密漁で逮捕されたらすぐに弁護士に相談しよう|意外と重い密漁の罰則

密漁で逮捕されたらすぐに弁護士に相談しよう|意外と重い密漁の罰則

免許や許可がないのに大量の海産物を捕獲して利益を得るのは紛うことなき犯罪行為ですが、少し魚を捕った程度の状況まで判断できる人は少ないのではないでしょうか。実際にまったく意図しなくとも密漁と評価される行為を行ってしまうケースは十分考えられます。

本記事では、密漁の定義や逮捕との関係性について紹介していきますので、密漁の罪に問われてしまう可能性がある場合はぜひ参考にしてみて下さい。

【注目】堤防釣りや潮干狩りで密漁として逮捕されてしまった方へ
自身や家族が堤防釣りや潮干狩りをしていたら、密漁だとして逮捕されてしまい、どうすべきかわからず悩んでいませんか。

結論からいうと、密漁で逮捕された場合は早いうちに弁護士へ相談・依頼することを強くおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 取り調べのアドバイスをもらうことができる
  • 不起訴や早期釈放に向けて動いてもらえる
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この記事を監修した弁護士
梅澤 康二
梅澤 康二弁護士(弁護士法人プラム綜合法律事務所)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

密漁とは

密漁の定義

密漁という言葉は法律上にはない造語で、正確には水産資源保護法違反(すいさんしげんほごほういはん)が正しい名称です。密漁は親告罪で以下3つのいずれかに該当する状況を漁師から通報された際に罪に問われることになります。

  1. 免許、許可を得ずに漁業を行った
  2. 禁漁、禁止漁法を定めた各種法令に違反した
  3. 漁業権を侵害した

①は利益を得るためには許可が必用、②と③は地域によって内容が異なりますが、簡略化するとその地域で定められている捕獲禁止の魚介類を漁師以外が捕獲してしまった状況です。

基本的に貝類やタコは他の地域での該当することが多いと言われているので、詳細は各地域の海上保安部に確認をとってみるとよいでしょう。

密漁の罰則

密漁の罰則は、密漁行為の態様によって異なります。単に漁業権を侵害する行為を行ったのみであれば20万円以下の罰金刑が科されるに過ぎませんが、漁業権に基づかない定置漁業・区画漁業や無許可での漁業行為には3年以下の懲役又は200万円以下の罰金という重い法定刑が科せられます。

密漁の逮捕事例

ウナギの密漁で逮捕

シラウナギと言われるウナギの稚魚を密漁していたことが発覚し、岡山県海面漁業調整規則違反の疑いで33歳の男性が逮捕された事件。

詳細:ウナギ稚魚を密漁疑いで高知の33歳男を逮捕 岡山

岡山県では全長20センチ以上のウナギの捕獲・所持・販売が禁じられているが、男性はウナギを800匹以上も捕獲して所持していたため、近隣の人の110番通報により密漁が発覚して逮捕につながりました。

無許可のナマコ漁業で逮捕

サザエやナマコを密漁して不正な取引を行っていたことが発覚し、兵庫県漁業調整規則違反の疑いで65歳の男性とその息子3人が逮捕された事件

詳細:ナマコなど2年間で1億9千万円密漁か、容疑で漁業一家4人逮捕・神戸海上保安部

容疑者はタイラギとミルクイの漁業許可は取っていましたが、ナマコ・サザエの漁業許可を得ていませんでした。しかし、捜査でそれらの海産物の取引で1億9千万円分の伝票が発見されてしまい逮捕に繋がりました。

サザエの密漁で書類送検からの懲戒解雇

自分たちで食べるためという目的でサザエを無許可で密漁してしまい、空港自衛隊に所属する男性2名が書類送検をされた事件。

詳細:「自分たちで食べるため」サザエ59個密漁の空曹2人停職 航空自衛隊小松基地

金沢海上保安部より海岸で許可なくサザエを採取しているのを通報され、10万円の罰金支払いと停職の処罰を受けました。(※逮捕の事例ではありませんが、一般人が違反した時の例として紹介しています)

釣りでも密漁と扱われてしまう行為

基本的にレジャー行為を目的とした釣りであれば、事業として行うものでないため罰則の適用外です。しかし、私的な釣りであっても、他人の漁業権を侵害する態様でこれを行った場合は、20万円以下の罰金刑に科せられる可能性がありますので注意しましょう。

これは釣りだけでなく、素潜りや貝拾いなども同様です。

密漁で逮捕された後の手続きの流れ

密漁で通報されて逮捕されてしまうと上図の流れで手続が進められていきます。(※未成年が逮捕された場合は若干手続きが異なる)

ただ、刑事問題でよくある誤解なのですが、逮捕された時点では罪は確定していないので前科はつきません。前科がつくのは裁判により有罪判決を受けたときです。

なお、漁業権の侵害は親告罪であり、被害者との間で示談が成立すれば、刑事事件として立件されません。以下、漁業権者とトラブルになった場合の対応方法について紹介します。

密漁を疑われた時の対処法

非を認めて素直に謝罪する

まずは密漁を素直に認めて謝罪を行い採ってしまったものを返還しましょう。場合によっては、採ってしまったものに応じて一定額の支払いをすることも検討すべきです。多くのケースはこの対応でトラブルが収束すると思われます。

逆に「密漁になるなんて知らなかった!」などふんぞり返ってしまえば、被害者も感情的になり、示談の成立も困難となってしまう可能性があります。誠実かつ理性ある対応が望ましいということです。

逮捕された場合は弁護士に直ぐ相談

密漁で逮捕されて警察署で取調べを受ける状況に陥った場合は、取調べ前に弁護士を呼んで供述のアドバイスを受けるようにしてください。

逮捕者には当番弁護士制度と言って、一度だけ無料で弁護士相談を利用できる制度があります。取調べ前にも警察が「弁護士を呼びますか?」と聞いてくれるので、必ず弁護士を呼んでほしいと伝えるようにしましょう。

弁護士からアドバイスを受ければ、今後どのように立ち回れば刑罰を回避して罪を軽減できるかを知ることができるので、自分だけで対応するのではなく専門家の意見を参考に取調べに臨んでいくことを強くおすすめします。

まとめ

密漁(水産資源保護法違反)で逮捕されてしまってもその後の対応次第では罪を軽減できる可能性は十分にあります。

特に初犯で比較的軽度な密漁と判断される状況ならば、通報者によっては謝罪で許してくれるケースもあるので、もし密漁に該当する行為をしてしまった場合は素直に反省の態度を示すようにしましょう。

【注目】堤防釣りや潮干狩りで密漁として逮捕されてしまった方へ
自身や家族が堤防釣りや潮干狩りをしていたら、密漁だとして逮捕されてしまい、どうすべきかわからず悩んでいませんか。

結論からいうと、密漁で逮捕された場合は早いうちに弁護士へ相談・依頼することを強くおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 取り調べのアドバイスをもらうことができる
  • 不起訴や早期釈放に向けて動いてもらえる
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当サイトでは、刑事事件解決を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。
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