窃盗・強盗事件
窃盗罪は初犯でも実刑になる?処罰の傾向や逮捕後の流れを解説
2024.06.07
自分がしてしまった万引きについて、今すぐ弁護士に無料相談したいなら「ベンナビ刑事事件」がおすすめです。
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もしも万引きで逮捕されてしまったら、ただちに刑事事件に注力している弁護士に相談するようにしましょう。
万引きは聞きなじみのある犯罪ですが、刑法の窃盗罪に該当し、起訴されて有罪になれば10年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられる可能性があります。
とはいえ、人生の中で弁護士に事件対応を依頼することはほとんどないでしょうし、費用が高額になるというイメージもあって、「本当に弁護士に相談すべきなの?」「どの弁護士に相談するべきかわからない」といった疑問や不安を持つ人も少なくないはずです。
そこで本記事では、万引きで警察から呼び出しがあった、もしくはご家族が逮捕されてしまったという方に向けて、どういった場合に弁護士に相談するべきか、弁護士がどのような弁護活動をしてくれるかについて解説します。
弁護士に依頼するというと、逮捕された本人やその家族が依頼する「私選弁護人」をイメージするかもしれません。しかし、刑事事件においてサポートしてくれる弁護士はこれに限りません。
万引きで逮捕されてしまった場合には弁護士への依頼をおすすめしていますが、必ずしも私選弁護人に依頼する必要があるとは一概にもいいきれません。それは、「当番弁護士制度」や「国選弁護人制度」があるからです。
ここでは、万引きで逮捕された場合にサポートしてくれる弁護士について解説します。
当番弁護士制度とは、逮捕された人が1度だけ無料で弁護士と面会ができる制度です。当番弁護士担当名簿に登録されている弁護士は、当番弁護を担当する日が決められており、弁護士会から連絡があると警察署などに向かって面会を行います。
当番弁護士との面会は、今後の刑事手続きの大まかな流れや、取り調べのアドバイスを受けることができるので極めて重要です。
なお、当番弁護士は逮捕された本人だけでなく、その家族も呼ぶことで依頼が可能です。
被疑者本人は警察から当番弁護士制度について詳しく説明してもらえないこともあり得ますし、説明があったとしても被疑者本人が説明を十分理解できない場合もあり得ます。そのため、その場合にはご家族が当番弁護士に依頼するようにしましょう。逮捕された地域を担当する弁護士会に電話で連絡してください。
なお、当番弁護士は非常に重要な役割を担っていますが、当番弁護士を依頼しただけでは不十分です。お伝えした通り、当番弁護士による面会は1回限りですし、今後の流れや取り調べのアドバイスを行うのみです。
早期釈放や不起訴処分、執行猶予判決を得たい場合には、次に説明する国選弁護人や私選弁護人によるサポートが必要不可欠です。
国選弁護人とは、資力がなく私選弁護人に依頼できない人のために、国が費用を負担して選任する弁護士のことです。依頼できる条件は、基本的には現金・預金が50万円未満であることです(ただし、この条件を満たさない場合でも国選弁護人制度を利用できることがあります)。
国選弁護人は勾留されたタイミングで選任が可能です。
勾留請求されると、被疑者は裁判所で勾留質問をうけます。このときに私選弁護人が選任されていなければ、裁判官から国選弁護人依頼の打診を受けます。このときに希望すれば選任され、所定の手続きを行えばサポートを受けられます。
国選弁護人の権限は私選弁護人と違いはありませんので、行ってもらえるサポートは同じです。
もっとも、一定のデメリットは存在します。
まず、国選弁護人に登録されている弁護士名簿から機械的に割り振りますので、必ずしも刑事弁護の経験が豊富にある弁護士が選ばれるとも限りません。
さらに、依頼できるのは勾留後に限られますので、逮捕直後からの早期サポートも期待できません。
また、国選弁護人に不満があった場合でも原則として変更は認められません。
刑事事件はどれだけ弁護士にサポートしてもらえるかで、今後の処分が大きく変わり得ます。
国選弁護人では不満という方は、次に紹介する私選弁護人に依頼するべきです。
私選弁護人とは、逮捕された本人やその家族が自ら選ぶ弁護士です。
刑事手続きのどの段階でも選ぶことができ、逮捕された人のために、あらゆる弁護活動を行ってくれます。
当然、弁護士費用は掛かりますが、逮捕されてしまったら私選弁護人への依頼も十分検討に値するでしょう。それには次のような理由があります。
まず、私選弁護には逮捕直後からのサポートが可能ですので、直ちに弁護活動が開始できます。
国選弁護人では勾留後にしか依頼できませんから、早期からの身柄釈放に向けたサポートが行えません。
