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恐喝罪で逮捕されたらどうなる?無料相談できる窓口と弁護士に依頼するメリット
2024.02.13
子どもに対するしつけと称して子どもを虐待する行為は以前から大きな社会問題とされてきました。
自分ではしつけと思っていても、子どもにあざなどの外傷ができるようなしつけ行為は虐待と評価されてもやむを得ないと思われます。
そのため、子どもに不自然な傷やあざが散見される場合、医師、学校、近隣住民が「虐待されているかもしれない」と考えて警察や児童相談所へ相談し、虐待が発覚するというケースは珍しいことではありません。
本記事では客観的に児童虐待となる行為が行われた場合に加害者たる親がどのような責任を負うこととなるのかについて簡単に解説します。
結論からいうと、児童虐待を行った場合、傷害罪や暴行罪、脅迫罪などに問われ、刑事罰を科される可能性があります。心当たりのある方は、すぐに弁護士へ相談・依頼することをおすすめします。
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まず、児童虐待行為を行った親が問われる可能性のある刑事責任について説明します。
虐待行為の一つにネグレクトがあります。こ
れは子どもに対して必要な養育を放棄する行為全般を意味し、例えば子どもに食事を与えない、病気やケガをしているのに病院に連れて行かない、子どもに必要な教育機会を与えない、また排泄に対して必要なケアをしないなどの様々な行為類型が考えられます。
このようなネグレクトは悪質な場合には保護責任者遺棄罪に問われる可能性があり、結果、子どもが死傷した場合には保護責任者遺棄致死傷罪に問われる可能性があります。
罰則 | 条例 | |
保護責任者遺棄罪 | 3ヶ月以上5年以下の懲役 | 刑法第218条 |
遺棄等致死罪 | 傷害の罪と比較して、重い刑により処断する | 刑法第219条 |
上記のような行為はしつけ目的で行ったとしても、客観的には身体的虐待というべきでしょう。
このような行為は子どもが怪我をしなくても暴行罪となり得ますし、子どもが怪我をすれば傷害罪となり得ます。
この場合、「しつけ目的であった」と弁解しても違法性は当然には否定されないと思われます。
なお、このような身体的虐待によって子どもが死亡した場合は傷害致死罪として重く処罰される可能性が高いでしょう。
また、配偶者や交際相手が直接的な虐待をしており、自分は見ていただけという場合でも、虐待行為について共謀があるような場合は傍観していた親も共犯として処罰される可能性がありますし、共謀がない場合でも虐待を制止するべき義務を放棄したことについて保護責任者遺棄や同致死傷罪に問われる可能性があります。
罰則 | 条例 | |
暴行罪 | 2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料 | 刑法第208条 |
傷害罪 | 15年以下の懲役または50万円以下の罰金 | 刑法第204条 |
傷害致死罪 | 3年以上の有期懲役 | 刑法第205条 |
子どもに対して暴力を振るわなくても日常的に脅迫的な言葉を浴びせたり、義務のないよことを強いるような行為は心理的虐待といえるでしょう。
このような心理的虐待については、暴行罪、脅迫罪、強要罪などが成立する余地があります。
また、子どもを一定の場所に閉じ込めて自由を奪うような行為があれば逮捕・監禁罪に問われる可能性もあります。
罰則 | 条例 | |
脅迫罪 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 | 刑法第222条 |
強要罪 | 3年以下の懲役 | 刑法第223条 |
逮捕・監禁罪 | 3ヶ月以上7年以下の懲役 | 刑法第220条 |
子供に対して以下のようなわいせつな行為を行うことは性的虐待です。
監護者という立場を利用して18才未満の子どもに性的虐待を行った場合、監護者わいせつ及び監護者性交等に該当します。
同罪は客観的に監護すべき立場にあれば成立しますので、子供と親子関係がない場合でも成立する余地があります。
この場合、一見子どもに同意があるような場合でも、監護者の立場に乗じて行われたものと認められる場合には犯罪となります。
罰則 | 条例 | |
