児童買春で逮捕されるのはどんなとき?逮捕までの流れや不起訴にするための方法を解説

児童買春で逮捕されるのはどんなとき?逮捕までの流れや不起訴にするための方法を解説

児童買春とは、金銭などの見返りを渡し又はその約束をして、18歳未満の児童と性行為又は性交類似行為をすることです。

児童買春は非常に重大な犯罪で、起訴された場合は最大で5年以下の懲役か300万円以下の罰金を支払う可能性があります。

ただ、児童買春といってもどういった行為が該当し、どのようなときに逮捕されるのかをご存じでない方も多いのではないでしょうか。

また、児童買春だけでなくそれに関連したさまざまな違法行為があり、単純に児童と性行為をするだけが犯罪という訳ではありません。

本記事では、児童買春に該当する行為や逮捕されてしまうケース、児童買春をおこなってしまった場合にどのように対処すればよいのかについて解説していきます。

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この記事を監修した弁護士
春田 藤麿弁護士(弁護士法人春田法律事務所)
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。

児童買春とは?定義と成立要件

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律の第2条2項には、以下のように定められています。

第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。

引用:児童買春・児童ポルノ禁止法| e-Gov 法令検索

つまり児童買春とは、お金を渡して18歳未満の児童と性交などをすることを指します。

また、お金でなくてもポイントやギフトカードなどを渡した見返りに性行為をすることも児童売春です。

さらに、児童売春はたとえ相手の同意を得ていても成立します。

児童買春の刑罰と時効

具体的な例量刑
児童買春児童と性行為

・性交

・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器・肛門・乳首を触る

・児童に自己の性器等を触らせる

5年以下の懲役

又は

300万円以下の罰金

児童買春周旋児童の売春を仲介する5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方
児童買春勧誘児童に売春をすすめる5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方
児童ポルノ所持・提供動画や写真といった児童ポルノを所持したり販売したりする1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金

児童売春やそれに類似する行為についての罰則は上記のとおりです。

金銭や対価を渡し又はその約束をして、その見返りに児童と性行為をした場合の量刑は5年以下の懲役または300万円以下の罰金を科される可能性があります。

児童買春を勧誘したりあっせんした場合は、さらに重い量刑が下される可能性があります。

なお、13歳未満の児童と性行為を行った場合は「強制性交罪」となり、5年以上の懲役となり罰金刑のみで済むことはありません。

さらに、児童買春の時効は売春行為があった日から5年ですが、強制性交罪になると時効は10年となります。

青少年保護育成条例(淫行条例)にも違反する

青少年保護育成条例とは、青少年を保護するために各都道府県が制定している条例のことです。

たとえば東京都の場合、「何人も青少年とみだらな性交又は性交類似行為をしてはなりません。
違反した場合は、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。

自治体によって内容は異なりますが、大きな目的や処罰される内容は同じ傾向があります。

ちなみに、よく耳にする淫行条例とは青少年保護育成条例のうちの「淫行」「みだらな性行為」「わいせつな行為」などを規制する条例のことです。

したがって、正式な名称は青少年保護育成条例であり、淫行条例は通称名と捉えておけばよいでしょう。

児童ポルノ法違反と青少年保護育成条例違反の違いは?

両社の違いは、金銭や対価の受け渡しないしはその約束があるかどうかです。

児童ポルノ法違反はお金や見返りがある場合に成り立ちますが、淫行条例はお金の授受は関係ありません。

たとえば、交際をしている男女の片方が18歳未満で、性行にお金の授受がなかった場合は児童ポルノ法違反にはなりません。

ただし、淫行条例には違反します。

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児童買春で逮捕される確率とバレる原因

2021年の検察統計によると児童ポルノ法違反で検挙された方のうち、逮捕された方の割合は約22%です。

参照:検察統計

一見すると逮捕される確率は低いように思えますが、逮捕された場合は最大で23日間身柄を拘束されてしまいます(逮捕に引き続き勾留された場合)。

会社や学校へ説明し続けることになってしまうため、逮捕された場合のリスクは非常に高いといえます。

それではなぜ、児童売春が発覚してしまうのでしょうか。

ここでは代表的な例を4つ紹介します。

児童の親から通報される

よくあるのは児童の親から通報されるケースです。

子どもの帰りが遅かったり、急にブランド服を身にまとうようになった場合など、普段と違った行動や様子から不審に思い、子どもに問い詰めて発覚します。

児童の補導がきっかけで発覚する

売春行為が終わったあと、夜遅くに出歩いてたところで補導され、その際の取り調べで買春のことが発覚するケースもあります。

その場合はこれまでの経緯ややり取りなどから証拠を集め、裁判所が発行した令状をもとに逮捕されるのが一般的です。

売春行為をした数日後に突然自宅に警察がやってきてそのまま逮捕、という流れになります。

SNSから買春が発覚する

近年では、ネット上で売春の呼ぶ込みをしたり、被害にあった児童が売春行為をしたことを投稿しているケースが多く、捜査当局もネット上のパトロールを強化しています。

援助交際やパパ活の掲示板だけでなく、TwitterやInstagramといったSNSまで多岐に渡りチェックがなされています。

警察によると令和元年における被害児童数が最も多かったSNSがTwitterです。

一方で増加率が最も高いのはInstagramということがわかります。

参照:子供の性被害(児童の性的搾取等)