また、自分で弁護士を選ぶことができるというのも大きなメリットの1つです。
被疑者・被告人を十分にサポートするには刑事弁護を豊富に経験していなければなりません。
身柄解放に向けた早期の活動や被害者との示談交渉のノウハウなどについては、刑事事件の経験が如実に反映されるからです。
ここまで読まれた方の中には、国選弁護人と私選弁護人でどちらの方がよいかという疑問を持つ人もいるかもしれません。
一概には言い切れませんが、私選弁護人に依頼した方が、自分で弁護士を選べる分、納得のいくサポートを得られる可能性が高いかもしれません。
ごくまれにではありますが、国選弁護人の場合、あまり熱心にサポートしてくれないというケースもあるようです。たしかに、国選弁護人であっても、熱心に弁護活動を行ってくれる弁護士が大半でしょうし、刑事事件の経験が豊富な弁護士は存在します。もっとも、そのような人が必ず選ばれるとも限りません。
刑事事件は、適切なサポートをしなければ、起訴されて前科がついてしまうこともあり得ます。被疑者・被告人の今後を考え、私選弁護人に依頼することも検討して良いでしょう。
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万引きでのトラブルが発生した場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
つぎのような場合にはご自身での対処が難しく、弁護士のサポートが必要不可欠です。
万引きで警察に逮捕されてしまった場合には、直ちに弁護士に相談するようにしてください。
逮捕後は警察による取り調べをうけ、検察官送致後さらに取り調べを受けます。
勾留が認められると最大で23日間も身体拘束を受けなければなりません。また、万が一起訴され有罪になると、罰金刑や懲役刑を科せられます。
身体拘束によって社会から一定期間隔離されることや、刑事処分を受けることは今後の人生に大きな影響を与えてしまいかねません。
勾留による身体拘束や刑事処分を避けるためには、逮捕直後からの弁護活動が重要です。
弁護士がサポートをすることで、早期釈放や不起訴処分を目指せます。
万引きの多くは、現行犯で逮捕されます。もっとも、次のようなケースでは後日逮捕される可能性があるでしょう。
このように後日逮捕される可能性がある場合にも、弁護士への相談は有効です。不安に感じたらすぐに弁護士に相談すると良いでしょう。
過去に万引きで前科や前歴がある場合や、執行猶予中である場合は、ただちに弁護士に相談するようにしてください。
同種の犯罪を繰り返し犯してしまったことで、以前よりも重い刑事処分が科せられる可能性があります。できるだけ処分を軽くするには弁護士によるサポートが必要不可欠です。
なお、反省したにも関わらず何度も万引きをしてしまうという場合には、「クレプトマニア」という病気にり患している可能性が考えられます。
クレプトマニアにり患していると「クレプトマニア(窃盗症)の場合の弁護活動」で紹介するように、クレプトマニアの方に特化した弁護活動が必要です。
弁護活動の中で、クレプトマニアであることを説明し、再犯防止のために通院をしていることなどを主張すれば、有利な判決を得られる可能性があります。
決してあきらめる必要はありませんので、ただちに弁護士に相談するようにしてください。
余罪がある場合も、直ちに弁護士に相談しましょう。
余罪についても起訴されてさらに重い刑事処分を受ける可能性があるからです。
余罪とは、捜査対象となっている万引き以外にも、その人が犯している犯罪のことです。
もし、何度も万引きしていたけれど初めて逮捕されたという場合には、以前の万引きについても逮捕・勾留され、取り調べを受ける可能性があります。
取り調べの供述によって、今後の刑事処分が変わる可能性がありますので、逮捕後からの弁護士のアドバイスが重要です。余罪がある場合にも弁護士に相談するべきでしょう。
万引きで逮捕はされていないケースでも弁護士に相談するべきケースがあります。
それは、示談でトラブルになってしまったというケースです。
お店側に万引きの事実が発覚したけれど、被害届を提出しないかわりに示談を成立させることを打診されることもあるかもしれません。
示談では通常、示談金を支払います。示談金の金額は双方が納得していればいくらでも問題はありませんが、適切でない金額を請求される可能性もあるでしょう。
示談金の相場は、被害金額にプラス数万円~数十万円程度が多いように思われます。もっとも、万引きの様態や常習性、示談しない場合に想定される処罰などを考慮すれば、被害金額にさらに上乗せした金額を示談金として支払うことも考えられます。
示談金額についていくら払ったらよいか困った場合には、弁護士に相談・依頼することで、適切な金額での示談が期待できるでしょう。
