです。

また、国民の権利義務に関するさまざまな公告をするものでもあり、破産情報、個人再生情報もそのひとつです。

インターネット(有料)、大きな図書館(無料)で誰でも閲覧することができます。

任意整理であれば、官報に載ることがないため、周囲に知られるリスクは基本的にないでしょう。

任意整理のデメリット5つ

債務整理のなかでもメリットの多い任意整理ですが、もちろんデメリットもあります。

ここでは、知っておきたい任意整理のデメリットについて6つ紹介します。

1.借金の支払い義務はなくならない

任意整理は、返済期間の延長や利息カットが期待できる程度なので、借金が大幅に減る可能性は非常に低く、基本的に現在把握している元利合計金額を分割で返済することになります。

任意整理によって定め直した返済額を、完済まで毎月支払い続ける必要があります。

毎月の返済額を長期間継続できるかについて、じっくり検討しましょう。

2.借金を大幅に減額できるわけではない

利息や遅延損害金のカットができたとしても、任意整理では元本が残るため、個人再生や自己破産と比べれば、大幅な減額になるわけではありません

また、借金額が少ない場合や金利が低い場合は、任意整理による減額効果が感じづらいこともあります。

3.信用情報機関の事故情報に登録される

ブラックリストとよばれる、信用情報機関への事故情報の登録もデメリットのひとつです。

任意整理で完済するまでは事故情報が残り続けるため、その間新たな借入やクレジットカードの作成等の審査が通らなくなります

4.全ての業者が交渉に応じてくれるわけではない

任意整理は、全ての業者が応じてくれるというわけではありません。

とくに、借金の貸付期間が1年以内の場合や一度も返済履歴がない場合、過去に任意整理をしていた場合には、応じてくれない可能性があります。

5.自力で交渉しようとしても受け付けてくれない

自分で任意整理を進めようとしても、交渉を受け付けてくれない業者は少なくありません。

債務者が法律知識を有していないことが多く、交渉や手続きに時間がかかると考えられるためです。

また、たとえ受け付けてくれたとしても、正しい知識をもっていない場合には不利な条件で決着してしまうことがあります。

任意整理をするなら、弁護士へ相談・依頼するのがおすすめです。

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任意整理は弁護士に任せよう!相談・依頼する4つのメリット

ここまで見てきたように、専門知識を持たないで計算や交渉をおこなうのは簡単なことではありません。

確実に任意整理を成功させるためには、弁護士に任せることがおすすめです。

ここでは、弁護士に相談・依頼するメリットを紹介します。

1.債権者からの督促・取り立てを止められる

弁護士は、自らが代理人になったことを知らせる受任通知を債権者に送ります。

受任通知を受けた貸金業者は、債務者への督促や取り立てをおこなうことができません(貸金業法第21条1項9号)。

受任送達後のやり取りは、代理人である弁護士がおこないます。

また、任意整理の内容が確定するまでは、返済自体も一時的にストップできるため安心です。

2.無理のない返済条件での和解を目指せる

債務整理が得意な弁護士なら、無理なく返済できる条件で和解できるよう、調整・交渉してくれます。

弁護士の知識と経験によって、最大限に無理のない返済条件を実現することができるのです。

たとえば、将来の利息や遅延損害金の免除等、自分では交渉しきれない内容でも、弁護士を通すからこそ実現できるという場合もあります。

3.過払い金が見つかった場合は請求できる

弁護士が任意整理をおこなう際、借入や返済状況を正確に把握し、引き直し計算をおこないます。

上限金利が守られているかどうかをチェックするステップです。

過払い金があった場合は、返還の交渉をおこないます。

自力で過払い金を見つけることや返還請求をすることは、容易ではありません。

任意整理に慣れている弁護士であれば、スムーズな計算と交渉ができ、自分で交渉するよりも過払い金を取り戻せる可能性ははるかに高くなります

4.開示手続きや交渉などの負担を減らせる

取引履歴の開示請求や交渉は、多くの人にとって負担が大きいものです。

知らないことやよくわからないことを調べながら手続きを進めるのは、時間と労力がかかり、精神的負担も重なっていきます。

弁護士への依頼によって作業を任せることで、最小限の負担で任意整理をすることができます

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任意整理の流れと目安期間|弁護士への依頼から和解成立まで

