投稿者の特定・訴訟
IPアドレスから個人の特定はできるか?誹謗中傷をしてくる相手を特定する方法
2024.08.02
インスタグラム(インスタ)をはじめとするSNSのトラブルは増加傾向にあります。
SNSや掲示板などで匿名の投稿によるトラブルがあった際は、「プロバイダ責任制限法」に基づいて、投稿者の特定(発信者情報開示請求)をおこなうことも可能です。
写真・動画を中心としたSNSであるインスタで誹謗中傷にあった場合、発信者情報開示請求はどのようにおこなえばよいのでしょうか。
この記事では、
などについて解説します。
インスタ上の誹謗中傷で相手に慰謝料を請求したいけど、どうすればいいかわからず悩んでいませんか?
結論から言うと、インスタ上のユーザー情報は開示してもらうことができます。
しかし、手続きが複雑で自分一人でおこなうのは難易度が高いので、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。
当サイトでは、SNS上での誹謗中傷・権利侵害に関する問題の解決を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
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インスタで投稿者を特定する場合、大まかな開示請求の流れは以下のとおりです。
では、より詳しいインスタの開示請求の流れについてみていきましょう。
匿名の投稿者を特定するにあたっては、IPアドレスを調べなければなりません。
IPアドレスとは、ネットワーク上の機器を識別するために割り振られるネット上の住所のような番号です。
IPアドレスの開示請求には、「発信者情報開示請求書」をインスタを運営する会社側へ提出する必要があります。
しかし、会社側も個人情報を守る義務があるため、請求しても対応してもらえないことの方が多いでしょう。
そのため、基本的にインスタ側へ開示請求をおこなうときは、法的手続きをとるのが望ましいといえます。
法的手続きをとる場合は、弁護士への依頼がおすすめです。
IPアドレスの開示請求が認められた場合、投稿者が使用していたプロバイダに対して通知・削除禁止命令がおこないます。
プロバイダでは、利用者のログを保存しているため、ログを辿れば投稿内容や日時などを特定することが可能です。
ただし、削除禁止命令を出すには、IPアドレスの開示請求とは別の裁判手続きをとらなければなりません。
IPアドレスの開示請求が承認され、ログの保存に対応してもらったあとは、インスタ投稿者の住所氏名開示請求をおこなう必要があります。
住所氏名開示請求には、正式な裁判の申し立てが必要です。
インスタの投稿に違法性があるかどうか裁判所は慎重な審議を重ね、認められた場合に限り、住所および氏名の開示命令を出して、投稿者の特定に至るという流れになります。
2022年10月に施行された、改正プロバイダ責任制限法では、これまでの発信者情報開示請求とは異なり、一つの手続きで投稿者を特定することが可能になりました。
SNSでの発信者情報開示請求では、IPアドレスの保存期間などを考慮すると早めの手続き・特定が重要です。
非訟手続きでは一つの手続きで、投稿者を特定できるため、従来の2段階の手続きよりも早く相手を特定することが期待できます。
ただプロバイダ側が裁判所の開示命令に対して異議の訴えをした場合には、かえって開示のための手続きが長期化してしまう可能性があります。
従来の手続き方法もこれまで通り利用可能なので、どちらの手続き方法がよいか迷っている方は一度弁護士に相談するのがおすすめです。
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インスタで開示請求をおこなう際には、次の注意点を把握しておきましょう。
投稿者を特定するには、ある程度の期間を要するだけでなく、弁護士などに依頼した場合、費用倒れになってしまう可能性もあります。
IPアドレスだけでは投稿者を特定できません。
しかし、IPアドレスが分からなければ、特定に至る情報にもたどり着けません。
IPアドレスで分かる情報は以下のとおりです。
ログは一定期間の保存となっており、携帯回線であれば3ヵ月程度で削除されてしまうこともあります。
削除されてしまっては、特定の際に必要な情報が消えてしまうため、プロバイダ側へログの削除禁止命令は早めにおこないましょう。
IPアドレスの開示請求で判明した投稿者のログは、裁判を起こさなくても「投稿者の開示請求手続きをおこなうので、開示請求命令が出るまではログを削除しないで欲しい」と通知するだけで保存しておいてもらえるケースもあります。
しかし、通知を出す場合には、コメントの違法性を示す証拠を用意する必要があります。
