公然わいせつとは?逮捕の流れや刑罰、前科のタイミングなど詳しく解説

公然わいせつとは?逮捕の流れや刑罰、前科のタイミングなど詳しく解説

人目につく可能性がある場所でわいせつ行為を働いた場合、公然わいせつ罪で逮捕される可能性があります。

典型例は路上や公園などで「局部を露出する」「性行為をする」などですが、近年はネット上でわいせつ行為を生配信したことで逮捕される人も増えているようです。

つまり、現行犯逮捕だけでなく通常逮捕されるケースもあるのです。

本記事では、公然わいせつ罪に該当する行為をした可能性がある方に向けて、公然わいせつ罪の基礎知識、逮捕されるタイミング、公然わいせつ罪の事例、逮捕後の流れなどを解説します。

また、公然わいせつ罪で逮捕されてしまった場合に備えて、弁護士に相談・依頼するメリットについても紹介します。

【注目】公然わいせつ罪で逮捕されないかと不安な方へ
公然わいせつにあたる行為をしてしまい、逮捕されないかと不安を抱えてはいませんか?

結論からいうと、公然わいせつ罪が成立した場合は6カ月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金が科される可能性があります。事件を大ごとにしたくない場合は、早急に弁護士へ相談・依頼することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 自身の行為が公然わいせつに該当するかがわかる
  • 逮捕された場合や今後の対応についてアドバイスがもらえる
  • 依頼すれば、早期釈放や不起訴に向けて弁護活動をしてくれる
  • 依頼すれば、前科がつかないように最善の選択をしてくれる

当サイトでは、刑事事件解決を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

痴漢・わいせつについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越山梨新潟長野富山石川福井
東海愛知岐阜静岡三重
関西大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
被害者の方は法テラスへご相談ください

この記事を監修した弁護士
湯浅 大樹弁護士(湯浅大樹法律事務所)
慶応義塾大学法科大学院にて教壇に立ち、実務においては不起訴処分・執行猶予判決獲得・冤罪弁護・再審弁護・少年事件・裁判員裁判などの経験多数。

公然わいせつ罪とは?逮捕されるタイミングや刑罰の内容

公然わいせつ罪とは「公然の場で」「わいせつな行為」をおこなった場合に成立する犯罪行為です。

ここでは公然わいせつ罪の定義や意味、刑罰の内容、逮捕されるタイミングといった基礎知識を確認しましょう。

公然わいせつ罪とは

公然わいせつ罪とは、不特定多数の人が認識できる状況で、わいせつな行為をした場合に成立する犯罪行為のことです。

刑法第174条で規定されています。

警視庁の「令和2年の刑法犯に関する統計資料」によると、2020年の公然わいせつ罪の認知件数は2,463件、検挙件数は1,784件、検挙人員は1,379人となっています。

(公然わいせつ)

第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

引用元:刑法 | e-Gov法令検索

公然の定義

公然とは、不特定または多数の人が認識できる状態のことです。

主に道路、公園、駐車場、駅構内・電車内、ショッピングセンター、デパートといった場所が、公然の場に該当します。

なお、公然わいせつ罪の場合は「認識できる状況であること」が重要であるため、実際にそのわいせつ行為が他人に認識されたかどうかは問われません。

刑法第一七四条および第一七五条にいう公然とは、不特定または多数の人が認識することのできる状態をいう。

引用元:裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan

わいせつの定義

わいせつとは、いたずらに性欲を興奮・刺激し、普通の人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為です。

