淫行とは?罰則や成立しうる犯罪、逮捕後の流れなども詳しく解説

淫行とは?罰則や成立しうる犯罪、逮捕後の流れなども詳しく解説

肉体関係を持った相手が18歳未満の青少年であった場合、青少年保護育成条例の「淫行(いんこう)」に該当する可能性があります。

各都道府県によって罰則は異なりますが、たとえば東京都では「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されます。

また、ほかの犯罪が成立している場合は、さらに重い刑事罰になるかもしれません。

本記事では、淫行をしてしまった方に向けて、淫行の定義や淫行に該当するケース、淫行や淫行に関連する犯罪の罰則、捜査機関に淫行が発覚してしまう理由、淫行で逮捕されたあとの流れなどを解説します。

また、早期釈放や不起訴処分の獲得などには弁護士への依頼が有効なので、弁護士に相談・依頼するメリットについても紹介します。

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この記事を監修した弁護士
春田 藤麿弁護士(弁護士法人春田法律事務所)
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。

淫行の定義や罰則

最高裁の判例によると、淫行とは、青少年(通常は18歳未満の子ども)を誘惑・威迫・欺罔・困惑させるなど、不当な方法によっておこなう性交・性交類似行為を指します。

また、青少年を自己の性的欲望を満足させるために扱っているような性交・性交類似行為も含みます。

ここでは、淫行の定義や罰則などの基本事項について確認しましょう。

二 福岡県青少年保護育成条例一〇条一項の規定にいう「淫行」とは、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解すべきである。

引用元:裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan

淫行とは

淫行とは、一般的に18歳未満の子どもを誘惑・威迫・欺罔・困惑させたうえで、性交・性交類似行為に至ることを指します。

男性器を女性器に挿入する性交のほか、手淫や口淫といった性交類似行為も禁止の対象です。

淫行は各自治体が定める条例(通称、淫行条例)で規制されており、たとえば、東京都では、「青少年に対する反倫理的な性交等の禁止」に違反した者に対して「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則を定めています。

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

引用元:東京都青少年の健全な育成に関する条例

(罰則)

第二十四条の三 第十八条の六の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

引用元:東京都青少年の健全な育成に関する条例

相手が18歳未満と知らなかった場合

淫行の罪は故意犯であるため、淫行した相手が18歳未満だと知らなかった場合、理論上淫行は成立しません。

しかし、淫行した相手が「18歳未満かもしれない」といった思ったり18歳未満と知っていたりして行為に及んだ場合は、未必の故意が認められるため淫行が成立します。

故意がなかったと認められるためには、単に「18歳未満だと思わなかった」という主張だけでは足りません。

「身分証明書で年齢を確認したが、その身分証自体が偽造されていた」などの事情が必要になるでしょう。

相手と付き合っている場合

中には、18歳未満の青少年と交際している方もいるでしょう。

そのような場合、淫行の判断は難しく、判例によると「それぞれの年齢、性交渉に至るまでの経緯、付き合いの様態などを総合的に判断する」としています。

そのため、18歳未満の異性との性交は、淫行が成立するリスクがあるでしょう

なお、警視庁の淫行の処罰規定には「婚約中の青少年またはこれに準ずる真摯な交際関係の場合は除かれる」と説明されています。

みだらな性交又は性交類似行為とは、次のものを指します。

青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為。

引用元:「淫行」処罰規定 警視庁

なお、婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある場合は除かれます。

淫行とわいせつな行為の違い

淫行と似た言葉に「わいせつ」があります。

刑事罰の対象となりうる「わいせつ」とは、判例によると「いたずらに性欲を興奮・刺激させて、一般人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と定義されています。

たとえば、キスをする、抱きしめる、服を脱がすなどの行為です。

正確な区別は難しいですが、性交・性交類似行為の場合は淫行に該当し、それ以外の性欲を興奮・刺激させる行為はわいせつに該当しうると考えられるでしょう。

淫行をすることで成立の可能性がある犯罪

18歳未満のものと淫行ないしわいせつな行為をした場合、青少年保護育成条例違反で逮捕されたり、有罪判決を受けたりすることがあります。

また、事件の内容によっては、以下のような犯罪が成立する可能性もあります。

ここでは、淫行をすることで成立する可能性がある犯罪や罰則について詳しく確認しましょう。

【淫行をすることで成立する可能性がある犯罪と罰則】

犯罪罰則
青少年保護育成条例違反2年以下の懲役または100万円以下の罰金
児童淫行罪10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科
児童買春罪5年以下の懲役または300万円以下の罰金
児童ポルノ製造罪3年以下の懲役または300万円以下の罰金
強制わいせつ・性交罪強制わいせつ:6ヵ月以上10年以下の懲役

強制性交等:5年以上の有期懲役

青少年保護育成条例違反

各都道府県が設けている青少年保護育成条例では、「何人も、青少年とみだらな性交または性交類似行為をおこなってはならない」のような、青少年との淫行を禁止する条文が規定されています。