弁護士に事件を依頼してから事件終了までの期間は、自己破産と個人再生が早くて6ヵ月年〜1年程度です。

任意整理なら、2ヵ月~3ヵ月程度の期間で終了する可能性が高いです。

弁護士への相談・依頼から和解成立までの流れと目安期間を見てみましょう。

1.弁護士に任意整理を相談・依頼

まずは弁護士に相談しましょう。

30分程度の相談なら無料で受け付けてくれる弁護士が多いので、費用の心配はありません。

実際に任意整理をお願いする場合は弁護士費用がかかりますが、ほとんどの場合、弁護士費用も含めて無理なく支払えるように対応してもらえます

また、分割払いも検討してくれます。

2.受任通知の送付|当日~翌日

弁護士に依頼すれば、当日か翌日には弁護士が債権者宛てに受任通知を郵送します。

それによって、数日ほどで督促や取り立てがストップするでしょう。

3.業者への取引履歴開示請求|2週間~4ヵ月

弁護士から業者へ取引履歴の開示請求をおこない、正確な借金残高を把握します。

かかる時間は各業者によって違いますが、2~3週間程度で開示されることが一般的です。

まれに数ヵ月を要することもあります。

4.利息制限法に基づく残高を算出

開示請求によって正確な返済履歴がわかったら、弁護士が利息制限法に基づいて引き直し計算をおこないます。

これまでの利息は法的に支払う必要があったのか、払い過ぎ(過払い)の有無をチェックします。

そして、依頼者と支払っていく金額や期間を相談して交渉条件を決めます。

5.任意整理の交渉・和解の成立|1~2ヵ月

弁護士は、再計算をもとに返済計画を作ったうえで、交渉に入ります。もちろん計画は依頼主に確認してから確定しますので、安心してください。

1社ずつ順番に交渉するため、借入先が多い場合は2ヵ月程度かかることもあります。

和解内容が確定したら、計画通りに返済していきましょう。

任意整理にかかる費用|弁護士と司法書士のそれぞれの費用相場

次に、弁護士へ依頼する際の費用相場を紹介します。

何社から借りているのかによっても変動しますが、ぜひ参考にしてください。

弁護士の場合|3万円程~20万円程

弁護士への依頼総額は3万円程~20万円程と幅があります。

3万円程になる事務所の内訳の一例は以下になります。

  • 弁護士費用:3万3000円(税10%込)
  • 実費:2000円

20万円程になる事務所の内訳の一例は以下になります。

  • 着手金:2万円~3万円
  • 解決報酬金:2万円~3万円
  • 減額報酬金:減額した金額の10~15%
  • 合計:20万円程度

複数の弁護士に相談し、弁護士の費用と相性等を総合的に判断して、依頼先を決めましょう。

弁護士の中には契約書を作成しない方もいるかもしれませんが、後々のトラブル防止のために、契約書を作成しない弁護士には依頼しないことを強くおすすめします。

なお、契約書の作成義務は弁護士職務基本規程第30条に定められています。

司法書士の場合|着手金2万円~3万円+報酬金10%程度

司法書士への依頼総額は15万円程度になるのが相場です。内訳としては次のようになります。

  • 着手金:2万円~3万円
  • 解決報酬金:2万円~3万円
  • 減額報酬金:減額した金額の約10%
  • 合計:15万円程度

任意整理が失敗しやすいケース|ほかの債務整理を選ぶのがおすすめ

任意整理には向き不向きや、債権者に拒否されてしまうケースもあります

次のケースにあてはまるときは、任意整理が失敗してしまう可能性が高いため、ほかの債務整理も検討しましょう。

ご自身の状況が該当するかどうか迷ったら、弁護士に相談することをおすすめします。

1.借金額が多く、和解後3~5年で完済が期待できない場合

任意整理は、基本的に利息や遅延損害金のカットを目指すものです。

そのため、元本は基本的に返済しなければならないため、元本が多額である場合はあまり適していません

3〜5年を目安に計算し、毎月の返済予定額が実際の収入の中で返済可能かをよく検討しましょう。

返済が困難と思われる場合には、借金を減額または免除できる個人再生や自己破産の利用の方が適切でしょう。