一般的に「性器を露出する」「性行為をする」といった行為が、公然わいせつ罪のわいせつ行為に該当します。

なお、露出の部位・程度や行為の場所などによっては、軽犯罪法の身体露出の罪が成立する場合があります。

刑法第一七五条にいわゆる「猥褻」とは、徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう。

引用元:裁判例結果詳細 | 裁判所 – Courts in Japan

二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

引用元:軽犯罪法 | e-Gov法令検索

刑罰

公然わいせつ罪の刑罰は以下のとおりです。

  • 6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金
  • 拘留もしくは科料

強制性交等罪や強制わいせつ罪、迷惑防止条例違反(痴漢行為)などに比べると、他人に直接触れているわけではないため罰則は軽めです。

しかし、悪質性や常習性が認められれば懲役刑が科される可能性があるでしょう。

逮捕されるタイミング

公然わいせつ罪で逮捕されるタイミングは、その場で取り押さえられる「現行犯逮捕」と、逮捕状を取得した捜査機関に後日逮捕される「通常逮捕」の2パターンがあります。

これらの逮捕の違いは以下のようになっています。

現行犯逮捕

現行犯逮捕とは、犯行中または犯行直後に取り押さえられる逮捕のことです。

現行犯逮捕では、犯人と犯罪行為の明白性が認められるため逮捕状が必要ありません。

また、捜査機関以外の民間人でも逮捕できるという特徴があります。

わいせつ行為の目撃者や、目撃者から被害を申告された第三者に逮捕されることもあります。

第二百十二条 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。

引用元:刑事訴訟法 | e-Gov法令検索

通常逮捕

通常逮捕とは、裁判官から発布する逮捕状を取得した捜査機関に逮捕されることです。

通常逮捕の要件は「犯罪をしたと疑うのに十分な理由があること」と「逃亡や証拠隠滅の恐れがあり逮捕する必要性があること」の2つとなっています。

逮捕のタイミングは捜査状況によりますが、単純な事件なら数日~数週間で逮捕に至ることもあるでしょう。

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。

引用元:刑事訴訟法 | e-Gov法令検索

公然わいせつで逮捕された事例4選

公然わいせつ罪で逮捕される事案には、屋外での性行為といった典型例からアダルトライブチャット上でのわいせつ行為の生配信までさまざまなケースがあります。

ここでは公然わいせつ罪に該当する具体的な事例を4つ紹介しましょう。

1.アダルトライブチャットでわいせつ行為を生配信した

近年、増加している公然わいせつ罪のひとつが、ネット上でのわいせつ行為の生配信です。

公然わいせつ罪の「公然と」にはネット上での公開も含まれると考えられています。

そのため、不特定多数の人が視聴できるアダルトライブチャットなどを利用して露出や性行為などを生配信すると、公然わいせつ罪で逮捕される可能性があります。

なお、配信内容が録画したわいせつ動画だった場合は、「わいせつ物頒布罪」に問われるでしょう。

2.公園で性行為をした

公然わいせつ罪の典型例のひとつが、公園での性行為です。

公園は誰でも立ち入りできる場所なので「公然と」が認められる可能性が高く、性行為は「わいせつ行為」に該当すると見なされるでしょう。

性行為をしている当事者たちが合意していれば良いわけではなく、たまたま公園に来ていた一般人を羞恥させる可能性がある時点で犯罪となります。

3.電車内で局部を露出した

電車内で局部を露出した場合も、公然わいせつ罪に該当する可能性が高いです。

電車は他人が自由に乗り降りできる公共交通機関であり、要件のひとつである「公然」を満たすと考えられます。

また、局部を露出する行為は「わいせつ行為」に該当するでしょう。

ただし、チャックの閉め忘れなど故意でない場合は公然わいせつ罪になりません。

4.大勢が参加するパーティーで性行為をした

不特定多数の人が集まるパーティー(乱交パーティー)に参加し、他人の目の前で性行為などのわいせつ行為をした場合も公然わいせつ罪になる可能性があります。

また、このようなパーティーの主催者は公然わいせつほう助の罪になります。

なお、過去には十数人から百人以上まで、規模はさまざまな規模のパーティーが摘発されています。

痴漢・わいせつについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越山梨新潟長野富山石川福井
東海愛知岐阜静岡三重
関西大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
被害者の方は法テラスへご相談ください

公然わいせつで警察に逮捕されたあとの流れ

公然わいせつ罪で逮捕された場合、警察に身柄を拘束されて取り調べを受けます。

自分のおこないが公然わいせつとして後から逮捕されるかもしれないと不安な方や、家族や知り合いが公然わいせつで逮捕され不安に感じている方もいるでしょう。

ここではそんな逮捕後の流れについて解説します。

1.警察・検察にて取り調べ(最長72時間)

公然わいせつ罪で逮捕されると、まず警察官による取り調べがおこなわれます。

この取り調べは最長48時間となっており、警察はこの期限内に被疑者や証拠などを検察に送致するかどうか決定します。

送致された場合、検察官は24時間以内に勾留請求するかどうか判断します。

このように勾留請求までの期限は最長で72時間となっています。

2.勾留(最長20日間)

検察官に勾留請求されて、裁判官が勾留を決定すると、被疑者は勾留日から最長10日間にわたって身柄を拘束されます。

また、やむを得ない事情から検察官が勾留延長請求をして裁判官が延長請求を認めた場合、さらに最長10日間(合計で最長20日間)にわたり身柄を拘束されます。

その後、検察官は被疑者の起訴・不起訴を決定します。

3.起訴・裁判(略式命令が多い)

不起訴処分になれば身柄は解放されますが、検察官に起訴された場合は被告人勾留といって身柄拘束される可能性があります。

一般的な通常裁判の場合は、起訴された日の約1か月後に1回目の公判が開かれます。

ただし、公然わいせつ罪の場合は書類のみで審査する略式裁判が多く、簡易裁判所から罰金刑などを言い渡されるのが一般的です。

略式裁判とはどんな裁判か?