ここでは、万引きへの理解を深めるために、万引きの刑事処分について確認しておきましょう。
万引きは刑法上では、窃盗罪に該当します。刑事処分としては10年以下の懲役または50万円以下の罰金が規定されています。これは第235条によります。
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用:刑法第235条
万引きを何度もくり返した場合には、常習累犯窃盗に該当する可能性があります。常習累犯窃盗は次の条件を満たした場合に該当する犯罪です。
常習累犯窃盗の刑罰は3年以上の有期懲役です。通常の窃盗と比べると重い刑事処分が用意されていますので、注意が必要です。
第二条 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五条、第二百三十六条、第二百三十八条若ハ第二百三十九条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ竊盗ヲ以テ論ズベキトキハ三年以上、強盗ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ処ス
一~四 省略
第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
万引きは窃盗罪という犯罪に該当するものの、初犯であれば逮捕されずに微罪処分で終わるケースも少なくありません。
微罪処分とは、検察官送致をせずに警察のみで処理を行って事件を終わらせる手続きです。微罪処分になれば逮捕や勾留などの手続きを経ることはなく、前科もつきません。
仮に万引きが2度目であり、過去に微罪処分を受けた場合には、検察官送致を受けつつ起訴猶予で不起訴処分になることもあり得ます。
ただし、回数を重ねると略式裁判で罰金、正式裁判で執行猶予付き判決などと、繰り返すと処分は重くなり、実刑判決を受ける可能性もあります。
万引きも、重い刑事処分が科される可能性があることは十分理解しておくべきです。
警察統計調査による資料によれば、万引きを含む窃盗罪についての逮捕、勾留に関する件数は次の通りです。
窃盗の認知件数 | 8万3,035件 |
逮捕された件数 | 2万6,804件 |
勾留された件数 | 2万2,711件 |
2020年中の窃盗罪の逮捕率はおよそ30.4%です。刑法犯全体の逮捕率がおおよそ60%前後ですから、上記でお伝えした通り万引きで逮捕される可能性は他の犯罪に比べて低いことがわかります。
また、逮捕された場合に勾留される可能性は84.7%でした。一度勾留されてしまうと、最大で20日間も身柄を拘束されてしまいます。社会と連絡が絶たれることで、学校や職場、家庭に影響が出ることも少なくありません。早期の身柄釈放が大切です。逮捕されたら弁護士に相談することの重要性が理解していただけるかと思います。
2020年度の司法統計によれば、全国の地方裁判所で有罪判決を受けた窃盗事件について、量刑は次の通りとなっています。
【懲役】
15年以下 | 実刑 | 1人 |
10年以下 | 実刑 | 12人 |
7年以下 | 実刑 | 51人 |
5年以下 | 実刑 | 630人 |
3年 | 実刑 | 390人 |
一部執行猶予 | 2人 | |
全部執行猶予 | 364人 | |
2年以上 | 実刑 | 1,443人 |
一部執行猶予 | 9人 | |
全部執行猶予 | 1,263人 | |
1年以上 | 実刑 | 2,078人 |
一部執行猶予 | 18人 | |
全部執行猶予 | 2,964人 | |
6か月以上 | 実刑 | 903人 |
一部執行猶予 | 6人 | |
全部執行猶予 | 484人 | |
6か月未満 | 実刑 | 12人 |
一部執行猶予 | 0人 | |
全部執行猶予 | 1人 |
参考:通常第一審事件の有罪(罰金)人員 罪名別罰金額区分別 全地方裁判所
懲役になったケースでは、1年以上~3年未満が最も多いようです。また、罰金では30万円未満20万円以上が最多となっています。
なお、これらは窃盗についての統計ですので、必ずしも万引きでの量刑相場であるとはいえません。比較的長い懲役や高い罰金は、余罪がたくさんある侵入窃盗や前述した常習累犯窃盗などの可能性があります。
万引きで逮捕されたなどトラブルになった場合には弁護士に相談すべきであることは、既に理解いただけたかと思います。
では、弁護士に依頼した場合、弁護士はどのような弁護活動をしてくれるのでしょうか。ここで代表的な弁護活動を確認しておきましょう。
弁護士は取り調べのアドバイスを行います。逮捕されると被疑者は取り調べを受けますが、このときの発言は今後の処分に大きな影響を与えます。