通知の作成にも法的な知識が必要となるため、弁護士に依頼するほうがよいでしょう。
投稿者の情報を開示請求する場合は、専門的な手続きが必要なため、一般人が一人でおこなうのは難しいのが現状です。
そのため、弁護士に依頼しておこなう場合が多く、弁護士費用として数十万円の費用がかかることになります。
仮に、誹謗中傷をした投稿者の特定に成功し、損害賠償を獲得できたとしても弁護士費用にあてられてしまうケースも想定されます。
そして、最も注意しなければならないのは、発信者情報開示請求をおこなったものの、投稿者の特定に失敗してしまった場合です。
その場合は、弁護士費用が赤字になってしまい、結果的に費用倒れとなる可能性もあります。
インスタでの開示請求を成功させるポイントは、「違法性があるかどうか」です。
たとえば、誹謗中傷によって権利侵害を受けている場合であれば、開示請求は認められるでしょう。
開示請求が認められやすい権利侵害には、主に「名誉棄損・侮辱・肖像権侵害・プライバシーの侵害」があります。
誹謗中傷の投稿は、主に名誉棄損・侮辱に該当し、その違いは以下のとおりです。
被害が明らかなものと判断された場合は、法的手続きがなくても開示に応じてもらえる可能性があります。
インスタで権利を侵害する投稿としては、主に肖像権侵害・プライバシー侵害が挙げられます。
これらの権利侵害は、被害者が撮影の許可や投稿の許可がおこなわれていない場合に申し立てられるものです。
加害者の認識にもよりますが、明らかに悪意のある投稿だった場合は、開示を認めてもらえるケースもあるでしょう。
なりすましによるいやがらせは、明らかな悪意がある場合には、権利侵害に該当します。
また、なりすましアカウントを作って、なりすました人物の評判・評価が下がるような投稿をおこなっている場合は、名誉毀損にあたるため、開示請求が認められやすいといえるでしょう。
評価を下げるような投稿をおこなっていなかったとしても、上司や本人を侮辱する投稿がおこなわれていた場合は、侮辱罪に該当します。
なりすまされた本人のプライバシーを公開した場合は、プライバシー権の侵害にも当てはまります。
開示請求により投稿者の特定に成功したあとは、次のような対応をとることになります。
ここでは、それぞれの手続きと必要な対応について解説します。
インスタの開示請求に成功すれば、開示請求の手続きでかかった費用や名誉や権利侵害に対する慰謝料などの請求も可能です。
損害賠償・慰謝料請求は、すぐに訴訟提起しても問題はありません。
また、示談交渉をおこない、応じてもらえなければ民事告訴をする、といった動きも可能です。
誹謗中傷がひどく、犯罪行為に該当する場合は刑事事件として立件することも可能です。
刑事事件として立件した場合、検察が起訴し、有罪判決となれば、加害者は刑事罰を科されることになります。
ただし、刑事告訴に関しては証拠集めなどの準備も必要であるため、事前に弁護士へ相談しておきましょう。
開示請求を弁護士に依頼した場合、着手金として約30万円、成果報酬金として約30万円が目安となっています。
インスタの開示請求の場合、手続き先は、運営元のMeta社の日本法人です。
インスタの開示請求には約60万円が目安といえるでしょう。
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インスタでの開示請求をおこなうにあたってよくある疑問について解説します。
ストーリーズであっても開示請求は可能です。
ただし、ストーリーズの場合は24時間で消えてしまうため、証拠保全は困難だといえます。
その場合は、スクリーンショットなどで保存しておけば、ストーリーズでも開示請求ができる可能性が高いといえるでしょう。
ネットカフェで誹謗中傷を投稿された場合でも投稿者の特定が可能です。
公衆WiFiなどの不特定多数の者が使用するIPアドレスの場合は、個人の特定が困難な場合もありますが、近年のネットカフェでは、利用時に身分証明書の提示を求めることが多くなっています。
そのため、ネットカフェからの投稿であっても利用履歴を辿れば、投稿者の特定も可能といえます。
警察に投稿者の特定の依頼はできません。
しかし、ネットでの誹謗中傷を「刑事事件」として立件した場合、警察側で投稿者の特定をおこなってもらえます。
インスタの開示請求をおこなう場合は、運営会社やプロバイダに対して法的手続きを踏む必要があります。
専門的な知識だけでなく、法的手続きも必要となるため、弁護士への依頼をおすすめします。
インスタでの投稿は半永久的に残る場合もあるので、拡散されてしまう前に、弁護士に相談してみましょう。
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