旦那と離婚したい|別居・離婚成立までの手順とポイントを解説

旦那と離婚したい|別居・離婚成立までの手順とポイントを解説

夫婦はもともと他人同士です。

夫婦生活を送るなかで、価値観や性格が合わないなど、旦那に対して少なからず不満が生まれることもあるでしょう。

何度注意しても直らない生活習慣の不満から異性関係の不満など、不満の大きさはさまざまです。

もう我慢できないとなれば、離婚も考えてしまいますよね。

しかし、いざ離婚するとなると、旦那にどうやって切り出したらよいのか、どのように話を進めたらよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

この記事では、旦那と離婚したいと考える妻が取るべき行動や事前準備など、離婚成立までの流れを解説します。

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この記事を監修した弁護士
下地 謙史(日暮里中央法律会計事務所)
原 千広弁護士(日暮里中央法律会計事務所)
東京大学法科大学院修了。東京弁護士会所属。離婚・相続等の家族案件から労働・国際案件まで幅広く携わり、Yahoo!ニュース等の記事監修も手がける。 (※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)

妻が旦那と離婚したいと考える主な理由

離婚したいという考えに至るには、さまざまな理由があるはずです。

ここでは、妻が旦那と離婚したいと考える主な理由をご紹介します。

性格や価値観の不一致

妻が旦那と離婚したいと考える理由に、性格や価値観の不一致があります。

令和2年度の裁判所の司法統計によると、離婚調停を申し立てる最も多い理由は「性格の不一致」であるという結果も出ています。

毎日一緒に生活していると、考え方の些細なズレがやがて大きなストレスにつながることもあるでしょう。

旦那の生活習慣や金銭感覚など、どうしても理解できず、離婚を考えてしまう方もいるはずです。

幼い頃から築き上げられた性格や価値観は、大人になってからそう簡単には変えられないでしょう。

旦那と性格や価値観が合わないことに、結婚してから気がつく方も多いのかもしれません。

生活費をくれない

旦那が生活費をくれないというのも、離婚理由のひとつです。

結婚を機に専業主婦になる女性や、子育てのためフルタイムで働けない女性も多くいるでしょう。

この場合、旦那の収入に頼るしかなく、生活費がもらえないというのは妻にとって大きなストレスになります。

旦那が生活費をくれないというのは、民法で定められた離婚理由のひとつ「悪意の遺棄」に該当するかもしれません。

離婚調停や裁判の際に、離婚が認められる可能性も高いでしょう。

モラハラやDV

旦那からのモラハラやDVの被害にあった妻は、離婚を考えることも多いはずです。

モラハラやDVは、精神的にも身体的にも大きなダメージを受けます。

妻を見下すような言動や、力で押さえつけようとする行為は許されるものではありません。

モラハラやDVは時に命に関わる場合もあります。

そのような場合には、早急に離婚手続きを進めるべきといえるでしょう。

異性に関するトラブル

旦那の異性に関するトラブルも、妻が離婚を考える理由になります。

不貞行為や風俗通いなどの異性問題は、妻としては許しがたいものです。

旦那の裏切り行為に、大きなショックを受けることもあるでしょう。

夫婦の信頼関係が崩れる異性トラブルは、大きな離婚理由のひとつです。

状況によっては、慰謝料を請求できる可能性もあるでしょう。

旦那と離婚したいと思ったらまず、別居を検討してみる

旦那と離婚したいと思ったら、まずは別居を検討してみてはいかがでしょうか。

ここからは、旦那と別居することのメリット・デメリットや注意点を解説します。

別居することのメリット・デメリット

別居することのメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 物理的な距離を置くことで冷静になれる
  • 旦那と日常的に顔を合わせることがなくなるので、ストレスが減る
  • 本気で離婚したいと思っていることを旦那に伝えられる

ひとつ屋根の下で共同生活を送っていると、嫌でも毎日旦那と顔を合わせることになります。

別居して住む場所を変えれば、顔を合わせるストレスからは解放されるでしょう。

お互いに距離を置くことで冷静にもなれますし、離婚に対する本気度も旦那に伝わるはずです。

対して、別居することのデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 生活費などの金銭的負担が増える
  • 旦那の不貞行為などの証拠が集めにくくなる
  • 旦那に財産を隠されてしまう可能性がある など