取り調べは普段と環境が違いますので、プレッシャーを感じ真実とは異なる発言をしてしまうことも考えられます。調査官は被疑者の発言通りに供述証書を作成しますから、もしも思いもよらずに不利な発言をしてしまうと、のちにそれを否定することが困難になることも少なくありません。
弁護士が取り調べのアドバイスをすることで落ち着いて対処することができ、不利な供述調書を作成されるリスクを下げることができるでしょう。
弁護士は被疑者・被告人に代わって示談も行います。示談とは裁判所を経ずに、トラブルの当事者同時で話を行い和解する手続きのことです。示談では、和解の条件について話し合いを行って、示談書を作成します。示談金の支払いなどを盛り込むことが通常です。
刑事事件においては、示談を行うことは非常に重要です。示談をすることで、被害届を出さない、もしくは被害届を取り下げてもらえ、刑事手続きが終了することもあります。また、逮捕・勾留後であっても刑事処分の一定の考慮材料になり、不起訴処分や執行猶予付き判決を得られる可能性は高まります。
もっとも、被害者が自分で示談を行おうとしても、被害者がかたくなに拒否することもありますし、身柄拘束を受けている場合には、自分で示談交渉を行うことはできません。また、どのように示談をすればよいかのノウハウもわからないことが通常です。
適切な示談が実現できるよう、弁護士はあなたに代わって交渉を行ってくれます。
弁護士は逮捕された被疑者の早期釈放を求める活動も行います。逮捕後に勾留されると最大で23日間もの間身柄を拘束され、社会と隔離されますので、学校や会社に逮捕の事実が伝わってしまい今後の人生に大きな影響を当てる可能性があるからです。
まず、勾留を受けた場合には、家族と同居しており監督されている、定職についているなどの理由から逃亡の恐れがないことや、これ以上の証拠がないことから勾留を続ける要件を満たさないことなどを主張し釈放を求めます。また、仮に勾留が決定されたとしても、勾留決定を取り消すように求める準抗告を行います。
これらの活動によって、早期に釈放される可能性が高まるのです。
日本の刑事裁判は、起訴されてしまうと99.9%が有罪になるといわれています。そのため、弁護士は検察官が不起訴処分を下すように弁護活動を行います。
どのようなときに不起訴処分を獲得できるかは万引きの様態によってさまざまですが、一般的には次のような活動を行います。
上記のようなことを行って、被害者に対する被害弁償が済んでいることや、被害者が処罰を望んでいないこと、さらに再犯をする恐れがないことなどについて主張をし、不起訴になるように働きかけます。
もし起訴されて有罪となってしまっても、執行猶予付き判決などの被告人に有利な刑事処分になるよう弁護活動を行います。
裁判になった場合の活動内容は事件の内容によってケースバイケースですが、うつ病やクレプトマニアなどの病気が原因である場合には、治療や改善に向けた計画などを証拠化して裁判で提示します。その他、本人の反省が深いことや悪質性が高くないことなどを主張・立証します。
これらによって、より軽い刑事処分を受けられる可能性が高まるのです。
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すでに少し触れましたが、何度も万引きを繰り返してしまうという場合には、クレプトマニアにり患している可能性があります。クレプトマニアは別名を窃盗症とも呼び、万引きを止めたくても自分の意思では止められない依存症のことです。
もしもクレプトマニアにり患している可能性がある場合には、クレプトマニアに理解のある弁護士に相談するようにしてください。刑事事件に注力している弁護士であっても、クレプトマニアへの理解が浅いと「初めから実刑ありきの弁護活動しかしてくれなかった…」ということにもなりかねないからです。
ここでは、上記の一般的な活動に加えて、クレプトマニアだった場合の弁護活動について解説します。
まずはクレプトマニアであることを証明するために、本人に精神科を受診してもらって診断書を作成し、証拠化します。クレプトマニアであることが証明できたとしても、ただちに釈放や不起訴になるわけではありませんが、一定の考慮要素になるからです。
なお、クレプトマニアであるかどうかは、慎重な判断が求められます。精神科医でもクレプトマニアへの理解が深くないケースが見られるからです。
一般的にクレプトマニアは、「自己使用目的でない」「経済的価値に着目していない」ものを盗むというように理解されている傾向にありますが、一概にそうとも言い切れません。
DSM(アメリカのクレプトマニア診断マニュアル)によれば、使用可能性のあるもの、欲しいと思ったものを取った場合でも、クレプトマニアに該当する可能性があります。その人の社会的地位や収入などを総合的に考慮して、不合理性が認められ、かつ万引きが反復して行われる場合には、クレプトマニアに該当する可能性があります(※)。
