ネット誹謗中傷
SNSなどネット上で名誉毀損を受けたらどうする?悪意ある投稿への対処法
2024.08.28
誹謗中傷をされ被害届を出したい場合は、警察署や交番で書類をもらい、その場で書いてその場で提出します。
しかし「事件性が低い」と警察に判断されれば、被害届が受理されたとしてもまともに掛け合ってくれないことがあります。
それでは、どのような内容の誹謗中傷であれば警察が事件として取り扱い、誹謗中傷をおこなった発信者の逮捕に向けて動いてくれるのでしょうか。
この記事では、被害届の書き方・誹謗中傷を受けた場合に被害届を出したほうが良い例について解説します。
ネットの悪質な誹謗中傷に苦しんでいる方は、トラブルを解決する手段を知るためにも最後までご覧ください。
誹謗中傷は被害届を出しても、事件性がなければ警察は捜査してくれないケースも多いのが実情です。
誹謗中傷をやめてほしい、相手を訴えたいと悩んでいるなら弁護士への無料相談をおすすめします。
弁護士なら相手の特定はもちろん、慰謝料や損害賠償の請求まで対応してもらえるので、心強いでしょう。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットが得られます。
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最寄りの警察署や交番に行き被害届を書きたい旨を伝えれば、記入用紙を渡してもらえます。
スムーズに被害届を提出できるようにここでは記入内容や記入例について解説します。
【参考】被害届を出したい|警視庁
被害届の書式は特に決まっていませんが、書く内容を大きく分けると個人情報と被害の詳細の2種類です。
もしもインターネット上で誹謗中傷をされたのであれば、証拠として書き込み内容をスクリーンショットで保存したり、書き込み内容やURLをメモしたりしておくと良いでしょう。
実際に被害届を記入するとこのようなイメージです。
※以下は「万引き」を想定した被害届となり、誹謗中傷に関する被害届の書式は異なります。
あくまでも被害届の記入イメージとしてご覧ください。
記入が終わればそのまま警察に提出します。
しかし、冒頭でも触れた通り、被害届を提出すれば警察が必ず動いてくれるとは限りません。
なぜならSNSなど個人間のトラブルに対して警察は原則、民事不介入(警察が民間同士の争いに介入すべきではないとする原則)だからです。
また、警察は、人命がかかっているなどの緊急を要する事件をなるべく優先的に解決しなければならないという点からも、やはりスピーディーな解決は見込めないでしょう。
次項では、被害届を受理した後に警察が動いてくれるケースについてくわしく解説します。
上でお伝えしたように、殺人や傷害など、刑事事件(※)の可能性が低い場合は、警察も誹謗中傷の犯人探しに動けないことがあります。
個人が個人へ悪口を発信する誹謗中傷は、個人間の問題のため民事事件の側面が強く、警察が介入可能な誹謗中傷のトラブルは限定的なケースです。
実害が出るリスクが低い誹謗中傷は警察も刑事事件として取り扱いにくく、動いてくれない可能性が高まります。
【関連記事】
X(旧Twitter)の誹謗中傷を警察へ相談をした方がよい状況とは
SNSの嫌がらせを警察に相談するべき状況と警察が解決できる被害
「無事でいられると思うな」「夜道に気をつけろ」「殺してやる」などの書き込みは脅迫に該当する可能性があります。
中でも殺害予告として解釈できる書き込みは、実際に殺人事件が発生してしまうことを防ぐためにも、積極的に犯人探しに動いてくれる可能性があります。
【関連記事】ネットの脅迫で警察が動く状況とは|脅迫罪の成立要件と対処法
個人間で起きた単なる口喧嘩と見て取れる場合や、脅迫まがいな言動が見られない場合、いくら誹謗中傷だと訴えても警察が介入して積極的に解決する可能性は低いです。
たとえば、以下のようなケースが該当します。
人と人とのトラブルは言ってしまえばよくあることで、このトラブル全てに警察が介入していたら、一刻も早く解決すべき事件が解決できなくなってしまうリスクがあることは想像に容易いでしょう。
ただし、インターネット上を含む公然の場でしつこく何度も言われることで何らかの実害が及んでいる場合は、実害の度合いによっては警察が動いてくれることもあります。
例えば、事実ではない書き込みをされたことでお店の売上が落ちた場合、営業妨害として扱われることがあるかもしれません。
また、悪質な書き込みによって被害者が追い詰められ、精神面に実害が出た場合なども同様です。
【参考】「流産しろ」川崎希さん、ネット中傷に「発信者情報開示請求」 追い詰められる投稿主|ニコニコニュース
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ベンナビIT(旧:IT弁護士ナビ)編集部が、実際に弁護士からヒアリングした誹謗中傷の解決事例を3つ紹介します。