新たに賃貸物件を契約して生活するとなると、家賃や光熱費、食費などの生活費がかかります。

そのため金銭的な負担が増えるのは別居のデメリットといえるでしょう。

また、旦那の行動が見えないため、不倫の証拠を集めにくくなる、財産を隠されても気がつかないという可能性があります。

別居を検討する際の注意点

別居を検討する際の注意点は、悪意の遺棄にならないようにすることです。

悪意の遺棄とは、民法で定められた離婚理由のひとつで、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務に違反する行為のことです。

夫婦には同居してお互いに助け合う義務があります。

そのため、正当な理由なく別居してしまうと、悪意の遺棄とみなされる可能性があるのです。

悪意の遺棄に該当した場合、別居した妻は有責配偶者となり、妻からの離婚請求が原則できなくなります。

旦那のDVやモラハラ、不貞行為などが理由の別居なら、悪意の遺棄には該当しません。

別居を検討する際は、正当な理由をみつけ、悪意の遺棄にあたらないように注意しましょう。

旦那へ離婚したいと切り出すベストタイミングは?

旦那へ離婚したいと切り出すのは勇気がいりますよね。

言い争いに発展することもあり切り出すタイミングはとても重要です。

ここからは、旦那に離婚を切り出すベストタイミングをご紹介します。

お互いが落ち着いているときに話す

旦那に離婚を切り出すベストなタイミングは、お互いが落ち着いているときです。

離婚の話は片手間にできるようなものではありません。

お互いしっかりと時間を確保できる落ち着いたタイミングで切り出すのがよいでしょう。

つい感情的になることもあるかもしれませんが、あくまでも冷静に話し合いを進めることが大切です。

冷静になることができなければ、せっかく話し合いの時間を確保してもけんかに発展し、離婚の話が進まないこともあります。

お互い落ち着いて話ができるタイミングで離婚の話を切り出せば、余計な争いを防げるかもしれません。

相手の意見や考えを否定しない

相手の意見や考えを否定できるうちは、離婚を切り出さないほうがよいでしょう。

旦那の言動を否定するということは、相手に変わってほしいという希望の現れでもあります。

妻の言葉で旦那に言動を改める意思がみられたら、離婚したいという気持ちが揺らぐ可能性があります。

離婚を切り出すなら、「もう相手を否定すらもしたくない」という状況になったタイミングでしょう。

相手への関心を失い、改善してほしいという希望がない状況であれば、揺るがない意思のもと、離婚の話を進められるでしょう。

すぐに決着をつけようとしない

離婚の話し合いをするときは、すぐに決着をつけようとしないことが大切です。

焦って決着をつけようとすると、離婚条件をしっかり決められない可能性があります。

財産分与や養育費、親権など、自分にとって不利な取り決めをしてしまうかもしれません。

すぐに白黒はっきりさせ、新しい人生を歩みたいと考える方もいるでしょう。

しかし、離婚後の人生を後悔なく歩むためには、夫婦間でじっくりと話し合うことも大切です。

子どもがいないところで話す

離婚を切り出す時は、子どもがいないところで話すようにしましょう。

両親が自分の目の前で離婚の話し合いをするというのは、子どもにとって多大なるストレスになります。

話し合いで険悪なムードになれば、子どもは不安な気持ちにさせるだけでなく、悩ませてしまうかもしれません。

両親の揉めごとに子どもを巻き込むのは、あってはならないことです。

子どもの気持ちを一番に考え、子どもがいないタイミングで離婚話を切り出すようにしましょう。

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離婚を切り出してから離婚成立までの流れ

いざ離婚したいと思っても、どのような流れで手続きを進めればよいのかわからないですよね。

ここからは、離婚を切り出してから離婚に至るまでの流れを解説します。

離婚後について夫婦間で話し合いをする

まずは、離婚後のことを夫婦間で話し合いましょう。

今までの夫婦生活を清算して新たな人生を歩むためには、財産分与や慰謝料、親権など離婚後の条件を決める必要があります。

感情的になり、けんかに発展することもあるかもしれません。

そうすると、冷静な話し合いができず、条件をまとめるのは困難になるでしょう。

直接話し合うのが難しい場合は、弁護士に依頼して交渉してもらうのもおすすめです。

離婚後の取り決めをきちんとしないと、後々トラブルになることもあります。

まずは離婚後のことを夫婦間でしっかり話し合いましょう

離婚協議書の作成

離婚後の条件などが決まったら、次は離婚協議書の作成を進めましょう。

口約束のみでは、あとで「言った、言わない」でトラブルに発展する可能性があります。

そのため、離婚条件が決まったら、離婚協議書などできちんと書面にまとめるほうが安心でしょう。

また、養育費や慰謝料などの金銭的な取り決めをした場合は、将来的に不払いが発生するかもしれません。

強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、もしものときに相手の財産を差し押さえることもできます。

