その他刑事事件
恐喝罪で逮捕されたらどうなる?無料相談できる窓口と弁護士に依頼するメリット
2024.02.13
相手を脅す言葉は脅迫罪に問われるため、警察に逮捕される可能性も十分にあります。
口喧嘩がエスカレートして「殴ってやる」と言った、またはSNSに「殺すぞ」などと書いた場合、有罪判決になるケースもあるでしょう。
しかし、犯罪には必ず成立要件があるため、以下のような疑問も生じてきます。
脅し文句が全て脅迫罪になるわけではありませんが、逮捕されると長期間身柄を拘束される可能性が高く、場合によっては懲役刑になるケースもあります。
受刑者になると一般社会から切り離されてしまうため、被害者への謝罪すらできなくなってしまうでしょう。
ここでは、脅迫罪の成立要件や脅迫罪に問われてしまう言葉、逮捕されたあとの流れをわかりやすく解説しています。
なお、相手に謝罪して和解を目指す方や、逮捕の恐れがある方はベンナビ刑事事件で弁護士を探してください。刑事事件に詳しい弁護士へ相談すれば、示談成立や早期釈放の可能性が高くなります。
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脅迫罪とは、被害者の生命・身体・自由・名誉・財産に対し、害を加えることを伝えた(告知)場合に成立する犯罪です。
簡単にいうと「人を脅して怖がらせる罪」になりますが、以下のように成立要件が定められており、脅し文句がすべて脅迫罪になるわけではないので注意してください。
脅迫罪が成立する要件は以下のとおりです。対象者の範囲や脅迫罪になる可能性が高い言葉、脅迫罪が成立するかどうかの判断基準になる「害悪の告知」をよく理解しておきましょう。
脅迫罪の対象になるのは、脅迫された本人とその親族(子どもや父母、祖父母、兄弟姉妹)です。
「殺してやる」「殴ってやる」などの脅しが友人や恋人に向けられたとしても、あなた自身に対する脅迫罪にはならないので注意してください。
脅迫罪の成立要件には「害悪の告知」があり、以下のような脅しが該当します。
なお、相手が恐怖を感じ(るような内容であること)も脅迫罪の成立要件になるため、友達同士の会話で「殴るぞ」などの言葉が出たとしても、相手が恐怖に感じていなければ脅迫罪にはなりません。
また、同じ脅し文句でも、相手との関係性や体格差によって捉え方が違ってきます。
たとえば、上司が部下へ、または先輩が後輩へ「覚えておけよ」と言った場合、力関係を利用した脅迫になる可能性があります。
体格の大きな人が「殴るぞ」と言えば、体格が小さな人は恐怖に感じてしまうでしょう。
ただし、実現不可能な害悪の告知は脅迫罪になりません。
仮に「お前の家にミサイルを撃ち込んでやる」などと脅しても、実現できないことが明らかなため、相手が恐怖に感じる可能性は低いでしょう。
以下のような言葉で相手を脅したときは、脅迫罪になる可能性が高いので注意してください。
基本的に相手の身体に害を与える言葉や、不安に陥れる言葉は脅迫罪が成立しやすくなります。
相手の言動が違法だったかどうか確定していないのに、「訴える」などの権利行使で脅す行為も脅迫罪になるケースがあります。
「クビにするぞ」などの言葉は身体に直接害を与えるわけではありませんが、立場(上限関係)を利用した脅迫と捉えられる可能性があるでしょう。
また、「社内に言いふらすぞ」などの言葉は名誉への害悪の告知になり、謝罪を強要する言葉は言い方次第で相手に恐怖心を抱かせます。
このような言葉は一時的な感情から出てしまうことがあり、本心ではないケースもありますが、相手が脅し文句だと捉えれば、脅迫罪で訴えられることもあります。
メールや手紙、SNSへの投稿を使った脅し文句も害悪の告知になるため、脅迫罪に問われる可能性があります。
「ネットに晒す」「ネットで写真を公開する」などのSNS投稿や、「次に会ったときは覚えておけ」などのメールを送ると、脅迫罪で訴えられるかもしれません。
ネットは匿名で利用できますが、犯罪性がある場合は捜査機関が動くため、加害者本人が特定されるケースもあります。
脅迫罪で訴えられた場合、有罪判決になると2年以下の懲役または30万円以下の罰金刑に処されます。
また、脅迫罪に問われる状況では(行為の態様次第で)強要罪や恐喝罪も成立するケースがあり、以下のように刑罰の重さも異なってきます。
脅迫罪は3年で公訴時効が完成するため、時効になってから起訴されたとしても、免訴判決によって無罪(前科なし)になります。
最後に脅迫行為を行った日が時効の起算点になりますが、起訴が不可能だった期間(加害者が逃亡または身を隠している期間など)は時効のカウントが停止しています。
