その他刑事事件
恐喝罪で逮捕されたらどうなる?無料相談できる窓口と弁護士に依頼するメリット
2024.02.13
違法ダウンロードとは、違法にアップロードされたコンテンツと知りながらダウンロードすることで、発覚すれば逮捕される可能性もあります。
以前は違法アップロードのみが処分対象でしたが、著作権法改正によって著作権者の許可なくコンテンツをダウンロードした場合も刑事罰の対象となりました。
違法ダウンロードをして実際に「警察がきた」という状況も起こりえるわけです。
本記事では、違法ダウンロードをしてしまったかもしれないと悩む方の参考になるよう、違法ダウンロードの定義や発覚する理由、違法ダウンロードしてしまった場合の対処方法について解説します。
違法ダウンロードとは、違法にアップロードされたコンテンツと知りながらダウンロードすることです。
著作権によって保護されているコンテンツを著作権者の許可なくアップロードすることは違法であり、刑事罰の対象となります。
一方で、違法にアップロードされたコンテンツと知ったうえでダウンロードする行為もまた、刑事罰の対象となります。
インターネット上のコンテンツが、著作権者の許可がなく違法にアップロードされたコンテンツと知っているにも関わらず、ダウンロードする行為は「違法ダウンロード」とみなされます。
映画や動画、音楽など、多くのコンテンツは著作権によって制作者の権利が保護されており、アップロードする際には著作権者に許可を得なければなりません。
しかし、なかには著作権者の許可を得ずアップロードされているコンテンツもあります。
これらコンテンツが違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードすれば、違法ダウンロードとみなされるわけです。
また、以下の条件を満たす場合は、著作権法119条違反に該当し刑事罰の対象となる可能性があります。
<違法ダウンロードとして刑事罰の対象となる行為の条件>
刑事罰として処罰されるためには、違法ダウンロードを継続的・反復的におこなっていることが条件です。
たとえば「1度だけ」違法ダウンロードしただけでは、刑事罰の対象とはならないことになります。(1度だけでも、民事では違法とされ損害賠償の対象となる可能性がある点は注意ください。)
以下のようなケースでは、例外的に刑事罰の対象とはなりません。
違法ダウンロードが、刑事罰の対象となる条件や対象とならない条件をみてきました。
それでは違法ダウンロードで、実際に逮捕されることはあるのでしょうか。
以前は違法アップロードのみ刑事罰が科されていました。
著作権があるコンテンツを無断でダウンロードする行為については、2010年1月1日施行の改正著作権法で民法上違法とされましたが、当時は刑事上の罰則規定はありませんでした。
当時、違法ダウンロードの刑事罰化には、「法律を理解していない子どもたちや事情を知らない人たちが犯罪者になるおそれがある」など反対の声も多くありました。
しかし、2012年の著作権法改正で違法ダウンロードにも刑事罰が適用されることになります。
これ以降は、有償で販売されている音楽や映像の違法ダウンロードに対し、民事責任だけでなく刑事責任も科されることになりました。
法定刑は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその両方です。
2021年には著作権法が再度改正され、従来は映像・音楽のみ規制されていたところ、書籍・漫画・論文・ソフトウェアプログラムなど著作物全般が規制対象に加えられました。
法律上は刑事罰の対象となりましたが、違法ダウンロードによる逮捕者が出たというニュースに触れることはほとんどないのではないでしょうか。
実際、法務省の「令和4年版 犯罪白書」によると、違法ダウンロードを含む著作権法違反による令和2年の検挙件数は363件に過ぎません。(同じ年に、著作権法違反を含むサイバー犯罪で検挙された件数は合計9,875件)
【参考】法務省 | 令和4年版 犯罪白書
検挙されにくい理由として、以下が挙げられます。
違法ダウンロードは親告罪なので、逮捕するには被害者からの刑事告訴が必要です。
被害者が刑事告訴をするためには、自分で違法ダウンロードをした人を特定しなくてはなりません。
しかし、誰が違法ダウンロードをしているか特定するのは簡単ではないため、結果的に検挙されにくいわけです。