わいせつな行為を行った場合 | 6ヶ月以上10年以下の懲役 | 第179条 |
性交等をした場合 | 5年以上の有期懲役 | 第179条2項 |
子どもに対する虐待行為が犯罪と評価されるべきものである場合、「しつけ目的であった」と主張しても逮捕、勾留、起訴される可能性があります。
この場合の概ねの流れは以下のとおりです。
なお、このような犯罪捜査の端緒としては、上記の通り医師、学校、近隣住民からの通報が考えられますが、児童相談所経由で通報がされることもあります。
子ども虐待に対する相談先は警察だけでなく、児童相談所も含まれます。
児童相談所に虐待についての通報・相談がされた場合、児童相談所は必要な調査を行い、場合によっては児童を親から引き離して保護します。
また、この場合児童相談所の判断で親に対して子どもとの「面会制限」を課す可能性があります。
更に虐待が悪質なケースでは児童相談所長から家庭裁判所に対して当該子どもについて親権を喪失・停止することを求める申し立てがされることもあります。
この項目では、面会制限と親権停止についてご紹介します。
虐待を受けた子どもを守る「面会制限」は、児童虐待防止法で以下のように定められています。
第十二条 児童虐待を受けた児童について児童福祉法第二十七条第一項第三号 の措置(以下「施設入所等の措置」という。)が採られ、又は同法第三十三条第一項 若しくは第二項 の規定による一時保護が行われた場合において、児童虐待の防止及び児童虐待を受けた児童の保護のため必要があると認めるときは、児童相談所長及び当該児童について施設入所等の措置が採られている場合における当該施設入所等の措置に係る同号 に規定する施設の長は、厚生労働省令で定めるところにより、当該児童虐待を行った保護者について、次に掲げる行為の全部又は一部を制限することができる。
一 当該児童との面会
二 当該児童との通信
三 児童虐待を受けた児童について施設入所等の措置(児童福祉法第二十八条 の規定によるものに限る。)が採られ、又は同法第三十三条第一項 若しくは第二項 の規定による一時保護が行われた場合において、当該児童虐待を行った保護者に対し当該児童の住所又は居所を明らかにしたとすれば、当該保護者が当該児童を連れ戻すおそれがある等再び児童虐待が行われるおそれがあり、又は当該児童の保護に支障をきたすと認めるときは、児童相談所長は、当該保護者に対し、当該児童の住所又は居所を明らかにしないものとする。
引用元:児童虐待の防止等に関する法律
これにより、虐待を行なった親は子どもへの面会や通信が以下のように制限されます。
また、虐待児童について強制入所の措置が取られた場合には上記面会・通信の制限に加え、児童の身辺へのつきまとい又 はその住居等の付近でのはいかいを禁止することを命ずる接近禁止命令が発令されることもあります。
なお、面会制限は永続的なものではなく、児童相談所の判断により虐待の危険が少ないと認められる場合には面会制限の全部又は一部が解除されることもあります。
子どもへの虐待が極めて悪質であり、親権の行使が困難又は不適当であると認められる場合、児童相談所長の申し立てにより家庭裁判所の決定で親権が停止されることもあります。
第八百三十四条の二 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
2 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
引用元:民法
上記の通り虐待の疑いで児童福祉施設などに一時保護された子どもには面会制限が実施されることがあります。
面会制限が実施された場合には、親子間の交流の全部又は一部が制限されます。
この項目では、子どもの面会制限の全部又は一部が解除されるのはどのような場合かを簡単にご紹介します。
児童相談所において子どもの心身への悪影響となる可能性が低いと判断される場合には面会制限等の全部又は一部が解除されます。
また、虐待それ自体の危険性も低いと判断される場合には保護措置も終了させる可能性があります。
どのような場合に児童相談所がこのような判断となるかはケース・バイ・ケースですが、虐待行為に対する親側の姿勢、子供の状況、周囲の環境等を総合的に考慮して判断されるものと思われます。