また、脅迫罪は被害者の告訴を必要とする親告罪ではないため、相手が告訴しないように圧力をかけたとしても、警察に事件が伝われば逮捕される可能性があります。
起算点から3年間は告訴や公訴(検察官が刑事裁判を起こすこと)される可能性があるので、「すぐに訴えられなかったから安心」というわけにはいかないでしょう。
脅迫罪と類似する犯罪に「強要罪」と「恐喝罪」があります。
脅迫罪の成立要件は「害悪の告知」ですが、強要罪と恐喝罪は相手がけがを負ったり、金銭を失ったりする実害があるため、より重い刑罰に処されます。
状況によっては脅迫罪と同時に成立するケースがあるので、以下を参考にしてください。
強要罪の成立要件や刑罰は以下のようになっています。
強要罪には罰金刑がなく、懲役刑のみとなっている重い犯罪ですが、以下のような行為が該当するので誰でも犯しやすいリスクがあります。
「クビにするぞ」などの発言は脅迫罪に該当しますが、「クビが嫌だったら土下座して謝れ」と強要したときは、脅迫罪と強要罪が同時に成立します。
また、相手が嫌がっているのに腕を掴むなど、暴力とはいえない行為でも強要罪になるケースがあるので注意しなければなりません。
恐喝罪も懲役刑のみとなっており、刑事罰は脅迫罪よりもかなり重くなります。
「財物の交付」とは、お金などを出させて自分の利益にしてしまう行為ですが、以下のようなケースも財物の交付に該当します。
単なるクレームは犯罪行為になりませんが、慰謝料目的の場合は恐喝罪になる可能性があるので注意してください。
また、暴行による脅しでお金を取り上げるカツアゲや、相手に泣きついて(同情を誘って)食事代などを出させるタカリ行為も恐喝罪になるケースがあります。
言葉による脅しだけであれば脅迫罪ですが、暴行・脅迫でお金を取り上げると、脅迫罪と恐喝罪が成立するでしょう。
なお、恐喝罪も親告罪ではないため、警察に事件が知れ渡ったときは、被害者が告訴しなくても逮捕される可能性があります。
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脅迫罪は親告罪ではありませんが、実態的には告訴によって逮捕されるケースがほとんどでしょう。
この場合の逮捕を通常逮捕(後日逮捕)といい、逮捕状を持った警察官が自宅を訪ねてきます。
逮捕後の流れは以下のようになっているので、自分がどのような扱いを受けているのか知っておく必要があります。
脅迫罪で逮捕された場合、警察署の留置場に入れられて取り調べを受けます。
逮捕の段階では無罪・有罪が確定していないため、しばらくの間は「被疑者」の扱いになりますが、留置場内では番号で呼ばれることが多いでしょう。
留置場ではスマートフォンや携帯電話を没収されるため、外部との連絡はできなくなりますが、警察官に頼めば以下の弁護士を呼んでもらえます。
弁護士に接見すると取り調べにどう対処したらよいか教えてくれるので、厳しい取り調べに耐えられないときや、不利な供述調書を取られたくないときは必ず呼んでおきましょう。
なお、犯罪の重大性が低く、被疑者が反省している場合は釈放されるケースもありますが、引き続き捜査が必要な場合は以下のように検察官へ送致されます。
脅迫罪の被疑者を逮捕した場合、警察官は48時間以内に釈放または検察官への送致を判断しなければなりません。
送致された場合は事件の扱いが検察に移るため、今後は検察官の取り調べを受けることになります。
検察官は送致から24時間以内に被疑者を釈放、または勾留を判断しますが、以下の条件に該当するときは裁判所に勾留請求をおこないます。
勾留請求が却下されるケースはあまりないので、被疑者の住所が定まっており、証拠隠滅などの恐れがなくても勾留決定になる確率が高いでしょう。
勾留が決まった場合、以下のように身柄の拘束期間が長くなります。
勾留が決定した場合は原則10日間の身柄拘束となり、留置場生活を送りながら引き続き取り調べを受けることになります。
接見禁止になっていなければ勾留期間中は家族と面会できるので、刑事事件に詳しい私選弁護士を探してもらい、いつでも接見できるようにしておくとよいでしょう。
また、逮捕から勾留に切り替わると国選弁護士も呼べるようになります。国選弁護士も当番・私選と同じ弁護士には変わりありませんが、原則として弁護士費用を国が負担するため、経済的な余裕がなくても弁護活動を依頼できます。
ただし、当番弁護士と国選弁護士は自分で指定できないため、刑事事件に注力していない弁護士や、経験の浅い弁護士が担当するケースもあります。
