その他刑事事件
恐喝罪で逮捕されたらどうなる?無料相談できる窓口と弁護士に依頼するメリット
2024.02.13
免許や許可がないのに大量の海産物を捕獲して利益を得るのは紛うことなき犯罪行為ですが、少し魚を捕った程度の状況まで判断できる人は少ないのではないでしょうか。実際にまったく意図しなくとも密漁と評価される行為を行ってしまうケースは十分考えられます。
本記事では、密漁の定義や逮捕との関係性について紹介していきますので、密漁の罪に問われてしまう可能性がある場合はぜひ参考にしてみて下さい。
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密漁という言葉は法律上にはない造語で、正確には水産資源保護法違反(すいさんしげんほごほういはん)が正しい名称です。密漁は親告罪で以下3つのいずれかに該当する状況を漁師から通報された際に罪に問われることになります。
①は利益を得るためには許可が必用、②と③は地域によって内容が異なりますが、簡略化するとその地域で定められている捕獲禁止の魚介類を漁師以外が捕獲してしまった状況です。
基本的に貝類やタコは他の地域での該当することが多いと言われているので、詳細は各地域の海上保安部に確認をとってみるとよいでしょう。
密漁の罰則は、密漁行為の態様によって異なります。単に漁業権を侵害する行為を行ったのみであれば20万円以下の罰金刑が科されるに過ぎませんが、漁業権に基づかない定置漁業・区画漁業や無許可での漁業行為には3年以下の懲役又は200万円以下の罰金という重い法定刑が科せられます。
シラウナギと言われるウナギの稚魚を密漁していたことが発覚し、岡山県海面漁業調整規則違反の疑いで33歳の男性が逮捕された事件。
岡山県では全長20センチ以上のウナギの捕獲・所持・販売が禁じられているが、男性はウナギを800匹以上も捕獲して所持していたため、近隣の人の110番通報により密漁が発覚して逮捕につながりました。
サザエやナマコを密漁して不正な取引を行っていたことが発覚し、兵庫県漁業調整規則違反の疑いで65歳の男性とその息子3人が逮捕された事件
詳細:ナマコなど2年間で1億9千万円密漁か、容疑で漁業一家4人逮捕・神戸海上保安部
容疑者はタイラギとミルクイの漁業許可は取っていましたが、ナマコ・サザエの漁業許可を得ていませんでした。しかし、捜査でそれらの海産物の取引で1億9千万円分の伝票が発見されてしまい逮捕に繋がりました。
自分たちで食べるためという目的でサザエを無許可で密漁してしまい、空港自衛隊に所属する男性2名が書類送検をされた事件。
詳細:「自分たちで食べるため」サザエ59個密漁の空曹2人停職 航空自衛隊小松基地
金沢海上保安部より海岸で許可なくサザエを採取しているのを通報され、10万円の罰金支払いと停職の処罰を受けました。(※逮捕の事例ではありませんが、一般人が違反した時の例として紹介しています)
基本的にレジャー行為を目的とした釣りであれば、事業として行うものでないため罰則の適用外です。しかし、私的な釣りであっても、他人の漁業権を侵害する態様でこれを行った場合は、20万円以下の罰金刑に科せられる可能性がありますので注意しましょう。
これは釣りだけでなく、素潜りや貝拾いなども同様です。
密漁で通報されて逮捕されてしまうと上図の流れで手続が進められていきます。(※未成年が逮捕された場合は若干手続きが異なる)
ただ、刑事問題でよくある誤解なのですが、逮捕された時点では罪は確定していないので前科はつきません。前科がつくのは裁判により有罪判決を受けたときです。
なお、漁業権の侵害は親告罪であり、被害者との間で示談が成立すれば、刑事事件として立件されません。以下、漁業権者とトラブルになった場合の対応方法について紹介します。
まずは密漁を素直に認めて謝罪を行い採ってしまったものを返還しましょう。場合によっては、採ってしまったものに応じて一定額の支払いをすることも検討すべきです。多くのケースはこの対応でトラブルが収束すると思われます。
逆に「密漁になるなんて知らなかった!」などふんぞり返ってしまえば、被害者も感情的になり、示談の成立も困難となってしまう可能性があります。誠実かつ理性ある対応が望ましいということです。
密漁で逮捕されて警察署で取調べを受ける状況に陥った場合は、取調べ前に弁護士を呼んで供述のアドバイスを受けるようにしてください。
逮捕者には当番弁護士制度と言って、一度だけ無料で弁護士相談を利用できる制度があります。取調べ前にも警察が「弁護士を呼びますか?」と聞いてくれるので、必ず弁護士を呼んでほしいと伝えるようにしましょう。
弁護士からアドバイスを受ければ、今後どのように立ち回れば刑罰を回避して罪を軽減できるかを知ることができるので、自分だけで対応するのではなく専門家の意見を参考に取調べに臨んでいくことを強くおすすめします。
密漁(水産資源保護法違反)で逮捕されてしまってもその後の対応次第では罪を軽減できる可能性は十分にあります。
特に初犯で比較的軽度な密漁と判断される状況ならば、通報者によっては謝罪で許してくれるケースもあるので、もし密漁に該当する行為をしてしまった場合は素直に反省の態度を示すようにしましょう。
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