また、地域によっては故意だけでなく「過失」であっても淫行と扱っていたり、「みだらな行為」にわいせつ行為が含まれたりすることもあります。

多くの地域では、淫行をした者に対して「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則を設けています。

児童淫行罪

18歳未満の児童に淫行をさせた場合は、児童福祉法第34条に規定されている「児童淫行罪」が成立する可能性があります。

児童淫行罪の特徴は、学校の教師や児童相談所の職員など、事実上、影響力を及ぼす人物が淫行を助長させることで成立する点です。

また「淫行をさせる行為」となっていますが、これには指示した本人と淫行する場合も含まれます。

法定刑は「10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科」となっています。

児童買春罪

18歳未満の児童に対して買春行為をした場合は、「児童買春罪」が成立する可能性があります。

児童買春とは18歳未満の子どもに対し金銭やブランド品などを提供する代わりに、その児童と性交・性交類似行為をすることを指します。

「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春・児童ポルノ禁止法)」で禁止されており、違反すると「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」の刑事罰が与えられます。

児童ポルノ製造罪

18歳未満の児童と性交などをして、その様子を撮影していた場合は「児童ポルノ製造罪」が成立する可能性があります。

また、児童に対してポルノ写真を撮影・送信させる行為も、児童ポルノ製造罪に該当します。

児童買春・児童ポルノ禁止法によって禁止されており、法定刑は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」となっています。

強制わいせつ・性交罪

13歳以上の者に対して、暴行や脅迫を用いてわいせつ行為を働いた場合は「強制わいせつ罪」、性交・肛門性交・口腔性交をした場合は「強制性交等罪」が成立する可能性があります。

また、被害者が13歳未満の場合、暴力や脅迫を用いなくてもこれらの行為に及べば強制わいせつ罪・強制性交等罪が成立します。

強制わいせつ罪の法定刑は「6ヵ月以上10年以下の懲役」、強制性交等罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」となっています。

捜査機関に淫行が発覚する理由

淫行が発覚するケースは、以下のとおりです。

  • 児童と一緒にいる所を職務質問される
  • 児童本人やその保護者が警察に通報する
  • 児童が補導された過程で警察に知られる
  • サイバーパトロールで淫行を特定される
  • 別の事件で逮捕された過程で警察に知られる

捜査機関に淫行が発覚する理由は、職務質問、通報、補導、サイバーパトロールなど多岐にわたります。

警察庁の犯罪統計によると、2021年の青少年保護育成条例違反(みだらな性行為など)の検挙件数は1,589件で、ほかの青少年保護育成条例違反に比べると検挙件数が多いという実情があります。

淫行で逮捕されたあとの流れ

淫行が捜査機関に発覚し逮捕されたあとの流れは、以下のとおりです。

通常、警察に逮捕されたあとは事件が検察に送致され、検察が勾留請求をするかどうかの判断をします。

裁判所が勾留を認めると身柄事件となり、その必要がなければ在宅事件として捜査が続けられます。

その後、捜査を終えた検察は起訴・不起訴の判断をおこない、不起訴なら釈放されますが、起訴された場合は刑事裁判を受けることになります。

淫行で弁護士に依頼するメリット

淫行をしてしまった場合は、できる限り早く弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

捜査機関に逮捕された場合、起訴・不起訴の判断までに最長23日間にわたり身柄を拘束される可能性があり、起訴されれば有罪判決を受ける可能性もあります。

刑事事件が得意な弁護士に相談・依頼し、早めにサポートを受けられるようにしましょう。

勾留阻止・早期釈放に向けて働きかけてくれる

弁護士に依頼することで、勾留阻止や早期釈放のためのサポートが受けられます。

勾留決定前であれば検察や裁判所に勾留しないよう働きかけてくれたり、勾留されたあとでも裁判所に対して準抗告を申し立ててくれたりするため、早期の身柄解放が期待できます。

早期に身柄が解放されれば、私生活への影響を少なくできるでしょう。

前科をつけないための不起訴をサポートしてくれる

弁護士に依頼することで、不起訴獲得に向けたサポートも受けられます。

捜査機関に対して起訴する必要性がないことを主張してくれたり、被害に遭った青少年や保護者との示談交渉を進めてくれたりして、できる限り不起訴処分を獲得できるように活動してくれます。

また、不利な供述をしないようアドバイスなどもくれるでしょう。

まとめ|淫行で逮捕されたら弁護士に依頼を

淫行をしてしまった場合や淫行で逮捕された場合は、できる限り刑事事件が得意な弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

淫行のような刑事事件の場合は、初期段階からの迅速な弁護活動が重要になり、早くにサポートを受けられれば早期釈放や不起訴獲得などの有利な結果につながる可能性が高まります。

まずは「ベンナビ刑事事件」で法律事務所を探して、近くの刑事事件が得意な弁護士に相談・依頼してみましょう。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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