自分はSNSに投稿しないから大丈夫、と思っていても被害児童の投稿まで制御することは現実的に難しいため、誰にでも逮捕される可能性はあるといえるでしょう。

職務質問される

児童とホテルから出てきたところや、若い児童と仲睦まじい様子で歩いているところを警察官に見られ、職務質問された結果買春行為が発覚してしまうということもあります。

児童買春で逮捕された後の流れ

児童買春で逮捕されてしまった場合の流れは次のとおりです。

警察・検察による取り調べ

まずは警察で取り調べを受け、事件の経緯や事実関係の確認がおこなわれます。

その後48時間以内に検察へ身柄が引き渡されます。

検察でも同様に取り調べがおこなわれ、その内容によって検察はさらに身柄を勾留すべきかどうかを24時間以内に判断します。

この間、家族や知り合いと接見することはできません。

なお、前科がなく本人も反省している様子がうかがえれば、略式命令によって罰金刑を受けるだけで済む場合もあります。

ただしその際は前科がつくということを覚えておきましょう。

勾留

「証拠隠滅の可能性がる」「逃亡の恐れがある」など、勾留が必要と判断された場合は原則10日間身柄を拘束されます。

さらに起訴・不起訴を判断するための材料が足りていなと判断した場合はさらに追加で最大10日間勾留されます。

起訴もしくは不起訴の判断がなされる

起訴が妥当と判断された場合は刑事裁判が開かれ、司法に処遇を委ねることになります。

日本にける刑事裁判の有罪率は99%以上であるため、起訴された場合は非常に高い確率で有罪になると考えてよいでしょう。

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児童買春で逮捕された場合のリスク

児童買春で逮捕された場合のリスクは、次のようなものがあります。

報道や職場への影響

逮捕されてしまった場合、テレビやネットニュースなどで名前が報道されてしまう可能性があります。

仮に、不起訴となった場合でも、最大で23日間拘束されることになるため事情を会社に説明しなければならなくなります。

また、児童買春をおこなってたことが原因で懲戒解雇をされてしまうことも十分考えられます。

そのため、司法による裁きは受けなくても社会的な制裁は免れないと考えたほうがよいでしょう。

家族や被害者への影響

児童買春によって家族からの信頼を失い、離婚や慰謝料の請求などさまざまなトラブルが発生します。

また、児童買春は刑事罰だけでなく、民事上の責任を問われる場合もあります。

児童の保護者が慰謝料を請求してくる場合があれば、罰金とは別に慰謝料を支払う必要があります。

そのため児童買春を犯してしまった場合は相手や相手の家族に真摯に謝罪し、示談を成立させておくことが重要です。

相手が18歳未満であると知らなかった場合は罪に問われないことも

仮に相手が18歳未満であったことを知らなかった場合は、児童売春の罪を問われないことがあります。

ただし、客観的状況から18歳未満と知らなかったはずがないと判断できる場合には、起訴されて有罪となる可能性が高いです。

また、少しでも「18歳未満では?」と疑う要素があったのであれば、起訴されてしまうものと考えてよいでしょう。

児童買春で逮捕されたらどうすればいい??

児童買春で逮捕・起訴を免れたいなら、児童の保護者と示談を成立させることが重要です。

逮捕の回避やその後の勾留の期間を短くするには、証拠の隠ぺいや逃亡、被害者に対して危害を加える可能性が低いと判断される必要があります。

示談を成立させるには、相手と相手の家族に真摯に謝罪しましょう。

示談の交渉をきちんと進めるには、被害者と自分の間に弁護士に入ってもらうのがおすすめです。

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児童買春をしてしまったら弁護士に相談しよう

前述のように、児童買春をしてしまった場合は弁護士に相談するのがおすすめです。

理由は示談の交渉を進めやすく、早期解決や量刑を軽くすることが期待できるためです。

それぞれ詳しく解説していきます。

被害者との示談など適切な対処ができる

児童買春の場合、示談する相手は被害児童の保護者です。

児童の保護者からすれば、直接加害者と話し合いをしたくないと思われてしまうことも考えられます。

弁護士に依頼することで、自分と被害者家族の間に交渉の窓口を設置できるため、話し合いがスムーズに進みます。

法的な観点から適切に処理してくれるため、相手家族からしても弁護士と話すほうが安心感があります。

加害者からしても、単独で交渉するよりも、弁護士に相談できたほうが精神的に安心しやすいため、まずは弁護士に相談するところから始めるのがよいでしょう。

早期解決が見込める

示談やその後の取り調べが長引いてしまい、職場や学校にばれてしまうケースも存在します。

弁護士に意見を仰ぎながら進めていけば早期解決が見込め、社会的なダメージも最小限に抑えることが可能です。

判決や処分が軽くなる可能性がある

示談のためのアドアイスや取り調べへの対応といったサポートを受けることで、判決や処分を最小限にとどめることが可能です。

もちろん、案件の内容によっては量刑を軽くすることが難しい場合もありますが、争点を明らかにしてどう対処すればよいのかが明確になるため、交渉する際の方針は立てやすくなるでしょう。

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さいごに|児童買春で逮捕されたら弁護士に相談を

刑事事件の場合、迅速な対応が求められます。

そのため、早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士であれば、取り調べの対応方法についてのアドバイスを得られたり、不起訴を目指した活動をおこなってもらえます。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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