誹謗中傷に強い弁護士を探す方法|弁護士に依頼するメリットや費用を解説

誹謗中傷に強い弁護士を探す方法|弁護士に依頼するメリットや費用を解説

誹謗中傷の問題は、経験のある弁護士に任せると安心です。

投稿や書き込みの削除依頼だけでなく、相手方を特定しての法的手続きまで対応してもらえます。

この記事では、弁護士を探す方法を3つ紹介したうえで、誹謗中傷問題で弁護士ができること、費用相場や弁護士に依頼するメリット、相談の際の注意点などを解説します。

弁護士を探してから、相談の際の注意点にまで触れていますのでぜひご覧ください。

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弁護士事務所のホームページを検索するだけでは、十分に比較検討ができない可能性があります。

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この記事を監修した弁護士
立花 志功弁護士(立花志功法律事務所)
立花志功法律事務所は、北海道札幌市の法律事務所。トラブルに巻き込まれた方々を全力で助けるため、活動している。

誹謗中傷に強い弁護士の見分け方

誹謗中傷は被害者の名誉を傷つけることになり、社会的な信用も低下させるため、放置できない重要な問題です。

相手を特定して損害賠償請求したいときや、訴訟や刑事告訴を検討しているときは、弁護士に依頼して早めに問題を解決しましょう。

各弁護士には専門分野があるので、誹謗中傷やネットトラブルに詳しい弁護士は以下の見分け方を参考にしてください。

誹謗中傷に関する解決実績が豊富かどうか・または書籍を監修しているかどうか

名誉を傷付けられたりデマを流されたりして困ったときは、誹謗中傷の解決実績が豊富な弁護士を探すようにしてください。

誹謗中傷はTwitterなどのSNSや掲示板に投稿されるケースが多いので、ネットトラブルに詳しい弁護士かどうかも見極めておく必要があります。

法律事務所のホームページを閲覧し、投稿の削除請求や加害者の特定、訴訟による勝訴判決や慰謝料獲得の実績を確認しておくとよいでしょう。

また、専門書を監修している弁護士には高度な専門知識があるため、誹謗中傷の確実な解決を期待できます。

「誹謗中傷+書籍」などのキーワードでネット検索し、書籍監修に携わっている弁護士を探してみましょう。

柔軟な解決策を提案してくれるかどうか

誹謗中傷に悩んでいるときは、柔軟な解決策を提案してくれる弁護士に相談してください。

ネット上のトラブルには以下のような解決策があるので、「どこまでやって解決とするか」を考えておく必要があります。

  • 誹謗中傷の投稿削除
  • 開示請求による加害者の特定
  • 加害者への損害賠償請求
  • 民事訴訟による加害者への損害賠償請求
  • 被害届の提出
  • 刑事告訴

弁護士には上記すべての依頼もできますが、「書き込みを削除して慰謝料さえ払ってもらったらよい」という場合、被害届の提出や刑事告訴は必要ありません。

また、友人や知人が加害者だったときは、和解による関係修復を優先しなければならないケースもあるでしょう。

誹謗中傷にはさまざまな解決パターンがあるので、柔軟に対応してくれる弁護士を見つける必要があります。

誹謗中傷に強い弁護士を探す方法

誹謗中傷の問題を解決したいときは、以下の方法で弁護士を探してください。

ネットを使って自分で探す、または紹介してもらうなど、自分に合った方法で頼れる弁護士を見つけましょう。

法律事務所のホームページを検索する

法律事務所のホームページには専門分野が掲載されているので、誹謗中傷やネットトラブルに詳しい弁護士かどうか判断できます。

優秀な弁護士でも未経験の分野には詳しくないケースがあるため、何を専門に扱っているのか必ず確認しておきましょう。

ただし、法律事務所によっては対応可能な業務がいくつも掲載されており、何が専門分野なのかわからないケースもあるので、解決実績は必ず確認してください。

ベンナビITを利用する

誹謗中傷に詳しい弁護士をすぐに探したいときは、ベンナビITを利用してみましょう。

ベンナビITにはネットトラブルの解決が得意な弁護士のみ登録されており、地域や専門分野で弁護士検索すると以下の情報もわかります。

  • 営業時間と定休日
  • 土日や祝日、夜間の対応
  • 相談方法:直接面談、オンライン面談、メール・LINE相談
  • 削除対応が得意なサイト
  • 誹謗中傷などの解決事例
  • 在籍弁護士に人数や経験年数
  • 弁護士費用

