国選弁護人は民事訴訟でも依頼可能か|裁判を起こすときの流れと費用

国選弁護人は民事訴訟でも依頼可能か|裁判を起こすときの流れと費用

国選弁護人は、民事訴訟を起こす場合でも選任することはできるのでしょうか。結論から申しますと、民事訴訟で国選弁護人を選任することはできません

なぜなら、国選弁護人は日本国憲法37条に基づく刑事手続のための制度であるためです。

第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
引用元:日本国憲法

離婚や相続問題は刑事事件ではなく民事事件です。このような民事事件の処理を弁護士に依頼する場合は自らの責任で弁護士に依頼しなければなりません。刑事事件と民事事件は全く異なる概念ですので、まずは両者の違いを理解することが大切です。

そこで今回は、刑事事件における国選弁護人の仕組みと、民事事件で訴訟を起こす場合の流れや費用、弁護士費用の捻出が難しい方に向けた対処法についてご紹介します。

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民事訴訟では国選弁護人を選任することはできないため、自分で弁護士に依頼する必要があります。しかし「弁護士=高い」というイメージがあり、依頼を迷ってしまいますよね。

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この記事を監修した弁護士
梅澤 康二
梅澤 康二弁護士(弁護士法人プラム綜合法律事務所)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

国選弁護人(被疑者国選)の選任基準

まず始めに、国選弁護人の選任基準について確認していきましょう。

刑事事件の被疑者であること|民事事件で国選弁護人を選任することはできない

国選弁護人は、刑事事件の被疑者が利用できる制度です。そのため、民事事件の依頼で国選弁護人を利用することはできません。

資力が50万円以下であること

国選弁護人の選任は、刑事事件の被疑者かどうかだけが条件ではありません。被疑者の資産額も選任可否を決める基準となります。一般的に資産額は50万円以下かどうかが基準とされています。

ちなみに、虚偽の資産額を申告すると、刑事訴訟法第38条に基づき10万円の罰金が課せられる可能性がありますので注意してください。

第三十八条の四 裁判所又は裁判官の判断を誤らせる目的で、その資力について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、十万円以下の過料に処する。
引用元:刑事訴訟法

国選弁護人は法テラスと契約している弁護士の中から選ばれる

国選弁護人は、法テラスと契約している弁護士の中から選ばれることになります。そのため、弁護士の指定はできません。もし、刑事事件の担当弁護士を指名して依頼したい場合は、国選弁護人ではなく、自分で費用を払って依頼する私選弁護人を選択することになります。

国選弁護人への依頼に関する基礎知識


次に、国選弁護人への依頼に関する2つの知識について確認していきましょう。

費用は基本的に国が負担するが場合によっては自己負担となることがある

国選弁護人を選任した場合、かかる弁護士費用は国が負担するのが通常ですが、裁判所が判決で宣告して被告人負担とすることがあります(ただ、極めて例外的な場合です。)。

他の弁護士に変更には条件がある

国選弁護人を選任したけれど、相性が良くない・被疑者の要望と弁護士の解決プランが合っていないなどの理由がある場合、弁護士を変更することが可能です。ただし、変更するためには刑事訴訟法第38条の項目に該当している必要があります。

第三十八条の三 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。

第三十条の規定により弁護人が選任されたことその他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。
被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。 弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。 弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
引用元:刑事訴訟法

国選弁護人は、被疑者の権利を不当に制限するようなことがないように設けられた制度です。そのため、被疑者が弁護士を解任したいと申し出た場合、裁判官はその理由を聞かなければならないのです。

民事事件(訴訟)で弁護士を選任する方法と費用の相場

民事事件(訴訟)で弁護士を選任する方法とかかる費用相場について確認していきましょう。

法テラス|法律扶助制度

法テラスを利用する場合の流れを下図にまとめました。まず、あなたの住んでいる地域にある法テラスへ連絡し、無料法律相談を受けます。その後、法テラス側で相談内容やあなたの収入などを元に審査を行い、援助の可否を判断します。

もし、援助が認められれば弁護士費用の立替え、状況によっては費用自体が免除されることになります。

弁護士費用の相場

民事事件(訴訟)の場合、離婚や相続などさまざまな分野があるため一概には言えません。例えば離婚事件の場合、離婚のみであれば下表が目安といえます。

着手金10〜30万円程度
報酬金20〜50万円程度

弁護士選びのポイント

民事事件(訴訟)で弁護士に依頼する際のポイントは、あなたが抱えている問題の分野に特化しているかどうかを基準にすると良いでしょう。例えば、離婚成立させたい場合は離婚問題に特化している弁護士、相続問題に特化している弁護士を選ぶのがおすすめです。

さらに、

  1. その分野の解決実績が豊富であること
  2. あなたの話を親身に聞いてくれること

も検討項目に入れて選ぶと、あなたにあった弁護士からのサポートが受けられます。

民事事件(訴訟)を起こす場合の流れ

最後に、民事事件(訴訟)を起こす場合の流れについて確認していきましょう。流れは下図の通りです。


引用元:法務省

訴えの提起|訴状の提出

まずは、裁判所に訴えの提起をします。裁判を開くためには、管轄の裁判所に訴状を提出し受理されることが必要です。

口頭弁論期日の指定・呼出し

訴状が受理された後、10日以内に裁判所から第1回目の口頭弁論期日の指定・呼出しの連絡が入ります。第1回目の口頭弁論は、通常、訴えの提起を起こしてから約1か月〜1か月半後に行われます。

争点の確定

原告・被告の答弁書や主張を元に、争点は何かを確定させます。

証拠調べ

争点を確定させた後、必要に応じて裁判所側で証拠調べが行われます。

弁論終結

判決を下すために必要な話を原告・被告(必要に応じて証人からも聞く)から聞き、証拠など集めたら、弁論終結となります。裁判所では、集めた情報を元に判決を決める審理が行われます。

判決の言い渡し

双方の主張や証拠などを元に裁判官が判決を下し、原告・被告人に結果を言い渡します。判決内容はくつがえすことができないため、不服の場合は上訴し、ふたたび裁判を行うことになります。

まとめ

民事事件(訴訟)では、国選弁護人を選任することはできません。もし、費用面がネックで弁護士への依頼を躊躇している方は、法律扶助制度を利用してみてください。

また、民事事件は、相手から慰謝料などの費用を請求するために訴訟を申立てる方が多いかと思います。金銭の獲得が見込める方は、着手金無料や費用後払い可の弁護士に依頼するのもおすすめです。前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

民事事件で弁護士をお探しの方に
民事訴訟では国選弁護人を選任することはできないため、自分で弁護士に依頼する必要があります。しかし「弁護士=高い」というイメージがあり、依頼を迷ってしまいますよね。

民事訴訟で弁護士を探しているなら、まずは無料相談を利用してみましょう。時間制限付きではあるものの、費用は無料でさまざまな法律相談にのってもらえます。

弁護士の無料相談では以下のようなメリットを得ることができます。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。
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