略式裁判とは、通常裁判と異なり被告人が裁判に出席する必要はなく、検察官が提出した書類に基づいて審査される裁判のことです。

略式裁判の条件には「100万円以下の罰金または科料が相当であること」「被告人が略式裁判に同意していること」があります。

簡易裁判所から略式命令が発布されたあとに、被告人が罰金や科料を納付すれば事件は終了です。

前科はついてしまいますが、「迅速に事件を終了できる」といったメリットがあります。

公然わいせつ罪において前科がつくタイミング

公然わいせつ罪に限らず、刑事事件で前科がつくのは裁判(通常裁判・略式裁判)で有罪判決を受けたときです。

公然わいせつ罪の刑罰には懲役、罰金、拘留、科料の4つが設けられており、これらのいずれかを科された場合に前科がつきます。

なお、執行猶予付き判決になる可能性はありますが、執行猶予の有無にかかわらず前科はついてしまいます。

公然わいせつ罪による前科を回避したいなら、不起訴処分の獲得を目指すのが望ましいでしょう。

公然わいせつで逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット

公然わいせつ罪で逮捕されてしまったら、できる限り早く弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

1.早期釈放の可能性が高まる

公然わいせつで逮捕された場合、起訴・不起訴の決定までに最長で23日間にわたり捜査機関に拘束される可能性があります。

しかし、弁護士に依頼することで早期釈放が目指せます。

そもそも被疑者の身柄拘束が必要になる理由は、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるからです。

そこで弁護士は早期釈放をするため、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを意見書にまとめ、捜査機関や裁判所に対して被疑者を勾留しないように主張してくれます。

2.目撃者との示談交渉がスムーズにおこなえる

公然わいせつ罪のような特定の人物を傷つける犯罪であっても、目撃者(実質的な被害者)がいる場合はその方と示談交渉を進めることが可能です。

実質的な被害者との示談が成立すると、その方の「被害が回復している」「被害感情・処罰感情が和らいでいる」と見なされることもあり、不起訴処分の獲得や重い刑罰の回避などが期待できるといいます。

示談交渉ができる可能性があるのは弁護士だけなので、できる限り早く弁護士に相談・依頼しましょう。

3.前科がつかないように最善の対策をしてくれる

公然わいせつ罪でも、有罪判決になれば前科がついてしまいます。

前科がつくと会社を懲戒解雇されたり、就職で不利になったりする可能性があります。

前科を避けたいなら、弁護士に弁護活動を依頼するのが望ましいです。

公然わいせつ罪の場合は目撃者との示談だけでなく、被疑者を監督できる環境を整えたり、専門家によるカウンセリングを受けたりすることも重要とされています。

弁護士に依頼すれば、このような再犯防止に向けたサポートもしてくれるでしょう。

さいごに

公然わいせつ罪に該当する事例には、公園で性行為をしていた、電車内で局部を露出した、ネット上でわいせつ行為を生配信したなど、さまざまなケースがあります。

その場で見つかれば現行犯逮捕される場合もありますし、後から逮捕状を取得した捜査機関に通常逮捕される場合もあります。

逮捕されると起訴され、前科がついてしまうかもしれません。

公然わいせつをしてしまい逮捕されるか不安に感じている方は、刑事事件を得意としている「ベンナビ刑事事件」からお近くの弁護士を見つけ、なるべく早く弁護活動を依頼すると良いでしょう。

痴漢・わいせつについて弁護士に相談する

電話相談可・初回面談無料・完全成功報酬
の事務所も多数掲載!

北海道・東北北海道青森岩手宮城秋田山形福島
関東東京神奈川埼玉千葉茨城群馬栃木
北陸・甲信越山梨新潟長野富山石川福井
東海愛知岐阜静岡三重
関西大阪兵庫京都滋賀奈良和歌山
中国・四国鳥取島根岡山広島山口徳島香川愛媛高知
九州・沖縄福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄
被害者の方は法テラスへご相談ください
この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
弁護士の方はこちら