誹謗中傷などのネットトラブルは拡散スピードが早く、対処が遅くなると被害も大きくなりやすいため、すぐに相談できる弁護士を探しておかなければなりません。

ベンナビITには来所不要や夜間対応の弁護士も多数登録されているので、問題解決を急ぎたいときは活用してみましょう。

ネット誹謗中傷について弁護士に相談する

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法テラスを利用する

法テラスは法務省管轄の法律相談窓口になっており、各都道府県に1ヵ所以上の地方事務所を設置しています。

地方事務所にはスタッフ弁護士が在籍しているので、誹謗中傷に困っている方は直接面談や電話、メールで法律相談してみましょう。

また、法テラスでは民事法律扶助制度を利用できるため、法律相談料が3回まで無料となり、弁護士費用の立替払いにも応じてもらえます。

ただし、民事法律扶助制度を利用するときは、以下のように収入や資産要件などを満たさなければなりません。

  • 月収が一定額以下:単身者の場合は18万2,000円以下(ただし、政令指定都市などでは、若干増額したものが基準になります。)
  • 保有資産が一定額以下:単身者の場合は180万円以下
  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと:示談や調停成立などの見込みがあること
  • 民事法律扶助の趣旨に適すること:単なる報復目的は不可

法テラスは弁護士を指定できないため、誹謗中傷やネットトラブルを扱ったことがない弁護士が担当する可能性もあります。

また、法テラスは刑事事件を受け付けていないので、刑事告訴などに関する相談はできないので注意しましょう。

弁護士会を利用する

法律事務所が近くにない方は、日本弁護士連合会の法律相談センターを利用してみましょう。

法律相談センターは全国に設置されており、各都道府県の弁護士会によって運営されています。

商業施設やオフィスビル内に設置された法律相談センター、または弁護士会館が相談場所になるので、公共交通機関のアクセスがよく、仕事の合間でも利用できます。

法律相談料は基本的に有料ですが、地域によっては無料相談に対応しており、日時を指定して弁護士に相談したい方は以下の予約システムも使えます。

ただし、法テラスと同様に弁護士を指定できないため、「誹謗中傷に詳しい弁護士と話したい」といったリクエストには応じてもらえません。

ネットトラブルを受け付けていない窓口もあるので、相談可能な内容を事前に確認しておく必要があるでしょう。

【参考】全国の弁護士会の法律相談センター

誹謗中傷問題を弁護士に依頼する場合の費用相場

民事で誹謗中傷を解決する場合、以下の方法を選択することになります。

  • 誹謗中傷の投稿削除
  • 加害者の身元特定
  • 加害者への損害賠償請求

弁護士に依頼すると以下のような費用がかかるので、予算を組むときの参考にしてください。

法律相談

弁護士の法律相談料は一般的に30分5,500円、1時間で1万1,000円程度です。

初回の相談料を無料にしている弁護士も多いので、誹謗中傷に困っている方は相談だけでもしてみましょう。

着手金

着手金は問題解決の成否に関係なく発生する費用です。

弁護士のファイトマネーといった性質の費用ですが、誹謗中傷を解決するときは以下のような金額になるケースが一般的です。

【投稿の削除依頼】

  • 誹謗中傷の投稿削除:5~10万円
  • 投稿削除の仮処分命令申し立て:20万円程度

【加害者の身元特定】

  • IPアドレス開示請求:20万円程度
  • 開示請求命令の申し立て:20~30万円程度

【損害賠償請求】

  • 加害者への直接請求:10万円程度
  • 民事訴訟による請求:20万円程度

誹謗中傷の投稿削除は自分でも対応できますが、SNSや掲示板サイトが応じなかったときは弁護士に依頼する、または裁判所に仮処分命令を申し立ててください。

裁判所の手続きも弁護士にサポートしてもらうことをおすすめします。

また、着手金無料の弁護士は報酬金が若干高めになっているので、費用体系の内訳はよく確認しておきましょう。

報酬金

報酬金は誹謗中傷を解決できたときに発生します。

金額の設定方法は弁護士によって異なりますが、概ね以下のような報酬金になるでしょう。

【投稿の削除依頼】

  • 誹謗中傷の投稿削除:5~10万円程度
  • 投稿削除の仮処分命令申し立て:15万円程度

【加害者の身元特定】

  • IPアドレス開示請求:15万円程度
  • 開示請求命令の申し立て:15~20万円程度

【損害賠償請求】

  • 加害者への直接請求:賠償金の16%程度
  • 民事訴訟による請求:賠償金の16%程度

報酬金は問題解決の成功報酬になるので、「何をもって成功とするか」を弁護士とよく話し合い、行き違いが起きないようにしてください。

その他

弁護士に誹謗中傷の解決を依頼すると、以下のように実費や日当も発生します。

【実費】

  • 通信費:加害者に内容証明郵便などを送付した際の費用
  • 交通費:加害者が遠方の場合は新幹線代なども発生