国選弁護士は弁護士報酬が低いため、積極的な弁護活動を期待できないかもしれません。
なお、逮捕から勾留までは最長13日間になりますが、以下のように勾留期間が延長される場合もあります。
10日間の勾留期間中に釈放や起訴が決定しなかったときは、最長10日間の勾留延長になるケースがあります。
勾留延長が決定すると、逮捕から最長23日間の身柄拘束になるため、勤め先の会社にも大きな損害を与えてしまいます。
自分が経営者であれば会社存続の危機になるため、勾留阻止に向けた弁護活動が必要です。
検察官が刑事裁判を起こすことを起訴といい、逮捕後の扱いも被疑者から被告人へ変わります。
起訴された場合の有罪判決はほぼ100%に近いので、不起訴獲得が刑事事件の大きな分かれ目になるでしょう。
なお、不起訴処分になると裁判はおこなわれず、前科も付かずに釈放されます。
正式裁判で起訴された場合、起訴から30~40日後に第1回公判となり、その後10日間程度で2回目の公判が開かれます。
裁判の審理期間は3カ月程度になっており、最終的には以下のような判決が下されます。
起訴後は保釈請求できるので、150~200万円程度の保釈金を支払えば、一時的に身柄を解放できます。
また、量刑(刑罰の重さ・軽さ)には検察官や裁判官への働きかけも影響するので、無罪判決や早期釈放は最後まで諦めないようにしてください。
逮捕や勾留になると「もう何もできない」と諦めがちですが、以下のように対応すれば不起訴や早期釈放を目指せます。
1人でできることは限られているので、必ず弁護士に協力してもらいましょう。
脅迫の罪を認めて十分に反省すると、検察官や裁判官は「再犯の可能性が極めて低い」「一般社会で更生できる」と判断してくれるでしょう。
取り調べにも協力的であったり、自ら再犯防止策を考えたりすると、勾留や起訴の必要なしと判断してくれる可能性もあります。
深い反省を示すためには、弁護士のアドバイスを受けながら謝罪文を作成するなどおこないましょう。
脅迫罪にあたる言葉で相手を脅してしまったときは、逮捕されていなくても弁護士に相談してください。弁護士に関わってもらうと相手と和解できるケースがあるので、告訴を踏みとどまってもらえる可能性が高くなります。
また、逮捕されたあとでも引き続き相談できるので、取り調べの内容を伝えておけば、状況を分析して今後の対策を練ってもらえます。
弁護士には勾留決定を不服とする準抗告の申し立てや、罪を軽くするための意見書提出なども依頼できるため、不起訴獲得や早期釈放を期待できるでしょう。
ただし、弁護士ごとに専門分野が分かれているので、刑事事件に詳しい弁護士を見つけたい方はベンナビ刑事事件を活用してください。
相手(被害者)と示談できれば告訴を取り下げてもらえる場合があります。逮捕・勾留中は身動きできないので、弁護士に示談交渉を依頼しましょう。また、謝罪文を書いて弁護士に渡しておけば、示談成立の確率がさらに高くなります。
相手も告訴したあとの影響をよくわかっていないケースがあるので、「加害者に刑罰を与えるより示談金で解決したほうが得策」と考えてくれるかもしれません。
告訴の取り下げがあると長期の勾留や起訴する理由がなくなってしまうため、早期釈放を期待できるでしょう。
脅迫罪を犯した場合は民事上の責任も負わなければなりません。仮に無罪だったとしても相手に与えた恐怖や不安は消えないため、示談が成立したときは以下のように示談金を支払いましょう。
脅迫罪の示談金は100万円程度が一般的な相場です。脅迫の内容によっては100万円を超えるケースもありますが、メールで1回「殴るぞ」などの脅迫をおこなった程度であれば、20~30万円程度の示談金で決着できるでしょう。
なお、弁護士は交渉を得意としているので、示談交渉を依頼すれば示談金を減額してくれる可能性があります。
脅迫罪は害悪の告知が成立要件になるため、脅し文句がすべて脅迫罪に問われるわけではありません。
しかし、匿名の多いネット社会はユーザーを特定されにくいため、つい脅迫めいた書き込みをしてしまうケースもあります。また、相手に対してついカッとなってしまい、本心ではなくても「覚えていろ」などといってしまう場合もあるでしょう。
脅迫罪は懲役刑になることもあるので、もし逮捕されてしまったら必ず弁護士を呼んでください。弁護士のアドバイスがあれば不利な供述調書を取られにくく、示談成立で不起訴を獲得できる可能性が高くなります。
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