あとで後悔しないためにも、きちんと離婚協議書を作成しておくのが大切です。

話し合いで解決しない場合は、調停離婚・裁判離婚を検討

もし話し合いがまとまらなければ、離婚調停や離婚裁判を視野に入れましょう。

話し合いだけで解決するのが最もスムーズな離婚方法ではありますが、中にはお互い感情的になり、話しがまとまらないこともあります。

その場合は、裁判所での手続きを検討しましょう。

離婚調停の場合、第三者である調停委員がお互いの言い分を聞き、話し合いを進めてくれます。

このタイミングで弁護士に依頼するのもよいでしょう。

弁護士に依頼すれば、一緒に調停期日に出席し、気持ちを代弁してくれます。

第三者を間に入れることで、話し合いがスムーズに進むこともあります。

夫婦だけでの話し合いが上手くいかない場合は、調停や裁判も検討してみましょう。

旦那と離婚したいと決意した妻が準備すべき5つのこと

なるべくスムーズに離婚して新たな人生を歩むためには、いくつか準備が必要です。

旦那との離婚を決意した妻が準備するべきことを5つご紹介します。

離婚したい理由を整理する

離婚を決意した妻が準備するべきこと1つ目は、離婚したい理由を整理することです。

旦那に対してきちんと離婚の意思を伝えるためにも、なぜ離婚したいのか明確な理由をまとめておくとよいでしょう。

なんとなく嫌だから離婚したいなど、曖昧な理由だと相手は離婚に応じてくれないかもしれません。

離婚したい理由が、旦那の不貞行為や悪意の遺棄などの法定離婚事由に該当しない場合は、まずは別居を検討しましょう。

離婚するにあたり、相手の合意を得ることができれば、必ずしも法定離婚事由が必要というわけではありません。

しかし、もし調停や裁判になった場合、別居期間が長いと離婚が認められやすくなる可能性があります。

性格が合わないなどの理由であれば、別居期間を設けることも検討してみてください。

離婚後の生活を検討する

離婚を決意した妻が準備するべきこと2つ目は、離婚後の生活を検討することです。

離婚したら、自分一人で生活をしていかなければなりません。

経済的に自立できるように仕事を探したり、お子さんがいる場合は公的な手当を受給したりするなど、離婚後の生活を検討しておきましょう。

お子さんがまだ小さい場合、実家のサポートを受けられるかどうかも確認しておくとよいかもしれません。

離婚後の生活をどうするべきかは、早めに考えておくのがおすすめです。

旦那へ請求できる金額をまとめる

離婚を決意した妻が準備するべきこと3つ目は、旦那へ請求できる金額をまとめることです。

離婚に際し、旦那に対してお金を請求できることもあります。

旦那が不貞行為やDVなどの法定離婚事由に該当する行為をしていた場合には、慰謝料を請求できるかもしれません。

傷つけられた代償をきちんと請求できれば、離婚後の経済的な不安も少しは和らぐはずです。

慰謝料のほかにも、婚姻費用として生活費を請求することや、夫婦で築いた財産を基本的に2分の1ずつ分け合う財産分与もあり得ます。

また、子どもがいる場合には養育費の請求や、児童手当や母子手当、税金控除などの公的なサポートを受けられる場合もあります。

もし、直接の交渉が難しい場合や旦那へ請求できる金額や種類を把握したい場合には、弁護士への相談・依頼も検討しましょう。

離婚したい根拠となる証拠集め

離婚を決意した妻が準備するべきこと4つ目は、離婚したい根拠となる証拠を集めることです。

旦那の不貞行為やDVなどが理由で離婚したい場合は、言い逃れできない証拠を集めておくことが重要です。

不貞行為の場合は、ホテルの出入りの写真や不倫相手とのラインのやり取りなど、可能な限り証拠を集めておきましょう。