  • 事務手数料:申立書や訴状などの書類作成費

【日当】
日当は弁護士が事務所以外で活動する際に発生します。

1時間1万円のタイムチャージ制にしている弁護士が多いので、以下の金額が目安になるでしょう。

  • 半日分の日当:3万~5万円程度
  • 1日分の日当:5万~10万円程度

仮処分命令で投稿削除や開示請求する場合、裁判所近くの法律事務所に依頼すると交通費や日当を節約できます。

なお、損害賠償は内容証明郵便でも請求できますが、法的な強制力はないので、加害者が無視したときは直接交渉が必要になります。

加害者の住所が遠方だったときは、交通費や日当が割高になってしまうでしょう。

誹謗中傷問題を弁護士に依頼するメリット

誹謗中傷の解決には時間と労力がかかり、専門知識も必要です。

自己対応には限界もありますが、弁護士に依頼すると以下のメリットがあるので、誹謗中傷の悩みから早く解放されます。

投稿、書き込みの削除により拡散を防止できる

誹謗中傷問題に強い弁護士は投稿削除の対応スピードが早く、削除の成功率も高いため、誹謗中傷の拡散を防止できます。

自分で削除依頼してもSNSや掲示板サイトが応じてくれなかった場合、何度繰り返しても同じ結果になりやすいので、弁護士に依頼したほうが確実でしょう。

弁護士が対応すると規約違反などの内容が伝わりやすく、サイト管理者が削除に応じてくれる可能性が高くなります。

誹謗中傷の相手方を特定できる

弁護士が対応すると開示請求の成功率が高いので、誹謗中傷の相手方を特定できます。

相手方の個人情報は接続プロバイダにありますが、個人からの開示請求に応じる例が少ないため、住所氏名を特定したいときは弁護士への依頼をおすすめします。

プロバイダも弁護士や警察からの開示請求には応じるケースが多いので、損害賠償請求も可能になるでしょう。

適切な法的手段をとることができる

法的措置によって誹謗中傷を解決する場合、以下のような手段が考えられます。

  • 投稿削除や開示請求の仮処分命令
  • 開示請求訴訟
  • 民事訴訟による損害賠償請求
  • 刑事告訴

投稿削除や開示請求への対応スタンスはSNSや掲示板によって異なるので、仮処分命令の申し立てよりも訴訟を選択したほうがよいケースもあります。

また、加害者に必要以上の処罰を与えると自分に罪悪感が残ってしまうため、告訴に踏み切るときは感情面の整理も必要です。

選択を誤ると誹謗中傷はいつまで経っても解決しないので、適切な法的手段を弁護士に判断してもらいましょう。

全ての対応を任せられる

弁護士には誹謗中傷の解決をすべて任せられるので、裁判所に出向いたり加害者と示談交渉したりする必要がありません

仕事や家事が忙しい、または裁判所や加害者の住所が離れているなど、不利な状況ほど弁護士に依頼するメリットが大きくなります。

誹謗中傷問題で弁護士に相談する際の注意点

誹謗中傷の解決にはある程度のコストがかかるので、不要な出費が発生しないように節約も考えておくべきです。

弁護士に依頼するときは、以下の注意点も参考にしてください。

短い時間で相談できるように資料をまとめておく

資料をまとめて弁護士に相談すると短時間で要点が伝わります。

以下の資料を揃えておくと、委任契約までの流れがスムーズになるでしょう。

  • 誹謗中傷の画面印刷やスクリーンショット(URLや投稿日がわかるように保存)
  • 誹謗中傷に気付いた日
  • 誹謗中傷される理由(心当たりがある場合)
  • 自分で削除依頼や開示請求した場合は日付とその結果
  • 削除依頼や開示請求の内容がわかる資料(削除理由の文面など)
  • 具体的な被害内容

準備不足の場合は無料相談の時間がすぐに経過するので、証拠となる資料は必ず揃えてください。

依頼した場合の費用を確認しておく

弁護士費用は自由設定になっているため、法律事務所ごとに費用体系がまちまちです。

割高な着手金でも一定額までの日当が含まれており、結果的に低コストで問題解決できるケースもあるので、具体的な内訳も確認してください。

複数の弁護士に相談してみる

誹謗中傷の解決にはある程度の期間が必要となり、弁護士との付き合いも長くなるので、相性が合うかどうかも重要です。

依頼者の意向を無視して勝手に解決方針を決めるなど、相性の悪い弁護士だったときはほかの法律事務所に相談してください。

まとめ|誹謗中傷問題は弁護士に相談を

誹謗中傷を根本的に解決する場合、加害者の特定がスタートラインになります。

投稿の削除だけでは加害者と被害者の「いたちごっこ」になってしまうため、必ず相手を特定して損害賠償請求してください。

自分で対応できないことは弁護士がサポートしてくれるので、誹謗中傷の被害に遭っても泣き寝入りせず、ベンナビITなど活用して頼れる弁護士を探しましょう。

弁護士の協力でスピーディかつ確実に問題解決できれば、誹謗中傷の悩みから早く解放されます。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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