そのため、精神科を受診する際もクレプトマニアにしっかりとした理解があるかを見極めることが重要です。
クレプトマニアにり患している方は、刑事処分による更正はほとんど期待できません。それよりもクレプトマニアを治療することの方が必要です。そのために、刑罰でなく治療によって再犯を防ぐ旨の主張・立証も行います。
具体的には、医療機関を受診し、さらに自助グループに参加して治療経過を証拠化して意見書に記載します。
なお、刑事手続きを経ながらの治療や自助グループへの参加は、医師などの協力が必要不可欠ですから、受診前にはクレプトマニアに注力しており、刑事手続きに豊富な対応経験がある医療機関・自助グループであるかどうか確認しておきましょう。
クレプトマニアの原因はさまざまなものが挙げられます。弁護士は精神科医と連絡を取って、被疑者・被告人のクレプトマニアの原因を聞き取り、それを解消するというサポートも行います。
そして、原因が解消されていることを理由に今後万引きを繰り返さない環境ができていることを意見書に記載し、より有利な刑事処分を得られるような活動を行います。
弁護士にサポートを依頼すると、弁護士費用が発生します。もっとも、どういった費用体系なのか、どの程度が相場なのかについて詳しくない人が多いはずです。ここでは、弁護士費用の内訳やおよその相場を確認してみましょう。
一般的な刑事弁護を依頼した場合、通常は次のような費用が発生します。
内訳 | 相場 |
相談料 | 5,000円~1万円 |
接見費用 | 2~5万円/回 |
着手金 | 30~50万円 |
成功報酬 | 30~50万円 |
実費 | 交通費などの実費 |
日当 | 1万円程度/時間 |
合計 | 60~100万円程度 |
弁護士の費用は次のように様々な項目があります。最も大きなものは着手金と成功報酬です。
着手金とは、事件を依頼した場合に支払う費用です。弁護活動がどういう結果になったとしても支払う費用で、仮に望むような結果が得られなかったとしても後から返金されることはありません。
一方、成功報酬は文字通り弁護活動により何らかの成果を得た時に支払う費用です。何を成功とするかについては事件によって異なりますので、受任前にしっかりと聞くようにしてください。
なお、上記の相場は一般的な刑事弁護の費用で、実際の金額は事件の様態や依頼する事務所によって変わります。前科や執行猶予中などの弁護の場合であれば費用が高額になることも少なくありません。
事件を依頼する場合には事前に費用見積もりを出してもらうようにしましょう。
万引きで被疑者・被告人に有利な処分を得るには弁護士のサポートは必要不可欠です。もっとも、弁護士であればどの事務所に依頼してもよいかというとそうとも言い切れません。弁護士は法律実務を取り扱いますが、その内容は多岐に渡るからです。
刑事事件を依頼するのであれば刑事事件に注力している弁護士に依頼するようにしましょう。すでにお伝えした通り、刑事弁護でどのような結果が得られるかは、弁護士の経験が如実に反映されるからです。
そのため、弁護士を探す場合にはポータルサイトを利用するとよいでしょう。
ポータルサイトでは、分野ごとに注力している弁護士を全国から地域ごとに選べるサービスを運営しています。刑事事件ナビも、都道府県と事件内容を選択していただければ、窃盗事件に注力している弁護士を簡単に検索できます。
24時間対応、相談料無料に対応している事務所もたくさんありますので、今すぐに対応してほしい・できるだけ費用を抑えたいという人にもおすすめです。
万引きをした場合にはただちに弁護士に相談するようにしてください。弁護士が逮捕直後からサポートすることで、早期の身柄釈放や不起訴処分、執行猶予など有利な処分を獲得できる可能性が高まります。
逮捕後にサポートしてくれる弁護士には、当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の3種類があります。弁護士のサポートがあるかないかで、被疑者・被告人の今後が大きく左右される可能性があります。次のような場合には、できるだけ早期に弁護士に相談するようにしてください。
万引きは、初犯で被害額が少額であれば微罪処分で終わることもありますが、何度も繰り返してしまう場合などには重い処罰も十分にあり得ます。
逮捕されたのにまた繰り返すといった場合には、クレプトマニアの可能性もあります。この場合も弁護士に相談し、クレプトマニアであるなら病状に理解のある弁護士に依頼するようにしてください。
ベンナビ刑事事件は、刑事事件に注力している弁護士のみを掲載しています。もしご家族が万引きで逮捕されてしまったという方は、早急な対応が必要です。ぜひ利用して、弁護士に相談してみてください。
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