2.安定的な収入がなかったり、収入額が少なすぎたりする場合

収入が少なく、任意整理をしても返済する資金が準備できないときも、ほかの債務整理を検討すべきといえます。

そもそも完済が見込めないと判断され、任意整理に応じてもらえない可能性が高いですし、多額の返済負担がほとんど変わらないのであれば任意整理をおこなう意味がなくなってしまいます。

自己破産など、ほかの選択肢も検討しましょう。

3.過去に任意整理をしている業者に対して再度任意整理をする場合

過去に任意整理をしたことがある業者と、もう一度任意整理をするのは非常に難しいでしょう。

すでに契約内容を変更して、利息や遅延損害金のカットをしたにもかかわらず、また支払いが厳しいとなれば、業者から信用してもらうことができず、任意整理に応じてもらえない可能性が高いでしょう。

任意整理に関するよくある質問

もっと任意整理について知りたいという方は、よくある質問を参考にしてみてください。

Q.返済実績がない業者とも任意整理はおこなえますか?

一切返済していない場合、債権者に信用してもらうことが困難となりますので、債権者が任意整理に応じることは難しいと考えられます。

この場合には、個人再生や自己破産を検討しましょう。

Q.専業主婦・学生でも任意整理をおこなえますか?

専業主婦や学生の方でも任意整理は可能ですが、支払いの原資の確認はされるでしょう。

Q.会社や家族にバレませんか?

督促状など債権者からの書類が会社や自宅に届いてしまわない限り、バレることはないでしょう。

弁護士や司法書士が依頼人となったことを知らせる受任通知が債権者に送付されれば、基本的には債権者から直接連絡が来ることはなくなります

念のため、依頼する弁護士や司法書士には、会社や家族に内密にしたいことを伝えておけばより安心です。

Q.契約書などがなくても任意整理はおこなえますか?

債権者がどこか分かっていれば、借入時の契約書や債権者からの請求書等が手元にない場合にも、任意整理ができます。

弁護士や司法書士から取引履歴の開示請求をするため、必要な書類がない場合や正確な借入額がわからない場合でも大丈夫です。

Q.和解内容どおりに返済できないとどうなりますか?

任意整理による和解内容で決まった返済額を支払えないと一括請求される可能性が高いでしょう。

職場の事情や失業などにより、どうしても和解内容どおりに返済できなくなってしまった場合には、まずは債権者に事情を説明し、債権者が納得してくれない場合には自己破産等を検討しましょう。

Q.仮に弁護士費用を滞納したらどうなるのでしょうか?

多くの弁護士が、支払いスケジュールを組み直してくれるはずです。

しかし、未払いが長期間続いたり、連絡がつかなくなったりすれば、弁護士は辞任するでしょう。

そうなれば、借入先からの請求は復活してしまうので、早めに担当弁護士に相談しましょう。

自己破産などへの切り替えなど、適切なアドバイスがもらえます。

さいごに|任意整理をするなら早めに弁護士に相談しよう

任意整理は、ほかの債務整理より手続き期間が短いことや交渉の柔軟性がメリットです。

しかし、借金が多すぎる場合には不向きです。

遅延利息が膨らむ前や多重債務に陥る前に、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

少しでも借金返済が苦しいと感じたなら、まずは一度弁護士の無料相談を利用しましょう。

任意整理ができないケースでも、適切な方法を提案してくれるでしょう。

弁護士という立場上、無理に依頼するように迫ることはありませんのでご安心ください。

迷わずすぐにご相談されることを強くおすすめします。

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アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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