例えば、親側としては虐待行為に至った経緯を客観的に振り返り、その問題を取り除くような具体的措置(子どもを養育するに生活環境を整える、周囲のサポートを受ける、自身のカウンセリングを受ける等)を積極的に検討し、今後二度と虐待が行われないような環境づくりに努めることが大切と思われます。
もちろん、最終的には児童相談所の判断となりますので、親側の努力のみでは面会制限が解かれないこともあります。
しかし、親の義務として子どもの養育に適した環境づくりは必要ですので、児童相談所等と連携を取りながら努力する姿勢が大切でしょう。
子どもに対する虐待はこれをすれば大丈夫というものはありません。
虐待は様々な要因が複合的に作用して発生していることがほとんどであり、単純な問題では有りません。
もっとも、親としては虐待と疑われかねないような行動をとってしまった場合、同様のことが繰り返されないよう努力することは必要です。例えば以下のような対応は検討に値するでしょう。
子どもを虐待する親の中には自分の子どもを自身の所有物のように考えており、親は自分の子どもには何をしても良いと考えている人間もいるようです。
しかし、子どもは親の監護化にあるだけであり、決して親の所有物ではありません。
子どもは別個の人格を有する一人の人間であり、親とは独立した個人です。まずはこの点を十分に認識することが大切でしょう。
そのため、子どもに対して虐待行為に及んでしまった親としては、子どもを独立した個人であることを尊重しつつ、自身の行いについて反省し、謝罪する等の対応を検討するべきです。その上で、子どもに対してなぜそのような卑劣なことをしてしまったのか、自分はどのような考えでそのようなことをしたのかという点を真摯に説明することも検討するべきでしょう。
子どもに虐待を繰り返してしまうということは、加害者である親自身に何かしらの精神的・心理的問題があることも少なくないと思われます。
例えば、虐待を繰り返す親は自分自身も幼少時に虐待を受けているケースも多いそうです。
このような自身の内面に関する問題は、自分のみで解決することは難しいことがほとんどです。
自分の力だけで解決しようと試み、失敗し、焦燥感から再び虐待を繰り返すということも十分考えられます。このような悪循環に陥った場合、一番不幸なのは子どもです。
自分では虐待をやめたくてもやめられない場合、児童相談所に相談したり精神科・心療内科に相談することを積極的に検討しましょう。
もちろん、相談した結果、虐待行為が明らかになり、自身に何らか不利益が及ぶことがあり得ます。
また、自分の恥部を第三者に打ち明けるのは恥ずかしいという気持ちもあるかもしれません。しかし、そのまま虐待を続ければ取り返しのつかないことにもなりかねません。他人に相談する勇気を持つことが大切です。
子どもに対する虐待には、親側の内面だけでなく、外部的環境が作用していることもあります。
例えば、家事の負担、経済的な困窮、配偶者からの暴力や夫婦不和などの外的ストレスが原因となって子どもを虐待してしまうということもあるかもしれません。
このようなケースでは、虐待の原因・きっかけとなっている自分の生活環境を変えていく必要があります。
もっとも、このような生活環境の是正も自分の力だけで解決するのが困難である場合もあります(例えば経済的事情や配偶者からの暴力等)。
この場合も、行政の相談窓口などに相談することから始めるべきでしょう。また、相手配偶者の暴力等に悩む場合は弁護士への相談も検討するべきでしょう。
子供の虐の問題は根深く、自分ひとりで解決することは殆どの場合困難です。
そもそも虐待をしている親は虐待をしているという自覚すらない場合もあります。
子どもに対する虐待は社会全体で対応するべき問題ですので、当事者である親は積極的に外部に相談して、外部のサポートを受けるべきです。
また虐待と思われる事象を発見した周囲は積極的に児童相談所等の専門機関に通報して、早期の対応を促すべきでしょう。
このように本人だけでなく、周囲が子供の虐待について厳しい目をもってのぞむことで、少しでも子供の虐待による悲劇的事例が減っていくことを願います。
結論からいうと、児童虐待を行った場合、傷害罪や暴行罪、脅迫罪などに問われ、刑事罰を科される可能性があります。心当たりのある方は、すぐに弁護士へ相談・依頼することをおすすめします。
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