また違法ダウンロードの立証が難しい点も、検挙数が少ない原因として挙げられます。
侵害者を逮捕するためには、違法ダウンロードしたコンテンツを保存している証拠をおさえなくてはなりません。
けれど侵害者にスマートフォンやパソコンの中身を見せるように要求しても、簡単には応じないでしょう。
さらに検挙するためには、侵害者が「違法にアップロードされたコンテンツである」と知っていたことを立証しなくてはなりません。
侵害者の認識は目に見えませんから、その立証も簡単ではないのです。
最後に、違法アップロードをする侵害者を検挙しないと根本的な解決につながらない点も、違法ダウンロードの検挙数が少ない原因と考えられます。
警察は違法ダウンロードより、違法アップロードの検挙に積極的になりやすいわけです。
違法ダウンロードをしても逮捕されないわけではありません。
以下のような方法によって違法ダウンロードをした個人を特定できるため、逮捕される可能性は十分に考えられます。
著作権者が以下の手順をとることで、侵害者の個人情報が特定されます。
まずは違法ダウンロードがおこなわれたとみられるサイト管理者に対し、IPアドレスの開示請求をおこないます。
IPアドレスが判明すると、侵害者が利用しているプロバイダは簡単に調べられます。
次にプロバイダに対し、発信者情報開示請求をして認められれば、違法ダウンロードをした侵害者の個人情報が特定されるのです。
著作権者は開示された個人情報をもとに、刑事告訴や損害賠償請求の手続きをします。
違法ダウンロードは親告罪なので、著作権者からの刑事告訴が必要です。
著作権者が侵害者を刑事告訴したい場合、警察署に告訴状を提出します。
著作権者から告訴状が提出されると、警察の捜査が開始されます。
すでに発信者情報開示請求によって住所、氏名などの個人情報が特定されているため、警察はすぐに本人を拘束し、取り調べを開始できるのです。
著作権者は違法ダウンロードをした侵害者に対し、刑事告訴するだけでなく同時に民事責任も追及できます。
著作権者から裁判を起こされ、損害賠償金を請求される可能性があるわけです。
検挙数が少ないとはいえ、違法ダウンロードによって逮捕されることがないわけではありません。
それでは、違法ダウンロードで逮捕されないようにするためにはどうすればよいでしょうか。
まず、当然ではありますが、コンテンツは正規の方法(ダウンロードサイトなど)で取得しましょう。
そもそも違法ダウンロードをしなければ、逮捕されることもありません。
著作権者の権利を侵害しないためにも、正規の方法でコンテンツを取得する必要があるのです。
万が一、著作権者の許可なくコンテンツをダウンロードしてしまった場合、そのコンテンツを利用せず、すぐに削除しましょう。
違法アップロードされたコンテンツと知らなかったり、継続性・反復性がなかったりすれば、逮捕されてしまう可能性は低くなります。
今後は違法ダウンロードによって著作権者の権利を侵害しないよう十分に注意してください。
違法ダウンロードされたコンテンツをSNSで共有すれば、SNSのアカウントから個人を特定できます。
また違法にダウンロードしたコンテンツを他のサイトにアップロードしたり、知り合いなどにファイルを送信したりすると、「違法アップロード」に該当し、刑罰が重くなってしまうので注意してください。
違法ダウンロードをしてしまったか不安な場合は、弁護士に相談するのもひとつの手です。
弁護士に相談することで、著作権法に照らし合わせ刑事罰が科される可能性があるかの判断をしてくれます。
また万が一、逮捕される可能性がある場合にも、逮捕されたあとにどうするかのアドバイスを受けられるのもメリットです。
弁護士に相談したい場合、初回相談が無料の法律事務所を探すのもおすすめです。
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著作権法の改正により、著作権で保護された動画や音楽などのコンテンツを違法ダウンロードする行為が刑事罰の対象となりました。
また、2021年3月からは、動画や音楽に加えて、漫画や書籍、論文なども取り締まりの対象となっています。
違法ダウンロードをすれば、たとえ個人で楽しむ目的であっても刑事責任・民事責任を追及される可能性があります。
自分が違法ダウンロードをしてしまったかもしれないと悩んだら、一度弁護士に相談し、アドバイスを受けましょう。