相談者は前職でナイトワークをしていた女性です。
「インターネット掲示板に書かれた当時の誹謗中傷を消したい」と弁護士に依頼しました。
誹謗中傷は伏せ字がありましたが、彼女の仕事内容がわかるものでした。
弁護士が対応した結果、掲示板から削除でき検索してもヒットしなくなりました。
伏せ字や被害者の名前がニックネームで書かれていても、被害者が特定される可能性があればこの事例のように削除できる可能性が高いです。
相談者は会社経営者の方です。
とある個人ブログ上で自分の会社が詐欺行為をしていると書き込まれていたため、削除を弁護士に依頼しました。
依頼を受けた弁護士は、個人ブログを管理する会社に対して速やかに削除するよう申請したところ、管理会社によって2週間で削除に至りました。
とある会社の口コミとして、会社の業務とは異なる内容や、従業員に対する誹謗中傷が書き込まれていました。
相談者は業務に影響が及ぶ前に削除するため弁護士に依頼をしました。
弁護士が対応した結果、口コミを削除できました。
口コミやレビューは批判が書かれるときもありますが、何を書いても許されるわけではありません。
従業員、企業に対しても名誉毀損が成立します。
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誹謗中傷のトラブルを弁護士に依頼するメリット・デメリットは以下のとおりです。
弁護士に依頼をした場合は、以下のようなメリットがあります。
弁護士は依頼をすれば誹謗中傷の内容を問わず、被害者のために動いてくれます。
【関連記事】ネット誹謗中傷の慰謝料請求! 一般人で100万円以上獲得できた事例
一方で、弁護士に依頼をした場合には費用がかかる点がデメリットでしょう。(相談のみであれば無料の弁護士事務所もあります。)
警察が解決できないトラブルでも弁護士なら解決できるかもしれない点や、相手が匿名の発信者であってもプロパイダ(※)に発信者開示請求(※)を行える点などを依頼料金と天秤にかけて、実際に依頼するかどうかを検討するのが良いでしょう。
誹謗中傷をおこなった相手が特定できれば、謝罪をしてもらえたり、今後二度と書き込みを行わない旨を約束させたり、損害賠償請求も可能になることがあります。
心身の負担をこれ以上増やさずに解決できることを考慮すると、弁護士に依頼するのも一つの手段でしょう。
なお、2022年10月27日までに改正プロバイダ責任制限法が施行されます。
改正プロバイダ責任制限法では、従来2段階の裁判手続が必要だった発信者情報開示請求を、1回の非訟手続によって行うことができるようになります。
これにより、被害者側の負担が軽減すると考えられるでしょう。
また、ログイン時情報の発信者情報開示請求は、一定の条件はあるものの、明文で認められるようになります。
警察と弁護士以外にも、悪質な誹謗中傷の投稿について相談できる以下のような機関があります。
「一般社団法人セーファ―インターネット協会」は、インターネット環境を守るために、ネットの悪用に対する対策を立案・実行している協会です。
ヤフーやメルカリなどの企業有志によって運営されており、無料で相談できます。
サイト内には誹謗中傷ホットラインとセーフラインがあります。
メールで誹謗中傷のトラブルを相談したり、自分が目撃した違法な有害情報を通報したりできます。
誹謗中傷の被害をどこに相談したら良いかわからない方は、「インターネットによる人権侵害をなくしましょう|法務省」のページをご覧ください。
こちらはSNSを含むインターネット上の誹謗中傷による人権侵害に関する啓発コンテンツで解決策を知りたい方や、悩みを聞いてもらいたい方、様々な方に向けて適切な相談窓口を紹介しています。
「法テラス」は、国が設立した法的トラブルの総合案内所です。
弁護士費用の立て替えをしてもらえたり無料相談を3回受けられたりするので、「弁護士に依頼したいけど費用をすぐに用意できない」といった方におすすめです。
設立は2006年とまだ浅いですが、全国に支店があるのでどちらにお住まいの方でも比較的利用しやすいでしょう。
誹謗中傷の被害届は最寄りの警察署や交番で記入・提出ができます。
被害届に記入するのはあなたの個人情報、相手の個人情報や被害状況などです。
しかし、被害届を提出したからといって、あなたが受けている誹謗中傷が命の危険があるほど悪質と判断されない限りは、すぐに警察が対応してくれるわけではないということを頭に入れておきましょう。
警察が対応できなくても、弁護士であれば対応できるケースがあります。
誹謗中傷を書き込んだ犯人を特定したい、誹謗中傷の書き込みを削除したい、犯人の誹謗中傷によって発生した損害金を請求したいといった場合は、まずは弁護士への相談をおすすめします。
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