その他刑事事件
恐喝罪で逮捕されたらどうなる?無料相談できる窓口と弁護士に依頼するメリット
2024.02.13
出頭命令とは、裁判所が被告人に対して、指定の場所まで呼び出す命令のことを指します。
一方で、警察や検察といった捜査機関が取り調べをおこなうことを目的に、被疑者を招集することを出頭要請といいます。
出頭命令と出頭要請は別ものですが、世間一般では警察や検察がおこなう出頭要請を出頭命令と呼ぶことが多いです。
出頭命令は義務ではありませんが、拒否や無視をすると場合によっては、逮捕される可能性が出てきてしまいます。
そもそも出頭命令とはどのようなもので、出頭したらそのまま逮捕されてしまうものなのでしょうか。
そこで、本記事では、出頭命令とは何か、出された場合の対処法などをわかりやすく解説します。
まずは、出頭命令という言葉の定義や種類について整理しましょう。
出頭命令とは、刑事訴訟法第68条に基づき、裁判所が被告人に対し指定の場所に出頭するよう要請する命令のことです。
第六十八条 裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる。被告人が正当な理由なくこれに応じないときは、その場所に勾引することができる。
引用:刑事訴訟法
ただし、一般的に出頭命令といわれているのは、警察や検察といった捜査機関から出される出頭要請を指すことを指します。
警察官や検察など、捜査当局が犯罪について調査する際に任意で出頭を命じるものが出頭要請です。
本記事では、出頭要請を出頭命令として扱い説明していきます。
刑事訴訟法第198条には以下のような記載があります。
第百九十八条
1.検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
引用:刑事訴訟法
警察や検察といった捜査当局は、必要に応じて被疑者に対して出頭を要請できるといった内容です。
ただし条文の後半に「出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる」とあるように、応じるかどうかについては自由となっています。
出頭命令が出されるケースには大きく2つのパターンがあります。
それぞれのケースについて詳しく解説していきます。
まずは事件の被疑者として事情聴取やアリバイの確認をするために出頭命令が出されるケースです。
通常、逮捕して事情聴取をするには裁判所が出す逮捕状がなければなりません。
逮捕状を出すには被疑者が罪を犯したと疑うに足る証拠と、逃亡・証拠隠滅の可能性がある場合に発付されます。
つまり、証拠が不十分であったりする場合には逮捕状を出すことはできないのです。
また、軽微な刑事事件の場合などそもそも逮捕状を発付できないケースもあります。
そのため、疑いはあるが証拠が不十分だったり事件が軽微だったりする場合に、証拠集めや事情聴取を目的として発令されます。
条文にもあるように、基本的には被疑者に対して発令されるものですが、まれに捜査の協力を仰ぐ目的で発令される場合もあります。
具体的には目撃者や事件関係者を参考人として呼ぶケースです。
この場合であっても応じるかどうかは任意となります。
ただし、参考人として呼ばれた場合でも、捜査や事情聴取次第では被疑者として扱われるようになるため注意が必要です。
犯した罪が軽微なものであれば、微刑罪として警察からの注意や書類の手続きだけで事件が完了することもあります。
また、微刑罪でなくても証拠隠滅や逃亡の恐れがないと判断されたり、事件への疑いが晴れた場合にはそのまま帰宅できることも可能です。
仮に逮捕が必要と判断された場合、まずは警察で取り調べを受けます。
その後、検察で取調べを受け起訴・不起訴の判断を仰ぐ必要があり、逮捕から勾留の解除まで最大23日間拘束されることもあります。
必ずしも逮捕されるとは限りません。
前述のとおり、警察などの捜査機関が被疑者を逮捕するには「被疑者が罪を犯したと疑うに足りる十分な理由がある」「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」の2つの要件を満す必要があります。
そのため出頭命令が出ている段階では、まだ十分な証拠や疑いを固めきれていない可能性が高いです。
一方で、取調べによって犯罪を犯したことが明らかであり、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合は、そのまま逮捕に踏み切るケースもあります。
在宅事件とは、被疑者を拘束せず、起訴・不起訴が決まるまで捜査をすることです。
この場合、被疑者は逮捕されず、自宅で生活しながら捜査に協力をします。
被疑者に証拠隠滅・逃亡のおそれがないと判断されると、在宅事件となり逮捕されずそのまま帰宅できる可能性もあります。
基本的に出頭命に応じる義務はありませんが、無視するのはおすすめできません。