DVやモラハラの場合は、病院の診断書や怪我の写真、音声データなどを集めておくといいかもしれません。

なるべく有利な条件で離婚するためにも、証拠は非常に重要です。

どのような証拠を集めるべきか悩んだら、弁護士に相談しましょう。

弁護士なら、離婚交渉や調停、裁判で有利になるような証拠の集め方を教えてくれるはずです。

精神的な自立を目指す

離婚を決意した妻が準備するべきこと5つ目は、精神的な自立を目指すことです。

離婚をしたら、再婚をしない限りひとりで物事を決めていく必要があります。

誰にも頼ることなく、ひとりで人生を切り開いていくためにも精神的に自立することが大切です。

また、離婚をしたことで周りから噂されたり、心無い言葉をかけられたりすることもあるかもしれません。

いちいち気にしていたら、精神的にも参ってしまうでしょう。

自分の人生をより良いものにするためには、周りに何を言われても気にしない精神的な強さも必要といえるでしょう。

離婚するにあたって弁護士へ相談するメリット

旦那と直接話したくない、顔も見たくないという方もいるかもしれません。

そんなときは、弁護士に相談するのがおすすめです。

離婚するにあたって、弁護士へ相談するメリットを解説します。

離婚を有利に進めるためのアドバイスがもらえる

離婚するにあたって弁護士に相談するメリット1つ目は、離婚を有利に進めるためのアドバイスがもらえることです。

弁護士なら、法律に則ったアドバイスが可能です。

たとえば旦那が不倫をしていたら、より慰謝料を多くもらうためにどのような証拠を集めるべきなのかも教えてもらえるでしょう。

また、離婚は財産分与や養育費など、金銭面でもさまざまな取り決めをする必要があります。

弁護士に相談すれば法的に適正な金額を算定し、損をしないような条件で離婚できるようアドバイスをしてくれるでしょう。

離婚にまつわる手続きや交渉を一任できる

離婚するにあたって弁護士に相談するメリット2つ目は、離婚にまつわる手続きや交渉を一任できることです。

弁護士に依頼すれば、旦那との交渉や調停、裁判手続きなど、全て自分の代わりに代理でおこなってもらえます。

直接旦那と顔を合わせることなく離婚手続きを進められるので、負担を減らせるでしょう。

また、弁護士ならどのような相手にも毅然とした態度で交渉を進めてくれます。

旦那が怖くて本心が言えないという方は、ぜひ弁護士に相談してみてください。

精神的なストレスを軽減できる

離婚するにあたって弁護士に相談するメリット3つ目は、精神的なストレスを軽減できることです。

嫌いな相手と顔を合わせての話し合いは、かなり骨が折れる作業です。

弁護士に依頼すれば、離婚に関する面倒な交渉や手続きをまとめて対応してくれるので、精神的なストレスを軽減できるはずです。

また、夫婦だけだと感情的になり、話し合いがまとまらないこともあります。

第三者である弁護士が間に入ることで、冷静な話し合いができるかもしれません。

なるべく負担なく、スムーズに離婚を進めるためにも、弁護士への相談がおすすめです。

まとめ|旦那がストレスで離婚したいと思ったら弁護士へ相談を

旦那がストレスで離婚したいと思ったら、まずは弁護士への相談がおすすめです。

弁護士なら、離婚に向けた法的なアドバイスをしてくれます。

離婚に関する手続も代理してもらえるので、ご自身の負担を減らして離婚を進められるでしょう。

なるべく有利な条件で離婚したい、自分で交渉をしたくないという方は、離婚手続きを弁護士に依頼してみてはいかがでしょうか。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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