出頭命令の段階では「罪を犯したと疑うに足りる相当の理由」や「証拠隠滅・逃亡の恐れがある」というところまでは至っていなません。
ただ、疑いをかけられている可能性は非常に高いです。
仮に無視してしまった場合、捜査当局から「このまま逃亡し証拠隠滅をされてしまうのでは」とさらなる疑いをかけられてしまうことが考えられます。
被疑者として捜査を進め、場合によっては逮捕状が発付され、通常逮捕されてしまうことがあります。
また、出頭命令に応じないことで、本来在宅事件になっていたであろう事案も逮捕・勾留されてしまう可能性まででてきてしまいます。
そのため、出頭命令が出されたらよほどの理由がない限り応じるのが無難といえます。
日時が合わない場合は日程調整をしましょう。
基本的には出頭命令を優先するのがよいですが、どうしても外せない用事がある場合は事情を説明して日程を変更してもらうのがおすすめです。
日程変更に警察が応じるかどうかは警察やそのときの状況次第ですが、場合によっては応じてくれることもあります。
なにより、出頭に応じる意思を示すことができます。
連絡もせずに、出頭命令に応じないということだけはしないよう注意してください。
出頭命令は応じるのが基本ですが、何も知らずに事情聴取を受けると状況が不利になってしまったり、あらぬ疑いをかけられたりすることがあります。
ここでは出頭命令に応じる際に気を付けてほしいことを3つ紹介します。
もし出頭命令を出されるような罪を犯した自覚があるなら、出頭する日までに弁護士に相談するのがおすすめです。
理由は次のとおりです。
被疑者として取調べを受ける場合、取調べでの受け答えによって、今後逮捕される可能性や起訴された際の裁判の優劣にまで影響します。
そのため、できるだけ事前に弁護士に相談してアドバイスをもらっておくのがおすすめです。
また、一般面会できるのは勾留からで、逮捕後から最大72時間かかります。
ただし、弁護士であれば逮捕直後から面会が可能です。
早い段階で面会できたほうが弁護士としてもアドバイスをしやすいため、出頭する前に弁護士に相談しておくのがよいでしょう。
誰にとっても出頭命令は不安なものです。仮に出頭命令に応じてそのまま逮捕されてしまった場合、最大で23日間身柄を拘束されてしまうこともあります。
慣れない取調べで精神的に疲弊してしまうことも考えられるでしょう。
弁護士がいれば法的なアドバイスをもらえるだけでなく、自分の味方がいるという大きな安心感を得られます。
今後どのような方針で問題と向き合うか、どう罪を償っていくかといった面まで幅広くサポートしてくれます。
黙秘権があるため、取調べで話したい内容に触れられた場合は回答する必要がありません。
取調べで話した内容は今後の逮捕や裁判に大きな影響力を及ぼします。
不用意に発言せず、適宜弁護士に指示を仰ぐのが得策です。
取調べがおこなわれると、供述調書が作成されます。
供述調書とは取調べの内容を記録したもので、検察官が起訴・不起訴を判断したり、裁判の判決を決めるための証拠として扱われます。
取調べの最後に内容の確認をするのですが、そこで署名・捺印をしてしまうと内容の取消しや修正ができません。
特に、出頭命令の段階では、取調べで作成された供述調書が非常に重要な証拠となるため、慎重に扱う必要があります。
そのため、供述調書の内容に相違ないか隅から隅まで確認しましょう。
仮に修正を依頼する場合は、修正完了後の内容まで細かくチェックしてください。
刑事事件を起こした自覚があり逮捕を免れたいと考えているなら、次の4つを実行しましょう。
前述のとおり、出頭命令には応じるのが基本です。
日程が厳しい場合は欠席するのではなく、必ず連絡をして日程を調整してください。
捜査には協力的な姿勢を見せましょう。
逃亡や証拠隠滅の恐れがなければ、取調べがおわったあと帰宅できる可能性も高くなります。
不用意な発言をするよりは、黙秘権は使って発言をしないほうがよい場面もあります。
ただ、あまりに消極的だと、非協力的だと思われ疑いが強くなってしまうため、可能な限り取調べの質問には応じることも重要です。
できれば事前に弁護士に相談し、被害者と示談を済ませておくのがおすすめです。
示談が済んでいれば加害者が罪を認めているに等しく、場合によっては被害の取り下げもあり得るため逮捕されずに済むケースもあります。
出頭命令に応じるかどうかは任意ですが、基本的には出頭して捜査に協力するのがおすすめです。
出頭したからといって必ず逮捕される訳ではなく、その後の対応次第では自宅に返してもらえることも多くあります。
一方、で取調べで不用意な発言をしてしまうとその後の流れに大きく影響してしまったり、場合によっては長期間身柄を拘束されてしまうこともあります。
そのため、出頭命令を出されたらまず弁護士に相談するのがよいでしょう。
今後の方針や取調べのアドバイスをもらい、不利にならないよう立ち振舞うことが重要です。